【ふりーだむうぉーず】
ジャンル | “奪還”マルチプレイアクション | ![]() |
対応機種 | プレイステーション・ヴィータ | |
メディア | PlayStation Vitaカード/ダウンロードソフト | |
発売元 | ソニー・コンピュータエンタテインメント | |
開発元 |
ディンプス シフト(原案) |
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発売日 | 2014年6月26日 | |
定価 |
パッケージ版:6,264円 ダウンロード版:5,184円(いずれも税込) |
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廉価版 |
PlayStation Vita the Best/2015年6月25日 パッケージ版:3,400円 ダウンロード版:2,800円(いずれも税込) |
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プレイ人数 | 1~4人 | |
レーティング | CERO:B(12歳以上対象) | |
判定 | クソゲー | |
ゲームバランスが不安定 | ||
ポイント |
期待の大きさとの落差で多くの人を落胆させたガッカリゲー 人を引き付けた設定を仕様とシナリオでぶち壊す ペラッペラなボリューム 無限に涌き、確実にこちらを狙い撃つ敵 矛盾だらけのうえ途中で終わるストーリー 「私、先に行ってるね」 |
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PlayStation Studios作品 |
一般的な略称は「フリウォ」「フリヲ」「FW」。
いわゆるポストアポカリプス(現代文明崩壊後)、ディストピア(超管理社会)の世界観。
舞台は資源が枯渇した未来。人々は複数の牢獄都市「パノプティコン(PT)」を頼って生活し、残されたわずかな資源をめぐって戦争を続けている。
何も生み出さない者は生きているだけで罪人とされ、100万年の懲役を負う「咎人(トガビト)」として扱われる。咎人達は各PTの管理下にあり、素行をこと細かに監視されている。
プレイヤーはひとりの咎人として、頭脳労働者「市民(シヴィリアン)」の奪還、資源の回収といった危険な仕事を命じられる。作戦任務「ボランティア」に出撃。市民をさらう「アブダクター」や、他PTの敵性咎人と戦い、成功報酬として恩赦(減刑)を得る。
いつか懲役100万年を終え、自由を手にすることができるのだろうか…。
SCEJが制作を、ディンプスが開発を、『GOD EATER』のシフトが原案を担当している(*1)。
「狩りゲー(共闘ゲーム)」の性質を持つ「アクション」だが、実際には「近接攻撃もできるTPS(サードパーソンシューティング)」といったゲーム性。他の狩りゲーにくらべて射撃攻撃の割合が非常に大きく、また武器の種類も射撃兵器のほうが豊富。詳細は後述するが「巨大敵を倒すことが目標とは限らない」コンセプトも狩りゲーとしてはやや異色。
逆にTPSとして見た場合は、近接武器の多さ、荊(イバラ)による機動力、狩りゲー由来の構造が特徴的。ビジュアル面では日本的なキャラデザインも異彩を放っている。
全体的に説明や描写が足りない、未完成ともとれるシナリオ
設定自体は細かく用意されているものの、それに作中での描写が全く伴わない上、名前だけしか出てこない設定も少なくない。そもそも設定自体ろくに活かせていないものも多く、最後まで設定をまとめきれずに終わっている。
+ | 終盤のネタバレ注意 |
都市国家対戦
イデオロギー戦
システム、UIが不便
プラント関連:工場長
プラント関連:待ち時間
プラント関連:武器改良
+ | 改良結果の一例 |
…以上が、ゲーム内における武器改良の説明である。多くの初心者が愛武器をゴミへと変えたのは言うまでもない。「武器改良」では、改良したい武器に素材となる武器を組み合わせる
ことで、モジュラーの付け替えや属性攻撃力の付け替えが行なえます。
敵から奪った武器が余ったら、ここで有効活用することをお勧めします。
インターネットプレイ
ダウンロードコンテンツ攻勢
敵咎人、敵アクセサリが異常に強い
味方NPCが異常に弱い
大型アブダクターの攻撃もバランスが悪い
ボランティア関連
バランス、難易度
+ | 序盤のネタバレ注意 |
ボリュームは薄く、ストーリーは未完、設定は破綻。システムとバランスでプレイヤーを苦しませることにかけては一級品……と、その多くが空回りした残念なクオリティ。
配信限定アイテムの仕様や大量のDLCにプラント関連の仕様など、フルプライスのコンシューマゲームでソーシャルゲームの真似をしたこともプレイヤーの怒りを買う結果となった。
「序盤だけは楽しかった」「プラントや敵咎人のない体験版のほうが面白かった」と言われるほど。
人気が高い『GOD EATER』のシフトが携わる新たな共闘ゲーということ、大規模な宣伝を行っていたことなどから、本作を「PS Vitaのキラータイトル」と信用し引っかかる購入者が続出。「PVの出来はゲームの出来に直結しない」「体験版での様子見は無意味」「ダウンロード版は売却不可なので買い控えるべき」とユーザーに教訓を認識させることとなった(*38)。PlayStation Storeの評価では、フルプライスのゲームとしてほとんど例のない3点台を記録している(*39)。
本作はプレイヤーによって、しばしば料理にたとえて評じられている。いわく「素材は最高だったのに、調理が最悪だった」。ゲームも料理も食べてみるまで味はわからない。この記事まで否定するようだが…他人のどんな宣伝も評判も、あなた自身の期待感さえも、実際の味覚をなんら保証しないのだ。
また、これは現実では絶対にあってはならない事だが、失敗した料理を出しておいて味の改善をしないばかりか「追加料金で食器の柄を変えられますよ」「先割れスプーンが使えるようになりますよ」とそもそもの問題を解決せずに金を巻き上げようとする料理店も、ゲーム業界では往々に存在するのである。
このような有様ではあるが、他に類を見ない世界観、キャラクリ、荊の操作性などに魅了され本作を愛するユーザーも確かに存在する。
しかしながらそういうユーザーでさえ「手放しで他人にお勧めはできない」と言うのもまた事実である。
+ | 本作に関する時系列 |
*1 サイトや記事によっては「原作」「監修」と表記されている場合もある。スタッフロールではゲームデザイン、世界観、シナリオ、イメージデザインなど、設計や仕様の要所にクレジットされている。なおテストプレイや広報活動などは大阪のディンプスと東京のシフト&SCEを交えて行われていたようで「設計図だけ引いてあとは丸投げ」というわけではなかった様子。
*2 持ち帰ろうとすると「横領」であるとして刑期が加算される。なお刑期が加算されるだけで、持ち帰ること自体は可能
*3 継続ダメージを与える「炎」、防御力を下げる「氷」、動きを封じる「雷」、ある程度蓄積させることで固定ダメージの爆発を起こす「Will'o(ウィルオー)」
*4 『モンハン』等のいわゆる「部位破壊」とは少し毛色が違う。ツメ1個、ツノ1本のレベルで細かく部位が分けられており、各部位ごとにダメージが蓄積、大破し弾け飛ぶ。腕1本とっても「肩武装、上腕、小手武装、前腕、掌」といった具合。もちろん右腕と左腕で個別に壊れる。
*5 市民ならボランティア失敗、アクセサリなら行方不明になる
*6 記憶喪失になった後、味方NPCの1人の「ウーヴェ」が「また記憶喪失になったのか」というニュアンスの言動を取っている為、これが初回ではないのは明らかである。
*7 ゲーム中に「天獄出身である」人物やメカは幾つも登場するが、天獄そのものの映像はひとつも無い。天獄がどのような組織で何を目的にしているのか、いっさい明かされていない。
*8 ちなみに天獄アブダクター、後半では鹵獲されたものが複数投入されることがザラである。虎の子というわけでもなく、ゲーム的な強さも「慣れないうちは強いが、慣れてくると付け入る隙が結構あるためそれほど苦戦しない」というレベル。ある程度やりこんだプレイヤーからは「天獄アブダクターより人工アブダクターの方が強い」との声もある。要するに、プレイヤー側から見てムービー以外は天獄が脅威となる要素がないのである
*9 OPムービーの終わり際、生まれたばかりの赤ん坊の頭の上で既に刑期を示す数字が浮かんでいる。
*10 「原初の3機」は1体だけ登場し、実際に戦うことになる。ただしあるNPCが「3機、というのも噂に過ぎないかもしれない」とも語る。大層な名前だがつまり何なのか不明
*11 ちなみに添加素材として用いた場合に付与される効果の確認は出来ない、低純度・高純度などの名称である程度察することは出来るが、使うまで何が付くのかわからない。
*12 基本プレイ無料のPC・スマホ作品では「これだけタダで遊ばせてもらっているのだから」などとユーザーに受け入れられているケースも多い。しかし『フリーダムウォーズ』は買い切りのコンシューマー作品。
*13 カード版では「セーブデータ+アップデートデータ」、DL版なら「セーブデータ+アップデートデータ+ゲーム本編データ」丸ごとでしかバックアップできない
*14 あくまで時間的な「効率」であり、良いモジュラーを付けられるかどうかはプレイヤーの根気と運にかかっている。
*15 たとえばロケットランチャー「AAW」なら「一撃で相手を倒しうる威力」「余裕のある総弾数」「リロードの隙が減る弾倉容量」の全てを揃えていることが必須扱い。ロケットランチャーだけでなくほぼ全ての武器にこういった定石が確立されている
*16 さらに言えば「武器改良」の前段階「武器生産」の時点で、モジュラー最大数を決める「希少度」、最終的な威力に関わる「成長タイプ」というランダム要素がある。「希少度8の晩成型」を引くまでがまず運、引いても前述の通りでモジュラー装着が運…。
*17 近年のゲームでは同期が遅れても各プレイヤーに違和感を感じさせないよう、「各マシンが判断し、情報のない部分を自然な展開で埋める」工夫が織り込まれているものも多い。しかし本作はハードの事情もあるのか、そこまで高機能な設計になっていない。
*18 初中級者は上級者がwiki編集や動画アップロードなどの情報共有をしないと責め、上級者は初中級者の向上心やコミュニケーションスキルを非難する、といった具合。実際は数戦だけ経験して絶望し撤退したユーザーが大多数を占める。対人戦は本作の柱のひとつだったはずだが、賑うどころか、近づくべきではない魔窟として恐れられている
*19 余談だが、オンライン協力プレイのほうではごく少数のプレイヤーによって「無強化・店売りの武器のみで戦う」「任務達成を無視し、オニごっこにふける」といったナナメな遊び方がしばしば実施されていた
*20 サービス向上のためにプレイヤーデータの収集をするゲームは他にもあるが、データの送信を求める警告文が表示され、嫌なら拒否できるのが普通である。
*21 謎の空き地を、有料で「解除」できる、という後ろ向きなインターフェースになっていた。一般的には、有料で「追加」できる、というプレミアム感を演出し、前向きに購入させる設計をしそうなものだが…
*22 ゲーム内には登場しない(ごく一部のMOBが噂にするだけの)シフト「公式同人」創作キャラ。ただし発売前から展開されており、クオリティもやけに高いもので、「スタッフのお遊び」というよりは「広告宣伝の実験企画およびサブコンテンツ」といった性質。
*23 完全にマップが見えている。このゲームではプレイヤー側も広く敵位置を把握できるため、ほぼ対等とも言えるのだが
*24 その射撃の正確性と耐久力のなさから、「のび太が数の暴力で攻めてくる」という例えがしっくり当てはまるだろう。
*25 マシンガンで体力を削られているのに棒立ちのまま正面の大型アブダクターに射撃を続けるなど。
*26 とはいえ。もしも味方NPC同士だけでなく、敵NPC同士でも荊蘇生(という名の即時復帰)が行われようものなら、戦場はゾンビアタックの根競べに終始してしまうだろう。…つまりこのゲーム、そもそも基本ルールに欠陥があるのでは? という見方もできる。
*27 一応ミサイル類は射撃で破壊できるので、マシンガン等を装備していれば打ち落とせるのだが。とっさに狙って当てるのは至難
*28 余談だが、これに限らずアブダクターはわりと「自分自身を撃つ」。何を言っているんだと思うだろうが本当に。たとえば腕に張り付いた咎人を狙って、目からビームを放ち、自分の腕を焼く。
*29 これを持たないアブダクターは、より凶悪な広範囲攻撃を多数所持しているため、実質、全アブダクターが持っていると考えていい。
*30 そもそもフィールドに障害物や逃げ場があまりない。アブダクターの巨体が動き回れるようにするためか、砂漠、広場、空きフロアなど平坦な地形が多い。
*31 当初は「気を抜くと複数の敵に取り囲まれハメ殺される」難しさだったのが、「それなりの一般兵に混じってトリッキーな難敵がひとりいる」難しさに変わったため。若干だが、前者のほうは攻略をパターン化しやすく、後者のほうは臨機応変な攻防がしやすい。もちろん各自のプレイスタイルにもよる。
*32 ステージ中央部の二階、柱の周りを走りながら逃げていると起こり易い。立ち止まったままこちらが動くまで静止するため、タイプアップまで放置しても問題ない。
*33 一応ボランティア中にリセットすれば消費されないが、マルチプレイでは許されるはずも無いため、資源目的の場合高難度ボランティアを手伝ってもらうのを躊躇してしまうという本末転倒な仕様となっている。
*34 特にショットガン風ライフル「バーバラ」の威力が突出している。銃器の中では射程が短く弾切れも早いから攻撃力が強くされているのだろうが、威力、射程、当て易さ、隙の無さと全ての面において近接武器の存在意義を潰し、果ては「溶断」のシステムまでも無用とする威力はやり過ぎである。…逆に、プレイヤーには非常に扱いづらい3点バースト銃「アリサカ」や、集弾性が極めて悪いミニガン「MG-M7」など、過剰に不遇な武器も多い。
*35 痕跡はamazon、mk2、4Gamerなどのユーザーレビューに今も残っている。気になる方は見てみるといいかも。
*36 この「外見」用マイセット機能は、「武装」用マイセット機能とは別。制限や有料DLCは無く、最初からフルに30枠を使える
*37 慣れていない人には理解しにくいだろうが本作の世界観、ディストピアをよく表している。TRPGの「パラノイア」を知っている人なら思わず吹き出してしまっただろう
*38 蛇足だが、約半月後の『俺の屍を越えてゆけ2』でも再度「体験版で判断してはいけない」と知らしめる状態になり、SCEJみずから立て続けにVitaユーザーの不信を高めてしまった。
*39 5点満点で小数点第2位まで含む平均評価。PS Storeは「発売直後の最も楽しい時期に採点する人が多い」また「熱心なファン以外でダウンロード版を買うケースは少ない」という当時の情勢から、大概のフルプライスゲームは4.00点以上になる。
*40 キャラが敵に倒されたあとに起こる「立ち上がるモーション」中に、「回避アクション」を実行できるようになった。つまりこのバージョン未満では、転ばされるたびにいちいち長い硬直が発生し、それがハメ殺しに繋がっていた。
*41 「セルジオ・“ヘルゲート”・コクトー」がロダンの『地獄門』および『考える人』。「レパード」「レオ」「ヴォルフ」が豹、獅子、牝狼など。ローマ帝国やラテン語と関連した名称も多い。
*42 パッケージに表示されている、竜のような敵。
*43 攻め込んだPTの損害GDPPの増加、あるいはボランティアの報酬がよりよいものになりやすいなど。デメリットはその逆の意味合い。
*44 この生放送、大型アップデートの前日に放送されたものなのだが、この放送事故のせいかは不明だが''プレイヤーが待ち望んでいたインフラを含めたアップデートを延期する''という旨を発表。更新データは一日遅れで配信されたものの、この生放送の一件でゲームと開発を見限った人も多かった。