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第12話 ザ・マーシナリーズ~その2 

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第12話 ザ・マーシナリーズ~その2




反乱軍の表向きのリーダーであるガーランドの号令によってヴァンゲリオの町を飛び出した5000の軍勢は一路、目的の町
「トルベルアの町」を目指して行軍していた。地面ももう砂漠ではなく、街と街とを結ぶ街道であるためにそれなりに整備され
半日足らずで着けるだろうと竜崎は考えていた。さて、裏の指導者である例の8人は、自分たちの正体が他の反乱軍メンバーに
ばれないよう、反乱軍の一メンバーとして行動していた。集まって話していると怪しまれるので、1000人からなる一個大隊の中に
分けて配置した。具体的な割り振りは、先頭の大隊にセフィロス・カノン・淳子。これは真っ先に戦闘に突入するため、
住人の被害を最小限に食い止めるため、戦闘力が高いメンバーを割り振ったものだ。
次のグループにはウィルフレド、エーリス。当初はウィルフレドを先頭に配属する予定だったのだが、
エーリスがどうしてもウィルフレドと行動を共にすると言って聞かず、結果、第2大隊に配属する運びとなったのだった。
第3大隊には竜崎。ちょうど真ん中にいるために各大隊に指示を(ガーランドの指示として)出しやすいとの判断からこうなったものだ。
第4大隊には美伽を配属した。エーリスと同じように先生と離れたくないとダダをこねるものの、そうすると第5大隊に一人もいなくなるので
竜崎が頑として首を縦に振らなかったので、仕方なく一人だけで動くことになったのだった。
最後尾の第5大隊には上条先生。この大隊は戦闘というよりも後方支援を目的としたグループだ。そのため、医療の知識や武器の修理など専門的な
知識に長けたものが多く集まっている。上条先生は他のメンバーと比較しても一番の知識人兼常識人であることは疑いようのない事実だった。
そしてメンバーを振り分けたのにはもうひとつ大きな狙いがあった。それは美伽など現代の人間なら誰でも持っているであろうあるものを利用して、
伝令が必要になる連絡を格段にスピードアップさせようというものだった。幸いにも「それ」はこの世界においても効力を失うことはなく、さらに
なぜか竜崎が自分の分も含めて4つも持っていたので、「それ」を持っていなかったセフィロス、ウィルフレド、エーリスにも行き渡った。
重要なのは「それ」が機能するまでの時間だ。その時間が切れてしまえばその機能を失ってただのプラスチックの塊になり下がってしまう。
だが、最初の広場にて集められた武器の中にはチェーンソーがあった。とすればそのチェーンソーを作るために当然必要になるあるものはこの世界にも
あるということになる。金属だとかそんな材料の話をしているわけではない。すなわち、この世界においても「電気」は存在するというわけだ。
つまり、8人がもっているそれ、つまり携帯電話はその機能を失うことなく稼働し続けるというわけだ。さらにそれぞれの携帯電話は他の7台の番号、
メールアドレスも入力済みだ。つまり、いつでもどこでもこの8人は連絡を取り合うことができるというわけだ。これはこれから先の戦いにおいて非常に
大きなアドバンテージになる。


「でもそんなにうまくいく?連絡取れてもそれによって的確な戦術立てられなかったら意味ないよ?向こうはプロなんだし」広樹が竜崎に問いかける。
広樹たち7人も竜崎と同じような目的で第3大隊にいて、竜崎と行動を共にしているのだった。
「それに関しては問題ありません私はこうみえても結構頭が切れるものですから戦術戦略を立てることなどお手の物です」
と。竜崎は無表情で広樹に返す。そんな顔を見て少年は「ふ~ん…」と興味なさそうに返事を返すだけだった。
そんなとき、竜崎の携帯電話がなる、開いて画面を見ると、淳子からだった。応答ボタンを押し、電話に出る竜崎。なにやら相槌を打っている。
そして「わかりました」とだけ言って電話を切り、指導者7人にいう。
「先頭の第1大隊が目的の街に近づいたようです淳子さんに連絡して待機してもらうよう他の方たちに連絡してもらうようお願いしました
 さてそろそろ暗くなってきたので第1大隊に合流ののちテントを取って行軍の疲れを癒しましょう実際に町を陥落する作戦はその時みなさん
 お話します。今はとりあえず歩きましょう」

そして15分ほど歩いただろうか。竜崎たちは先頭の第1大隊に合流した。疲れた表情で腰を下ろす指導者たち。半日近く歩き続けていたのだ。無理もない。
第1・第2大隊はすでにテントを張り、食事や会話をしながら休息を取っていた。こんな大きなキャンプを張って街に見つからないのかとも
心配になった霞だったが、トルベルアの町は要塞ではない。さらに付け加えて言うなら外が見渡せるような高い建造物もない。
たとえあったとしてもサーチライトもなしに外の暗黒の世界を見渡そうなど無理な話だ。しかもキャンプは街の光がぎりぎりで届かないというまさに絶妙な位置に
張っている。この裁量はすべて竜崎の指示によるものだった。世界一の名探偵の名はだてではない。


「さて皆さんお疲れ様でした。まずは食事をとりましょう今後の作戦についてお話しするのはそれからでも遅くありませんし何より私自身お腹が空きました」
その言葉を聞いて苦笑いを浮かべる指導者7人。そして竜崎とともに食事をとるのだった。といっても竜崎の分は板チョコ5枚だったが。




第12話 ザ・マーシナリーズ~その2 完





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