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殿下と侍女長 第2話

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eroticman

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殿下と侍女長 第2話




「服着るから許して欲しいにゃ!」
侍女長が慌てた様子で指をパチンと鳴らすと、石山の影からメイド服が飛んで来た。
飛んで来た、とは言ったが、実際には侍女長の使い魔である魑魅が持って飛んで来ただけである。
一つ眼の小鬼に蝙蝠の羽根を生やしたような魑魅は、低級の畜霊が成れの果て。
殿下のPSPくらいしかない身体で、重そうにメイド服を運んで来た。
「キー、これ重いキー。早く受け取って欲しいキー」
キーキーと甲高い鳴き声混じりで喋る魑魅からメイド服を受け取ると、侍女長はメイド服を広げてみた。
「下着が無いにゃ。下着も持って来いにゃ」
「キヒー、人使い荒いキー」
「うるさいにゃ。頭から囓られたくなかったら早く行けにゃ」
くわっ、と侍女長は犬歯(猫歯?)の鋭い口許を見せつける。
「キキー。胸のパッドは6枚でいいキー?」
それを聞いて地獄の殿下は吹き出した。
「んにゃ?!人前でそのことを言うにゃ!馬鹿魑魅!……てか8枚にゃ」
枚数の訂正にまた殿下が吹き出す。
「んじゃ取って来るキー」
魑魅はパタパタと羽ばたいて上昇し、見るまに地獄の雲いにまぎれてしまった。
地獄の殿下は腹を抱えてうずくまっている。
もはやゲームどころでは無い。
抱腹絶倒、ここに極まれり。
「じ、侍女長。お前、胸パット8枚も付けてるのか」
「……乙女の悩みにゃ。餓鬼が口出すんじゃないにゃ」
侍女長は顔を赤らめてエプロンの胸元を隠した。
>>52ではスレンダーと表現したが、要するに貧乳なのだった。
胸に自信が無いのに、むやみに全裸なりたがったり服を着ている時は巨乳に見せたがったりするのは、
ひとえに夜魔ゆえの性である。
悲しい。
取りあえずメイド服を着た猫又侍女長であったが、超ミニのスカートがピラピラしていて、
いわゆる"はいてない"状態のそれはヤバかった。
チャタレー夫人と四畳半襖の下貼りくらいヤバかった。
「キヒヒ、絶景ですキー」
いつの間に戻ってきたのか、魑魅が"はいてない"侍女長の足下に立って、スカートの中を見上げていた。
「下着を渡せにゃ」
「どうぞキー。グエッ」
下着を受け取ってすぐ、侍女長は魑魅を踏んづけた。
「タダ見してんじゃねーニャ。お前は忠誠心てもんが欠けてるにゃ」
「いや、お前だって欠けてるっつーの」
殿下のつっこみ能力はこうして日々研鑽されてゆくのであった。


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