女の勘
「ずりゃあ!!」
「こ……この女つええ……。」
(まだまだだね。)
「こ……この女つええ……。」
(まだまだだね。)
テュポン兄ちゃんなら、死んだことすら対象に気がつかせないはずだし、
アキレス姉ちゃんだったら、殺さずもっと有効利用するはずだもん。
アキレス姉ちゃんだったら、殺さずもっと有効利用するはずだもん。
優秀な兄と姉を持つと、末っ子は苦労するんだ。
ガサガサと背広の胸ポケットを漁ると手帳が出てきた。
(帰ってゆっくり読むとしよう。)
(帰ってゆっくり読むとしよう。)
あとは通り魔的な犯行に見せかけるために財布をいただいてと……。
ユグドラジル帝国は、よみがえりの儀式とやらで厄介な事をしてくれたもんだよ。
ユグドラジル帝国は、よみがえりの儀式とやらで厄介な事をしてくれたもんだよ。
この島最大の悪党は、アスガルド軍団リメンバーズというのが率いていて、
彼らは組織を再度正義のヒーローに壊滅させられ、行き場を失った怪人達で構成されているみたい。
彼らは組織を再度正義のヒーローに壊滅させられ、行き場を失った怪人達で構成されているみたい。
そんな連中が集まってるわけだから、
当然今までの実習のように、
すぐに組織の信頼を得ることは難しくなってるの。
当然今までの実習のように、
すぐに組織の信頼を得ることは難しくなってるの。
(流石は最後の研修だけあって、結構ハードルが高いわね。)
だからこうして、ちょっとしたことから信頼を得て、
幹部のハルと
幹部のハルと
ローガーにもっと近づこうと考えているわけ。
ユキチには暫く大人しくして貰う予定だけど、あまりのんびりしている余裕は無いだろし……。
(まぁ、やるしかないか。)
(まぁ、やるしかないか。)
「ただいま~。」
今夜の一仕事を終えたアタシは箱庭館に戻る。
「おかえりなさい。」
今夜の一仕事を終えたアタシは箱庭館に戻る。
「おかえりなさい。」
この魔女のゆゆるは実に良い働きをしてくれたわ。
子供と少女に弱く人を疑うということを知らないアイツは、まさか彼女が魔女だとは気がつくまい。
「ただいま。あらそちらは?」
「私の名前はジークリンデ・ハルトシュラーよ。」
「アタシの名前はエレボス、フリーライターをしているの。」
子供と少女に弱く人を疑うということを知らないアイツは、まさか彼女が魔女だとは気がつくまい。
「ただいま。あらそちらは?」
「私の名前はジークリンデ・ハルトシュラーよ。」
「アタシの名前はエレボス、フリーライターをしているの。」
(悪の秘密結社なんて言えるわけが無いじゃん。)
「ここへは何か取材か何か?」
「ええ、まぁそんなところよ。
ここだけの話、聖杯伝説の取材をね。」
自分で言うのもなんだけど、完璧なカモフラージュじゃないの。
「ええ、まぁそんなところよ。
ここだけの話、聖杯伝説の取材をね。」
自分で言うのもなんだけど、完璧なカモフラージュじゃないの。
「せいはいってなんですか?」
「持つ者の願いを何でも叶えるらしいわよ。」
アタシも詳しい事は何も知らないから追求されるとまずいな。
(さて何の話題に変えようか……。)
ジークリンデとは初対面だし、もう少し彼女のことを探ってみるとしよう。
「アンタは何しに来たの?」
「静養ってところかしらね……。
弟と来てるわ。」
「持つ者の願いを何でも叶えるらしいわよ。」
アタシも詳しい事は何も知らないから追求されるとまずいな。
(さて何の話題に変えようか……。)
ジークリンデとは初対面だし、もう少し彼女のことを探ってみるとしよう。
「アンタは何しに来たの?」
「静養ってところかしらね……。
弟と来てるわ。」
「兄弟居るんだ?アタシにも姉と兄がいるの。」
「テュポンさんから聞いてるわ。」
「テュポンさんから聞いてるわ。」
なんでここで兄ちゃんの名前が出てくるんだろうか。
(こういうのがタイプだったのか。兄ちゃん……。)
確かにちょっと清楚な感じなキレイ系だ。
ジーと頭の先から足の先までを採点していく。
(だけど、なんか胡散臭いんだよねぇ。)
女の勘というか、なんというか、言葉の節々から違和感を感じるの。
ジーと頭の先から足の先までを採点していく。
(だけど、なんか胡散臭いんだよねぇ。)
女の勘というか、なんというか、言葉の節々から違和感を感じるの。
アタシがこういう性格じゃない。
同じ穴のムジナというか、類は共をよぶというか……。
そんな気がするんだよね。
同じ穴のムジナというか、類は共をよぶというか……。
そんな気がするんだよね。
「ああ、別にちょっとしたフォトグラファー仲間ですよ。」
怪しむアタシの視線に気がついたのかジークリンデが関係を説明する。
珍しい単独行動を好む兄ちゃんが……。
怪しむアタシの視線に気がついたのかジークリンデが関係を説明する。
珍しい単独行動を好む兄ちゃんが……。
(透明人間になるのに、1人じゃないと意味が無いからねぇ。)
ていうか兄ちゃん本当に写真を撮ってるだけなんだね。
(ちょっとガッカリだよ。)
「どうかしましたか?」
「いえいえ、」
「いえいえ、」
「ゆゆるはおかしのいえがほしいです。」
こんな感じで朝までゆゆる、それにジークリンデと語り明かしたの。
続く