小径車・後輪回生タイプ
■スペック・価格早見表
メーカー |
車種名 |
定価 |
実売(最安値) |
電池容量 |
電池種類 |
航続距離(メーカー公称値) |
アルペン |
イグニオ |
5万9900円 |
約6万円~ |
3.9Ah |
ニッケル水素 |
※推定:強15km、標準21km |
東部 |
エアロアシスタント angee+N |
9万6600円 |
約8万円~ |
3.6Ah |
ニッケル水素 |
※推定:強13km、標準17km |
東部 |
エアロアシスタント 207 +N |
10万9200円 |
約9万9千円~ |
3.6Ah |
ニッケル水素 |
※推定:強13km、標準17km |
東部 |
エアロアシスタント angee+L |
11万5500円 |
約11万円~ |
5.0Ah |
リチウム電池 |
※推定:強21km、標準25km |
東部 |
エアロアシスタント 207 +L |
12万8100円 |
約11万5千円~ |
5.0Ah |
リチウム電池 |
※推定:強21km、標準25km |
※実売価格は通販最安値価格より。
特殊な回生システムの為
普通の電動アシスト自転車とは使い勝手が異なる
※後輪回生のメリット・デメリットについては、「
後輪回生充電」の項目を参照。
◆イグニオ(アルペン)3.9Ah
型 番 |
IG-4B0019BC |
価 格 |
5万9900円(実売約6万円~) |
電池容量 |
3.6Ah(24V)ニッケル水素 |
航続距離 |
※新表示基準未対応 推定:強15km、標準21km程(?) |
重 量 |
20.4kg |
GD値 |
3速時GD値:4.4m、60rpm時:16.0km/h 24km/h到達時:ペダル毎分90.2回転 |
スプロケ |
41×14-28T(外装6段:シマノ MF-TZ20) リアディレーラー:シマノ Tourney RD-TY18 |
サイズ |
全長149.6cm、全幅55.5cm、高さ96.2cm |
サドル高 |
76~92cm |
適応身長 |
150cm~ |
■主要装備
特殊 |
後輪モーター回生充電ユニット(平地惰性走行時も自動充電) |
電装 |
前照灯なし(夜間走行には別途購入が必要) |
車体 |
鉄フレーム(ジャパーナ製) |
車輪 |
HE規格20×1.75インチ(幅47mm)タイヤ、アルミ製リム |
制動 |
前後輪:Vブレーキ(TEKTRO) |
積載 |
片足スタンド、鍵無し(別途購入が必要) |
■特徴
▼特徴
電動アシスト自転車の中でも最廉価の
59800円と言う
超低価格が売り。
この
低価格に釣られて
初心者が購入を検討する率も高いが、実は
注意が必要。
何も知らない人からすると、「超低価格=最も装備が簡略なスタンダードタイプ」をイメージしがちだが、
このイグニオは「
後輪モーター回生充電方式」で更に「
平地惰性走行でも
自動充電」と言う、
電動アシスト自転車の中でも屈指の
超マニアックな仕様で、かなり特殊な条件の人向け。
この為、良く知らずに価格だけを見て購入すると「そういう特殊な奴だとは知らないで買ってしまった…」となりやすい。
まずこの機種は、
通常の電動アシスト車とは
かなり異なる特殊なシステムを採用している事を把握し、
購入前に必ず「
後輪回生充電」について理解し、自分の環境がそれと相性が良いか良く検討して選ぶ事。
▼相性の【良い】環境
イグニオの後輪モーター式回生充電機能は、
急な下り坂の多い山岳地域に済む人には
絶大な効果がある。
最大の特徴は、
時速24km/h以上でも回生充電ができる事。
大手メーカーのエネループバイクやパナソニックのRXシリーズは、時速24km/h以上になると回生充電が
働かない。
実際の走行では、ブレーキを軽く掛けてゆっくり坂を降ったつもりでも、いつの間にか24km/hを越えてしまう事が多く、
エネループバイクやRXシリーズの回生充電機能は、下り坂では意外と活用の条件が限られている。
しかし、イグニオの後輪回生システムは、非常に急な下り坂でも回生充電を発動できる。
回生充電中はモーター発電により強烈なブレーキが掛かるので、特に「充電モード」に切り替えて急坂を下れば、
殆どブレーキレバーを握らずに回生ブレーキだけで下る事ができる。
急な下りならば回生発電量も多いので、溜めた電力を今度は登り坂でのアシストに回せる。
この様に、「急な下り」と「急な登り」の両極端しかなくて、「平地」が殆ど無い地域なら、最高に相性が良い。
▼相性の【悪い】環境
一方、
平地が多い地域で、ある程度のスピードを求める人には非常に
相性が悪い。
まず、後輪回生システムの中でも「
平地惰性走行時も自動充電」という方式を採用している点。
つまりイグニオは、平地で速度を落とさずに維持するには「
ずっと漕いでないといけない」仕組み。
実際の走行では、平地でも漕ぐのをやめて
惰性走行で稼ぐ距離が意外と多いので、
この惰性走行を封じられて、ハムスターの回し車の様に延々と漕がないと速度を維持できないのでは、
「疲れず楽に漕げると思って電動アシスト車を買ったのに、かえって疲れる自転車だった」と言う奇妙な事態になる。
更に、惰性走行だけでなく、漕いだ場合も、速度を30km/hを越えた辺りから自動充電が開始される。
余剰出力は極力発電に回すので、時速20km/h以上を殆ど出せない構造。15km/h前後での走行を想定されている。
自動充電を設定で切る手段は無いので、自動充電を止めるには「電源を切る」しかない。
しかし実際の路面は細かく登りと下りが繰り返されるので、平地で電源を切ると頻繁に電源を入れ直すか、
面倒な操作を諦めて電源を切ったまま進むという、ジレンマの起こる形になり、使い勝手が落ちる。
この様に、坂だらけの地域では重宝した後輪回生も、平地だと相性がかなり悪くなる。
▼GD値とアシスト力
また、電動アシスト自転車の全車種の中で
GD値が最も低い。
後輪はコスト最優先の変速機だがギア比が低く、フロントチェーンリングも小さいので、漕いでも進む距離が少ない。
そして後輪ハブモーターユニットは、後輪車軸に直接加わったトルクに応じたアシストを出すので、
1速の時に最もアシスト量が多く、
6速等の重いギアを選ぶと
アシスト量が目減りしてしまう仕組み。
(重いギアほど回転量は増すがトルクは落ちる為)
この為、スピードを上げようとギアをアップさせると、アシスト量がギア比に比例して落ち込む。
実質的には時速10km/hを越えた辺りからアシストが激減し始め、15km/h前後では体感アシストは殆ど無くなる。
前述の自動充電システムを併せ、平地でスピードを出すには全く向いていない。これが人を選ぶ所以となっている。
▼用途の適否
この様に、相性の良い環境の人に取っては絶大な恩恵をもたらしてくれるが、相性が悪いと非常に使い勝手が落ちる。
その特殊な回生システムは、『ストライクゾーンは狭いが、需要がビッタリ合う人にはリターンが大きい』タイプ。
例えば平地に住んでいるのに、予備知識無しで価格の安さに釣られて購入すると、相性が悪くて後悔する場合もある。
▼ライトと鍵の購入
ライトや鍵等の装備品を省略して極限までコストを切り詰めているので、購入時にライトやロック錠等、
ある程度の装備品を自分で買い揃える必要がある(夜間走行時はライト装備義務があるので要購入)。
ライト、鍵、カゴ、その他の細かい装備を揃えていくと、意外と購入費がかさむので注意。
◆エアロアシスタント angee +N《3.6Ah》&+L《5.0Ah》(東部)
型 番 |
TB-206W-L(アンジー+L) |
TB-206W-N(アンジー+N) |
価 格 |
11万5500円(実売約11万円~) |
9万6600円(実売約8万円~) |
電池容量 |
5.0Ahリチウム電池 |
3.6Ahニッケル水素 |
航続距離 |
※新表示基準未対応 推定:パワー21km 標準25km程(?) |
※新表示基準未対応 推定:パワー13km 標準17km程(?) |
重 量 |
22.0kg |
GD値 |
3速時GD値:5.11m、60rpm時:18.4km/h 24km/h到達時:ペダル毎分78.3回転 |
スプロケ |
41×14-34T(外装6段:シマノ MF-TZ20) ※1速は34Tのメガレンジ仕様 |
サイズ |
全長150cm、全幅58cm、高さ105cm |
適応身長 |
150cm~ |
■主要装備
特殊 |
後輪モーター回生充電ユニット(1WC:下り坂惰性走行時に自動充電 平地惰性走行時は自動充電無し)、グリップシフト式外装6段 |
電装 |
LEDオートライト、リア反射鏡 |
車体 |
ループ型低床鉄製フレーム、Y字型鉄製アップハンドル |
車輪 |
HE規格20×1.75インチ(幅47mm)タイヤ、アルミリム(VERONIQUE)、 ステンレス製スポーク(前輪:14番タンジェント組、後輪:13番ラジアル組)、 |
制動 |
前輪:キャリパーブレーキ、後輪:Vブレーキ(TEKTRO製) |
積載 |
フロントキャリア、片足スタンド、くるピタ、サークル錠(オプション) |
装備 |
ソフトクッションサドル、パイプ型チェーンガード |
■特徴
▼特徴
後輪回生モデルの中でも、
「1WC式(下り坂惰性走行時のみ自動充電)」を採用するのが特徴。
旧モデルやイグニオの様な「
2WC式(
平地惰性走行時も自動充電)」と違い、
平地で惰性走行しても自動充電せず、スピードが落ちない。
後輪回生のデメリットでもあった「平地で使い難い」面が改善される。
勿論、後輪回生の最大のメリットである「
24km/h越えても回生充電可能」な点は健在。
これまで
ニッケル水素電池3.6Ahのangee「+N」しかなかったが、
新に
リチウム電池5.0Ahバージョンのangee「+L」が登場し、
かなりバランスが取れた機体となった。
▼回生システム
電車の回生充電システム等も手がける明電エコドライブ社の、「
後輪モーター回生充電システム」搭載。
後輪回生機能は
時速24km/hを越えても回生可能な点が前輪回生との違い。
傾斜センサーを搭載し、下り坂進入時の速度を維持しながら、回生充電でブレーキを掛けて速度を自動調整する。
非常に強力な回生ブレーキが掛かるので、実質的に大抵の坂は機械ブレーキ要らず。更に充電もできて一石二鳥。
よって
急坂地帯で真価を発揮。後輪モーター駆動なので前輪回生よりも荷重面で有利で、登坂力も高い。
▼スタイル
ややスポーツ色の強いスタッガードフレームの207+Nに対し、
angee+Nは
低床フレームとアップライトハンドルでカジュアルなスタイルが特徴となる。
股上の短いローライズパンツでも乗り易い様に考えられた乗車ポジションで、
スカートの女性でも乗降が楽な低いフレーム位置を採用している。
一方でカラーにマットブラックを選ぶと
殆どのパーツが黒で統一されるので、男性が乗っても良く似合う。
▼充電モード
充電モードは
アシストを一切行わない。
ペダルを重くして充電に回すと言う、かなり充電優先のモード。
アシストは登りだけで使い、平地では「通常よりペダルが重くなるが充電するフィットネスバイク」として使い、
下り坂充電と併用すれば
充電器に殆ど挿さずに回生充電だけで使い続ける事も可能。
▼二次アダプター
防災グッズとして
二次アダプターも用意。
他社の回生機能は「家庭用コンセントでの充電がメイン、回生充電は航続距離を伸ばす補助機能」なのに対し、
エアロアシスタントの場合は、「
体力と重力で回生充電して、家庭用コンセントに挿す回数を減らす」と、逆の発想。
「人間が楽をする為に電力を使うのではなく、人間が汗をかいて電気を作り出し、家庭用電力を消費しない乗り物」と言う、
他社の回生機能とは根本から設計思想が異なる使い方も可能になっている。
そのコンセプトを端的に表したのがオプション品の二次アダプター。
バッテリーに蓄えた電力を、
シガーソケット電源の形で外部に出力する事が可能。
充電モードで発電した電力をバッテリーに蓄積し、震災時の携帯充電等に使える。
▼スポーク折れ
モーターを搭載するので後輪ハブの直径が大きく、更に20インチだとスポーク長は僅か十数センチしか無い。
この為、スポークがたわんで衝撃を逃がす余地が無く、スポークとリムの接合部に大きな負荷が掛かる。
さらにスポークの長さに余裕が無いので、スポークを交差させて剛性を上げるタンジェント組ができない。
直線的なラジアル組なので、スポークの付け根に負荷が集中し易いという原因も影響している。
新型では後輪スポークの材質を変えて、多少は耐久性をアップさせている。
▼オプション
フロントバスケットはアルミ製、ワイヤー製、籐風バスケット等、種類が豊富。
更にリアキャリアや両足スタント等もラインナップされている(サークル錠は別売り)。
一応、Polisport(ポリスポート)やHAMAX(ハマックス)等のチャイルドシートも取り付け可能。
ただしホイールベースの短い小径車に子乗せシート搭載は、安全性では専用車に劣るので、
最低限両足スタンド、車体安定保持の為のキャリア等を装備し、十分注意して利用を。
▼eコアフィット
他の変わったオプションとしては、「
eコア」と言うノーパンク加工タイヤのセット販売もある。
ノーパンクタイヤはデメリットも大きいので、「
よくある質問」の項目を参照。
◆エアロアシスタント 207 +L《5.0Ah》(東部)
型 番 |
TB-206W-L |
価 格 |
12万8100円(実売約11万5千円~) |
電池容量 |
5.0Ahリチウム電池 |
航続距離 |
※新表示基準未対応 推定:パワー21km、標準25km程(?) |
重 量 |
20.0kg |
GD値 |
3速時GD値:5.53m、60rpm時:19.9km/h 24km/h到達時:ペダル毎分72.3回転 |
スプロケ |
52×14-28T(外装7段:シマノ MF-TZ07) |
サイズ |
全長150cm、全幅58cm、高さ94cm |
適応身長 |
150cm~ |
■主要装備
特殊 |
後輪モーター回生充電ユニット(1WC:下り坂惰性走行時に自動充電 平地惰性走行時は自動充電無し)、グリップシフト式外装6段 |
電装 |
LEDオートライト、リア反射鏡 |
車体 |
スタッガード型アルミフレーム、アルミ製バーハンドル セミインテグラルヘッド+角度調整ステム |
車輪 |
HE規格20×1.5インチ(幅40mm)タイヤ、アルミ製中空二重リム、 ステンレス製スポーク(前輪:14番タンジェント組、後輪:13番ラジアル組)、 |
制動 |
Vブレーキ(TEKTRO製) |
積載 |
フロントキャリア、片足スタンド、サークル錠(オプション) |
装備 |
スポーティサドル、パイプ型チェーンガード |
■特徴
▼特徴
エアロアシスタントangeeを
アルミフレームで軽量化したスポーツモデル。
20.0kgと小径タイプなかでもかなり軽い部類に入り、電池容量も5.0Ahリチウムで十分。
トップチューブの位置が高いスタッガードフレームでボディ剛性を強化。
ギアがangeeの6速から7速になり、フロントスプロケが
48Tから52Tに変わり、GD値も上昇。
リムは中空二重構造で強度を確保し、前後ともVブレーキで制動力アップ。
▼軽量化
フレームが鉄製からアルミ製に変わり、その他も
アルミパーツを多用して従来型よりも軽量化している。
ハンドル、アヘッドステム、クランク、シートポスト、ブレーキアーチ、ギアガード、等にアルミを採用しており、
軽さと錆び難さが利点。ステーやネジなども錆びないステンレスで統一する等の拘りがある。
車重20kgと効くとかなり軽く感じるが、実際に持ち上げて見ると結構な重量感がある。
若い体力のある男性でも毎日マンションの
階段を持ち上げて部屋まで持ち運ぶには厳しい重さ。
エレベーターが無い3階以上での室内保管は困難。
前輪側が軽いので駐輪場などでの取り回しは比較的行いやすい。
▼ポジション
ハンドルはスポーツモデルらしく低い位置にあり、アヘッドステムなので高さの調整幅も狭い。
ただしオプション品のハイコラムアダプターを使えば、アップライトな位置に上げる事も可能。
ステムも角度調整が可能で多少の位置調整が効く。サドルもangee+Nよりスポーティな形状になる。
最終更新:2011年07月08日 16:44