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☆-2-006

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だれでも歓迎! 編集

投下作品まとめスレ2-6〔2-416~466〕



416 :えれぽん:2010/05/01(土) 17:21:35 ID:Jd0IWo00
「使用法」

「こんばんわ。エフ博士」
エフ博士が振り返ると、研究室に見慣れぬ男が入り込んでいた。
「なんのようだね?まあマトモな用事では無さそうだが」
「私はある国のスパイでしてね。エフ博士にお願いがございまして……」
「私の発明を譲り渡せとか、何か発明して欲しいとか……」
「実は、以前博士が発明された『マモール』という薬を分けて頂きたいのです」
エフ博士は複雑な表情になった。
『マモール』とはエフ博士の自信作であったが、周囲の猛反対にあって公表を断念した薬だ。それを服用した人間は、どんな約束でも必ず守るという特性があった。
「そんな薬は危険だ、と言われて封印していたのだがね。欲しがったのは私の知人のエヌ君だけだったよ」
「そりゃあ、そんな薬が世間に出回れば大変な混乱になるでしょうからね」
「それが解らない。約束は必ず守るべきでは無いかね?」
「ある程度のウソは社会の潤滑油というか、リップサービスと言うか……まあいいです。いただけますか?」
「ああ。エヌ君にあげた残りがまだ一回分は残ってたはずだ。何に使うのかね?」
「我が国と貴国の外交問題を解決する為です。いいかげん、我慢の限界でしてね」
スパイがTVを指差した。画面上では首相が焦点の合わない目を泳がせながら、もはや誰もあてにしていない『約束』を口にしている。
「ふむ。まあいいだろ」
エフ博士がマモールを渡すと、スパイは嬉しそうに謝礼を渡しながら、ふと尋ねた。
「あなたの知人とやらは、これを何に使ったんでしょうかね?」

「キャバクラで使うとか言ってたな」
417 :創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 16:03:44 ID:c27hxmg6
「大切なこと」

 科学者のエス氏が「思い出し薬」という薬を開発した。その効果は、「自分にとって一番大切なことを思い出す」というものだった。
ある日、ある男性がエス氏の元を訪ねてきた。

「わが社では、あなたの開発した薬を販売したいと考えております。ぜひその薬をわが社に売ってください」

エス氏は怪訝そうな顔をした。

「それはまた、なぜだい?」

「今の世の中、皆思いやりや夢といった、大切なことを忘れているように思います。わが社ではそれを思い出してもらいたいと考えたからです」

「それならお譲りしよう。だがその前に、君がこの薬を飲んでみてはどうかね?」

 エス氏は満足そうに頷いて薬を男に手渡した。
しかし男はそれを飲んだ瞬間、目の色を変えて外に飛び出していった。
エス氏は首を傾げた。

「彼は何を思い出したのだろう?」

 男は現在別居している妻の元に向かったのだった。

427 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/09(日) 01:34:53 ID:B9KgzFw7
『才能依存能力訓練装置』

学校の一教室ほどの広さの部屋に、さまざまな色と形で違いをもった小箱が並べられている。
他に部屋にいるのは男が一人、あるのは装置が一つだけ。
<では始めます、3・・・2・・・1・・・>
開始と同時に男は部屋の中の小箱を見て回る。
この中から当たりの小箱を探す。何も考えずに片っぱしから箱を開けたい所だが、それでは訓練にならない。
その男の視線が部屋の隅にある小箱に移った。
 これの気がするぞ。しかし黄色い星型とはずいぶん目立つ小箱だな。
 こんな箱を当たりにするだろうか。部屋の隅に追いやるように置かれていたのも作為的な引っ掛けの可能性があるし・・・

<正解です。>
結局男は黄色い星型の小箱を開けていた。
<今回の成績を発表します 空箱開け数0 一般所要タイムとの偏差マイナス30,6
 以前と比べてあなたの直感は格段に鋭くなっています。そして運もなかなかのものです>
男はこれまでの訓練で自分の勘が磨かれたのをのを実感していた。
<もうすでに十分優秀な成績ですが、訓練を続けられますか>
装置はひとまず男に訓練が終了したことを伝えた。
男はかまわず続行を選択した。すると部屋中にあった小箱が引っ込み、装置は訓練の準備をし始めた。
装置はさっきの訓練結果を記録しており、男に音声でこう告げた。
<あなたの場合は直感力が十分に鍛えられていますが、決断力に欠けている
 面が見られました。次は2択から悔いが残らないよう、1つを選んでください>
次のステップの訓練として、装置はそこそこ裕福かつ平凡に生きる男の未来像と、貧乏ながらも夢を叶えて生活している男の未来像を映し出した。

430 :創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 21:25:40 ID:oLzIBSRj
初投下です。今まで発表されてきた方々のものに比べると見劣りするとは思いますが、感想等いただけると幸いです。

「今までいくつものすばらしい発明をしてきたエフ博士ですが、
 今度は明日を見ることができる装置を完成させたそうですね!」

散らかったエフ博士の研究室に男の弾んだ声が響いた。
どうやら男は報道機関のインタビューアーらしく、手にはマイクを持ち、
男の正面には映像を録画する装置を持った別の男が彼を映していた。

「うむ、長年の夢がようやくかなったよ。早速見てみよう」

そう言うとエフ博士は望遠鏡のような形をした装置を覗き込んだ。
取材に来た二人も、装置と博士の方に注目する。
ところが、エフ博士の口から意外な言葉がこぼれた。

「……おかしいな。真っ暗で何も見えないぞ」

その一部始終を録画した映像は、誰の目にも触れることはなかった。

434 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/14(金) 01:39:42 ID:scdbHz2+
『社会の永久機関』

犬を連れた青年が散歩から帰ると、どこでいつからなのか、犬が急須なんて咥えている。
とりあえず犬から急須を放させると、解放されたかのように魔人が飛びだした。
「やや、これが魔人というやつか。驚いているせいか、普通の人間と変わらないように見える」
「それは魔人の事情です。気にせず仕事の命令をください」
魔人は主に仕える執事のように、青年の望みを聞いてくる。
そしてこの魔人も多聞にもれず、願いを叶えてくれるのはやはり一回だけらしい。
「決めかねるな・・・」一回だけの願いに青年は迷ったが、無難に大金をもらうことに決めた。
「使い方に困り果てるほどの大金を出してくれ」
魔人は承諾した。そして
「お金をどうすれば集められるか教えてください」と、言ってきた。
「魔法で出してくれるんじゃないのか」
「難しいことを言われます。そういうことはできないのです」
青年は考えを改めた。どうもおとぎ話とは違う点も多いようだ。
「それでは仕方がない。せっかくだったが、急須に戻ってくれ」
この様子では他の願いを言っても、叶えてはもらえないと思ったからだった。
しかし魔人は変らずそこに立っていた。
「願いを叶えると勝手に戻れるのですが、叶え終わらない内は戻れないのです」
自分では帰り方もわからない、ということだった。
こうなれば地道に賃金を稼がせるしかない。

そんなわけで青年は会社へいつも魔人を連れて出社することになった。
魔人は社員ではないのだが、青年が仕事を開始するとそれを手伝う。
ときにわからないことや判断に迷うことがあれば、青年に指示を仰ぎ、その通りの行動をとる。
かけだし社員だった青年に専属の秘書がついたことを同僚たちは不思議がったが、青年の働きがうわさとなって、
数年後には異例の若さで社長に推薦された。
今日も社長の的確な指示のおかげで社員たちは順調に仕事を進めている。
「こんなにお金がたまりました。宝石だって買えますよ」と社長付きの秘書が貯金を数えて言う。
一方の社長はなぜかあまり喜んでいない。
「あのときの私ならば望み通りの大金だと思ったのだろうが、いまはこれでも少ないように感じる。ましてや使い方に困り
 果てるほどの大金とは一体、どれだけの額になるのか自分でも想像がつかない。おそらく君は秘書としていつまでも・・・」

437 :創る名無しに見る名無し:2010/05/18(火) 20:22:23 ID:eAYn5qZ0
ゴミ処理問題

 宇宙空間に、一隻の宇宙船が浮かんでいた。
「おい、あの星はどうだ?」
 船内にいる2人の男のうち、体の大きな方が尋ねた。
「今調べてみる」
 体の小さな方がそう答えると、目の前の機械をあれこれといじり始めた。 

 男たちの住むガーラァキュータ星では、ゴミ問題という大変大きな問題を抱えていた。
ゴミが凄まじい勢いで出てくる一方で、その処理が追いつかなくなってしまったのだ。
星中に出来たゴミの山を何とかしなければと、人々は話し合いを始めた。
その結果、あるとんでもない解決法が考案され、すぐさま実践に移された。
それはなんと、処理が出来ないのなら、ゴミをそのまま他の星に住む住人に売りつけてしまおうというものだった。
もちろん、ゴミをゴミとして売ろうとしても、上手くいくはずがない。彼らの商売には、ある秘密が隠されていた。
 ガーラァキュータ星は、宇宙を自由に飛びまわれる宇宙船を作れるほど、科学技術の発達した星である。
その星で生み出されるゴミも、高度な科学技術の産物であった。そのゴミを、科学の発達してない星に
「商品」として売りつけてしまうのだ。つまり、ガーラァキュータ星人にとってゴミでしかない物でも、
科学の発達してない星の住人にとっては、今まで見たことのない高度な技術を持った
素晴らしい「商品」となる、というわけである。
 だが、この商売方法には二つの問題点があった。
一つは、ガーラァキュータ星語の通じない場所で商売しなくてはならない点だ。
しかしこれは、ガーラァキュータ星の高度な科学技術によって作られた翻訳機を
使うことによって、解決された。この翻訳機を使えば、商売は滞りなく行われるのだ。
二つ目は、商売相手のいる星、つまり科学の発達してない星の探索である。「商品」を乗せて宇宙に飛び立っても、
商売相手がいなければ話にならない。この問題に関しては、レーダーで周囲の星を探査しつつ飛行し、
目ぼしい星を見つけ次第、船内の計器で、「その星の発展具合はどうか」「その星の住人は友好的か」などの
情報を詳しく調査する、という方法が取られた。
 また、商売である以上、当然「商品」の代わりに何かを頂かなくてはならない。
彼らの商売では、ガーラァキュータ星では採れない、もしくは希少な金属などを、極少量頂くことにしている。
時には、そういったものが一切ない星を相手にすることもあるが、その場合「商品」を無償で提供している。
「商品」と言っても、ガーラァキュータ星人にとって見れば単なるゴミ。ゴミさえ処理できれば、無償だろうと有償だろうと関係ないのだ。

「どうやら良さそうだぞ」
 体の小さな方の男が、調査の結果を報告した。
「よし、それではあの星に着陸することにしよう。準備に取り掛かってくれ」
 体の大きな方が命令を出すと、体の小さな方がためらいがちに口を開いた。
「しかし……いくら我々の星の問題とは言え、見知らぬ星にゴミを売りつけるのは気が引けるな」
「今さら言っても仕方がないだろ。あの星の住人にとっては、きっと役に立つ代物のはずだ。
それに、仮にあの星の住人がゴミを売りつけられたことに気がついたとしても、未だ宇宙へ進出すら
果たしていない奴らには、我々の星へ文句を言いに来ることも、返品しに来ることも出来ない。
この商売方法は全く、非の打ち所のない完璧な商売方法だ」
「それもそうだな。では早速、あの星へ向かうとするか」
「ああ、そうしよう」
 2人のガーラァキュータ星人と「商品」を乗せた宇宙船が、目的の星へ向かって飛び始めた。
赤く熱く燃える恒星を回る、内側から数えて3つ目の青く美しく輝く星へ向かって。

441 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/27(木) 03:19:50 ID:Gcw1rdn+
『人のあいだ』

少し不審な男が歩いていた。
街中の鏡や水たまりを見つけては見つめ、しばらくするとまた鏡か水面を探しながら歩いていく。
この習慣がついたのはいつからだったか。
男は、自分がかすんでいって、存在が虚ろになり消えてしまうような感覚になることがある。
だからそういうときは、大きな鏡を見て自分の存在を確かめる。そうでもしないと不安がまぎれなかった。
だが、きょろきょろと首を振りながら鏡を探し回る男の姿に、街の人たちは進んで関わりを持とうとしない。
男も同様に関わりを持とうとしなかったが、ある時、歩いていると二人の街の住民が男に話しかけてきた。
「なにか心配事でもあるのではないでしょうか」
「なにかあるのなら、私たちに協力はできないでしょうか」
男は人と話すのが久しぶりだったので、久しぶりに人と目を合わせた。
するとそこに自分が映っていた。人の目に映る自分を見ると、なんだかとても安心できた。
その日を境に男は積極的に街の人達に話しかけていくようになった。
最初こそ慣れていない分、不自然なところが目立ったが、すこし後には大勢の人と打ち解けていた。
以前の感覚はもうしない。
男は鏡を探さなくなった代わりに今日も街角で井戸端会議をしている。

442 : ◆PDh25fV0cw :2010/06/02(水) 00:27:04 ID:83pLEbhC
 『絵画泥棒』
 とある住宅街。そこにあるごく普通の一軒家に、泥棒が入っている。一見して普通の空き巣だが、この泥棒には特殊な力があった。この泥棒、実は絵の中に入れるのだ。
 多少飾り気のある家ならば、玄関やリビングに絵の一つや二つ飾ってある。泥棒は空き巣の最中、人が帰ってくれば絵の中に逃げられる。だから、安心して部屋を物色していた。
 そうしているうちに、玄関で物音がする。早速、能力を使い近くにあった絵の中に入る。湖畔の森が描かれた風景画だ。都会にいては味わえないような、開放感と空気。やはり入るならば風景画だな、としみじみ泥棒は思う。
 後ろを向くと、今度は外の様子が絵のように枠に囲われて見える。
「なんと言うことだ、泥棒に入られた」
 帰ってきたのは、気の弱そうな老人の男性だ。この家の主人だろう。うろうろと、荒らされた場所を所在無さげに歩いている。
「やや、絵にもいたずらをされている。本当に嫌な泥棒だ」
 絵の中の泥棒を悪戯書きされたものと勘違いしたのか、近くにあった雑巾を手に近づいてくる。
 泥棒は絵の中に居るので外から見た自分は見えない。しかし、この男性が近づいてくる以上外からも見えるのだろう。このまま、雑巾で拭かれたらどうなるかわからない。たまらず泥棒は、絵から飛び出す。
「うわぁ。え、絵から人がでてきた」
 立て続けに起きる、非日常的なことに耐え切れなかったのか、男性は気絶してしまった。 ここまで肝っ玉が小さいとは、少し同情的になった泥棒だが、逃げる隙が出来たことは運が良かった。
 騒ぎになる前に、そそくさとその家を後にした。
 泥棒は考えた。絵が一つでは逃げる場所も少ないし、今回のように見つかる可能性もある。
 そこで泥棒は、芸術家の所に泥棒に入ることにした。芸術家のところなら、絵は沢山あるし、売れている芸術家なら金もあるだろう。
 さっそく近くにある芸術家の家に泥棒に入る。何日も前から家の周りを張り込み、毎夜この時間は人がいなくなる。それでも前回みたいに不測の事態も考えられる。慎重に鍵を開け、家に侵入する。
 家の中は暗いが、明かりを付けるわけにはいかない。持ってきた小さなペンライトで金目のものを探していく。
 その時、外から砂利のすれる音がする。誰かが帰ってきたようだ。暗闇の中、泥棒は聞こえぬように悪態をつく。ついていない、そう思いつつ、絵のある場所を探しにいく。
「やや、鍵が開いている」
 玄関の方から、声が聞こえる。これはまずい、焦った泥棒は急いでライトを消し、目の前にあった部屋に飛び込む。
 ちょうどその部屋がアトリエだったのだろう泥棒の鼻に、絵の具独特の匂いがする。
 迷っている暇は無い、泥棒は目の前にあった絵に飛び込んだ。

「それで、この男が泥棒に入ったのですか?」
 アトリエに入ってきた警察官の前に泥棒が一人、うつろな目をして座っている。
「はい、そうだと思います。部屋が漁られて、金目のものを持っていましたから」
「しかし、奇妙ですな。なぜこの男は、こんなうつろな目をしているのでしょうな」
「よくわかりません。私が入ったときにもう既に」
 この家の主である、画家が答える。
「そうですか。そういえば、この絵はなんでしょうか」
「これですか?私の作品です。一応、画家をやらせてもらっているので。近代アートと呼ばれるものですね。この作品のコンセプトとしては……」
 警官は改めてこの極彩色の絵を眺める。ただ、絵の具を無節操に塗りたくってあるだけで、価値がある絵には見えないが、泥棒が心を奪われるぐらいの絵だ、とても価値があるものなのだろう。
 芸術というものは理解できないものだ、画家の長々しい説明を聞き流しながら警官はそう嘆息した。 

445 : ◆Qb0Tozsreo :2010/06/04(金) 13:13:40 ID:tyay6qht
 『タイムリープ』

 アタシは今、時間をさまよっている。今日は金曜日だけれど、水曜日の記憶がまったくないのだ。そういえば月曜日の記憶もない……。
 これはきっと、一日おきにタイムリープに陥っているに違いない。ということは、明日は日曜日のはず。休みなのだから遅く起きたっていい。ボトルのワインは心なしかいつもより早いペースでなくなっていった。

「おいっ! エスくんはどうしたんだ。このところ一日おきに遅刻しているようじゃないか」
「申し訳ございません。お酒は控えるように言ってあるのですが……。お酒を飲むと記憶が飛んでしまうようでして」

451 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/06/24(木) 03:14:12 ID:2VNO7BsZ
助手がスレッドを過密化させようと、研究に打ち込んでいた。
「エフ博士、僕が作った装置を検査してもらいたいのですが」
「見せてみなさい。これは、スレッドに人を集める装置かね」
エフ博士は装置を一瞥して、機能を即座にいい当てた。
「はい。でも、見ただけでわかるなんて驚きです。まさかエフ博士も」
「いつだったかな、昔に作ったよ。お前も同じことを考えるとはな」
助手は得意げな気分になった。しかし、片手放しで喜んでいいのは装置が完成してからだ。
「エフ博士と同じものを作れたことを誇りたいところです。ですが、上手く作動していないようなのです」
装置の理論はこれでいいはずなのだが、装置を作動させてもスレッドに反応はなかった。
エフ博士は装置を確かめて言った。
「ふむ。この装置は正常に作動するぞ。もっとも、私が作った装置がすでに作動し続けているから、変化は無いように見えるがね」
「そういうわけでしたか。でもそうだとすると、装置があるのにこのごろ過疎になっているのはなぜですか」
「それはだな、スレッドに集まる人というのには二種類いるからだ。書く人がいて読む人がいる。
そして、私とお前の作った装置でできるのは、人を集めるところまでだ。書き込むかどうかはその人任せになる」
「なるほど。では書き込みがなくても、読んでいる人はたくさんいるかもしれないのですね」
「そうなるな。スレッドを見ない人は書き込みをしないが、読む人が書き手側となり
 スレッドを盛況させてくれることは十分考えられる。そういうところから創作は始まるものなのだ」
「結局、エフ博士にも書き込む人が増えるかどうかはわからないのですね。
そして書く人をただ待つのではなく、自分がその先駆けとなることが大事であると」
エフ博士は大きく頷いた。助手は自分の言わんとしたことを全部わかってくれた。
今一度助手はスレッドに人を集める装置を起動させた。効果がでるかはわからない。
だが装置の効き目は気にせずに、助手は自分が創作を始めるための準備をし始めていた。

462 :創る名無しに見る名無し:2010/07/17(土) 11:50:43 ID:qMyME8aP
B氏はベンチに座っていた。
それは彼にとって一時的な休憩と、買い物について試行錯誤していることを意味する。
「さあ、コーラを買いに行きましょう」

コーラを飲みながら彼は言った。
「コーラおいしいです」

「違います、それは醤油です」

463 :創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 12:27:24 ID:iI4EF2IZ
「胃袋」

『地球を守ろう!』

『地球環境を守る募金に協力を!』

街頭でそんな声が聞こえてきた…
そう、地球は生きている…自分の表皮に大規模な
生態系を繁殖させた後で捕食するのだ・・・
大絶滅とは地球の捕食サイクルに他ならない。
だが最近、地球の胃袋に穴が空いてしまった…
表皮の微生物が胃の内容物をストローの様に吸い
取っているからである。
そして、その内容物を養分として消費している
らしい事は地球も何となく分かっている。
最近、やけに暑いのも、たぶん表面の微生物の
活動のせいだろうか?と思う地球であった。

『どうせ後で食うんだし、まあいいか』

と思っていた地球であったが、

『でも、他の星にこのバイキンをうつす前に始末しておくのがいいかな?』

次の瞬間、火山が地球のあっちこっちから噴火し地球全土は
真っ赤なウンチに飲み込まれた。

466 :創る名無しに見る名無し:2010/07/29(木) 15:28:10 ID:L4Y24Mpt
『裸の異星人』

 とある研究所で宇宙船が発射された。この宇宙船には、様々な人種の人間の裸の図や地球の位置など、地球のことについての様々な情報を記したプレートが取り付けてあった。
 宇宙船は当てもなく宇宙を漂い、とうとう知的生物が存在する惑星にたどり着いた。
 その惑星はとても地球に似ていて、支配している生物もとても人間に似ていた。
 宇宙船を発見したその人間に似た異星人はプレートを見てこんな話をしていた。
「おい、見てみろ。この板の宇宙人の絵、まるで僕たちにそっくりじゃないか。でも、この絵からすると、この異星人たちはどうやら僕たちみたいに服を着たりせずにみんな素っ裸なようだ、全く持って不思議だね。」

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元ネタはなんかの漫画か挿絵のやつだと思う。


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