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温泉界へご招待 ~満員御礼!!~

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温泉界へご招待 ~満員御礼!!~



「…ああ、もう…許して…」

静まり返った温泉界の小宴会場『亀の間』。力なく畳に横たわった湯乃香は潤んだ瞳で仁王立ちの天野翔太を見上げた。

「… 何を言ってるんだ湯乃香ちゃん、お楽しみはこれからだ…」

三島柚子、そして『アグゼス』の導きで開眼した天野翔太の新たな力。温泉界の金庫とも言える『衣装室』から瞬時に奪った真珠色のランジェリーは、すでに湯乃香の滑らかな肌を包んでいる。
翔太によって無理やり装着された蒼い光沢を帯びるその下着は、すでに湯乃香から抵抗の力をあっさりと奪っていた。

「…いや…恥ずかしい…」

しかしシャンプーハットを目深に被り、懸命に火照った顔を隠す彼女は、翔太が用意した更なる責めに気付いていない。やがて淫靡な衣擦れの音に恐る恐る顔を上げた湯乃香は、翔太が手にした一式の衣服に絶望的な呻きを洩らした。

「ひい…そ、それ…」

「ふふふ…名門私立高の制服だよ…ブラウスも靴下も、ちゃあんとある…」

異次元から来た異能を持つ男は、赤褐色のブレザーを愛おしげに眺め回す。校章が刻まれた釦、チェックのスカートに赤いネクタイ。完璧だ…

「…私立仁科学園高等科の制服…正真正銘の本物だ…」

「い、嫌ぁ…」

あらゆる衣服を苦手とする湯乃香が、想像するだけで気絶しそうになる『制服』。彼女は震える手足を必死で操り、四つん這いで逃げようしたが、無情な翔太の手は、がっちりとその足首を捕らえていた。

「…まずは靴下だ。タイツも捨てがたいが、いきなり気絶なんかしちまうと興醒めだからな…」

低い囁きと共に、純白のソックスが湯乃香の足を呑み込んでゆく。右足…左足…恐怖に丸まった彼女の爪先は、やがてすっぽりと学校指定の校章入り靴下の中に収まった。

「う…うぅ…」

「… 清楚だ…たまらなく清楚だ…」

入念に踵と校章の位置まで調整しながら、翔太はちらちらとメインディッシュたるブレザーを横目で窺う。焦ってはいけない、さて、次なる魅惑のアイテムは…

「さあ湯乃香ちゃん、次はブラウスだぞ…少し大きめを選んである。」

ぐい、と引き起こされた湯乃香の肩に、糊の効いたブラウスがふわりと乗った。脱力した腕がなすすべもなくスルリと袖をくぐり、意地悪な翔太の手が、強張った湯乃香の指を胸のボタンへと導いた。

「…さあ、自分で留めるんだ。きちんと上から、順番にな…」

「ああ…天野っちのヘンタイ…」

普段なら卒倒しそうな、破廉恥極まりない指示だった。しかし朦朧とする湯乃香に救いの手を差し伸べる者はいない。二人に気を利かせたアリスたちは今、客人全員を集めた卓球大会に興じているのだ。

「… ふう…ん…」

観念した湯乃香は、荒い吐息をつきながら不器用に白いブラウスのボタンを留め始める。誰にも見せられない恥ずかしい行為。そう、たった一人の男を除いては…

「…よおし…上手いぞ…全部留めるんだ…」

激しい動悸と闘いながらボタンを掛け終えたブラウスの胸ポケットには、翔太がさり気なく仕込んだであろう、小さな手鏡とリップスティック、それに清潔なハンカチが見え隠れしていた。『清楚の鬼』…頭に浮かぶそんな単語に、湯乃香はまたガクガクと四肢を震わせた。

「…天野…っち…」

湯乃香がたった一人で守ってきた温泉界の良識。その一糸纏わぬ美徳は、軽い気持ちで召還したこの天野翔太という男の手で簡単に破られた。しかし…湯乃香の心に不思議と後悔はない。

果たして全ての着衣を整えたとき、一体自分はどうなってしまうのか?そんな不安とも期待ともつかぬ戦慄に喘ぐ彼女の脚を、ゆっくりと上着に良く合う格子縞のスカートが覆ってゆく。

「ああっ!! ああ…」

スカートと共に這い上る甘い疼きは、頑なに浴衣すら拒んできた湯乃香の身体にはあまりに強烈な刺激だった。抑えきれぬ叫びのなか、翔太の手でウエストのホックが静かに留められた。

「ふわ…あ…も、もう…」

「… すごい…すごいぞ湯乃香ちゃん…あと一枚だ…」

涙を滲ませ、振り返った湯乃香の背後にはすでに赤褐色のブレザーがあった。もう、戻れない。彼を…超常の視力を持つ彼を温泉界に迎え入れたときから、こうなることは既に決まっていたのだ。
次元を越えた深く、強い運命の糸を信じながら、湯乃香は自ら腕を伸ばし、翔太の差し出したブレザーに袖を通した。

「ああああっ!! 翔…太…」

感極まった二人に、もう言葉は要らなかった。湯乃香の最後の慎み、うっすらと汗ばんだ額に乗ったシャンプーハットに翔太が躊躇いがちな目を向けると、湯乃香は照れた笑みを浮かべて、小さくコクリと頷く。

「湯乃香…」

「翔太…」

おずおずと伸びた翔太の手が、優しく青いシャンプーハットに触れた。

「湯乃香…愛し…」

身悶える湯乃香の最後の砦が落ちようとした瞬間、襖を破って飛び込んだ一本の鋭い矢が、危うく翔太の頭をかすめ、びいいいん、と空気を震わせて宴会場の柱に突き刺さった。

「… このバケモノヤロー!! インチキしやがって!!」

唖然と寄り添う湯乃香たちの傍らに、『アグゼス』の影が俊敏に駆け抜ける。彼を追って来たらしい蛮族の少年ショウヤは荒っぽく罵りながら、次々と狩人の正確さで部屋中に矢を放った。

「さあ、賞品のコシヒカリを寄越せ!! ユズキとお腹の子には滋養が要るんだ!!」

「…狡猾さはひとつの技術と呼べなくもない。そしてその技術の前で、敗者の動揺はしばし滑稽にすら他者の目には映る。」

瞬時に宴会場を戦場へと変えたアグゼスとショウヤの会話からして、どうやら卓球大会の勝敗を巡るトラブルらしい。着衣の姿を恥じらう湯乃香をよそに、ドタバタと浴衣姿の客たちも『亀の間』に乗り込んで来た。

「…大変よ!! 温泉界に忍者軍団が入り込んだみたいなの!!」

アリスの大声に一同が沈黙する。

「…そんなシェア、あったっけ?」

「… とにかく助っ人になりそうな連中を沢山召還するのよ!! みんなすぐ服を脱いで大浴場に集合!!」

…ここは温泉界。宇宙のどこかにある不思議な異界。地水火風全てのエレメントが融和し生まれた、摩訶不思議で眺望絶佳、そしてシャワー完備の世界。
果たして鏡を覗く湯乃香たちの手が次はどの世界に伸びるのかは、誰にも判らない。

おしまい

【招待客の皆さん】

天野翔太
千丈髪怜角
アリス=ティリアス
ショウヤ
ユズキ
クラウス・ブライト
セフィリア・ブライト
三島柚子
アグゼス
大賀美夜々重
ズシ

敬称略・順不同です。
お疲れ様でした!!



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