バトルギア4

【ばとるぎあふぉー】

ジャンル レースゲーム
スタンダード筐体
プロフェッショナル筐体
対応機種 アーケード
使用基板 Taito Type X+
発売・開発元 タイトー
稼働開始日 無印 2005年6月20日
Tuned 2006年11月28日
サービス終了日 共通 2019年3月31日23時59分
1プレイ 100~200円
ネットエントリーキー標準価格500円
時間貸しフリープレイ標準対応
判定 無印 シリーズファンから不評
ゲームバランスが不安定
Tuned スルメゲー
ポイント 黒歴史扱いされた無印時代
Tunedでの充実したシステム
シリーズ史上初のチューニングシステム
アーケード屈指のリアルレースゲーム
タイトー最後の自社開発レースゲーム*1
これまで以上に猛威を振う補正の数々
異例のオンラインサービス継続期間
備考 プロフェッショナル筐体は Tuned 限定
バトルギアシリーズ


概要

バトルギアシリーズ』最終進化系を銘打った最終作。
無印の頃は挙動等を含め前作『バトルギア3』とは別物と感じられる位に難しく、取っ付き難かった事もあり、致命的なユーザー離れを引き起こしてしまう。
アップデート版である『 Tuned 』でゲームシステムを見直し巻き返しを図るも、時既に遅し。失った栄光を取り戻すことは叶わなかった。

しかし今まで以上に本格的になったゲーム内容等は、結果的に時を経て熱心なファンを獲得する事となり、オンラインサービスが終了した現在でも少数ながらも根強い人気を有している。


筐体説明

どちらも前作の筐体をベースにシングル筐体化・チューニングカー風のロールケージをあしらったデザインとなった。
装備類は従来のスタート兼ライト、視点切り替え、ハザードのボタン3つとサイドブレーキに加え、オーバーテイクスイッチ、TXSURROUND(5.1chサラウンドシステム)が両筐体に追加された。

スタンダード筐体

  • 赤基調の筐体色とロールバー以外、前作の筐体と殆ど同じ外見。無印はこの筐体のみで稼働しており、現在は無印からDVDとドングル交換で Tuned へコンバージョンした物が殆ど。
    • プロフェッショナル筐体との差異はモニターが「800×600ピクセル 29インチ CRT」、大型フロントスピーカー無し、アップダウン式シフトレバー、キーベンダーがモニター右横にある点。
    • 既に末期を迎えつつあったブラウン管モニターを使用している影響か、稼働から10年以上が経過しブラウン管モニターも絶版となった現在ではプロフェッショナル筐体以上に残存数が少ない。これはSD筐体のCRTモニターは使用基板の映像出力に対応した特殊な専用品で他機種からのブラウン管モニター移植が不可能な為である。その為現在国内で現役稼働しているSD筐体は液晶モニターに換装されている個体が殆どである。

プロフェッショナル筐体 ※Tunedのみ

  • Tuned 稼動開始時に海外市場前提に生産された数量限定筐体。その為日本国内よりも海外での稼動数が非常に多かった点も特徴。
    スタンダード筐体よりも一回りほど大きくなっている。
    • 6速Hゲートシフトとクラッチ、大型フロントスピーカーが追加されており、より本格的な運転を楽しむ事が可能となっている。
      • シフトレバーは設定に合わせてミッション機構が自動で切り替わる便利設計であり、まさしくプロフェッショナルである。
    • モニターも「1360×768ピクセル 32インチワイド液晶」に変わっており、スタンダード筐体より画質が良くなっている。またキーベンダーがコイン返却口右横に変更されている。
    • 上述の通り日本では希少な存在ではあるが、液晶ディスプレイに変更された影響で故障時のモニターの換装が容易な為なのか、サービス終了後の現在も日本国内で現役稼働しているのは意外にもこの筐体が多い。ゆえにオンラインサービスが終了した現在では輸出したPro筐体を日本国内へ逆輸入して稼働させるケースも盛んに行われている。

モード説明

レースモード

  • 最大5台のCPUカーとレースをするモード。コースによって最大同時走行数は違う。
    • COM Lv.は標準では10まで選択可能。Lv.10を1位で完走したコースのみでLv.11を選択する事が出来、Lv.11をクリアすると、Lv.12、13…と続いて選択可能になる。
  • 1位を取ると「レーシングスキル」が上がり、それに応じてレベルが上がり、対応した称号を獲得する事が可能。例えばLv.10を1位で完走すれば、いきなりその分レベルと称号が上昇する。
    • 称号はレベルが上がれば自動的に付け替えられる。…とは言っても「称号名+(数字)」といった具合だが。

ワンメイクレース

  • 同一車種のみとのレース。後はレースモードと一緒。

タイムアタック

  • タイムを競うモード。前作同様の優秀設計で、エントリーキーを使用すると細かな条件下でゴーストカーを検索、出現させることが可能だった。
    • Tuned ではドリフトモードにおいても同様の機能が使用可能。

ドリフトモード ※Tunedのみ

  • 「速さでは無くドリフトのカッコ良さ」を競うモード。タイムや順位は一切無視され、ドリフトした時に貯まる「ドリフトポイント」の数を競う。
    • 選択出来るコースは一部に限られており、「中級A、B、C」「超上級A、D」「弩級B」が選択可能。
  • 画面内に「ACTION!」が表示された所から評価ライン上かその付近に該当する箇所でドリフトすれば溜まる。
    • ドリフト状態を維持しつつドリフトアングルを深く付け、スピードを速く出し、評価ラインに近づけば近づくほど溜まり易くなる。
      「評価ラインに近づけば近づくほど」と言うポイントが重要であり、どんなにカッコ良くドリフトしてもこのラインから逸脱すれば一切のポイントが貯まらなくなるので注意。

収録車種

収録車種数は無印で計30車種が収録。 Tuned で23車種が追加され、計53車種収録されている。なかには、シビック(EG6)のような、前身作『サイドバイサイド2』以来9年ぶりの復活となった車種も。
今作で日本国外の車種が初収録された。但し前作から削除・マイナーチェンジされた車種もある。
チューニング・セッティングされた車や特別仕様車は何れもSクラスとなる。

以下クラス表記の文字、背景色はゲーム中に準拠して表記。

S クラス
前作の漫画パロディ車は排除され、今作ではチューニングカー用のクラスとなった。実在するチューンド車である特別仕様車はこちらのクラスで扱われる。
特別仕様車に関してはドレスアップ・チューニングは不可能である。

A クラス
高出力スポーツカークラス。新車時点で280馬力制限で販売されている車種。

B クラス
中出力スポーツカークラス。出力が200馬力超の車種。

C クラス
ライトウェイトスポーツカークラス。150馬力前後の車種。性能バランスが丁度良く、意外と初心者向けかもしれない。

D クラス
コンパクトカークラス。出力が約100馬力弱と低い為、グリップ走行が基本となる。故にドリフトはほぼ不可能で、それ目的ではお勧め出来ない。
フィット・コルトはATでCVT(無段変速)を使用可能。継ぎ目無く加速できるが、エンジンブレーキ*2や回転数合わせの効果が薄い欠点がある。

+ 収録車種一覧
メーカー 車種 初出 備考
特別仕様車 全9車種
トヨタ アルテッツァ TRD仕様(SXE10) Tuned
日産 スカイラインGT-R NISMO GT-R LM仕様(BCNR33) ギアボックスが5MT-FRに変更
スカイラインGT-R V-specII NISMO仕様(BNR34) 4
フェアレディZ NISMO仕様(Z33)
フェアレディZ ORC仕様(Z33) Tuned D1グランプリ出場車
エンジンがRB26DETTに変更
スバル インプレッサ SpecC STi仕様(GDB)
三菱 ランサーエボリューションIX RALLYART仕様(CT9A)
マツダ RX-7 Type RS A'PEXi仕様(FD3S) 4 D1グランプリ出場車
Aクラス 全16車種
日産 フェアレディZ Version ST(Z33) 4 前期型
スカイラインGT-R(BNR32) Tuned 後期型
スカイラインGT-R V-spec(BCNR33)
スカイラインGT-R V-spec II(BNR34) 4
スバル インプレッサ WRX STi spec C(GDB) 4 中期型
インプレッサ WRX STi ['06](GDB) Tuned 後期型
インプレッサ WRX タイプR STi version VI(GC8) 2ドア仕様
レガシィB4 2.0GT spec.B(BL5) 4 前期型
三菱 ランサーエボリューション IX(CT9A) 4 何れもグレードは「GSR」
ランサーエボリューション IX MR(CT9A) Tuned
ランサーエボリューション III(CE9A)
ランサーエボリューション IV (CN9A)
ホンダ NSX タイプS(NA2) 4 後期型
NSX タイプR(NA2) Tuned
マツダ RX-7 タイプRS(FD3S) 4 6型
トヨタ スープラ RZ(JZA80) 4 後期型
Bクラス 全17車種
日産 180SX タイプX(RPS13) Tuned 中期型
シルビア K's(S13) 前期型
シルビア spec-R エアロ(S15) 4
三菱 FTO GP Version R(DE3A) Tuned 後期型
ホンダ アコード ユーロR(CL7) 4 前期型
インテグラ タイプR(DC2) Tuned 後期型
インテグラ タイプR(DC5) 4
S2000(AP1)
マツダ アテンザ 23Z(GG3S) 4 前期型
RX-8 タイプS(SE3P) 中期型
サバンナRX-7 GT-X(FC3S) Tuned 後期型
トヨタ アルテッツァ RS200 Lエディション(SXE10) 4 後期型
セリカ GT-FOUR(ST205) Tuned
セリカ TRD Sports M(ZZT231) 4 前期型
MR2 GT(SW20) Tuned 3型
VW ゴルフ GTI(1KAXX) Tuned
ルノー ルーテシア ルノー・スポール V6(BL7X) 4 フェイズII
Cクラス 全14車種
プジョー 206 RC(206RC) 4
ホンダ シビック SiR(EG6) Tuned 後期型
シビック タイプR(EK9)
マツダ ユーノス・ロードスター(NA6CE) Tuned 前期型
ロードスター RS-II(NB8C) 4 後期型
ロードスター RS(NCEC) Tuned 前期型
フォード フォーカス ST170(WF0ALD) 4 後期型
ミニ ミニクーパー S(RE16) 4
VW ニュービートル ターボ(9CAWU) 4 後期型
トヨタ スプリンタートレノ GT APEX 3door(AE86) 4 前期型
MR-S S EDITION(ZZW30) 4 後期型
スズキ スイフトスポーツ(ZC31S) Tuned 前期型
シトロエン クサラ クーペ VTS 4 後期型
C4 2.0 VTS(B5RFK) Tuned 前期型
Dクラス 全6車種
三菱 コルトプラス Sport-X Version(Z27A) 4 後期型 6MT使用不可
マツダ デミオ スポルト(DY5W) 4 中期型
ホンダ フィット 1.5S(GD3) 4 中期型 CVT搭載(MTでは7速化)
日産 マーチ 12SR(BK12) 4 前期型
トヨタ ヴィッツ RS 1.5 3door(NCP13) 4 中期型
カローラレビン SR(AE85) Tuned 前期型

コース

コース数は4で7コース、 Tuned では全難易度で新コースが追加され、計24コースが収録されている。
Tuned 稼働から1年して、前作の全コースが「コースアーカイブ」と称して順次復活した。(前作と同じ)弩級以外の難易度でC、D、超初級はC、超弩級はB、Cコース。
全コースで順走・逆走が選択でき、弩級以上は一本道コースとなる。
前作同様走行方向によってデフォルトBGMが異なる他、公式のコース紹介で全長・高低差不明のコースはゲーム内で明らかとなっている。

+ コース一覧
難易度 初出 コースタイプ 全長 高低差 デフォルトBGM 解説
超初級 4 周回 2458m 2m Win The Glory 日米のオーバルサーキット*3を元ネタとした明確なサーキット系オーバルコース。
珍しい事に、スタート地点及びホームストレッチが本来ではピットロードである脇道に設けられている。
難易度相応に道幅が広く、見通しも良く、バンクも深めでオーバルコース中で最も速度が出やすい。
最初のバンクは深く短い為、そこで思い切ってアウトインアウトを駆使しよう。
超初級B Tuned (2007年2月6日追加) 一本道 10101m 85m The Moment of True 夜の横浜ベイブリッジと東京湾アクアラインが元ネタのありそうで無かった最初で最後の初級系一本道コース。
直線と緩やかで長いコーナーだけで構成され、唯一0-400mと0-1000mのタイムを計測可能なコースでもある。
車のセッティング次第で最高速頭打ちも行ける程に平均速度が極めて高く、最高速も300Km/h越えもあり得る。車両によってはなんと350Km/h近い最高速になることも。
トンネル内のカーブでどれだけアウトインアウトが出来るか、トンネル内の下り坂で最高速を稼ぐ事が重要。
Tuned で追加されたギア比「SUPER HIGH」をここで思う存分発揮しよう。
超初級C Tuned (2007年11月1日追加) 周回 2593m 0m Revenge on X 前作の超初級が復活。コースアーカイブ8回目の復活コース。ブースト機能が及びセッティング機能が追加されたことにより前作より最高速が上がり、コーナーでの処理が難しくなっている。
初級 無印 周回 2636m 25m Gateway to Victory 海にそびえ立つ大鳥居が特徴の宮島を元ネタとした真昼の街道コース。
全体的に走り易く癖の無いコースだが、道幅が少々狭く、コーナーでのオーバースピードは禁物である。
初級B Tuned 周回 2980m 27m Slippin' Away 前作の初級(初級C)のアレンジコース。同じ形状では無く、全体的に初級Cの脇道を走る様な形となっている。
脇道故にトンネルの長さが短くなっていたり、全体的に海側のコーナーが鋭利になっている。
基本的に緩めのカーブが続くが、初級Cと同じ個所に見通しの悪い急カーブがあり、臨機応変な対応力が必要。
初級C Tuned (2007年9月4日追加) 周回 2169m 13m Morning View 前作の初級がそのまま復活。超弩級Bと共にコースアーカイブ6回目の復活コースとなった。
初級D Tuned (2007年7月3日追加) 周回 2533m 9.1m Wild Instinct 前作の初級Bが復活。超弩級Cと共にコースアーカイブ4番目の復活コースとなった。
中級 無印 周回 1952m 28m Grand Slam ドリフトモード対応。朝の阿蘇山のカルデラを元ネタとした山岳コース。
砂利道の個所もある他、高低差が非常に激しく、簡単な個所と難しい個所の落差が激しい。
サスペンションセッティングには注意が必要。地面の凹凸を利用してドリフトに持ち込めれば走り易くなる。
中級B Tuned 周回 1340m 3.8m Destiny ドリフトモード対応。お台場の駐車場で開催されたD1グランプリを元ネタとした特設ショートコース。
コース形状は『1』の中級に似ているがドリフトモード重視の設計故か、全長はシリーズ中でも最短。
中級C Tuned (2007年4月3日追加) 周回 1774m 33.5m The Machine of Rage 追加時よりドリフトモード対応。前作の中級が復活。コースアーカイブ最初の復活コース。
中級D Tuned (2007年12月4日追加) 周回 1842m 4m Burst of Dust 前作の中級Bが復活。コースアーカイブ最後の復活コースとなった。
上級 無印 周回 3325m 35m True Brave Man F1でお馴染みのモナコ・モンテカルロ市街地コース。1周が長いためか周回数はシリーズ初の2周。
狭い道幅も忠実再現しているがシケイン等の一部コーナーにはショートカット防止用の壁が設置されている。
上級B Tuned 周回 4061m 29m Ice Crystals 大雪のシャモニー山中を元ネタとした、『1』以来の全スノーコース。こちらも周回数は2周。
レイアウトこそまだ良心的だが、非常に滑り易く、見た目以上に走り難い。
2連続ジャンピングポイントでは姿勢を崩さない様に注意。
上級C Tuned (2007年5月1日追加) 周回 2208m 30m Groovy Run 前作の上級が復活。コースアーカイブ2番目の復活コース。
上級D Tuned (2007年10月2日追加) 周回 2023.77m 29.3m Battle Gear 前作の上級Bが復活。コースアーカイブ7番目の復活コース。
超上級 無印 一本道 5184m 214m Autumn Breeze 2007年10月2日よりドリフトモード対応。PS2版『2』で超中級として登場した秋の妙義山をリメイク。
因みに、一本道の超上級コースも同作以来である。
超上級B Tuned 周回 2475m 4m Move On! 世界ラリー選手権(WRC)のスペシャルステージをモチーフにしたスタジアムダートコース。
スタジアムだからこそ出来る立体交差や自分のプレイが中継されているコース上の巨大モニターが見所。
超上級C Tuned (2007年6月1日追加) 周回 2164m 28m The Sense 前作の超上級が復活。コースアーカイブ3番目の復活コース。
今作ではシミュレーター寄りの挙動になったためか、ジャンピングスポットで車が跳ねるようになっている。
特に順走ではジャンプ後すぐに右コーナーになるため車によってはジャンプ前にブレーキも必要となる。
超上級D Tuned (2007年8月1日追加) 周回 2765m 10m Wild Instinct ドリフトモード対応(2007年11月1日追加対応)。
前作の超上級Bが復活。コースアーカイブ5番目の復活コース。
ドリフトモードでは全コース中最多のスコアを誇っていた。
弩級 無印 一本道 329m 順:Heaven On A Heartbeat
逆:Black Desire
シリーズ全作登場で御馴染みの榛名山。前作からグラフィックが小改良されて引き続き登場。
細かい所では、前作まで「不明」とされたコース全長が表記されている。
弩級B Tuned 一本道 不明 452.4m Be Aggressive ドリフトモード対応(2007年8月1日追加対応)。前作から引き続き登場。
超弩級 無印 一本道 7403m 167m The Last Wall WRC第1戦のラリー・モンテカルロの舞台として有名なチュリニ峠を舞台としたシリーズ史上最難関コース。
道幅がほぼ完全に1車線分の狭さで、かつ全長も非常に長い。完走には5分超えもあり得るので心して挑もう。
超弩級B Tuned (2007年9月4日追加) 一本道 不明 60m Feel The Noise 前作の超弩級が復活。初級Cと共にコースアーカイブ6番目の復活コースとなった。
超弩級C Tuned (2007年7月3日追加) 一本道 不明 The Night Diver 前作の超弩級Bが復活。初級Dと共にコースアーカイブ4番目の復活コースとなった。

評価点

シリーズを通して磨かれた格別な演出面

  • 前作をベースに更に美麗化した、シリーズ最高峰のグラフィック。
    • 車の内外装モデリングは勿論、タイヤスモークや霧といった「煙」、特に新規コースの街並みや田舎・山の自然の描写は文句無しの綺麗さとなった。
    • エンジン音等の効果音も、前作をベースに更に微細化。5.1chサラウンドシステム追加の効果もあり、車内視点では実車並みの臨場感が味わえる様になった。
      それどころか、コース脇から聞こえる水の音、鳥の鳴き声、観衆の声、花火の音も車外と車内で聞こえ方が如実に変わる様にもなった。
    • リプレイのカメラアングルもサード屈指の秀逸さ。
      • 初代から(更にさかのぼれば前身作の『サイドバイサイド』から)積み重ねてきたノウハウがあるからこそ、実現できたカメラアングルだろう。
    • 従来は隠し車種で存在した『頭文字D』や『湾岸ミッドナイト』等の走り屋漫画のパロディ要素は今作で排除され、「走り屋参加の合法レース」の雰囲気は全体的に薄まった。
      海外メーカー参加の影響も有ってか、「D1グランプリ」等の「レーサー参加の特設レースイベント」へシフトした印象があり、各コースや演出でもその傾向が見られる。
      • スタート時のシグナル演出(これは前身作「サイドバイサイド2」からの復活ではある)、新規コース脇の壁やそこにデザインされたスポンサー広告の多さ等。実際、「D1グランプリ」とは『無印4』から特別仕様車で間接的にタイアップしており、Tunedのオープニングデモの一つは中級BでD1出場車の2台がドリフトを繰り広げるもので、同イベントの忠実な再現となっている。
  • 基板は前作のPS2互換基板であったSYSTEM246からタイトーのWindows PCベース基板であるTaito Type X+*4に変わった。

シリーズ中で最もリアルな挙動

  • 前作よりも挙動が全体的にリアルになり、強引な荷重移動によるコーナリングが不可能となった。かと言って誇張でない程度にドリフト制御が比較的容易な所は変わらず継承されている。
    適切に減速、荷重移動を駆使しないとヘアピンが曲がれないリアルさと、扱い易いドリフト制御というゲーム性も両立している。この絶妙なバランスは、他のレースゲームの追従を許さないだろう。
    • リアル系・シミュレーション系統のレースゲームが好きなユーザーからは満場一致で非常に高い評価を得ており、事実上シリーズが終了した事を惜しむ声は今尚絶えない。
      一方でリアルな挙動が苦手な人への配慮も抜かりない。余裕ある制限時間、低難易度では適切に遅くなるCPUカー、離されても追い付けるラバーバンド、 Tuned では下記のサポート機能も追加している。
      • 因みに『無印4』では全シリーズ中で最も『グランツーリスモシリーズ』寄りの挙動となっており、ステアリングレスポンスが全体的に固く重いため、サイドブレーキを駆使するか正しいセッティングをしなければ後輪駆動車でもドリフトがしにくい挙動となっていた。
        Tunedではこれらのステアリングレスポンスが若干強化。ドリフト制御が容易になったことで取っつきやすさが改善された。

シリーズ初の海外車種と海外コースを収録

  • 国産車も従来通り多数収録し、全53台(無印は30台)の挙動とハンドルの重さも再現。シリーズ恒例の車内視点も勿論全車再現されている。
    登場している海外コースも、アメリカのオーバルとスタジアム、モナコのモンテカルロ市街地とチュリニ峠、フランスの名峰シャモニー山と国際色豊かである。

Tunedで更に追加された、初心者に対する手堅いサポート。

  • カーブで自動ブレーキが掛かるATである「簡単AT」を始め、次コーナー予告やブレーキ警告、ドライビングライン表示等、ゲームに慣れていない人に対するサポートが充実した。
    特に簡単ATを選べば、プレイヤーはアクセルとハンドル操作だけに集中すれば良く、コーナー前でアクセル踏みっぱなしでも曲がる時にハンドルさえ切れば大抵は曲がってくれる。
    加えて無印の段階で余裕のあった制限時間も更に延長。上記の挙動改良も相まって完走しやすくなった。
    初心者は勿論、初見・苦手コースに挑戦する経験者でも安心して完走・練習が出来る様になったと言えるだろう。

自由度の高いチューニングシステム。

  • パーツ獲得方は前作の『湾岸マキシ』のようなレース毎から、BG4ガレージでゲーム内通貨のBG(バトルゴールド)を消費してチューニングしていく方式となった。
    下記の様にチューニングパーツ・ドレスアップ(装飾品)は大分豊富だが、エアロで空力や性能が変わる所には注意。
    段階チューニングはいきなり上位のパーツは買えず、Lv.1から順に買わないといけない。

充実したボリューム

  • 前作同様、外部製作されたBGMもコースの雰囲気にマッチしており高評価。今作のBGM作曲はフリーランスの足立賢明氏と阿部学氏が全曲を担当。
    前作の有限会社サウンドウェイブの鈴木貢氏とはまた違った、ギターとドラムを強調した明るめの曲調が多く、中には金管楽器を強調したスピーディーでジャジーな曲も。
    • ZUNTATA*5や鈴木貢氏による過去作BGMの殆ども収録されている。但し初代『サイドバイサイド』の全曲と『BG2』の初級コースBGM「To Become Wild」は未収録。
      後者は元クリスタルキングの田中昌之氏がボーカルを務めている為、権利関係の都合と思われる。
    • 前述したが、稼働中期~後期にかけて「コースアーカイブ」という前作コースの復活が行われ、無事、全コースの復活を遂げた。
    • 店舗によって設定された料金を投入すれば一定時間プレーし放題な「時間貸しフリープレー」に標準対応。タイムアタックでやり直すプレイヤーに対しての配慮はやはり抜かりない。また、その設定をした時のみの専用表示も。
      但しこれは店舗側が筐体テストモードの料金設定でそのように設定しなければならないので注意。また、この状態の時は通常のクレジットプレーが出来なくなる点にも注意。

賛否両論点

痒い所に手が届いていないシステム関連

  • エンジン音が大きすぎる。BGM音量を最大にしてもエンジン音調整が出来ない為、どうしてもBGMが聞き取りづらい。
  • 前作同様、ハンドルの重さも再現しているが、調節機能は今作でも無い。人によっては疲れる事必至。
    • Tunedで若干改善されたものの、『無印4』ではハンドルの重さが更にリアル寄りになっており、限りなく実車に近いハンドルの重さを実現していたものの、取っつきやすさを求める一般層からの評価は厳しいものであった。
      • ハンドルの重さ自体は、当時既に『湾岸マキシ』では一定、『頭文字D Arcade Stage Ver.2』では調整可能だった。今シリーズでは前作の時点で問題になっていたのだから、無印の時点で調整機能を入れるべきだっただろう。

面倒で理解を妨げるセッティング機能

  • 「本格的で楽しめる」という意見から「面倒くさい」という意見まで様々。今作だけに限った事では無いが、簡易セッティング機能があれば良かっただろう。
    • 特にタイムアタックを極める場合、使用車種のマシン特性とコースの組み合わせに合ったセッティングメニューが必要となるのだが、正解となるセットアップを見つけるには途方も無い走り込みが必要であった。
      • このため、良心的なプレイヤーを中心に車種別セッティングの正解表をネット上やチームBBS等で公開・共有するケースが多く見られた。

有料機能(ガレージエクステンション)の是非

  • ※2016年8月1日から有料機能制度が廃止され、下記の全機能が全面無料解禁となっていた。
    • 内容は、レース前後のオリジナルメッセージ、車のサイド、リアウィンドウに貼るオリジナルステッカー作成*6、チーム運営、ライバル募集、TAで走った記録の詳細*7である。
      • とはいえ、競合他社のゲームでは「このゲームにおいて無料で利用可能な要素」ですら大半が有料であることも当時の時点でかなり散見された事を考慮すれば、まだ有情…と見るべきか。

一部超高額なパーツの是非

  • 一部車種に用意されていた偏光色と、エンジンチューン(600,000BG)、エンジンスワップ(800,000BG)が該当。しかし1プレイで約80,000~100,000BG増えるので、少々の貢ぎに抑えられているだけマシと言える。

問題点

これまで以上に猛威をふるう補正の数々

  • 強引な追い抜き対策として、イン側からアウト側の他車に接触するとグリップ力が低下する補正が相変わらず存在している。
    今作はこの補正自体は強くないものの、今まで以上にリアリティになった挙動やその他の補正が絡んでしまい、体感的にはシリーズ中で最も露骨になっている。
    • インから他車に「少しでも」接触すると、自車のグリップ力が低下し、減速してもアウトに流されてしまう。逆に他車はグリップが上昇する。
      折角インから抜かそうにもこの仕様ではサイドバイサイドなんかたまったものではない。狭いコースが多いのだから尚更。下手すると無理ゲー化しかねない。
      勿論、イン側が他プレイヤーカーやCPUカーでも適用されるが、後者の場合は下記の仕様があるのでそこまで効き目が無い。
    • CPUカーはコーナリングする直前からグリップ力に上昇補正が大きく掛かる。勿論プレイヤーにそんな補正は無い。前作からある補正だが、今作ではそれがより大きく強化されてしまった。
      • 例えブーストやニトロを使っていても、使っていない時と全く同じ位置でブレーキングする。
      • コーナー直前で自車がCPUカーに接触すると、CPUカーは壁に追突するどころか不自然な速さで見事にコーナリングする。
        プレイヤーカーがぶつけられた場合はこれらの補正は適用されないので余計に理不尽さに拍車を掛けている。
      • それ以前にCPUカーの走り自体が従来と同様に限りなく完璧に近い。AIで動いているわけではないので、コーナリングもかなりコンピュータじみており不自然。
    • 文面からでは分かりづらいが、一度でもプレイすればその恐ろしさは一目瞭然。不公平以外のなにものでもない。
      それを見越してか上記の評価点で述べた通り、ラバーバンド機能が存在しているが、それでバランスが取れているとは到底言い難い。
      更に上級者向けコースになるとラバーバンドすら空気になってしまい、上記の補正を利用しないと勝てないレベルである。

チューニングシステムにかなり不便な点がある

  • BG4ガレージ(webサイト)のパーキングスペースは最大60台まで入れられるのだが、初期状態では3台までの上、1スペース購入するには100,000BGが必要
    セッティングも6つまで保有出来るが、初期状態は1つだけの上、1つ追加する度に現在のセッティング数×100,000BGが必要
  • 「記載されていない隠し仕様として」パワーチューニングを先に施すと、加速が相当もたつく様になるという大きなデメリットがある。
    駆動系、ハンドリング系の後にパワーチューニングを施せば回避可能だが、いかんせん無記載の為、初見プレイヤーが引っかかる可能性が高いのは頂けない。
  • 今作のファイナルギアは、4つのセッティング済みのファイナルギアの何れかを購入する仕様となっている。いっそ簡易セッティング機能を付ければ良かったのでは?
  • エアロが空力に影響する。現実と同じと言えば確かにそうなのだが、前作では走行性能に影響しなかった為、気に入ったエアロで走りたいプレイヤーからは大きな不満点とされた。ある程度腕に自信があるなら見た目で選んでもさほど問題は無いが、タイムアタックでは泣きを見る事になってしまう。
    • その空力変化も、ストリート、スポーツ、レースで一定の効き目があると言った感じでかなり大雑把。ウイングのダウンフォース調整も原則レーシング2でしか不可能。

前作から未登場の実在国産車がいささか多い

  • 無印で外車、 Tuned で前作『3 Tuned 』の全コースが追加されたが、その反面国産車が前作から減少。
    計23台が追加された『4 Tuned 』でも未登場の車種が13台もあり、具体的にはランサーエボリューションVII・VIII4種*8、インプレッサ4種*9とBE5レガシィ2種*10、EP3シビックタイプR、後期S14シルビア、AE86レビンと何れも人気車である。
    一応、前作同様に近似車種*11が継続登場している車もあるものの、それは極一部のみで、前作で該当車を使用していたプレイヤーは無印・ Tuned で2度落胆する事になった。
    • これでも Tuned で相当数が復活した方ではあり、『無印4』の時点では車種以前に内容自体が劣化作と言える程に薄かった。
      前作のPS2互換基板からPCベース基板への移行による高精細なグラフィック作成の手間故か、車・コース共に前作よりも大幅に減少していた。
      事実上の前々作である『無印3』とはコース数は同じだが、収録車数では同作の全実在車34台*12に負けていたので、この問題の発生は不可避だったとも言える。
      結局タイトー側も最終アプデまでに全車種のグラフィック作成が間に合わないと判断したのか、前作から未復活に終わった車種に関しては「チューニングシステム導入に伴う近似車種への車種統合」という形を取ることとなった。*13
      • 一方で Tuned での復活車種の一部には、ゲームバランスの関係で敢えて『無印4』での収録を見送ったと思われる車種も少なくない。例えば超フロントヘビーな重量配分故に頑固なアンダーステアが目立つR32スカイラインGT-R、パワステ無しの純サーキット仕様の後期NSX Type R等は、『無印4』のシミュレーター型の挙動では操縦が極めて難しくなる為に収録を見合わせたのではとの説も強い。

ネットエントリーキーの問題

  • 前作同様に定価500円で売っている高価な記録媒体にもかかわらず、保存出来る車種も前作同様1台だけであった。
    BG4ガレージは60台まで登録出来る仕様があるのだから、せめて1つのネットエントリーキーに60台まで保存出来る様にするべきではなかったのだろうか…。
    • 本作のゲームデータは現在の「Aime」「バナパス」等と同様サーバーに保存される方式を取っていた為、媒体の劣化の影響を受けず鍵の更新が不要であっただけマシだと言えるだろう。
      もし鍵の使用回数の概念があろうものなら更新の度に高額な料金を要求され、プレーヤーからは阿鼻叫喚の嵐となっていたことは言うまでもない。
    • オンラインサービスが終了した現在でもキーを販売している店があるが、ネットエントリーキーを使用したゲームプレイは行えないのでほぼ無意味。

その他

  • 色変更をRGBでする事が出来ず、予め用意された色のみしか選べない。
    • そして色を変えるのに必要なBGも安いとは言えない。特に偏光色は500,000BGとそれなりに値が張る。
      但しカタログカラー(車種選択画面で選べる色)とホイールカラーは例外で無料と言う配慮はある所は親切と言った所か。
  • レガシィB4のヘッドライトの位置がバグでズレている。

総評

挙動もリアル寄りにしては最高峰に運転する楽しさを感じ取れ、ゴーストの細かい指定、チューニング要素の細かさといった完成度の高さは、間違い無く良作と評価して差し支えない出来栄えである。
だが相変わらず…どころかこれ以上も無い位に悪化したプレイヤーに露骨に不利に働く補正郡や、不便過ぎる仕様が幾つかある等、良点を台無しにしてしまっている箇所もそれなりにあり、手放しに評価可能な作品とは言えないのもまた事実。
更に無印時代はシリーズファンが離れてしまうほどの内容故にスタートダッシュに失敗してしまった痛手もあるなど、稼動当初からしばらくの時期に限ればシリーズの黒歴史とも言える要素も。

それでもゲームとしての粗はそれなりに目立つとは言え、アーケード作品でも屈指のリアルなレースゲームである事は疑いの余地がない。
結果として現在は勿論、当時のアーケードゲームの基準として見ても隠し要素に絡む貢ぎ要素も特に無く、アーケード筐体でレースゲームをしたいのならば自信を持ってお薦めできる一作と、時を経て再評価される格好となった。

現在は13年9ヶ月も続いたオンラインサービスが遂に終了となり、ただでさえ少なかった筐体がここから更に撤去されて数が少なくなることが容易に予想でき、いつ日本のみならず世界市場からも絶滅してもおかしくない状況にある。
もちろん一部店舗ではオフライン状態により稼働を継続する場所もあると思われるが、年数が年数なだけに近い将来基板や筐体の保守対応サービスが終了し、起動不能に陥り市場から完全絶滅するのも時間の問題である。

もしこの頁を閲覧した貴方が本作を遊んでみたいと思うならば、手遅れになってしまう前に稼動筐体を見つけ出し、ハンドルを握ってみて欲しい。


その後

長きに渡る稼動からのオンラインサービス終了
実に稼働開始から13年9ヶ月、そして『サイバーダイバー』のオンラインサービス終了後は5年にもわたり、唯一のNESYS専用カード(ネットエントリーキー)対応タイトルとしてもの間オンラインサービスを続けてきた本作だが、遂に平成が終わる1ヵ月前の2019年3月31日に、オンラインサービスが終了する事となった。
奇しくも2019年は、『バトルギア』稼働から20周年を迎えたアニバーサリーイヤーでもあったが、本作のサービス終了で、『3』の稼働開始から17年間続いたNESYSは役目を終え、NESiCAに完全に受け継がれた。
名実ともにシリーズは生誕20周年の節目及び平成の終わりの年を以って、前身作の『サイドバイサイドシリーズ』から数えれば23年の歴史に完全に幕を閉じることとなった。

  • 2008年8月8日~24日まで開催された最後のオンラインイベント「バトギ夏の陣」を皮切りにイベント協賛を取りやめた2009年10月15日以降は、不具合修正以外は殆ど放置されてはいた。
    こうした状況の中、現在のタイトーがスクウェア・エニックスに吸収合併され、レースゲームを始めとする一部ジャンルの開発縮小及び撤退が相次ぐ等不安定な経営状態が続き、
    後述でも述べる通りその最中で開発チームは解散、所属スタッフも整理解雇された影響もあり*14、一部ファンの間ではシリーズの現存資料の散逸を心配する声もあった。
    そんな中で曲がりなりにもこれだけアーケードのオンライン対応ゲームの中でも異例と言えるほどに長い期間オンライン運営を続けてくれただけでも、タイトーには感謝せざるを得ないだろう。
    • 連動サイトの『BG4ガレージ』もオンライン終了と同時に閉鎖され、『稼働店舗情報』『上位ランキング情報』の公開も終了した。
      但しシリーズ公式サイトの『BATTLEGEAR.NET』は、サービス終了から5年が経過した現在でも存続が確認されている。(2024年4月14日現在)
      とは言え、既にサイト開設から20年以上が経過しており、サーバーの老朽化等によっていつ閉鎖されてもおかしくないので、シリーズ作品の魚拓取得をしたり思い出として懐かしむのならば今のうちである。

その後のタイトーレースゲーム事情

  • その後タイトーは制作チームを一新した新体制の下で、完全新作レースゲーム「TOPSPEED(トップスピード)」を2009年に発表した。
    • 筐体は同社の「D1GP ARCADE*15」風のシングル筐体で、基板に当時最新の「Type X2」を使用しグラフィックを『BG4』より強化、車は国内外の新旧車が登場*16
      最大の売りとしては専用カードと最大10人のオンライン対戦が導入され、チューニングの保存*17やハンドルに装着されたボタンによる定型チャットが可能だった。
      同年7月にはロケテストまで行われたが、残念ながらそれを最後に続報が途絶えてしまった。お蔵入りと見るべきだろう。
      • あれから9年後、セガより稼働された『SEGA World Drivers Championship』で、初めて最大10人のオンライン対戦が実装された。
  • 2010年、「D1GP ARCADE」の筐体を流用した「BATTLE GEAR 4 Tuned 2010」が海外向けに稼働を開始した。
    • NESYS・ネットエントリーキーの非対応化、英語化*18、コースアーカイブのコースが工場出荷時からプレイ可能となっている。
  • 2010年9月、キッズ向け対戦レースゲーム「バトルホイール スピンギア」をAMショーで発表・出展。
    • レース中にライバル車に対戦バトルを仕掛けることができたり、座席後部にあるボタンで保護者が子供のプレイをアシストできるといった特徴的なシステムを採用。
      NESYSに対応し、カスタマイズ、追加コース・車両・ドライバー・パーツの配信、店舗ごとのイベントモード配信が計画されていた。
      2011年春の稼働開始を予定していたが、そのままお蔵入りとなった。同年2月開催のAOUエキスポの出展機種ラインナップに同作が含まれていないことからして、AMショーからAOUエキスポまでの間にお蔵入りが決まった可能性がある。

競合他社に受け継がれる本シリーズの魂

  • 本シリーズで培われたノウハウの一部は、SIEが発売元のリアル系レースゲームの金字塔である『グランツーリスモ』シリーズに影響を与え、『5』以降で内装視点が実装されたり、正式にドリフト走行が可能になったりと、ある意味で受け継がれたと言えるだろう。
    • アーケードでも同様の事例がセガの『頭文字D Arcade Stage』シリーズに発生しており、4作目以降から挙動に物理演算要素を導入したり、10作目の『THE ARCADE』ではローカル対戦限定で4台通信に対応、本作以来15年ぶりに4人対戦可能な峠レースゲームが復活することになった。

家庭用移植にまつわる大人の事情

  • PS3を始めとする当時の家庭用新型ハード向けゲーム開発も高額になっていくことによる採算面の問題や、『 Tuned 』稼働開始から程無くしてシリーズの制作スタッフの大半がタイトーを退社した為か、本作の据え置き型ゲーム機への移植は行われなかった。
    • 現在のタイトーはスクウェア・エニックスに吸収合併されたが、同社も旧スクウェア時代に『DRIVING EMOTION TYPE-S』で大失敗した経験があるので、スクエニ名義での家庭用移植や新シリーズも絶望的。
      また、『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』の様にスクエニ以外の他社に開発・発売を担当させる方法に関しても、そもそも前述の通りシリーズ開発チームの解散及びその所属スタッフの整理解雇もあり、同作の現存資料の残存すらも疑われる可能性がある為これもまた絶望的といったところか。
    • 尤も、2010年辺りからレースゲーム自体格ゲーやSTGと共に需要低下に伴う売り上げ氷河期に陥っている為、それ故に競合他社の殆どにおいて新作レースゲームのラインナップの縮小及び開発そのものからの撤退が相次いでいる。
      現在タイトーは『ダライアス コズミックコレクション』をもって9年越しとなる家庭用ゲーム事業への再参入を果たしているが、日本における近年のレースゲームを取り巻く事情を鑑みると、タイトーが本作の移植を含めた新作レースゲームの開発に再参入する可能性はかなり厳しいものであろうか。
    • 加えて、本作の上級コースのモデルがモンテカルロ市街地コースであることから、ライセンス絡みの問題でも家庭用機への移植を一層困難にしているとされている。
      • モンテカルロ市街地コースは世界各地のサーキットの中でも版権料が極めて高額であり、SIEの『グランツーリスモ』シリーズでは高額なロイヤリティを避けるために「コートダジュール」という架空の名称に変更し、国籍をフランス扱いとすることで収録していた為、本作でも同様の手法で収録していたものと思われる。現在は権利絡みの法整備が世界的に進んだことでこの手段が使えず*19、F1のゲーム等を除いてモナコが登場しなくなった現状を鑑みても、移植へのハードルはより一層高まったと言えよう。

時代の流れとは言え、後世に伝えるべきレースゲーム界の名作を残したメーカーの末路としては、若干寂しいものがある。
しかしながら、本シリーズのノウハウが競合他社作品に受け継がれたことから分かるように、レースゲーム冬の時代と呼ばれて久しい今のご時世においても、『バトルギアシリーズ』はこの世に生まれた証をしっかりと刻み込んでいるのである。


オンラインサービス稼動時の詳細

+ 詳細

レースモード

  • COM Lv.は標準では10まで選択可能。Lv.10を1位で完走したコースのみでLv.11を選択する事が出来、Lv.11をクリアすると、Lv.12、13…と続いて選択可能になる。
  • 1位を取ると「レーシングスキル」が上がり、それに応じてレベルが上がり、対応した称号を獲得する事が可能。例えばLv.10を1位で完走すれば、いきなりその分レベルと称号が上昇する。
    • 称号はレベルが上がれば自動的に付け替えられる。…とは言っても「称号名+(数字)」といった具合だが。

タイムアタックゴースト

ゴーストの種類 解説
おまかせゴースト 全国ランキングの自分より1つ上の順位のゴーストが出現する。未完走の場合は最下位のゴーストが出現する。
自分のゴースト 自己ベストのゴーストが出現する。
僅差ゴースト おまかせゴーストの効果に加えて全エリアorエリア(ナンバー別)or店舗から絞込みする事が可能。
最速ゴースト 全エリアorエリアor店舗の1位のゴーストが出現する。
ライバルゴースト マイガレージで指定した相手のゴーストが選択可能。
ゴースト無し ゴーストが出現しない状態でタイムアタックを開始する。

因みに「僅差ゴースト」「最速ゴースト」のみノーマルの時のみA~Dクラスの指定が可能。これを利用して「金星&銀星」を獲得可能。
自分より1つ上のクラスのゴーストに勝利すれば銀星、2つ以上上のクラスのゴーストに勝利すれば金星が獲得出来る。

自分のクラス Cクラス Bクラス Aクラス
Dクラス 銀星 金星 金星
Cクラス - 銀星 金星
Bクラス - - 銀星

因みに自分よりも上のクラスの車に勝利した証なのでAクラスでは獲得不可能。但しこの要素は単にランキングで競い合う為だけの要素であり、隠し要素解禁等には一切絡まない。

それぞれのモードで手に入るバトルゴールド(以下BG)

レース2種
項目 獲得BG
基本獲得BG 80,000BG
1位 +5,000×COM Lv
2位 +1,000×COM Lv
タイムアタック
項目 獲得BG
基本獲得BG 80,000BG
壁接触無し +20,000BG
自己ベスト更新 +10,000BG
ドリフトモード
項目 獲得BG
基本獲得BG 100,000BG
自己ベスト更新 +10,000BG

因みに時間切れでも60,000BG、リタイアしても1,000BG貰える。アーケードゲームとの相性の良さもあり、非常に親切な設計となっている。

チューニングパーツ一覧

項目 解説 備考
駆動系チューン
ブレーキ ブレーキを強化するメニュー。Lv1~3まである。 段階購入
タイヤタイプ スポーツラジアル、HGラジアル、レースタイヤハード・ミディアム・ソフト、ドリフトタイヤが装着可能。
ドリフトタイヤのみドリフトに特化したタイヤとなっており、他のタイヤより滑り易くなっている。
スタビライザ スーパーハード・ウルトラハードが装着可能。 前後別
ダンパー&スプリング ローダウン&強化ショック、ストリート・レーシング・ラリー車高調キットが装着可能。 ローダウン&強化ショックのみセッティング不可能
軽量化&剛性UP ボディ剛性を強化したり軽量化するメニュー。Lv.1~3まである。 段階購入
ドライブトレイン 駆動系統を強化するメニュー。Lv.1~3まである。 段階購入
ギアボックス載換 載換可能なパーツは現実に忠実である。 一部車種交換不可能
ファイナルギア (加速)←SUPER LOW、LOW、HIGH、SUPER HIGH→(最高速)がある。
エアロパーツ 部分ごとで、ボンネット、サイドミラー、ルーフ、サイドスカート、フロントバンパー、リアバンパー、ウィングが交換可能。
全車種ストリート2種、スポーツ2種、レーシング2種、ラリー1種が用意されている。
ルーフのみ一部車種のみ交換可能でそれぞれ異なる。
ウィングは元々装着されている車種にはウィングレスも可能。
原則レーシング2のみダウンフォースの効き目を設定可能。
パワーチューン
エンジンスワップ エンジンを載せ換える。マニア向けも含めて実在している物のみ登場している。
コンプリートエンジンは、最初からフルチューンされている。
無印ではオーバーテイクスイッチが使用不可能だったが、 Tuned では使用可能になった。
一部車種交換不可能。
中には体感的に性能が低下するエンジンもあるので注意*20
更にマニア向けと表記されたエンジンは明らかに性能が落ちる
これは実在品を再現しているだけなのでバグでも罠でも無い。
エンジンチューン エンジンを強化するメニュー。Lv.1~4まである。Lv.3以上でオーバーテイクスイッチが使用可能になる。
Lv.4は最高速向けなので、通常の場合は低・中速向けのLv.3を装着した方が良い。
段階購入。コンプリートエンジンでは選択不可能。
冷却チューン 冷却系統を強化するメニュー。Lv.1~3まである。 段階購入
マフラータイプ 低回転寄りのストリート、低・中回転寄りのスポーツ1,2、高回転寄りのレーシング1,2が装着可能。1は低速向け、2は高速向けである。 グラフィックでも変化する。
外部装飾品
ボディカラー 車体の色を変更可能。偏光色は一部車種のみ。 カタログカラーのみ最初から所持している。
ライトカラー ヘッドライトの色を変更可能。
マッドフラップ タイヤの泥除けを装着する。
車種別アクセサリ 車種によって違う専用のアクセサリを装着可能。
ホイール 架空のホイールに交換する。全車種共通である。インチアップ・ワイド化を装着する際には必須のチューニングである。
ホイールカラー ホイールの色を変更可能。全色最初から所有している。 ノーマルホイールでは装着不可能
リムカラー リムの色を変更可能。 ノーマルホイールでは装着不可能
ウィンドウカラー 窓の色を変更可能。
内部装飾品(車内視点で可視可能)
タコメーター 12,000回転スケール。一部追加エンジンを装着した場合は純正タコメーターが振り切ってしまうのでこれを付けた方が良い。
ブースト計 これが無いとブースト計が表示されない。当然ながら自然吸気エンジン搭載車種に装着しても機能しない。
油圧計 リアルタイムで油圧が見れる様になる。 ゲーム的には飾り
油温計 リアルタイムで油温が見れる様になる。
水温計 リアルタイムで水温が見れる様になる。
時計 リアルタイムでゲームに内蔵されている時間(リアルタイム)を見る事が出来る。
+ タグ編集
  • タグ:
  • RCG
  • タイトー
  • バトルギア
  • 2005年

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最終更新:2024年04月14日 17:18
添付ファイル

*1 本作の後に発売されたチェイスH.Q.2はGamewax、D1GP ARCADEはユークスと他社が開発を担当しており、後継作のトップスピードが開発中止になったため、最後の自社開発(海老名GM2研)レースゲームとなっている。

*2 ブレーキを踏まずにアクセルを離したり、ギアを落として徐々に減速させる手法。現実ではブレーキの酷使防止・オーバーヒート時にも使われる。

*3 具体的にはコース形状がオートクラブ・スピードウェイ風で、コース中の建造物はドーバー・インターナショナル・スピードウェイ、日本のツインリンクもてぎ風となっている。

*4 タイトーが東芝パソコンシステムと共同で開発したAC基板である「Taito Type X」の一部性能強化版

*5 それぞれ前身作『サイドバイサイド2』、『バトルギア2』を高萩英樹氏、『バトルギア』を瓜田幸治氏が担当。

*6 無料だと事前に用意されたものだけ使用可能だった。しかし著作権に触れるもの(痛車等)、不適切な表現が含まれたもの(性的・暴力的な内容、特定人物・団体への侮辱、名誉毀損)は削除され、当分機能が停止され、代わりに「ペナルティ期間中」と書かれた何とも恥ずかしいデカールを貼られていた。

*7 セガの『F355チャレンジ』の走行データ確認や、『頭文字D Arcade Stage Ver.3』における「公道最速理論」に近いもの。

*8 Sクラスの競技用グレード「RS」、Aクラスの通常グレード「GSR」。

*9 それぞれ前期GDBのSクラスの特別仕様車・Aクラスの通常車の3台と、GC8の4ドア仕様。

*10 Aクラスの特別仕様車と通常車。

*11 ランサーエボリューションVII・VIIIはその進化モデルのランサーエボリューションIX・IX MR、2種のインプレッサは同世代の別仕様車(中期・後期、2ドア仕様)、AE86レビンは姉妹車のトレノや廉価版のAE85レビンが登場しているが、後者はエンジンスワップが必要となる。

*12 同作には計23台のTuned車も登場(Sクラス20台、Bクラス1台、Cクラス2台)していたが、何れもメーカー純正車では無いので除外。1台を除きほぼ全てが漫画のパロディ車でもあった。

*13 ランエボⅨ2種に前作で登場していた競技用グレード「RS」用の5速MTをギアボックス換装用チューニングパーツとして用意する等

*14 なお、本シリーズのディレクター及びプロデューサーを担当した酒匂弘幸氏は開発チーム解散後もタイトーに残留し、その後も精力的に活動を続けていたが2013年に退社、同年に株式会社たゆたう(現:あまた株式会社)に移籍し現在に至る。

*15 タイトー販売では有るが、開発はPS2版「D1GP」シリーズを開発していた「ユークス」が担当。

*16 「国内外~」は公式発表に記載されており、公式発表の画像で確認できる限りでは、ホンダからS2000タイプS・NA2 NSXタイプR・FD2 シビックタイプR、マツダから後期型RX-8タイプRS、三菱から中期型ランサーエボリューションX、スバルからGRBインプレッサSTi5ドア、トヨタから後期型JZA80スープラの計7車種の登場が確認されている。

*17 ロケテストに参加した人によると、チューニングの段階は15段階程度で、『頭文字D Arcade Stage』や『湾岸マキシ』よりは少なかったとの事。

*18 NESYS対応版は海外でも日本語のままオンライン稼働していた。

*19 この影響か、2017年発売の『グランツーリスモ SPORT』以降では収録されていない。

*20 レガシィB4のEJ25などがそれにあたる。