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小径/折り畳みタイプの長所/短所

※ママチャリ以外の自転車を買うのは初めて、という人に比較的人気が高いのが小径や折り畳みタイプの自転車であるが、長所と短所があるので購入前によく検討して、自分の環境に適した車種を選ぶ事が大事。

■簡潔な要点
発進・停止が多くてキビキビ動く事が求められる道が得意
長距離を同じ速度を維持して走り続ける高速巡航は苦手
街中を通り抜ける短距離の買い物など、発進・停止の多い狭い道路を走るのに適している車種である。
逆に長距離通勤など、同じ速度を維持してずーっと走り続けるには疲労が大きくて適さない。
都市部の自動車事情で例えると、狭い路地に強い軽自動車的な性質を持つが、長距離ドライブ向けグランツーリスモ的な性質には乏しいと言える。



小径タイプの長所/短所

長所

  • 最大のメリットは室内保管が容易な事。特に駐輪場が屋根無しの場合には効果が大きい。雨ざらし駐輪場に電動アシスト自転車を置くのは激しく非推奨だが、省スペースな小径タイプなら玄関内ポーチなどで室内保管できる。
  • またマンションの駐輪場に台数制限があって家族の使う2台目の自転車を保管する場所が無い場合や、自転車盗難が多発する地域の場合にも有効。室内保管できない車種は選択肢から外れるので、消去法的に小径車を選ぶ事になる。

  • 小径タイヤのメリットは慣性が小さくなる事。車輪の回転を開始させるのに必要なエネルギーや、回転を止めるのに必要なエネルギーが少なくて済むので、発進、停止が素早く行える。更に車体自体も軽量な場合が多いので、漕ぎ出しの出足が軽くキビキビ動くのが利点。その為、信号が多くて停止・発進が多い街中で使い易い
  • 小径タイヤで慣性が小さいと、一旦落ちた車速を再加速して立て直す迄の時間が早い。その代わりに一度スピードに乗った車速が落ち込む迄の時間も早いので一長一短ではあるが、曲がり角やカーブが連続していて、減速→再加速の多い道路を走る際に有利な特性となる。
  • 独特のクイックな挙動と乗り味から、乗っていて楽しいと感じる魅力がある。

  • 車体サイズが小さいので、駅前駐輪場から商店街の近くを通り抜ける場合等の狭い道路や人混みの中を抜ける様な地域での走行が得意。止むを得ず一時的に車道から歩道側に避難した際や、狭い路地での切り返しの時に、車体サイズが大きい自転車だと他の自転車や歩行者へ気を遣う。車体が小さいとUターンも狭いスペースで可能になり、駐輪場に停める際にも周囲へのスペースを圧迫し難いので迷惑を掛け難い。
  • 乗車ポジションがコンパクトになり車重も比較的軽い方なので、小柄な人や非力な人には扱い易くて便利


短所

  • 最大のデメリットは乗り心地が悪化し易くて長距離走行では疲労が大きい事。小径タイヤはスポーク長が短いので路面の凸凹の衝撃が手首に直接伝わり易い。大径タイヤになる程、たとえ細いタイヤを履いてもソフトな乗り心地を得られる。逆に小径タイヤでは、いくら太いタイヤやサスペンションフォークをつけてカバーしても、乗り心地の改善には限界がある。20インチ小径タイヤに前サスを付けるよりも、サス無しの26インチ大径タイヤの方が乗り心地はマイルドな位に、タイヤ径は振動吸収性へ大きく影響する。
  • 平坦に見える舗装路にも、自動車の重みによる歪み等で舗装には目に見え難い微妙なうねりが存在する。タイヤ直径が小さいとそういった路面のうねりにタイヤを取られる感じが強く出る。路面の微妙な傾斜にタイヤがいちいち喰い付いて追従し、ハンドルが左右に振り回される様な感じが出るので直進安定性に欠ける
  • 段差を乗り越える際に『抜重』の動作が必要となる機会が増える。もし大径タイヤならば、数cmの段差程度は相対的に無視できる小さな段差となり、段差を乗り越える寸前にハンドルを握る手の力を緩める程度で済む。しかし同じ段差でも、小径タイヤにとっては相対的に大きな段差となり、サドルから少し腰を上げてハンドルを軽く浮かす等、抜重モーションを大きく取る必要のある段差が増える。
  • これら「衝撃吸収性の低さ」「ハンドルの取られ易さ」「抜重を大きく取る必要」等の特性から、手首の緊張と負担が増えるので、長距離走行では手首の疲労が大きくなり手が痛くなりやすい。
  • 独特のクイックな挙動と乗り味から、大径スポーツタイプから乗り換えた時にハンドリングに強い違和感を感じる事がある。

  • 小径タイヤは慣性が小さいので、漕ぐのを止めて惰性走行した時の減速が早い。例えば緩やかな下り坂や平地に入った時に、26インチだとスピードを保ったまま惰性走行だけでかなりの距離を移動できるが、20インチだと惰性走行してもスピードがすぐに低下する。そして実際の自転車の走行では、漕がずに惰性走行で移動する距離は結構重要な割合を占めているので、小径タイヤだとスピードを維持する為に漕ぎ続ける時間が増える事になる。片道15kmを越える様な長距離走行では疲労度に差が出てくる。
  • 急な下り坂を降りる際に危険度が増す。上述の「段差に弱い」「路面のうねりにハンドルを取られ易い」等の特性に加え、ホイールベースが短くて下りでブレーキ時に前につんのめり易く挙動が不安定になる。慣性が小さくて大径タイヤよりも下り坂で車速が伸び難い割には、急坂を降りる際に怖さを感じる場面は増える

  • 同じ距離を進む場合に大径タイヤよりもタイヤ回転数が増え、タイヤの磨耗が激しくなる。また車輪のスポークの負担が大きくて折れ易くなり、後輪ハブ軸の回転部品の負担も増える。数年程の短期間で実質的な影響が出る程では無いが、スポークやハブベアリングに低品質なパーツを使っている車種だと、長期的には交換の可能性が増す。
  • 乗車ポジションがコンパクトで調整範囲には限界があるので背の高い人には窮屈だったり、乗員体重制限を越える人は乗車不可だったりする事がある。



通勤用途への適正

小径車が有効な条件

  • 自宅が屋根なし駐輪場で、玄関脇のスペースに室内保管するしか無い。
  • 自宅から駅前駐輪場まで、片道5km程度の比較的短距離の移動用。
  • 駅前など人が多くて狭い商店街を通過する。

総じて、短距離の狭い場所で移動に使う場合に有効になる傾向がある。
また駐輪場問題や車載など、他に選択肢の無い状況で消去法的に選ぶ事もある。


小径車が不利な条件

  • 片道15km以上の長距離自転車通勤。
  • 舗装が荒く路面に凸凹や段差や轍が多くある。
  • 平地や下りが長く続き、惰性走行できる区間が多い。

総じて、長距離通勤の様な過酷な使用条件に於いては、室内保管可能になるメリットと引き換えに走行性能が犠牲になる傾向がある。
駐輪スペースに余裕があり、年に数回しか折り畳み機能を活用しないのであれば、大径タイプを選んだ方が純粋に走行性能の面で連日の長距離通勤には適している。
「小さいか折り畳める方が便利だろう多分」と安易に考えず、車種選定時には小径ゆえのメリットとデメリットを考えて良く検討してから選びたい。



折り畳みタイプの長所/短所

上記の「小径タイプの長所/短所」の内容に加えて、折り畳みの場合は以下の要素も加わる。

長所

  • 折り畳みタイプの自転車はミニバン型でないセダン型自動車のトランクにも車載が楽に可能なので、車で出掛けて出先で買い物等の移動に使える等、レジャー目的の用途に向く。
  • 室内保管の際も、非折り畳みの小径タイプより更に省スペース性に優れる。
  • 一般的な折り畳み自転車の弱点は折り畳み機構の強度確保の為に重量増で運動性能が低下する事であるが、電動の場合は元々重いので相対的に増加分が目立たなくなる点と、アシストで加速性能低下を補えるので比較的重量増をカバーできる。
  • パンク修理などのメンテナンスがやりやすい。小さい作業スペースが開けば、その場で簡単にひっくり返して車輪を外せるので、こまめに点検・チェックが行える。寒い冬場も室内に持ち込んで部屋での作業が可能。総重量25kg近くてクイックレリーズも無い内装変速のママチャリタイプの後輪脱着と比べると、作業の楽さは雲泥の差。


短所

  • 非電動の場合「折り畳みのメリットと言えばやはり輪行」が真っ先に思い浮かぶが、電動の場合は折り畳みタイプと云えど重量はかなりあるので車載がメインであり、電車やバス等での輪行は相当に厳しい。若い体力のある男性でも担ぎ上げたままの階段移動はかなりの疲労を伴う。輪行可能なのは、駅に階段が無く徒歩移動量が少なくて済む場合か、14インチなど極く小径でGD値が犠牲になる一部のモデル、等に限られる。
  • 折り畳み機構の剛性確保の為に、車体が小さい割に車重はあまり大径タイプと差が出ず軽量化し難い。加速性能は電動アシストで補えるが、燃費(電力消費)の面では不利になる。
  • 現時点のモデルでは、折り畳みタイプはどの車種も何かしら弱点を抱えていて、大径スポーツタイプと互角の走行性能を持つ車種が無い。オフタイムはギア比(GD値)がかなり低くて速度を上げ難い。エネループバイクSPJは航続距離がかなり短い。折り畳み機能と引き換えに、走行性能を犠牲にする形になる。


輪行について

多くの人が1度は考えてみるのが折り畳み電動アシスト自転車の輪行であるが、「走行性能が多少落ちても軽さが一番大事」な輪行用の自転車に、重くなるのは避けられない電動ユニットを付ける為に、メリット/デメリットのバランスに色々と矛盾が出てくる(割に合わない)部分も多い。

予算と保管場所が許すなら、「輪行用には非電動の軽い折り畳み自転車をもう1台別に買って、普段使う用には電動で走行性を重視した非折り畳みのタイプにしよう」と、最初から2台体制を前提にして買った方が矛盾点や妥協点が発生せず自然な役割分担が出来る事もある。
もし輪行を考えるなら「本当に折り畳み機構や電動アシスト機能が必要なのか?」良く調べ考えて要検討。
最初から輪行は考えず、省スペースや車載等他の目的で折り畳みを選んだなら矛盾は余り発生しない。