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人外と人間

人間♂+サイボーグ×豹合成獣 人外同士・鬼畜・娼婦・主従

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人間♂+サイボーグ×豹合成獣 1-318様

 透明な液体を滴らせながら屹立するペニス。異臭を放つそれに顔を寄せ、舐め始めた。ぴちゃぴちゃと水音が響く。不快な臭いと味に、途中一度二度吐き気がこみ上げたものの、我慢して舐め続け、そして、口に含んだ。
 牙を立てないように、相手の不興を買わぬように、おそるおそる行う口唇愛撫。客はそれに満足できなかったのか、わたしの頭部をその節くれだった手で押さえつけ、喉の奥までを犯しぬくように前後させ始めた。
「ん、ぐっ・・・ぐぶっ、かはあっ・・・!」
 恐怖と嫌悪に体毛が激しく逆立った。もがいて逃れようにも、がっちりと固定された手は離れない。わたしは知っている、これはしばらく我慢していればすぐに終わること。下手に抵抗すれば、後で「飼育係」にどんな事をされるか分からない。
 あきらめて、身を任せていればいい。抗う事は寿命を縮める。その認識を肯定するように、男の性器がびくびくと痙攣し、口内に熱く臭い体液を放出した。

 簡単な体調チェックの後、わたしの檻に戻ることが許された。帰還すると部屋にざわめきが生じたが、それはすぐに収まり、しばらくして仲間のひとりが声をかけてきた。
「大丈夫だったかい?酷い事はされなかった?」
「ありがとう、大丈夫です。痛めつけられたりはしなかったもの」
 疲労して口も利きたくないが、心配してくれている相手に冷たい返事をするわけにもいかない。酷い事はされていない。
少なくとも、肉体的には。生き物を切り刻みたがる、変態的なサディストはいくらでもいるのだ。
「そう、それならいいんだけどね・・・」
 今わたしに話しかけている女は、もちろん人間ではない。彼女は人間の頭と猛禽の体を与えられたキメラだ。ギリシア神話に現れる、セイレンという魔物を模して作られたもの、と誰かが言っていた気がする。人面獣体である点では、豹のキメラであるわたしに似ていると言えない事もない。
 この部屋を見渡せば、そのような人外のものたちがいくらでも目に入る。しなやかな体をくねらせる人魚、蝶の翅を持つ妖精、蛇体のラミア、天使、ケンタウルス・・・。それらはもちろん自然に生じたものではない。我々は、人間の性欲を満たす為にのみ造られた、生まれながらの娼婦だ。性行為と客を喜ばせる為の僅かなパフォーマンス以外は何も教えられず、客をとっていない時は、この狭い部屋でうずくまって時を過ごす運命にある。
 人魚が哀しげな声で歌い始め、わたしはそれを子守唄に眠りにつく。生は苦痛、眠りは死。せめて痛みのない死を望みたい。

 ある日、セイレンが脆い体を傷つけられ、包帯だらけで戻ってきた。翼は骨を折られたのか痛々しく垂れ下がり、羽毛は逆立って何箇所か禿ができていた。慰めようにも、鉄の檻に阻まれて触れる事さえかなわない。
「大丈夫ですか?ひどくやられましたね」
「なに、よくある事さね。逆らってどうにかなるもんじゃないしさ、仕方がないよ」
 確かに、こういった事はよくあるとは言えないものの、決して稀な出来事ではない。我々は「高価な品物」ではあるが、「取替え不能な誰か」ではないからだ。それなりの代金を払えば、どんな行為も許される。
「大丈夫、アタシはこんな事でへこたれやしないさ。元気になってみせるよ」
 彼女は無事なほうの翼を広げて、だからそんな顔をするのはおやめ、と笑う。翼端が狭い檻の格子を掠め、風を送って寄越した。

 翌朝、檻の中には襤褸の塊のようになって横たわる彼女の屍があった。「飼育係」が義務的にそれを回収し、我々は彼女が運び去られていくのを黙して見送らねばならなかった。
「うらやましいわ・・・」
 人魚がぽつりと零す。
「やっとここから出て行けるのだもの。あのひとは自由になったんだわ」
 いくたりかが同意の言葉を返し、部屋はそれきり静かになった。

 我々は死ぬまで自由にはなれない。それが当然だと思っていた。
「おい、ちゃんとご奉仕してくれよ。お前達はそのためにいるんだろ?」
 セイレンの死に様が強く記憶に残り、どうしても行為に力が入らない。昨日の今日で客を取らせる、「飼育係」達の配慮のなさに問題があると思う。
「あー、もういいや。股開け」
 わたしは大人しく言われるままの姿勢を取り、男が唾液まみれの男根を挿入しようとする様を冷静に眺めた。行為自体は不快であるが、わたしの意志を介在させずに済むという点ではありがたい。準備の出来ていない体にむりやり侵入される痛みには、もう慣れている。
ピストン運動が体をゆすぶり、結合部分が激痛を訴えてもわたしは声を上げずに耐えた。この程度の苦痛など、セイレンの受けたものに比べれば何ほどの事もない。
「もっと反応して見せろや。喘ぐなり泣き叫ぶなりしてもらわにゃ張り合いがねぇだろうが!」
 ああ、そういう嗜好の人なのか。ならばそれなりの演技をせねばならないかと、わたしは頭の隅で考えた。

 ぎしぎしと騒音が起こり、埃が天井の通風孔から降り注ぐ。数秒の後、がたりとカバーが外れ落ちて、何事かと律動を止めた客と、わたしの目の前にひとりの男が降ってきた。
「うわっ!!な、なんだっお前ぇ」
 わたしの中でたちまちの内に性器が萎え、客は声を裏返らせながら無様にわめく。侵入者は冷ややかにそれを見据え、一言囁いた。
「黙れ」
 客は瞬時に口をつぐむ。男はわたしをちらりと一瞥した。片手に握られた銃。ゴムの焦げたような臭い。
「騒ぐなよ」
 向こうで起きている喧騒が、次第にこちらへと近づいてきている。
「騒げば、殺す」
「・・・殺してくださるのですか?」
 男は一瞬虚を突かれたような表情になったが、すぐにかっと目を見開き、わたしを睨みつけた。わたしも彼を見返す。奇妙な沈黙の中で気付いた。このひとは呼吸をしていない。
「殺して欲しいのか?」
 扉の前で足音が止まり、ドアが勢いよく開かれた。

「いいえ、誰も来ませんでしたけれど」
 性交が行われていたのが奥の部屋だったのが幸いだった。わたしは嘘をついてのけ、不審そうな表情の「飼育係」を追い返す。彼らもまさか合成獣如きに騙されるとは思わなかったのだろう、大人しく引き下がってくれた。
「多分もう大丈夫でしょう」
 奥からのそりと侵入者が現れた。
「妙な奴だな」
 無表情だった顔を、微かに笑みの影がよぎる。
「何処に行かれるのかは知りませんけれど、気をつけてくださいね」
 あの「飼育係」達に嘘をついたのだ、わたしはただでは済まないに違いない。しかし気分がいい。あのいやらしい連中を騙しおおせたのだ!
これはわたしなりの仇討ちとも言えなくもなかろう、切っ掛けを与えてくれた彼に感謝したい気分だ。
「本当に、妙な奴だ・・・名を聞いても?」
 一瞬考え込む。「飼育係」たちに個体名を付けられた記憶はないし、個体が頻繁に入れ替わるキメラ同士では、名を付ける習慣はなかった。
「わたしに名はありません。どうか、気をつけて。本当に」

 覚悟はしていたのだが、何故だかわたしにお咎めはなかった。「飼育係」達が慌しく働いている雰囲気のみがあり、誰にも客が来ない日が
数日間続いた後に、わたしだけが連れ出された。
「久しぶりと言うべきか。元気そうだな」
 いよいよ廃棄の日が来たかと、身を硬くしていたわたしを待っていたのは、あの侵入者だった。
「あの方がお前を引き取りたいそうだ。命拾いしたな」
 奇妙にかすれた声で、「飼育係」がそう言った。

「おい、どうした、起きろペルラ」
 主がわたしを呼んでいる。意識が覚醒し、自分の現状を把握しようと働きだす・・・嫌な夢を見た。
「わたし、魘されていましたか?」
 無言で頷き、背をさすってくれる主。わたしは微笑んでみせようとしたが、うまく行かなかった。あの施設に閉じ込められていた同胞たち。彼女らは今どうしているのだろうか。セイレンのようにひそやかに息絶えたか、わたしのように誰かに買い取られたか。あるいは
あの冷たい牢獄の裡に、今なお囚われているのか。
「ご主人様、わたしを何故買い取ったのです?」
 前脚の付け根辺りで手の動きが止まり、主は微かに目を細める。
「・・・おまえはあの時、殺して欲しいと言ったな」
 体温を持たない掌が移動し、猫にするように喉元を撫で上げる。
「キメラのおまえが。死にたがる獣はいないものだが」
 ほんの僅かに、指先に力が篭められた。
「おまえは今でも死を望んでいるか?」
 喉に食い込んだ指が顎を押し上げ、強引に視線を固定される。貫くようなまなざし。咄嗟に言葉が出ず口ごもるわたしを見て、主は口元だけで笑うとあっさり手を離した。
「合成獣とサイボーグ。つくりもの同士似合いだと思わないか?」

 わたしの身体を冷たい手が蜘蛛のように這い回る。黄褐色の獣毛を散らしながら爪が皮膚を掻き、血がにじむ傷を残した。主はわたしの髪に顔を埋め、手負いの獣のように唸る。
「おれを憎むがいい、ペルラ」
 冷たい腕が豹の胴に回され、低い声が囁く。
「おまえにはその資格がある」
 背中側から抱かれている為、表情はわからない。
「あなたを、憎む・・・?」
 頷く気配。
「な、ぜっ」
 言葉が途切れる。指が2本秘所に挿入され、体液を溢れさせるそこをかき混ぜ始めた。
「あぁあっ・・・ん、はうっ」
 鉤爪を布団に食い込ませ悶える。布団がやすやすと引き裂かれ、白っぽい詰め物が飛び散り、そこに体液が滴り落ちて染みを作った。

 全てが済んだ後も、主はわたしの身体に腕を回したままじっとしている。そんなにわたしを求めるくせに、あなたは憎んで欲しいのか。なぜか突然悲しくなって、腕を外さないようにそっと向きを変えると、抱き返すような形で彼の肩に前足をかけた。
「ご主人様、あなたは憎まれていたいのですか?」
 今度はわたしが見つめる番だ。彼は逃げるように顔を背け、喉の奥から言葉を搾り出した。
「失言だ。忘れろ」
 いや、忘れはしまい。横を向いている主の頬を舐めた。冷たいゴムの感触。
「わたしはあなたを憎みはしない」
 あなたはわたしに様々な物をくれた。知識、快楽、ひとを愛する心、そして名前。名前のない合成獣を「ペルラ」にしたのはあなただ。二度とわたしは死を望みはしないだろう。一分一秒でも長く生きてあなたの傍に居たい、例えあなたが望まぬとしても。
「あなたを、愛しています」
 一瞬、ほんの一瞬だけ、主の顔がひどく悲しげに歪んだ気がした。
「おれにそんな資格はない」
 小さく低い声でそう言った主の姿は、これまでにないほど弱々しく見えた。






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