創作発表板@wiki内検索 / 「「ただいま」、「日記」、「おまえかよ!」②」で検索した結果

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  • 「サンマ」、「ブランコ」、「おまる」
    Top 三題噺 「サンマ」、「ブランコ」、「おまる」 207 名前:サンマ、ブランコ、おまる[sage] 投稿日:2008/10/23(木) 07 31 41 ID CHqs/Tf3 「なぁサンマの参太郎よ、知ってるか?」 物知りで知られているサンマの三吉が話しかけてきた。暇を持て余しているらしく 以前は無口だったのに最近は口数が多くなった。 「人間の世界にはブランコというものがあるらしい」 「ブランコ?それは何だい?」 「人間の遊具だ。主に子供が遊ぶものでな。ぜひとも作ってみたいものだ」 「無理さ。材料がないもの」 「それもそうだな」 「なぁサンマの参太郎よ、知ってるか?」 また三吉が話しかけてきた。 「人間の世界には、おまるというものがあるらしい」 「おまる?それは何だい?」 「用を足すものだ。白い陶器で、できててな……」 ...
  • 「ポスト」、「左」、「悪夢」
    Top 三題噺 「ポスト」、「左」、「悪夢」 30 名前:ポスト 左 悪夢[sage] 投稿日:2008/09/08(月) 02 09 15 ID 48pNp28L  永田町の悪夢といわれた国会議員の集団食中毒事件から、もう三年が経とうとしていた。  事件発生当初こそマスコミは連日のようにこの惨劇を報じたが、結果的に死亡者が一人もでず、原因も政治家を狙ったテロではなく、弁当を調理した仕出店の衛生管理の問題とわかったことから次第に下火となり、やがて忘れ去られていった。  しかし、この事件をどうしても忘れることのできない男がいた。左幹雄。東京都選出の衆議院議員、齢四十八にして当選五回のベテラン議員であり、次期総裁にもっとも近いと噂されていた。 「おはようございます、ヒダリー」  その日、衆議院正玄関の階段で待構えていたのは南都新聞の女性記者、朝岡あずさだった。...
  • 「お笑い芸人」、「嵐」、「金鍔」
    Top 三題噺 「お笑い芸人」、「嵐」、「金鍔」 40 名前:お笑い芸人・嵐・金鍔[sage] 投稿日:2008/09/09(火) 02 32 15 ID ktzgumK4 「えー、机の上に金鍔と市松人形がありました」 「それで? それで?」 二人の女が舞台の上に立っています。彼女たちの間には一つの机があり、門松と苺大福が乗っていました。とてもシュールです。 「嵐が吹きました」 「それから? それから?」 彼女たちの表情は全く変わりません。それどころか口を動かしている気配さえありません。 「すると金鍔だけ飛ばされてしまったのです」 「飛んだ。飛んだ。」 つっこみやくの女はそう言って、テーブルクロスを勢いよく引き抜きました。結果、苺大福は机の上に残りましたが、門松は落ち、床に衝突して大きな音をたてました。 「机の上には市松人形だけが残りました。」 「の...
  • 「花」、「稲穂」、「狼」②
    Top 三題噺 「花」、「稲穂」、「狼」② 21 名前:花・稲穂・狼、その1[sage] 投稿日:2008/09/07(日) 23 47 52 ID jqpZ0rtV  山間の小さな農村。収穫期を迎え、人々はたわわに実った稲穂を忙しそうに刈り取っている。  そこへ若者が通りかかり、農民の一人に声を掛ける。 「失礼、私は旅の薬売りです。この村の庄屋様のご息女が病だと伺い、診察に参りました」 「ああ、ご苦労なこって、庄屋様のお屋敷ならこの道の先だよ」  ぶっきらぼうに農夫が答える。 「実は長旅で喉が乾いております、すみませんが水を一杯いただけませんか」  しょうがないなという風に、農夫は若者を井戸に案内し、水を汲み差し出す。  若者は容器に顔を近付け、ピチャピチャと音を立てながら舌で水を舐める。 「あんた、まるで犬じゃのう」  農夫が笑う。若者は、慌...
  • 「一年」、「鍵」、「森」②
    Top 三題噺 「一年」、「鍵」、「森」② 533 名前:創る名無しに見る名無し:2008/12/17(水) 21 07 25 ID 1BH0ZFbD 「おい一年坊主、体育倉庫の鍵しめといてくれ」 「はい、森せんぱい」 名前 コメント ...
  • 「パイプ」、「涙」、「頂点」①
    Top 三題噺 「パイプ」、「涙」、「頂点」① 621 名前:創る名無しに見る名無し:2009/01/23(金) 20 56 03 ID gPgW+RXF  ああ、なんだい? あんたから話しかけてくるなんて珍しい事もあるもんだ。 酒の勢いを借りてでも、言いたい事がある? なんだい、これから俺に告白 でもしようってのかい? はっはっは、物好きもいたもんだな。  ま、やめといたがいいな。こんな奴に惚れたっていい事なんか何もないさ。 俺もあんたが涙を流すとこなんか見たくない。だから、そういう話をしようって んなら、ここで話は打ち切りだ。俺はもう寝る。おやすみ。あんたもいい夢を。  なんだ? 不服そうだな。じゃあ、どんな話ならいいのかって? ……まあ、 そうだな。あんたみたいな物好きになら、俺の身の上話くらいならしてやっても いいかもな。なんせ、明...
  • 「花」、「稲穂」、「狼」①
    Top 三題噺 「花」、「稲穂」、「狼」① 18 名前: 11-13[sage] 投稿日:2008/09/07(日) 22 54 05 ID U461xfdC [1/2] 男「は、は、ハクシッ!」 女「どうした、風邪か?」 男「んにゃ、花粉症みたいなもんだ、埃が舞ってたら   鼻がむずむずするだろ、あれ」 女「しかし、今は秋だぞ花粉が舞ってるわけでもないし……」 男「稲に花がさくだろ、ああいうのだ」 女「なるほど、狼の毛とかか」 男「なんでそうなるんだ、狼なんかいるわけないだろ」 女「いるよ」 狼「ワンッ!」 男「うおおおぉぉぉおおぉ!なんでいるんだ!?」 女「段ボールに入って捨てられてたから拾ってきた」 男「そんな危険なやつを拾ってくるんじゃない!捨てるやつもあれだが……」 ...
  • 「擦り傷」、「狼」、「豆腐」②
    Top 三題噺 「擦り傷」、「狼」、「豆腐」② 314 名前:擦り傷、狼、豆腐[sage] 投稿日:2008/11/21(金) 00 44 16 ID Uj4WnWqr 「母ちゃん!来た!狼!来たって!やばいって!」 台所の母親はハアーッと溜息をついて 「あのね健。ここ世田谷区よ?何が狼よ、バカじゃないの」 「危なかったんだって。噛まれそうになったしおれ」 「もうね、お前みたいな嘘つきは豆腐の角に頭ぶつけて死ねばいいよ」 「そんなの擦り傷にもなんねーよ」 「嘘の次は屁理屈か?二階行ってなさい!」 怒鳴り疲れた母親がテレビをつけると七時のニュース。 「東京世田谷区でAさんの飼っていた狼が逃げ出しました」 母親はせんべい片手に呟きました 「おお、かみよ」 ...
  • 「一年」、「鍵」、「森」①
    Top 三題噺 「一年」、「鍵」、「森」① 525 名前:お題:一年と鍵と森:2008/12/16(火) 21 49 18 ID cLyIBbJB 『その男をつなぐ鍵』 私はこの深い森の中で、ただ一人、鍵を作る仕事をしている。 街からずいぶん離れたこの場所に、客など来ることはめったになかったのだが、 ある朝、疲れきった顔の青年が私を訪ねてきた。 「こんにちは。ホフマンさんですね?」 「ああ、私を訪ねてくるものがあるとは。驚いたな」 青年は礼儀正しく挨拶をしてからイスに腰掛けた。 「ご謙遜を。下の街ではあなたはわりと有名なんですよ」 私はため息まじりにそんな事があるわけないと、答える。 「この小屋を見つけるのに一年かかりました。まったくひどい森です」 「私は気に入っているんだがね。何か困ったことでもありましたか...
  • 「杭」、「灰」、「ノック」
    Top 三題噺 「杭」、「灰」、「ノック」 601 名前:創る名無しに見る名無し:2009/01/16(金) 23 26 51 ID WKnujDtv 「お前これで満足なのか! この一年間、南高校に杭を打つ為に  頑張ってきたんじゃないのか!」  きっと先輩は楔と言いたいんだと思う。でもそんな事はどうでもいい。 もう、どうでも良かった。 「……満足なんてしてないですよ。ただ、どうでもいいだけです」  自分でも驚く程に、その声は疲れきっていた。自分の声なのに、どこか 遠くから響いてくるようで、俺はなんだか自分が夢の中にいるような心地 だった。どうせ夢なら……もっといい夢を見せて欲しいもんだ。 「ははっ……」  そんな自分の考えに、俺は自分で苦笑していた。  夢は夢でも、俺が今見ているのは悪夢だ。それも、決して覚める事の無い。 「本...
  • 「デジカメ」、「灰皿」、「ためいき」
    Top 三題噺 「デジカメ」、「灰皿」、「ためいき」 61 名前:デジカメ・灰皿・溜め息[sage] 投稿日:2008/09/11(木) 04 20 00 ID MOhgauKZ [2/3] デジカメのメモリに残された、家族の写真。 これは父が亡くなった日に撮られた、家族全員が写る最後の一枚だ。 私は父と過ごした、この日の記憶を覚えていない。 あの日、久しぶりに帰省した私を、父と母が嬉しそうに出迎えてくれた所までは覚えている。 しかし、その後両親と何を話して、どう過ごしたのか、私の記憶からすっかり抜け落ちている。 母は混乱する私を気づかって、気丈にも一人で、葬儀の準備から進行までの全てを請け負った。 日々は慌ただしく過ぎ行き、すべてが終わった今、母と私は父の仏壇を前に座り込んでいる。 何もする気が起きなかった。それは母も同じ気持ちなのだろう。 ふと...
  • 「パイプ」、「涙」、「頂点」②
    Top 三題噺 「パイプ」、「涙」、「頂点」② 627 名前:お題「パイプ、涙、頂点」 1/6:2009/01/27(火) 07 42 46 ID dy5OffgV  学校からの帰り道。  俺は道端に転がっていた大きめの小石を思いっきり蹴飛ばした。 「痛っ!」  小石には予想より重量があり、蹴った反動で痛みが走り思わず目に涙が滲む。 「くそっ、今日は厄日だな……」  何をやっても上手くいかない、こんな日は早く帰って寝てしまうに限る。  そう結論づけ歩くペースを上げたところで。 「ちょいなちょいな、そこのお兄さん」  キャッチセールスか? と思い振りかえる。  そこに立っていたのは見るからに胡散臭い服装をした女だった。  昔のファンタジーに出てくる魔法使いのような黒いローブ。  そしてその服装...
  • 「鉄腕アトム」、「信楽焼き」、「小学六年生」
    Top 三題噺 「鉄腕アトム」、「信楽焼き」、「小学六年生」 611 名前:創る名無しに見る名無し:2009/01/19(月) 14 41 03 ID VeQfBQoB 「で、やっちゃったんだ」 「うん、ごめん」 私の目の前に置かれた置物を改めて観察する。 デカい。 小学六年の女子の平均身長は、 文部科学省学校保健統計調査(平成17年度)によると146.9cmとなっており 137.8cmである私の身長は小六の女子としては若干物足りない、 ってそんな事は今はどうだっていい。 問題はこの置物のサイズが、 私の身長と殆ど変らないということだ。 「これ、134cmくらいあるよね?」 「惜しい、135cmだ」 ますますもってどうでもいい。 そんな事を考えている表情を露骨にしていたら。 「ん?...
  • 「新聞」、「朝日」、「鳥肌」②
    Top 三題噺 「新聞」、「朝日」、「鳥肌」② 562 名前:新聞、鳥肌、朝日 1/3:2008/12/25(木) 00 53 55 ID ny94vRhR まだ夜も明けきらない時間帯、朝の6:00。朝日の気配が感じられるものの、依然として闇が辺りを占めている。 僕はそんな暗がりの中、息を切らしながら走っていた。走っているのに、身を裂くような寒さがなくなることはない。 厚手の服の上から、染み入る寒さが何とも辛い。なぜ、休日の早朝に、僕はこんな目に会わなければならないんだろう。 僕をこんな目に会わせている張本人は、そこの角を曲がったところの公園にいる。 きっと頬をふくらまして…… 「遅いわ、優人君。10分遅刻!」 やっぱり……怒っていた。 「すみません。でも、こんな朝早くから待ち合わせしなくてもいいじゃないですか……」 「だめよ、ジャーナリス...
  • 「タバコ」、「網」、「赤」
    Top 三題噺 「タバコ」、「網」、「赤」 214 名前:タバコ、網、赤[sage] 投稿日:2008/10/25(土) 00 10 24 ID Q1QqEdSS [2/3] 「なあ、赤いタバコって知ってるか?」 「何、それ。怪談話?」 会社の喫煙室で、同僚の佐藤が、雑談の続きで変な話を振ってきた。 「噂なんだがな、数十年に1本だけ、白じゃなくて赤いタバコが作られるらしいんだよ。」 「へー、なんでそんなことをするんだろう? 何か当たるんかな?」 「それが・・・何か調査に関係あるらしいんだが、当たった奴がどうなったか誰もしらないんだ。」 「何だよそれ、意味分かんないよ。そもそも、誰の情報?」 「いや、俺も人に聞いた。あいつ、営業の吉田。」 「吉田の情報なら信じられねぇよ。担がれてるんじゃね?」 「それもそうだな。」 馬鹿話を打ち切り、仕事に戻った。 ...
  • 「抹茶白玉あんみつ」、「冬」、「輪廻」③
    Top 三題噺 「抹茶白玉あんみつ」、「冬」、「輪廻」③ 434 名前:抹茶白玉あんみつ、冬、輪廻[sage] 投稿日:2008/11/27(木) 06 43 30 ID Xyxa5zTs 「……牛丼、チョココロネ、パフェ、クレープ、メロンパン。では62番目に言った食べ物は?」 「白玉抹茶あんみつ」 助手は考えるそぶりも見せずに即答した。 「凄いな。今言った食べ物は全て順場通りに覚えたのか?」 「はい。完璧です。博士の開発した記憶力増強装置は成功ですね」 助手が嬉しそうに言った。 彼は自らの体を張って実験台になってくれているのだ。 「そうだな、一週間でこの効果なんだ。今年の冬を越すまで使い続ければ……あるいは 人間の限界を超えられるかもしれん。これからも実験台になってくれるか……?」 「もちろんですよ博士。この装置の効果を実証し、その後で発表しましょう...
  • 「餅」、「くしゃみ」、「年越し」
    Top 三題噺 「餅」、「くしゃみ」、「年越し」 580 名前:創る名無しに見る名無し:2009/01/07(水) 23 33 31 ID o4GiBi/1 超絶出オチながら、投下します。 「……っく、ヒッ、ふぁ、あーはらいてェ、アハハハハ!! は、腹、痛ッ……、ふふはは」 ここは賽の河原。もちをのどにつまらせ子供の時分に死んだ俺は石を積むこと幾星霜、 その度ごとに鬼に邪魔をされる毎日だった。いつものように走って逃げながら、 呟いた言葉――「来年こそは、石を積みきってやる」――が、鬼の笑いのツボに クリティカルヒットしたらしい。 震え出す体。歪んだ容貌。鬼の異変に気づいたのは俺だけじゃなかった。たくさんの 子供達がいぶかしり、やがて状況を把握する。 すなわち……「来年の話をすれば、鬼が笑う」。 いやちょっと待って欲しい、冷静に考...
  • 「魔法」、「パンダ」、「黒子」①
    Top 三題噺 「魔法」、「パンダ」、「黒子」① 446 名前:ほくろのないパンダ(1/2) ◆pkHvZT49GM :2008/11/29(土) 20 33 14 ID n0ZH6nq0 「なあ雄太」 ピッチャーが暴投するような荒さで、康之はいった。 「なんだよ」 そのワイルドピッチを一瞥すらせず、ド真んなかに構え続けるキャッチャーのように、ぶっきらぼうに俺も応える。 「パンダってさ――」 そこまでいって、康之は黙る。 風が冷たい。なぜ俺たちはこうんなところにいるんだろう。 冬の急勾配の川縁で、腕で膝を抱えるように座っている。ひなたと緑の雑草がやたらと心地いい。 「なんだよ」 遠くの空を見ながら隣の雄太にいう。 逡巡の空気が漂った後、「やっぱいい」とだけ呟いた。 「なにがいいんだよ」なおも俺は食い下がる。 「大したことじゃ...
  • 「バンジージャンプ」、「青空」、「侍」、「走り高跳び」
    Top 三題噺 「バンジージャンプ」、「青空」、「侍」、「走り高跳び」 189 名前:バンジージャンプ、青空、侍、走り高跳び[sage] 投稿日:2008/10/21(火) 23 20 37 ID tDpEUpvp [2/3] 江戸時代末期のことだった。 三河の国の小さな村に、誰にも挑戦できない度胸試しがあったそうな。 それは、海岸の切り立った崖に行き、あいだが三間(約5.5m)もある、深い谷を飛び越えるというものだった。 ある日、村に屈強な侍がやってきて村人にこう言った。 「儂は江戸で知らぬものがおらぬ度胸を持つ万次と申す。この村に、誰一人達成したことの無い度胸試しがあると聞いてやってきた。」 村人は期待した。こんなに強そうな侍なら、度胸試しを成功させるのではないかと思ったのだ。 海岸の崖に行き、万次は身軽になるために褌以外を脱ぎ捨てた。 「...
  • 「夜明け」、「姫」、「人工肛門」
    Top 三題噺 「夜明け」、「姫」、「人工肛門」 70 名前:夜明け・姫・人工肛門1/2[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 13 53 11 ID pmRkoVu/ [1/5] とある国に、とても一人のお姫様がいた。そのお姫様はとても我侭な性格で、家来に度々迷惑を掛けた そんな日、彼女を妬んだ家来の一人が、国で一番悪い魔女に、自分の財産を受け渡す代わりに、姫を酷い目に合わせてくれと頼んだ 魔女はその家来の以来に喜々として乗ると、城に乗り込み、お姫様に呪いを掛けたのであった 次の日、姫様は起床すると自分の視界が真っ暗な事に気づいた。まさか私は誘拐されたのか? それとも…… ふっと、自分の意思とは関係無しにどこかに連れて行かれる事に気づいた姫様は必死に抗った が、次の瞬間、姫様の顔を何度も何度も鈍い感触が走った。と、その感覚が途切れると同時にい...
  • 「擦り傷」、「狼」、「豆腐」①
    Top 三題噺 「擦り傷」、「狼」、「豆腐」① 308 名前:「擦り傷」「狼」「豆腐」 1/2[sage] 投稿日:2008/11/20(木) 22 28 25 ID I6qAj6zT [1/3] てくてく、とことこ。 通学路を小さな女の子がひとり、元気に帰ってゆきます。 女の子のお気にいりは真っ赤な防災ずきん。 おかあさんが縫ってくれたそれを、女の子はとても大切にしていました。 クラスメートのいじわるな男の子によごされないように、毎日頭にかぶって学校にゆき、 家にも防災ずきんをかぶって帰ります。だから、女の子についたあだ名は「赤ずきん」でした。 かわいいおかっぱをふわふわゆらし。赤い防災ずきんをきょろきょろ。 そんな赤ずきんちゃんは、おとなの人にも人気者です。 今日は、お豆腐売りのおじさんが赤ずきんちゃ...
  • 「食事」、「150年後」、「地球儀」③
    Top 三題噺 「食事」、「150年後」、「地球儀」③ 515 名前:お題:食事と150年後と地球儀:2008/12/15(月) 18 23 38 ID vgV+QEwL 「兄さん、お久しぶりです!」 「やあ、よくきたな。お前とまたこうして食事ができるなんて、夢のようだ」 二人は笑い合いながら、豪華な大理石のテーブルに腰掛けた。 「僕も同感です、どうかあの時の私を許してください」 「おいおい、そんな言い方はよしてくれ、悪いのは私だったのだ」 言葉遣いはよそよそしくも、お互いを気遣い合うそのやりとりは この兄弟の絆の強さを物語っていた。 不意に弟が部屋の隅に転がる丸い物体を指差す。 「やや、あれは。あの時の」 「そうさ、お前が欲しがっていたのに、私が渡さなかったものだ」 頭ほどの大きさをもった球体は《地球儀》と乱暴に...
  • 「新聞」、「朝日」、「鳥肌」①
    Top 三題噺 「新聞」、「朝日」、「鳥肌」① 557 名前:新聞 朝日 鳥肌:2008/12/23(火) 00 01 29 ID ATS6BMak 556では無いが……発信ッ!!  夜明け前に目が覚めた。  いつもよりも何時間も早いくせに、妙にさっぱりとした気持ちがする。二度寝する気も 起きないで布団から出ると、真冬の空気がスウェットの裾から入り込む。私は身震いをして、 ストーブをつけた。ツマミを下げると、かすん、という音に一拍遅れて、ふわっと 赤い光がともる。冬の早朝はしんと静まり返っていた。なあんにもないという空白は、 とても久しぶりのように思う。  疲れきって家に帰り、最低限のことをやって眠る。朝は遅刻するギリギリに起きて、 慌ただしく準備をすると家を飛び出る。  最近はずっとそんな毎日だった。誰だ、大学生...
  • 「図書室」、「未熟者」、「味」②
    Top 三題噺 「図書館」、「未熟者」、「味」② 651 名前:創る名無しに見る名無し:2009/02/01(日) 03 05 35 ID oDarxHAk 俊弘に横からモニターを覗き込まれる。 「何見てんの?」 「いや、スレ立て」 「図書館で2ちゃんとか、ねーし」 「だってうちのプロバイダ、規制されてんだもん」 「なんてスレ?」 「『お前らはじめてコンドームを買ったのいつ?』」 「童貞が立てるスレじゃねーな」 「童貞だから知りたいんです」 「童貞乙」 「あ・・・」 「どうした?」 「2に童貞乙ってかかれた・・・」 俊弘が俺の肩に手を置いて言う。 「童貞乙」 次の日、罰ゲームに負けてコンドームとうまい棒(サラミ味)とコンニャクを買った俊彦は、 コンビニから出てきて一言つぶやいた。 「コン...
  • 「毒米」、「リンゴ」、「出刃包丁」
    Top 三題噺 「毒米」、「リンゴ」、「出刃包丁」 54 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2008/09/11(木) 02 58 36 ID CQyw2I/K [3/5] 今から10年前。 忘れもしない、2008年9月。 かつて東方の地に、”美しき国―ZIPANG―”と呼ばれる島国があった。 その地では、一部の官僚たちが私腹を肥やすため、国民に対して主食であるコメに毒物を入れて 食わせるという行為が、ごく日常的に行われていたのだった。 毒の名は、アフラトキシン。 10億分の1グラムの摂取で確実にガンを引き起こす、最悪の毒である。 国民は、「米を食べよう!」という政府のPRにまんまと騙され、もりもりと米を食らい続けた。 当然の如く、人々は次々とガンになって死亡した。 それから、10年がたった今。 かつてZIPANGと呼ばれたこの...
  • 「魔法」、「パンダ」、「黒子」②
    Top 三題噺 「魔法」、「パンダ」、「黒子」② 460 名前:創る名無しに見る名無し:2008/11/30(日) 22 53 04 ID moV+zKd5  突風に晒されながら、僕は揺らぐことも無く立っていた。  地上三十階建ての、この街では一、二を争う高さのビル。そこに、 僕は立っていた。  僕の、生まれつき白みがかった髪と肌は、夕焼けの色に染められ、 心の中は、これから訪れる宵闇のような青に染まっていた。  今日も、これから戦いだ。 「……世界は間違っている」  そんな僕の怨嗟の声は、どこにも届くことは無い。如何に間違って いようが、世界は止まる事無く、前を向いて進んでいくのだから。  僕の声に追いつかれまいと、先んじて進んでいくのだから……。  僕の苦労が報われる事が無いのを、如何に不満に思っていようと、 そんな事は世界に...
  • 「チロルチョコ」、「法律」、「柊姉妹」②
    Top 三題噺 「チロルチョコ」、「法律」、「柊姉妹」② 237 名前:本日23 59まで予備投票@名無し・1001スレ[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 03 01 58 ID MwE/j7wS  日中は混雑するコンビニも、深夜になれば客もいなくなり、静かなものである。  だが店員が楽なわけではない。女はため息をつきながら、レジ前に黙々とお菓子を並べていた。 どれもこれも煌びやかなパッケージングをされたチョコレートだ。  二月十四日のバレンタインに深夜バイトを入れてしまったことを、女は死ぬほど後悔していた。 ああ、なんということなの。こんな面倒が待っていたなんて――。  そうなると何事も気になってくるもので、左右に垂れるツインテールが邪魔に感じてくる。 なんで今日こんな髪型にしてしまったのかと自分を呪いたくなる。  しかしそう思ったところでど...
  • 「図書室」、「未熟者」、「味」④
    Top 三題噺 「図書館」、「未熟者」、「味」④ 664 名前:「図書室」「未熟者」「味」 1/3:2009/02/03(火) 07 07 02 ID n6+tDtb3 その日の午後、私は馴染み客のF氏から電話を受けた。 曰く、「蔵書をいくらか引き取ってほしい」とのこと。 F氏は、その道には知られた稀覯本のコレクターである。 彼の屋敷には、彼のコレクションのために特別にしつらえた一室があり、 古書を生業とするものなら垂涎ものの奇書・珍書がひしめいているのだ。 譲られることになる品への期待は勿論だが、 ことのついでになかなかの眼福も得られるかも知れぬ。 私は、身支度もそこそこに、店先に「臨時休業」の札をかけると、 いそいそと彼の屋敷へ向かった。 「それでは、こちらのお値段でいかがでしょうか。」 引き入れられたのは応接室...
  • 「カボス」、「巫女」、「こたつ」②
    Top 三題噺 「カボス」、「巫女」、「コタツ」② 488 名前:お題:巫女、カボス、こたつ 1/2:2008/12/05(金) 11 47 28 ID QjHhxKPt  俺が学校からの帰り道商店街をいつものように歩いていると少女に話しかけられた。 「あんた、私の代わりに巫女になりなさいよ」  巫女という字には女という文字が含まれており、  俺は口調と一人称から判断できる通りに男なので、  頼む相手としては相応しくないなぁとか、  それを言うんだったら巫男という読み方も分からないような単語が適当なんじゃないかなぁ、  と一瞬でよくここまで考えられるよな、と思わず自画自賛したくなってしまうような思考を経て、答える。 「お断りします」  こういう輩に対しては明確な意思表示をする事が大切だ。  曖昧な返事をすると間違いなく自分の都合のいいよ...
  • 「食事」、「150年後」、「地球儀」②
    Top 三題噺 「食事」、「150年後」、「≪地球儀≫」② 507 名前:創る名無しに見る名無し:2008/12/10(水) 22 05 39 ID x23D8i2b 「好きだ、実紗乃!」  俺の全身全霊を込めた、それは告白だった。 「そうか。私は好きじゃないが」  そして、その告白は見事に当たって、そして砕かれた。  もう、これ以上無いくらい、粉みじんに。 「用はそれだけか? これから友人と食事なので、失礼する」  そう言って、彼女は――古寺舞(こでまい)実紗乃は、去っていった。  颯爽と、凛とした容姿そのままに。風に髪をなびかせながら。  ――固まった俺を残したまま。 「………………」  そして、固まること小一時間。 「どうだったの、祐司?」  背後から聞こえてきた声に、俺はようやく溶けた。溶けすぎて そのままへたり...
  • 「カボス」、「巫女」、「こたつ」①
    Top 三題噺 「カボス」、「巫女」、「こたつ」① 480 名前:創る名無しに見る名無し:2008/12/04(木) 23 06 17 ID sSQ8F7Rn 「うー、さぶっ」  まったく、歴史のある神社というのも困ったもんよね。  別にいいのよ? 正月も巫女装束で、やってくるお客さんを もてなさなければならない、っていう伝統に関しては。  そのお陰で、最近のブームにも乗っかれて、参拝客はウナギ昇り。 お守りとか破魔矢の捌ける数も、数年前から比べると数十倍にまで なったんだから。生活の為に神社をやってる、うちみたいな家から したら、懐が潤うのは悪い事じゃないってのは、確かにそう。  けどねぇ……巫女装束しか身につけちゃダメ、ってのはどうなのよ? しきたりだかなんだか知らないけど、上にも下にも、巫女装束以外の 服を見につける事が、うち...
  • 「刺身」、「四大文明」、「ひつじ」
    Top 三題噺 「刺身」、「四大文明」、「ひつじ」 45 名前:刺身・四大文明・羊 1/2[sage] 投稿日:2008/09/10(水) 23 52 19 ID Y67KPHjj [1/2]  美食家の友人に食事に招かれ、私は彼の家を訪ねた。 「やあ、ようこそ。今日は珍しい羊の刺身が手に入ったから、一緒に味わおうと思ってね」  そう言うと彼は、嬉しそうに私を招き入れた。 「君の奥さんがうらやましいな、毎日おいしい料理を食べられるんだろ」  そんなことないよと謙遜しつつも、彼は得意そうに語り出す。 「生食ってのはとても高度な文化なんだよ。素材そのものの質と鮮度、そして調理の技術が要求されるからね」  彼の話は続く。 「十分な栄養、運動と休息を与え、何より愛情を注いで育てないといい食材にはならないのさ」 「へー、そりゃ楽しみだ。だが世界中の食材を食べ尽くし...
  • 「図書室」、「未熟者」、「味」③
    Top 三題噺 「図書館」、「未熟者」、「味」③ 653 名前:図書室、味、未熟者 1/2:2009/02/01(日) 07 15 20 ID I4S05R4a  水曜日の放課後。  高校二年である私、飯田詩織が一週間で一番楽しみな時間だ。  音が出ないように静かに図書室の扉を開け、  貸出カウンターをそっと窺う。――いた。 「こんにちわ、ブンくん」 「あ、こんにちわ。飯田先輩」  ハードカバーのSFの本を手に持ちながら、  目線だけをこちらに向けながら軽く頭を下げる。  完全に「先輩<本」の図式になっているこの失礼な少年は、  銀城文博――通称ブンくん、高校一年、つまり私の後輩だ。  通称、と言っても私しかその呼び方はしない訳だが。  寝グセがそのままになっているとしか思えないボサボサの黒髪...
  • 「図書室」、「未熟者」、「味」①
    Top 三題噺 「図書館」、「未熟者」、「味」① 645 名前:図書室・未熟者・味 ◆91wbDksrrE :2009/01/31(土) 23 05 50 ID dxGSE00Q 投下します。 中で書かれてる分類とかの話は、記憶とざっと調べた内容に 基づいてますんで、実態とは異なる場合があるかもしれませんが、 その時は寛大な心でご容赦を。 ではいきます。 646 名前:図書室・未熟者・味 ◆91wbDksrrE :2009/01/31(土) 23 07 16 ID dxGSE00Q  連れ立って歩く男と女がその歩みを止めたのは、とある部屋の前だった。 部屋の名は『図書室』。数多の蔵書を有し、時にはその静寂故に勉学の 場として、時にはその情報量故に探索の場として活躍する、学びやに おける頭脳……などと考えている人間が、果...
  • 「蜘蛛の糸」、「海水浴」、「インク」①
    Top 三題噺 「蜘蛛の糸」、「海水浴」、「インク」① 322 名前:創る名無しに見る名無し[] 投稿日:2008/11/22(土) 19 51 58 ID pnOiRr66 [2/2] 書いてみました 「蜘蛛の糸・海水浴・インク」 たまに、よく分からない染みがあった。 建物の高さや、風向き、壁面の突起物の有無などによって多少変わるが、通常、 インクの染みは建物からそれほど遠くない地点に残る。 ところが、ごくごく稀に、かなりの助走と跳躍を行ったと見られる染みもあった。 それは大きな放物線を描き、染みにその勢いがわずかに残って、前方へ広がる扇型 となる。 そのような染みの主は、どのような心境であったのだろうか。海水浴を楽しむ子供 のように半ば浮かれ心地で、この世の有象無象から開放される喜びとともに跳んだ のだろうか。 彼らは視界の先に何...
  • 「磨製石器」、「警察」、「プロミネンス」
    Top 三題噺 「磨製石器」、「警察」、「プロミネンス」 220 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 00 09 28 ID TgubF2+Z [1/8]  201×年、日本。08年の事件に端を発した銃刀法規制の締め付けはとどまるところを知らず、ついに金属製の刃物をすべて規制するに至った。 はさみですら携帯は禁じられ、目的不明の「凶器」携帯で勾留される人々は後を絶たない。主に学童を対象とした点数稼ぎの検問が各地の学校周辺で見られるに及び、 国民の怒りはリミットを突破して赤く高く噴きあがった。だが、与党はどこ吹く風とばかりに受け流しつづけ、今回、35回目の改正案審議に入ることとなった。 「現場の小島さん?」 「はい、こちら小島です。現在、議事堂前より生中継でお送りしております。ご覧頂けるでしょうか、このような状況...
  • 「抹茶白玉あんみつ」、「冬」、「輪廻」②
    Top 三題噺 「抹茶白玉あんみつ」、「冬」、「輪廻」② 431 名前:あんみつこわい ◆phHQ0dmfn2 [sage] 投稿日:2008/11/26(水) 04 13 40 ID SvHoEmEf すまん、何かエラーが出たんで貼り直し↓ A「なあ、お前らにとって、世の中で一番怖いものってなんだ?」 B「当たり前のことだが、やはり『死』だな。何だかんだ言っても、人間死んだらおしま いだ。輪廻転生だの死後の世界だの、そんなもん当てになるか」 C「死も怖いが、希望の無い『生』だって怖いぜ。ウチの会社、今年は不景気で冬のボー ナスが出ないらしいんだ。まともに貯金も出来やしないし、景気の先行きは不透明。今後 の人生が不安で不安で仕方ないよ」 B「なるほどなあ……で、お前は何が怖いんだ?」 A「俺か、俺は抹茶白玉あんみつが怖い...
  • 「蜘蛛の糸」、「海水浴」、「インク」②
    Top 三題噺 「蜘蛛の糸」、「海水浴」、「インク」② 328 名前:地獄の日々(海水浴、インク、蜘蛛の糸)1/4 ◆phHQ0dmfn2 [sage] 投稿日:2008/11/22(土) 22 31 44 ID NMHUpILn  なあ、ロールシャッハテストって知ってるか?  紙にインクを垂らして、出来たシミが何に見えるかで、精神分析をする方法だそうだ。 それによると俺の性格は、凶暴、残忍、冷酷、非道……まあ、とにかく最悪らしい。  自分で言うのも何だが、たしかに俺は悪党だ。ガキの頃から悪さばかりしてて、大人に なってからは盗みに殺し、何でもござれだ。しかし挙げ句の果てには警察に捕まり、死刑 判決が下された。そしてめでたく刑が執行され……  まあ早い話、俺は死んで地獄に落ちたんだ。  さて、お前さん『地獄』って聞いて、どんなことを連想した?  ...
  • 「告白」、「5cm」、「境界線」
    Top 三題噺 「告白」、「5㎝」、「境界線」 589 名前:「告白」 「5cm」 「境界線」1/2:2009/01/12(月) 20 00 35 ID QKMHT9qs 「告白」 「5cm」 「境界線」  僕たちの町には境界線がある。平野の真ん中にあるこの小さな町は100年も前に、境界線を作る原因となった大きな喧嘩を したそうだ。いまとなっては些細なことだった原因が何もかもに波及して住民を二分し、片方が屋根を赤く塗れば もう片方が青く塗るといったありさまにまで発展してしまった。それどころか町の真ん中に線を引き柵を立て その柵を次々に広げていったあげくに平野の果てまでそれを続けていった。100年前の柵建て人はとうとう帰ってこず、 遠い柵の果てでその一族は未だに柵を立てていると言われている。  さて柵の向こう側とこちら側はとても仲が悪い。それで...
  • 「カラス」、「加湿器」、「ラベンダー」④
    Top 三題噺 「カラス」、「加湿器」、「ラベンダー」④ 397 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2008/11/24(月) 23 37 55 ID b0hFje6g 書いてみました 「カラス・加湿器・ラベンダー」 香水瓶の中に青いオイル。 それは加湿器の中に注がれて、暖炉で暖められた部屋に放散される。 マリーアの褐色の肌はわずかに上気し、首筋の辺りは汗ばんでいた。彼女の体温は、 いつも僕のそれよりわずかに高い。濡れたように光る黒い大きな目、奔放に跳ね回る 長い黒髪。歯を見せて明るく笑うマリーアは、そんなことを彼女に言うととても怒ら れるのだけれど、カラスのような印象を備えていた。 ――そうだった 僕はささやくように言う、マリーアの濃紺の唇が僕の肩口を吸う。 ――君は加湿器にブランデーを入れるの...
  • 「魔法」、「パンダ」、「黒子」③
    Top 三題噺 「魔法」、「パンダ」、「黒子」③ 465 名前:笑いボクロ 1/6 ◆phHQ0dmfn2 :2008/12/01(月) 15 27 36 ID 4nte5+W2  その女は美しくなかった。いや、正確に言うなら醜かった。  だらしなく太った体、シミと吹き出物だらけのくすんだ肌、肉団子のような脂ぎった鼻 、分厚く紫色の唇、腫れぼったい目。さらに血行が悪いため、目の周りは常に濃いクマで 縁取られており、周りからは「パンダちゃん」などと揶揄されていた。  部屋で鏡の前に立ち、一人つぶやく。 「どうしてこんな顔に生まれてきたんだろう……」  彼女は恋も知らない。人並みに男性に好意を寄せたことはあるが、自分の容姿を気に病 み、いつも想いを伝えることができないでいた。 「わたしだって恋をしたい、生まれ変わりたい。美しくなりたい、美しく…...
  • 「猫」、「琵琶湖」、「ありがとうございます」
    Top 三題噺 「猫」、「琵琶湖」、「ありがとうございます」 271 名前:創る名無しに見る名無し[] 投稿日:2008/11/12(水) 22 31 59 ID aDdBHlDb [1/2] 書いてみました 「猫・琵琶湖・ありがとうございます」 嘉永3年というから、1850年ごろのことである。 現在の福岡県にあたる黒田藩は大江町のあたりを、何やら思いつめた面持ちで歩く侍が一人。 名を石久部園斎という、身の丈六尺あまりの偉丈夫である。 この男、近ごろ藩主黒田長元の命を受け御様御用、いわゆる首切り役人に任ぜられることに なっていた。園斎は柳生の名手であり、首切り役人ということで地位こそ高くはなかったが、 一人首を切るごとに半両の手当てが出るという。元は貧乏侍の出自である園斎にとっては文句 のつけようもない待遇である。 しかし、園斎は腕こそ確かであ...
  • 「台風」、「理性」、「かなりアレ」
    Top 三題噺 「台風」、「理性」、「かなりアレ」 90 名前:台風・理性・かなりアレ1/3[sage] 投稿日:2008/09/13(土) 20 06 58 ID ws1M/ng0 [1/5] 「私、台風おじさんなんですよ」  男は真面目な顔で語り始めた。 「台風の現地リポートをするあのお仕事ですか?」 「いえ、晴れ男とか雨女ってよく言うでしょう? 私の場合は台風を呼んでしまうんですよ」 「それは大変ですな」  何を馬鹿なと思ったが、そんなことはおくびにも出さない。長年バーテンダーとして働 いてきた私は、この手の変わった客への対応には慣れている。  店内には彼と私の二人だけ。外では今まさに台風が暴れており、そのせいで客足は遠の いている。 「では、この台風もあなたが呼んだのですか?」 「ええ、ご迷惑おかけして申し訳ない。台風の時期はなるべく各地を転...
  • 「抹茶白玉あんみつ」、「冬」、「輪廻」①
    Top 三題噺 「抹茶白玉あんみつ」、「冬」、「輪廻」① 424 名前:一窮さん 1/5 ◆phHQ0dmfn2 [sage] 投稿日:2008/11/26(水) 02 28 52 ID SvHoEmEf  むかしむかし……ではなく、現代のお話。あるお寺に、一窮さんという見習いの子坊主 がおりました。  この一窮さん、まだ小さいのにたいそう頭が良く、ことあるたびに見事なとんちを披露 しては、周りの者たちを感嘆させておりました。  さて、この地方は冬になると深い雪に覆われます。外出することもままならず、時間を 持て余した一窮さん。彼は次第にネットサーフィンで時間を潰すようになりました。  もともと頭が良かった一窮さんは、ネットを通じて様々なことを覚えました。情報革命 により、今や子供でも簡単に知識を得られる時代なのです。瞬く間に、大人顔負けの知識 ...
  • 「観覧車」、「エンゲルス係数」、「バキューム・カー」
    Top 三題噺 「観覧車」、「エンゲルス係数」、「バキューム・カー」 98 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2008/09/19(金) 09 09 50 ID 2HcOYI39 [1/2] 子「かーちゃんかーちゃん」 母「どうしたんだい?」 子「ウチのエンゲルス係数っていくつ?」 母「なんだい、藪から棒に」 子「家庭科の宿題なんだ、聞いてこいってさ」 母「しょうがないね、あまり大きな声では言いたくないんだけど……ゴニョゴニョ」 子「え! そんな高いんだ……」 母「なに言ってんだい、あんたがバキュームカーみたいな食欲してるからでしょうが」 子「ダンプカーみたいなかーちゃんに言われたかないや」 母「失礼な子だねえ。かーちゃんにだって女なんだよ、乗り物に例えるならもっとメルヘ ンチック...
  • 「焼き土下座」、「トライアスロン」、「夢」
    Top 三題噺 「焼き土下座」、「トライアスロン」、「夢」 84 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 17 31 10 ID hzBhSpaV [2/3] かなりアレな内容だけど、月・焼き土下座・トライアスロンで書いたので、一応投下してみる。 85 名前:月・焼き土下座・トライアスロン[sage] 投稿日:2008/09/12(金) 17 32 07 ID hzBhSpaV [3/3]  競技に勝つ為なら命も掛ける。  これは比喩などではない。一流のアスリートにとって、備えてしかるべき資質の一つだ。  しかし、その男は勝利を得れば得るほどに、自身の中で虚しさが募るのを感じていた。  違う。この競技も違う。この競技もまた、オレの求めるものではない。  様々な競技を渡り歩き、ひたすら勝利を重ねるも、心の渇...
  • 「カラス」、「加湿器」、「ラベンダー」①
    Top 三題噺 「カラス」、「加湿器」、「ラベンダー」① 376 名前:カラスの仮面 1/3 ◆phHQ0dmfn2 [sage] 投稿日:2008/11/24(月) 00 37 56 ID zrR6IL1R 「アヤ……おそろしい子……」  私の演技を見た憑影先生は、思わずそうつぶやいた。そりゃそうよ、だってわたしは天 才ですもの。  他のライバルたちは、嫉妬と羨望の入り交じった目で見つめる。わたしみたいな新入り の小娘に主演を奪われて、さぞ悔しいんでしょうね。 「先生、ちょっとお手洗いに行ってもよろしいかしら?」  そう言って、わたしは部屋を出た。もう……こんなに動いたから、頭の皿が乾いちゃっ た。  わたしは妖(アヤ)、劇団『つきかげ』に来て一年になるわ。  この山奥の古寺には、日本中の妖怪の中から選び抜かれたエリートが集まってるの。人 ...
  • 「アンドロイド」、「打ち首」、「身代わり」
    Top 三題噺 「アンドロイド」、「打ち首」、「身代わり」 145 名前:アンドロイド、打ち首、身代わり[] 投稿日:2008/09/25(木) 23 17 10 ID Q+WlG/h4 [1/2] オレ名は田中。 趣味はアンドロイドの生首集めだ。 部屋にはすでに、100体以上の愛らしいアンドロイドの頭部が アニメヲタクの部屋を彩るフィギュアよろしく、四方に鎮座ましましている。 う~~~ん、壮観。 めぼしいアンドロイドを見つけ、背後をストーキングし、隙をみてチェーンソーで首を頂く。 まさに、生の充足を味わえる、最高の瞬間だ。 思わず、射精してしまう事も一度や二度ではない。 いや、下品な話になったな。 話を戻そう、趣味の話だったな。 そう、あれは最初に頂いたアンドロイドの件についてだ。 その事を書きたくて、今日はPCを起動した。 ……あ...
  • 「蜘蛛の糸」、「海水浴」、「インク」③
    Top 三題噺 「蜘蛛の糸」、「海水浴」、「インク」③ 336 名前:くもの糸、海水浴、インク○1/4[sage] 投稿日:2008/11/23(日) 00 19 38 ID rWoSlYVc [1/5] 相変わらず古い家だ。俺の家も決して新しくはないけれど、こんなに伝統のある建物ではない。 柱や壁、それに調度類のひとつひとつが長い歴史を感じさせる。 ここは幼馴染みの麻里絵の家。互いに家を行き来するような仲だけど、それは別に付き合ってるとかそういうのじゃない。 小さい頃からの関係が高校生になった今でも惰性で続いているという感じだ。 「あ、それでね」 麻里絵は、こたつの真ん中に置かれたみかんに手を伸ばしながら口を開いた。 「この間、おじいちゃんが亡くなったっていう話、したよね?」 「ああ、残念だったな。まだ元気そうだったのに……」 「あ、そんな悲しそうな顔...
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