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初版投稿日:2019/3/04 追記修正歓迎です

SMASHING THE BATTLE

【すまっしんぐ ざ ばとる】

ジャンル アクション
対応機種 Steam
Nintendo Switch
発売 プラチナロケット
開発元 Studio HG
発売日 【Steam】2016年5月16日
【Switch】2019年2月21日
定価 【Steam】1,180円
【Switch】999円(税込)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 なし
ポイント 眼鏡美女無双ゲーム
個人製作としては頑張っているのだが…

概要

  • 韓国のクリエイターの個人製作アクションゲーム。
  • ストーリーは高層ビルで作業中の主人公サラが作業ロボットの襲撃を受け、事態を打開する為戦いに挑む。

特徴

  • ストーリーモードは面クリアタイプの3Dアクションゲームとなっている。
  • プレイヤーキャラは2人で、先にサラ編をクリア後マリー編が解禁される。
    • サラ・オコンネル
      • ビルで作業していた現場監督。ロボットの襲撃で同僚が負傷、同僚を助ける為に旧式のセーフティスーツを装備し戦う。
        しかし本来は男性用で着用した際はサイズが合わないパーツは排除され 露出度が高くなっている
      • 武器は巨大レンチ。サブウェポンは地雷。
    • マリー・ルーシー
      • 最新式のセーフティスーツを着用する謎の少女。マリー編の話はサラ編から直接続く話となっている。
      • 武器は巨大ハンマー。サブウェポンは遠距離武器の攻撃を無効化するシールド。
  • 両者ともに共通の仕様として敵を一か所に引き寄せるマグネット、スーツの装甲を取っ払って防御力が下がる代わりに攻撃力を増加させるオーバードライブ、スーツの耐久値を回復させる修理機能がある。
    • サブウェポン以外に異なる点として、サラはツールソードという巨大剣、マリーは自立行動及び自爆攻撃ができるロボットの生成が出来る。
      • 基本戦術はマグネットで敵を引き付ける→ソードか自爆攻撃で一気に片づけるということになる。
  • ステージクリア時に敵の連続撃破数等を基に三段階の評価がなされる。
    • 最高評価を取れた場合は鍵を一つ入手できる。
    • 鍵はステージ内にいる逃げ遅れた作業員の救出と準備画面でのファンアート・ビハインドストーリーの解禁に使用できる。

評価点

  • キャラクターデザイン
    • メインキャラのサラとマリー、サポートキャラのローリエンはいずれも眼鏡のムチムチの巨乳という作者の趣味丸出しなのは素直に評価できる所。
      • 衣装チェンジも可能でサラとマリーにそれぞれ5着用意されている。
    • 3Dモデルも昨今のHD機向けタイトルと比較してしまうと劣るが、あくまで個人製作ということを考えたらそこそこな出来。待機画面では様々な角度からじっくり見られる。
  • 鍵を消費して見れるファンアートは40枚分もあり、インディーゲームの応援企画とは思えない程クオリティが高いものもある。

賛否両論

  • 大半のステ―ジに障害物として回転する電磁ゲートがあり、これに向かって回避をすると延々と稼ぎが出来てしまう。
    • また遠距離攻撃をする敵を数体だけ残すことでもほぼ同様のことが可能。
      • ただこれをやればクリア評価が高評価が簡単に取れるので、ユーザーへの救済策ともいえるかもしれないが。
    • 本作の回避は他の似たようなシステムが採用されているゲームのように「攻撃を食らう直前のタイミングで上手く避けると回避成功」ではなく、「攻撃判定の発生している部分に回避状態で突っ込むと回避成功扱いになる」という仕様になっている。
      • 一般的な3Dアクションゲームは前者のため、この仕様が最初は理解しにくい上にどうみても炎や敵弾にぶつかってるのに無傷という絵的にかなりおかしいことになる。ゲームだからあまり突っ込むのも野暮かもしれないが。
  • ビハインドストーリーは作中世界のモブキャラが事件の裏で何をしていたかが語られるだけで、鍵を消費してようやく見れる内容なのにストーリーの掘り下げとしては微妙。
    • カードゲームのフレーバーテキストから話を膨らますのようなことが好きな人にはいいかもしれない。

問題点

  • ストーリー
    • メインストーリーは大企業による過去の事件の隠蔽とその影響についてなのだが、主人公二人が「過去の事件と一切関係なく、たまたま現場に居合わせた人」と「騒動がたまたま発生したのでそれ利用して名声を高めたい外部の人間」とメインストーリーとの接点が薄い。
    • 敵サイドが漠然とした「大企業そのもの」となっており、黒幕的な人間のキャラクターが作中に登場しないため、ドラマ性に欠ける。
    • 作中世界の固有名詞は多いのに説明が曖昧。
    • エンディングは黒画面にナレーションが流れるだけであっさり。
      • 立ち絵からするに絵は描けるようなのでイベントCGが多少あるだけでもよくなったと思うのだが…。
      • また、エンディングでは大企業の悪しき文化を糾弾するような文があるのもの、後半主人公であるマリー当人がそうした大企業側の人間のため物語のテーマ性とキャラクターの設定もうまく噛み合っていない。
  • 変わり映えのしないステージと敵
    • 建設中のビル内部が舞台なのだが、ストーリーモードの全60ステージ+やり込み用のハードステージ全てで同じ背景やオブジェクトが使いまわされている。
      • おかげで非常に飽きやすい。個人製作で様々なロケーションを用意するのは難しいため舞台を閉鎖した環境にしようという発想は分かるのだが、ステージ量に対してこの仕様はむしろ逆効果だったと言える。
      • クリア条件も基本的に「敵を時間内に全て倒す」しかなく、ステージギミックも多くのステージで使いまわされるため印象に残る特徴的なステージが存在しない。
    • 敵キャラも10種程度しかおらず、各ステージボスキャラからラスボスに至るまでそれらを巨大化させて電撃攻撃をするようにしただけで特に変わり映えしない。
      • 一応言うと、この電撃攻撃がかなり避けにくくやっかいではあるが、電撃攻撃は複数の判定が連続ヒット+食らうと硬直ありという理不尽さすら感じる性能となっている。
      • そしてせめてラスボスぐらいは専用の3Dモデルを作って欲しかったところ。
  • Switch版は19年3月時点では稀にステージクリア後アプリケーションエラーを起こし強制終了するバグがある。
    • クリアしたこと自体はきちんとセーブされているため発生してもそこまで痛くはないが、本作は起動時の企業ロゴが飛ばせないので面倒。

総評

独自要素がスベっていたり、難易度が極端に難しすぎる等よくクソゲーにありがちな問題点自体は無い。
だが、アクションと武装の幅や敵とステージのシチュエーションとバリエーションが全く足りておらず、さながら無双ゲームのベータ版のような内容になっている。
ほぼ一人で3Dアクションゲームを完成して商業ルートでの発売まで持ち込んだこと自体は称賛に価するかもしれないが、やはり個人でこの手の作品を作るのは難しかったと言わざるを得ない一作。
素直に褒められる部分もエロ要素ぐらいで、総合的に言うと微妙ゲーの一言に尽きる。
金払って乳と尻が見られればそれでいいという人以外にはあまりオススメしない。

余談

スマートフォン向けアプリとしても配信されている。
大きな変更点はiTunesの規制対策かPC・CS版よりもキャラクターの露出が抑えられている点。
他にもスマホに合わせて操作の変更、3Dモデルの画質低下が挙げられる。
DMMGAMESでも配信されているがこちらもキャラの露出が抑えられている。



初版投稿日:2019/03/11

音楽ツクール かなでーる

【おんがくつくーる かなでーる】

ジャンル 音楽製作ソフト
対応機種 スーパーファミコン
発売元 アスキー
開発元 サクセス
発売日 1996年4月12日
定価 7,800円
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 唯一無二のSFC用音楽製作専用ソフト
音楽データはRPGツクール2で使用可能
操作性に難ありも、DTMのハードルを下げる可能性を示した
ツクールシリーズリンク

概要

「アスキーツクールシリーズ」として『RPGツクール2』の約2ヶ月後に発売された、SFC唯一とも言える音楽製作専用ソフトである。
後に「サウンドノベルツクール」が発売され、同年発売のツクールはこの3製品でのラインナップとなった。
音楽製作ツールを内包したゲームソフト自体は『デザエモン』『マリオペイント』など従来より存在していたが、「音楽製作」に特化した単独ソフトとしては全SFCソフトの中でも唯一となる存在である。

  • 純粋に音楽の「打ち込み」を行うゲームソフトである。
    • そのため、楽譜や音楽の基本は理解していることが前提となっている。楽譜や音楽理論に関するチュートリアルは一切ない。
    • 「イメージと調(キー)を入力したら楽曲が浮かび上がる」「主旋律だけ入力してリズムパートは自動生成」などの機能はない。すべての音を自力で打ち込む必要がある。
  • RPGツクール2』『サウンドノベルツクール』への楽曲使用が可能である。
    • 本作で制作した楽曲は、本作より前に発売された『RPGツクール2』、後に発売された『サウンドノベルツクール』の各作品で使用可能である。ただし別売のメモリーパックが必要である。

特徴

  • 全8パート構成、1パートにおける同時発音は1音(よって全パートでの最大同時発音数は8音)
  • 分解能32分音符まで
  • 44音色(うちPSG系16音色)
  • 打ち込みはスコアエディタ(譜面入力)のみ。ピアノロール画面などはない。
  • エフェクトはパートごとの「エコー」の有無のみ
  • 歌詞入力が可能
    • 1枚絵の上に曲に合わせて歌詞を表示する「ジュークボックス」機能も装備。カラオケボックスのような雰囲気も可能。
  • 外部保存機器(メモリーパック、ターボファイル)対応
  • サテラビュー対応
    • ただしサンプル楽曲の配信にとどまり、『RPGツクール2』のような製作素材の追加は行われていない。

評価点

  • ツールとしての破綻がない
    • 前例のない専用ツールにもかかわらず、楽曲が再生できない、入力通りに再生されないといった重大なバグはなく、最低限のことをこなすことは十分に可能である。
  • 収録サンプル曲の質が高い
    • サンプルデータとして収録されている楽曲は大半がオリジナル曲となっている(同じ開発元のサクセスによるアーケードのシューティングゲーム『コットン Fantastic Night Dreams』のテーマ曲*1、および童謡「ちょうちょ」を除く)。オリジナル曲は基本的にいずれも良質で好評を博している。
    • 中でも「永遠のLabyrinth」(ファイル名「ラビリンス」)、「20世紀最後のダイアモンド」(ファイル名「ダイヤモンド」)「Day Dream」(ファイル名「デイドリーム」)」などのフルコーラス曲は8和音かつ限られた音色という大きな制約がありながら貧弱さを感じさない作りであり、評価が高い。
      • サンプルデータは打ち込み画面にロード可能である。打ち込みデータを見ると同時発音1音の中でリズムパートなどに多くの音を盛り込む工夫がふんだんになされているのがわかる。SFC時代の楽曲製作の苦労、工夫自体が垣間見えるという点で貴重な資料でもある。
      • 「20世紀最後のダイアモンド」「Day Dream」はよほど好評だったのか、次作『音楽ツクール かなでーる2』にそのまま*2収録された。
  • ドラムキットの音色が充実している
    • バンド用の基本的なドラムセットのみならずラテン系パーカッションまで幅広く充実しており、かつそれらの音圧もそこそこあり、SFCとしては十分に実用レベルの音色である。

問題点

  • 1曲あたりの容量制限が厳しい
    • 先に述べた「フルコーラス曲」は、フルといっても「イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ(→Bメロ)→サビ」という構成にとどまる。これを超えるサイズの曲を作ろうと思っても、打ち込み中に容量オーバーのアラートが表示され、それ以上入力できなくなる。一般的な「フルサイズのポップス楽曲」を作るのは難しい。
  • カセットへの保存可能容量が非常に少ない
    • 先の「フルコーラス曲」換算で1~3ファイル保存するたけで上限に達する。多くの曲を保存するにはメモリーパックが必須に近い。
  • カセットへのデータ保存時に容量オーバーが発生した際、何のアラートもない
    • 「容量オーバーです」などのメッセージや警告音が一切ないが、保存に成功した場合も同様に何のメッセージもなくセーブ画面が終了するのみであるため、「保存操作をしたように見えて実は保存できていなかった」という事態が生じる。新規保存時なら保存操作後にファイルが生成されたか確認すればよいが、上書き時は当然この手段は無理。
      • 実は、保存時の「間」である程度判別することが可能。保存に成功した場合、セーブ操作を実行してからセーブ画面が終了するまでに書き込みを行う「間」が発生するが、容量オーバー時はそもそも保存処理自体がスキップされているのかこの「間」が一切なく直ちにセーブ画面が終了する。これに気づければ「書き込みが異常に早く終了した」と保存失敗に気づけるようになってくる。しかし小さめのファイルだと「間」自体も少ないため、判別には限界がある。データロードすれば確認はできるが、その時点でそれまでのエディットデータは消失するため、失敗していたら結局アウトである。
  • 音色のバリエーションが46種と少ない
    • 一般的なDTM用途に必要な音色がもれなく揃っているとは到底言いがたい。ギターのバリエーションが極めて少ない、ストリングスはアンサンブル2種類のみでヴァイオリンなど個々の楽器はない、金管楽器はブラスセクションのほかトランペットとサックス2種(なぜサックスだけ2種も?)のみ、など。
      • 例えば『デザエモン』は、シューティングゲームのBGMとしての汎用性の高い音色に絞りつつ、伴奏パートを用意することで質の高さと汎用性を両立していた。DTMレベルの自在な作曲はできなくなるにしても、そういった選択肢もあったのかもしれない。
    • 一方で、PSG系(FCやGBなどのいわゆる「ピコピコ音」)はたとえば矩形波だけでも8種類用意されているなどやたら充実している。にもかかわらず三角波、ホワイトノイズといったFCやGBの主要音色の一部は搭載されておらず、PSG音源特化ツールとしては中途半端。
      • こういった制約の中でツクってこその醍醐味という意見もあるだろうが、もう少し取捨選択の余地があった印象は否めない。
  • 設定上、曲中の転調や変拍子が不可能。
    • 全体で1つの調、拍子に制限される。ただしこれはあくまで表示上の話であり、自分で音符の位置、変音記号(シャープやフラット)の入力を細かく調整すれば、サウンドとしては曲中転調、変拍子も実現可能である。ただし労力は大きく、本来あるべき譜面とも解離することになり、スマートな方法とは言えない。
  • 譜面の記号がト音記号で固定。
    • 低音パートの音符はどうしても楽譜の下端に大きく寄ってしまい、見にくい。
  • スコア入力の手間が大きい。
    • マウス非対応のためすべてコントローラーで行う必要があるが、音符の長さの変更や変音記号の入力には画面最下部下の操作パネルを経由しなければならず、手間が大きい。
      • 操作性については「『デザエモン』や『マリオペイント』の方がマシ」とすら評されることもあった。
  • 楽曲プレビューが「曲頭から全パート再生」か「表示中の1小節のみ全パート再生」に限られる。
    • 制作の場で頻用する「曲途中から再生」「1パートのみワンタッチで再生」などの機能はない。
  • ジュークボックスの歌詞は1文字ずつ、音符と同タイミングの表示方法に限られる。
    • 「歌詞を見ながら歌う」という用途には使いづらい。

総評

DTM/DAW*3は、今でこそPCおよびソフトウェアシンセサイザーの高性能化、VOCALOIDや動画共有サイトの普及などによりのハードルがかなり低くなっている。
しかし本作発売当時は「DTM」という概念自体普及しているとはいえず、PCでの音楽制作といえば「外付けのシンセサイザー類を特殊なケーブルでPCに繋ぎ、マニアックなソフトウェアで行う非常にニッチな趣味」というイメージであった。
そんな中、このソフトは一般家庭に普及していたスーパーファミコンだけでDTMを可能とする、SFCの持つ新たな可能性を示した意欲作と言える。
1パート1音などハードウェア的制約は厳しかったが、前例もない中で際立ったバグもなく、とにもかくにも唯一無二の存在として立場を確立した。
ニッチなジャンルでありながら、短期間で次作『音楽ツクール かなでーる2』の発売へと繋がったことも、本作の存在感の表れと言えるだろう。


初版投稿日: 2019/03/11

音楽ツクール かなでーる2

【おんがくつくーる かなでーるつー】

ジャンル 音楽製作ソフト
対応機種 プレイステーション
発売元 アスキー
開発元 サクセス
発売日 1998年3月12日
(廉価版)2000年5月2日
定価 5,800円
(廉価版)2,800円
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 前作の問題点を概ね解消し正当進化
音楽データはRPGツクール3で使用可能
ツクールシリーズリンク

概要

前作『音楽ツクール かなでーる』の発売から2年経たないうちに発売された、PS用音楽製作専用ソフトである。
なお次作『音楽ツクール3』では「かなでーる」という固有名がなくなっており、「かなでーる」としては最後の作品である。

  • 前作同様、純粋に音楽の「打ち込み」を行うゲームソフトである。音楽の教則の要素はなく、楽譜や音楽理論の理解は前提である。
  • 本作の音楽は『RPGツクール3』で使用可能。
    • 別売のメモリーパックを必要としたSFCの前作に対し、本作はPSであり一般的なメモリーカードのみで流用ができるため、素材として使用するハードルが大きく下がった。

特徴

  • 全16パート構成、最大同時発音数24音
  • 各パート内で最大6和音まで使用可能
  • 分解能32分音符まで
  • 105音色搭載
  • 打ち込みは前作同様スコアエディタ(譜面入力)のみ。ピアノロール画面はない。
  • 全体エフェクトを複数のリバーブ・コーラスの中から選択可能になった。パートごとの強度設定も可能。
  • 廉価版は基本的に初期版と同内容だが、公式コンテスト入賞作がサンプルデータとして追加収録されているほか、一部のバグが修正されている模様。

評価点

  • 前作で指摘された問題点の多くを解消している。
    • 音色バリエーションの大幅な拡充
      • GM規格*4で標準とされた128音色にまでは到達できなかったが、一般的なDTM用途で求められる音色はたいてい揃っている。
    • メモリーカード採用による、保存曲数の増加。
    • 曲中での転調が可能になった。
    • ヘ音記号が選択可能となり、低音パートの譜面が見やすくなった。
    • 楽曲途中からのプレビュー再生が可能になった。
    • ジュークボックスにおける歌詞表示方法の改善。
      • 前作の「音符と同時に1文字ずつ表示される」ではなく、「まとまって表示された文字が、音符と同じタイミングで色づいていく」という、一般的なカラオケのような表示法に改良された。
  • 自動演奏機能が選択可能になった。
    • 楽曲ファイル作成時に「16パート全て打ち込みパートにする」モードか、「8パートだけ打ち込みにし、残り8パート分を自動演奏パートに割り当てる」モードかを選択可能。
      • 自動演奏は、コードとリズムを指定するだけで伴奏を自動的に生成してくれる、いわゆる簡易シーケンサーである。ゼロからの打ち込みを負担に感じる人でも、主旋律さえなんとか入力できれば楽曲として完成させることが可能になっており、楽曲完成のハードルが大きく下がった。
  • 2パート同時表示が可能となり、パートどうしの関係性を把握しやすくなった。
  • 画面下のツールボックスと楽譜画面を容易に行き来できたり、音符種別をボタンでトグルできたりなど、コントローラ操作の手間はボタン数増加もあり若干改善されている。
  • 前作同様、収録サンプル曲が高品質である(一部除く。後述)。
    • 前作で好評だった「20世紀最後のダイアモンド」(ファイル名「ダイヤモンド」)、「Day Dream」(ファイル名「デイドリーム」)」の2曲はそのままの形で(音色は異なるが)収録されている。ただし本作の仕様変更とバグにより、前作とは異なる表現となっている箇所がある(後述)。
    • 今作で新たに収録された「Exciting!!」(ファイル名「エキサイティング」)、「水色の人」(ファイル名「みずいろのひと」)、「ワルツ1996*5」の3曲はいずれも前作「音楽ツクール かなでーる」の公式コンテスト入賞作である。これらの質の高さは「制約の大きいSFC版『かなでーる』ですらここまでできるのか」と多くのプレイヤーを驚愕させた。
      • 当然これらの曲はすべて前作で製作されたものであり、前作ソフトがあれば打ち込みで再現可能である。今作収録のものを聞いても良曲だが、前作のプラットフォームで再現してみることで作者が表現したかった通りの音色を聴くことができ、かつ制約がより大きかった前作での打ち込みの苦労を追体験でき、そこで初めて真の凄さを理解できるという意見もある。

賛否両論点

  • 前作と異なり空白には予めすべて休符が入力されているという仕様になったため、入力感覚は前作とは大きく異なる。
    • 休符が必要な箇所には入力が必須であった前作と異なり、意図した箇所に適切な音符を入力すれば休符の入力を省略できるため、負担の軽減に繋がる。
    • 一方、同じ長さの音符が連続するような単純なパートの入力においては、前作のスタイルの方がカーソルの水平移動を省略しやすく楽であり、良し悪しである。
  • 楽器名が英語表記になった。
    • ある程度英語の楽器名に慣れていないと、何の楽器のことか理解するのに時間がかかる。
      • 一方、本格的なDTMソフトでは当然すべて英語表記であり、DTM入門用ソフトという立ち位置での足掛かりとしてはかえって良い可能性もある。
  • 各音色単独で聴くと非常にシンプルな音が多く、鳴らすだけで様になるような豪華な音ではない。単純に音質だけならSFCレベルとも言える。
    • ただし、各音が主張しないことは「ある程度どんな音とでも相互に合わせやすい」汎用性の高さにつながり、楽曲製作においては(ことさら『RPGツクール3』への流用なども視野に入れるのなら)必ずしもマイナス点とは言えない面がある。
      • 事実、収録されている音色の多くは『RPGツクール3』のものと同一だが、同作の楽曲は(RPGツクールとして)概ね高く評価されている。音色の良し悪しは重要な要素だが全てではなく、それを用いて作られた楽曲の良し悪しこそ本質というのはある意味当然ではある。

問題点

  • 当時のDTMソフトなら標準搭載されているような機能が一部未搭載。
    • 入力はスコア入力に限られる。周囲のDTMソフトを見ると、そろそろピアノロールくらい搭載していてもよかった頃である。
    • 曲中の変拍子は依然として不可能。
      • 前作同様あくまで表示上の話で、自分で音符の位置を微調整すれば変拍子のサウンド表現自体は不可能ではない。ただし先述のように今作は前作と異なり余白に強制的に休符が配置される仕様のため、音符の位置を相対的に変える操作(小節内の全ての音符を8分音符1つ分だけ繰り上げる、など)は前作以上に困難である。
    • ピッチベンド(鳴っている最中の音の高さをなめらかに変えるパラメータ)に非対応。
      • ギターやベースの「チョーキング*6」、ブラス演奏、弦楽器など豊かな打ち込みには必須に近いパラメータであり、SFCの音楽でも採用しているソフトは普通にあった。ノウハウのなかった前作ならまだしも、PSの今作で採用されなかったのは残念である。
  • 前作にあった一部頻用機能の削除。
    • 楽曲中でのテンポチェンジが、今作ではなぜかできなくなってしまった。
      • この影響で、前作続投サンプル曲「20世紀最後のダイアモンド」はエンディングのリタルダンド*7が表現できなくなっている。どう見てもリタルダンド前提の譜面であり、違和感が非常に大きくなっている。
    • 繰り返し記号(・/・のような記号、直前の特定の小節を繰り返し演奏する)が削除された。
      • リズムパートなどの繰り返し入力時「1小節だけ打ち込んであとはこの記号で」としておけばよく、入力やその後の修正が楽であった。今作ではそれが不可能になったため、コピー&ペーストおよび後から全貼り付け箇所の再修正の手間が必要となっている。
  • 「スラー*8」が、入力できるのに機能しない。
    • 記号自体は「タイ*9」のために必要なもので、説明書に「スラーは機能しません」と記載があるだけ親切ではあるが、機能しないならスラーとしては入力できないようにしてほしかった。
  • サンプル曲に「ちょうちょ」がやたらと多い。
    • 前作にも童謡「ちょうちょ」のサンプルはあったが、シンプルなもの1曲だけであった。今作には自動伴奏機能を使った「ちょうちょ」が4バージョンも収録されている。正直「ちょうちょ」の充実に対する需要はほとんどなく、個々のアレンジも取り立てて質が高いわけでもない。
      • 自動伴奏の豊富なバリエーションを示したかった意図を汲めなくもないが、それだけならアレンジする意味の大きい他の曲でもできただろう。
  • ベースの音色が、本来鳴るべき音より1オクターブ高くなっている。
    • これにより、前作続投サンプル「20世紀最後のダイアモンド」はベースの音が1オクターブ高くなってしまっている。
  • ドラムキットに関するバグ。
    • ドラムキットの中に、存在するはずの音色が一部収録されていない。
      • これにより、前作続投サンプル「20世紀最後のダイアモンド」はドラムパートも、一部が存在するのに無音の状態となっており、前作より構成音が少なくなってしまっている。ここまで記載した様々な要因により、この曲の雰囲気は前作と大幅に異なってしまっている。
    • 『RPGツクール3』用のデータコンバート時、ドラムパートで鳴る音が1オクターブ分ずれてコンバート先に保存されるバグがある。
    • 楽曲完成後、コンバート前に予めドラムパートだけ逆に1オクターブずらしておくことで対応は可能ではある。しかし煩雑なうえ、規則性に気づかず単に「ドラムの音が滅茶苦茶になった」としか理解できなかった人はコンバート自体を諦めてしまっただろう。

総評

本作が発売された1998年は、DTM*10が前作の頃に比べてより普及しつつあった時代ではあった。
しかし当時のDTMはまだ入門するだけでも非常に高額な機材を必要とするニッチな趣味であり、初心者へのハードルは依然として高かった。
そんな中、細かいことを問わなければPSソフト1本で打ち込みが十分に楽しめる本作は、コストパフォーマンスに優れるDTM入門ツールのあり方を示した意欲作と言えるだろう。
メモリーカードが一般化した環境であったことも手伝い、『RPGツクール3』用の音楽製作ツールとして見ても十分に実用可能なものであった。
本作はコンシューマー向けDTMソフトのパイオニアとして、前作を正当に進化させ方向性を決定づけた作品と言えるだろう。



*1 同作は本作発売の約2年前に『コットン100%』の名前でSFCへ移植されているが、SFC版のテーマ曲はアーケード版とは異なるアレンジになっていた。本作での収録曲名は取扱説明書上「コットン100%」となっているのだが、実際にはなぜかアーケード版の原曲の方が収録されている。

*2 ただし、次作の仕様変更とバグにより本作内と異なる表現になってしまっている箇所が多数ある

*3 DTM:デスク・トップ・ミュージック。DAW:デスクトップ・オーディオ・ワークステーション。いずれもPCを用いた音楽製作のこと

*4 標準的な音色の並び方、データを伝える信号の送り方などの統一規格。いわゆる「MIDI」の標準的規格

*5 コンテスト入賞時の曲名。時間経過のためか本作でのファイル名は「ワルツ1997」になっている

*6 鳴っている途中の弦のテンションを高め、音程を一時的に上げる演奏技法

*7 テンポを徐々に遅くしていく演奏技法

*8 ある音符と、音階の異なる次の音符とを ⌒ のような記号で繋いで、繋がりのあるなめらかな1まとまりの音とする楽譜の表記法

*9 ある音符と、次の同音程の音符とを ⌒ のような記号で繋いで、繋がった1つの長さの音とする楽譜の表記法

*10 DTM:デスク・トップ・ミュージック。PCを用いた音楽製作のこと