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初版投稿日:2019/1/18 追記修正歓迎

バトルキッド 危険な罠

【ばとるきっど きけんなわな】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピューター
作者 Sivak Games
発売日 2018年10月18日
価格 5378円(税込)
判定 良作
ポイント 海外版の日本語対応版
原作から遊びやすくするため大幅なアレンジ
BATTLE KIDシリーズ - 1 / 1.5 / 2

概要

大人気を博した高難度二次元アクションフリーゲーム『I WANNA BE THE GUY』(以下アイワナ)にインスパイアされて海外にて登場した同系統のアクションゲームBattle Kid: Fortress of Perilが日本上陸を果たした。
 ただの移植だけでは終わらず、難易度調整、シナリオ改良、特殊ステージ追加など大幅なアレンジが加えられている。
これの主題歌というワケではないのだが、タイトルどおり危険な罠が待つ。

ストーリー

G1街の中心にある特殊研究所ディッシュ リサーチファシリティ
そこでは、コンバットプログラムが実施されており特別なテストが行われようとしていた
友人チェスターは不正を行い発覚してディッシュを追われてしまう
その6か月後…
ディッシュが襲撃される、そこには何とチェスターの姿が
彼の身に何が起こったのだろうか、チェスターを追い島に向かう事になる
機密データをめぐって壮絶な戦いが幕を開ける。

登場人物

  • ティミー
    • 本作の主人公。泉研っぽい外見である。
    • スペシャルコンバットスーツ*1を着用して、トランスポートシップに乗り込み古代要塞イルアカブに向かう。
      • これが唯一の攻撃手段、弾数無制限、真横にのみ撃てる。魔獣王との違いは歩きながら撃てるのと弾速は普通な事。
    • すなわちアイワナ仕様。アクションはアイテムを取得する事で追加される。
  • バイヤーズ博士
    • 泉研にとってなぎさ先生みたいな存在。冷静で的確な判断力があり、ディッシュでも重要な役割を担う。
    • 本作では通信機を支給、道中では主に情報面でサポートしてくれるようになった。
    • ラストでは奥の手の用意がある。
  • ドノヴァンチェスター
    • 原作ではただの"??? #1"という扱いだったが、本作ではティミーの友人として登場。
    • コンバットプログラムの成績はトップクラスであったが不正によりディッシュを追放される。それ以来、紆余曲折を経て凶悪な敵と化した。
    • ハッキング、戦闘を得意とし、あらゆるスキルを駆使し最後の最後まで苦しめて来る。

特徴

 大部分は原作から変化していない。

基本システム

  • ジャンプとショットを駆使して進んでいくドット絵の2Dアクションゲーム。
    • ショットは敵を倒したり仕掛けを発動させるために使用し、弾数制限はない。ただし中にはショットが通用しない敵もいる。
  • ステージ移動の概念はなく、全てのマップが繋がった広大な1つのステージを探索していく形になる。マップは全て1画面に収まるサイズであり、画面の端に移動することで次のマップに移動できる。マップ移動の際敵の配置やギミックは全て初期化される。
  • 定期的にセーブポイント*2が設置されており、ショットを打ち込むことで再開に必要なパスワードを表示できる。
    • すなわち本作はゲーム内のセーブ機能を有していないことになる。注意。
    • 残機はないがライフ制であり、ライフが0になるとミスとなる。ミスした場合は最後にセーブしたセーブポイントから再開となる。セーブする際ライフが減っていた場合最大値まで回復する。
    • 死にゲーの一面を持つ本作は死亡回数をカウントしてくれる独自のシステムが存在する。ただしパスワード内には埋め込まれていないため、1度電源を切るとリセットされる。
      • 代わりとしてパスワードで再開時に死亡回数を任意の値で入力できるため、プレイヤーが覚えていれば死亡回数も引き継ぐことが出来る。もちろん誤った値を入力してもプレイに支障はなく、一種のやりこみ要素である。
  • 難易度は原作と違い6段階から選べるようになった。HARD以上になると最大ライフが1で固定(=いかなるダメージを受けても即死)になり、インスパイア元のアイワナを意識した難易度となる。
    • 原作ではライフは1で固定のため、HARDが原作準拠の難易度となる。
  • 逆にNORMAL以下にすると最大HPが3以上に増え、ボスの体力が減少するためアクションが苦手な人でもある程度クリアできる仕組みになっている。

パワーアップアイテム

  • ティミーはゲーム開始時ジャンプ1回とショットのみしか使えないが、道中でパワーアップアイテムを手に入れる事によりアクションが増え、行動範囲も広がる。これらを集めつつ今までに行けなかったところを探索していくことで新たな道が開けるだろう。
     
    • コーディネートディスプレイ
      • 画面の右上に現在地のX,Y座標が表示されるようになる。尚、一部のエリアでは効果がなく数字が??になってしまう。
  • ハイジャンプ
    • ジャンプ力が上がり、高い場所にも行けるようになる。
  • フェザーホール
    • 十字キーの上を押している間は落下速度がゆっくりになる。これにより滑空距離をのばしたり、着地を遅らせたり色々な使い道がある。
  • ダブルジャンプ
    • ジャンプ中にもう一度任意のタイミングでジャンプが出来るようになる。  
  • なお、原作にあった「INFINITE O2」は削除され、水中での移動制限ははじめからなくなっている。おそらくゲームテンポの改善を意識したものと思われる。

キーブロック

  • 道中にはI、II、III、IVというブロックが配置されている。基本的に通路を塞ぐような配置になっている。キーブロック自体は無害で乗れたりもするが、プレイヤーを阻害してくる厄介な配置もある。
  • それぞれの数字に対応したキーを取得すればティミーのショットにカギブロックを破壊する機能が付加され、ショットを打ち込むことで破壊できるようになる。
    • キーは#1から#4まであり、取得に応じて[I][II][III][IV]まで壊せる種類が増える。
    • キー[IV]のみクリアに必須ではないが、所持しているととある場所で変化が起きる。ゲーム中にもそれを示唆するとともに入手法のヒントが書かれているマップがある。

テレポート

  • 広大な要塞島を円滑に行き交うための機能。一度立ち寄っておけば即座に移動可能。新しいパワーアップアイテムを手に入れたらワープを利用して今までの場所を調べにまわるのが基本となる。

ステージと敵

  • 各ステージにはそれぞれのテーマが設定されている。
  • 敵キャラは左右に往復する、地形に沿う、コンスタンスに弾を撃つなどそれ自体は単調なものが多いものの、それらを絶妙に組み合わせた相乗効果をもたせ多彩なバリエーションを持たせる事に成功している。
    • 逆に言えば複雑な動きをしてくる敵はボスを除きほとんどいないため、敵の動きをしっかり観察すれば必ず攻略法が開けるようになっている。
  • ボスは多彩な攻撃を仕掛けてくるため最初は戸惑うかもしれないが、攻撃パターンは複数あれどそこから逸脱することはない。何度も挑戦していれば自然と避けられるようになっていく。

運には左右されないつくり

  • 理不尽なランダム要素でやられるというのは絶対に無い
    • 敵が全てパターンで行動するため、プレイヤーの腕前が純粋に試される。
    • マップを往来すれば敵の配置やギミックがリセットされるため、詰んだと思ってもやり直せる場面が多い。

評価点および原作からの改善点

日本語と英語の2か国語に対応

  • "日本語"と"ENGLISH"が選べる。表示もファミコンにありがちな"にほんご"ではなく"日本語"である。
  • また英語の場合、大文字と小文字がしっかり使われており格段に見易くなった。

初心者から上級者までカバーする難易度

  • 上記の通り難易度選択制が導入されたことでクリアするだけなら原作と比べて敷居は大幅に下がった。
    • ライフが2以上ある難易度であれば多少のダメージを覚悟で捨て身の行動を取れるため道中やボス戦がかなり楽になる。
      • とはいえ、トゲを含む一部のトラップはライフがいくらであろうと即死する仕様のため、全てをライフで解決できるほどこのゲームは甘くはない。
    • もちろん、UNFAIRを初めとした上級者御用達のやりごたえあるモードも用意されている。

グラフィックの進化

  • 特に会話シーンの顔グラがbattle kid2仕様になり状況に応じて表情も変わる、2D画面のドット絵の方も多彩なリアクションを見せる。
  • 6ボス討伐後の部屋の顔グラも一新
    • Cleoかわいいよ。Cleo。

敵の行動が改善

  • Eye Guyが弾を打つ前に半開きが用意、見切り易くなった。
  • Owlbotにレーザー攻撃が追加、低難度ならごり押しが効くが対処は難しい。
  • Cleoの攻撃パターン
    • 月、★、●の3種類になったが攻撃の前にマークが発現。
    • 波動球も、単調だったのが今作では低速高速に併用と使い分けて来るようになった。緩急自在ならぬ緩球自在と言えよう。
  • Starfish Stalkerの動きが従来は上下左右のみだったが斜めに来るようになった。
    • 他にも、O2の仕様も廃止され、どろぴーの要素は薄れたか。
  • その他
    • 敵の配置に意匠を凝らしている。これは自分の目で確かめてほしい。
    • またコンスタントに敵を復活させる仕掛けも。敵は倒してしまえば攻略が楽になるというものだが復活する事により一筋縄ではいかない。このあたりも織り込んだプレーが要求される。
  • ラスボス前のフラッシュ
    • 再戦毎に目に悪いフラッシュ演出があったが、本作では最初の1回のみで済むようになった。

ストーリーの強化

従来は、どこかの島で恐ろしい企みがあるから叩き潰しに行こうというノリだったが、本作ではストーリーが練り込まれている。

  • チェスターの役どころ
    + ネタバレ注意  元々は、最後に逃げ遅れがいた→殴って捕まえた→調べたらエンジニアだった→自白剤という扱い。
  • 本作ではただの敵では終わらない。ティミーの友人として敵としてあらゆる面を見るであろう。
  • 道中では交戦もあり、BGMも専用のものが用意されている。
    + キー4ブロックについて  キー4の入手は原作では非常に分かり辛かったが、本作ではSTAGE2の直後にヒントは出ており再訪する必要もない。時間を気にしないのなら入手は容易。
  • 従来はキー4をラストステージ突入までに取得していないとエンディングが固定されてしまい取り返しのつかない要素となっていた。
    • 本作ではキー4を取り逃してもエンディングを変化させられるチャンスが与えられた。しかし難易度の高く長いマップを時間制限付きで抜けなければならず難易度は高い。
      • なお、タイムアタック時ではむしろキー4を入手する手間の方がタイムロスになるためキー4はスルーされる羽目になった。原作とはえらく違う扱いである。
  • + 自白剤  大筋は変わらないため原作のページを参照。しかしチェスターがティミーの友人という近い立ち位置に変化したことでプレイヤーが受ける印象は変化したと思われる。
    + ??? #2、??? #3  次回作で彼らとの戦闘が本格化する。
  • ??? #2
    • 本作でも何度か少しだけ登場、チェスターに接触を図る。
    • ティミーをローツナザ*3呼ばわりするなど敵視している。
  • ??? #3
    • #2達を率いており、今回の事件は勿論、更に大掛かりな悪事を企てている疑いが濃厚である。
  • 特に原作からプレーした方にとって感慨深いものがあろう。

やりこみ要素の強化

  • 本編を高難度モードでクリアすると隠しステージのパスワードが表示される。
    • より高難易度に挑戦したい人向けのステージであり、ライフも1で固定。やり応えのあるステージを楽しめる。
    • 原作にもあったが本作では更に追加ステージもあり。BGMも、それぞれ専用のものが用意されている。
    • 本編のストーリーには全く影響はない。出来なかったからといってシナリオ面で取り残される事はない。
    • なお、ボスラッシュモードに挑戦できるパスワードも表示される。

その他細かい改善点

  • 基本的にはBattle Kid2で追加された改善点を1に逆輸入したものとなっている。
  • パワーアップアイテム取得の際には簡単な解説が出たが、更に巨大な画像が表示されるようになった。アイテムを失った際、再取得した際の演出も分かり易く強化。
  • セーブルームの入口にマークが付いて分かり易くなった。更に最初のセーブルームでバイヤーズ博士が仕組みを説明してくれるようになった。
    • 従来は専用BGMがあり通過するたびBGMが途切れていたが、専用BGM廃止で通過してもBGMが途切れなくなった事は好評。
      • パスワード入力直後、ワープ直後とかだったら専用BGMを再生したら良いという意見はある。
  • 十字キーで昇降できるリフトなど新ギミックが追加されている。
  • ワープゲートも初回時に説明と演出が追加された。
    • 部屋の壁にA~Eマークが描かれるようになり、自分がどのワープ地点にいるか分かり易くなった。
  • 移動先の座標が表示されるようになった。尤も座標だけで自身の位置を特定することは慣れないと難しいが…。

賛否両論点

他作品の影響が強い

  • 基本的にオリジナリティーあふれる作品だが、インスパイア元の影響か多少は他の作品の影響を受けている部分がある。
    • 特にロックマンシリーズを彷彿とさせる敵キャラ、出没ブロックはわかりやすいか。

ルートは固定されているのにヒントが少ない

  • ゲームを進めて行くと分岐などが多数あり自由度が高いように思えるが、実は行けるところが限られているためシーケンスブレイクは不可能である。
    • にも関わらず新しいパワーアップアイテムを入手した後に次にどこに行けばいいかを示唆するヒントがゲーム内に存在しない。すぐそばに新アクションを必要とするギミックが設置されていればまだわかるが、はるか前のマップに戻る必要がある場面もざらである。
  • 実はこうした場面に行き詰まった時のために説明書内にどこで詰まったらどう進めば良いかの記載がある。
    • 今からすると考えられないかもしれないが、当時のファミコンソフトではゲーム内に載せられないシナリオや敵情報、攻略のヒントを説明書に記載することはごくごく一般的なものであった。これは当時を再現した一種のオマージュといえる。
      • そういう意味では「ゲーム内でのヒントが少ない」のもファミコンらしさを演出したものといえなくもない。

問題点

難易度が高い

  • リスペクト元の『アイワナ』に倣って難易度が非常に高く、どうしても人を選ぶゲームになっている。
    • ごり押しも効かず実質一本道なので、一個所でも越せない個所があるとそのまま詰む危険性がある。
    • こちらは難易度を下げることである程度までは対応できるが、道中で難易度を変更することはできずはじめからやり直しになる。

プレイヤー側の自由度が低い

  • 上記の通りルートは固定されており、敵の動きもパターン化されているため、いわゆる「必勝法」が存在してしまいプレイヤー側の自由度は狭い。
  • 敵の動きが全てパターンであり、運要素が一切絡まないということは遊びも含まれないということであり、試行回数を重ねれば偶然クリアできたという場面は少なくなる。

その他

  • カタカナのミが、右下がり過ぎるのと間隔が狭いのでバランスが悪い。
  • 一列に多数の自機キャラおよび敵キャラを並べるとチラつく。ファミコンの性能では仕方のないところである。
  • 敵キャラ紹介は従来の静止画から動くようになったのは良い事だが、日本語を選んでも名前が英語の仕様のままである。説明書にはなぜかしっかり日本語で記載されている。

総評

 好評だった原作のグラフィック、演出、ゲームシステムをさらに強化し、遊びやすくしたうえで日本語に対応したものである。

  • 原作では強烈な難易度で人を選んでいたが、本作では難易度や言語の壁が取り払われた。また、ファミリーコンピュータ向けとして発売されたことで市販されているファミコン互換機を購入すれば手軽に遊べるようになった。
  • その他遊びやすくなるよう様々なアレンジが加えられているため、今からBattleKidシリーズを遊びたいと思うのであればこちらを購入するといいだろう。初心者~トッププロまで腕前に応じた難易度を選択し、デスカウントを重ねながら切り開いて欲しい。

余談

 このゲームが発売されたことにより、ファミリーコンピュータソフトの最新発売年数が再び更新された。とはいえ、任天堂非公式ソフトであるため意味のない記録ではある。
 海外版に限られるが続編も発売されている。本作に興味を持った上で言語や機器の壁を越えられる自信があれば続編をプレイしてみるのも一考である。

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