人外と人間

ロボと女の子 微エロ

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ロボと女の子 1-639様

『結婚して下さい。』
気のせいか、はたまた夢の続きなのか、恭子は戸惑った。せわしなく瞬きを繰り返すが、住み慣れた自室の風景は変わらない。
相手がそれ程まで自分に好意を持ってくれているのだから、これ以上に嬉しい事はないのだが・・・。
「モノ、どこまで本気と思っていいのかな?エイプリルフールはまだまだ先だけど・・・。」
恭子は口の端に引きつった微笑みを浮かべ、斜め上をちらりと見る。
『最初から最後まで本気ですとも。』
「はぁ。」
恭子の目には、青みがかった銀色の、彼女とそう体格は変わらないロボットが映っていた。

モノはロボット工学者である恭子の父が、一般家庭への家事手伝い用ロボットとして作った試作品だ。
若干気合が入りすぎていたようで、サンプルとしてどこぞの企業に提出するのを突っぱね、一緒に暮らしてきた。
一つ屋根の下で暮らすにあたり、円滑なコミュニケーション機能は搭載されていたが、その機能の中に恋愛とか結婚とか
そのような物は無いはずだ。
(無いはず!お父さん、信じてるからね!)
『オトゥサン、オジョウサンヲワタシニクダサイ!』
遠くで声が聞こえ、恭子はハッと顔を上げた。色々と考えている間に、モノは行動を起こしたようだ。慌てて階下に降りると、
モノと父が向かい合っていた。そして父の顔には紛れも無い驚愕の色が現れている。
「恭子、やったぞ、パパはやったぞ!」
「何寝ぼけた事言ってるの!娘の一大事に、あんたって親はぁ!」
父の驚愕は、恭子の予想してたものではなかった。むしろ彼は喜んでいる。
「俺はな、モノに意図的なエラーを起こしたんだ。ロボットを道具ではなくいかに人間らしくするかって事だ。つまり、
精神の向上という訳で・・・。」
「お父さん、モノが何言ってるか分かってるの?私と結婚させろって言ってるんだよ?」
今度こそ父の顔は固まった。恭子とモノの顔を交互に見つつ、潰れたような声で笑っている。
「いいよ。恭子と結婚させてやる。ただし、俺の事はお父さんではなくパパと呼ぶならの話だ。」
「ちょっとちょっとちょっと!勝手な事言わないでよ!」
『それだけはお断りします。それ以外ならばなんなりと。』
「いや、それだけは譲れん!恭子は何度言ってもそう呼んでくれなかったんだ!」
(泣きたい・・・。)
恭子はこの奇妙なやり取りを横に、ソファに倒れこんだ。世界は広く、また狭い。ロボットに告白されるという事だけでも事件なのに、
父親はごく簡単な条件でそれを認めようとしている。私の人生、どうなるんだろう。

こんな事があった日にぐっすり眠るのはとても無理な話ではある。時計の針は既に十二時を越えていた。明日は間違いなく寝不足だろう。
目を閉じると、否応なしにモノの声が聞こえてきてならない。額にうっすらと滲んだ汗をぬぐい、水でも飲もうと体を起こした時だった。
「モノっ!?何でいるのよ!」
『日本古来の風習、夜這いです。』
軽い機械音を立てて、モノは笑った。
「恥ずかしい事をさらっと言うな!それに、夜這いには拒否権あるの。分かる?」
頬に触れた冷たい手を引き剥がし、モノを部屋の入り口まで追いやる。
『また来ます。恭子さんが私を受け入れてくれるまで。』
「明日だろうが明後日だろうが結果は同じだからね!」
盛大な溜息をひとつ吐くと、水さえ飲む気力は失せ、重たげにベッドに倒れこんだ。

次の夜から、一日も欠かさずにモノは恭子の部屋にやって来た。
『そもそも私の頭が恭子さんでいっぱいになっているのはデモン・シードのプロテウスのせいでして。』
「世の中の変態な機械があんただけじゃなくて良かったじゃない。」
『アイ、ロボットのサニーはカルヴァン博士に一言くらい結婚してって言えばよかったんですよ!
せっかく密室シーンがありますのに!』
「そんな事よりウィルスミスの方がかっこいいから。」
『恭子さん!今夜こそ空高く訪れるブリガドーンに行きましょう!』
「モノ、あんた一日中テレビの前にいるんじゃないの?お父さんが泣くよ。」
日々軽くあしらっていたが、その中でモノは確実に恭子に接近していた。最初はベッドの脇に立っていただけだったが、
今は寝ている恭子に多い被さるようになっている。
『既成事実を先に作りましょうか。』
あくびをしつつ、いつものように追い払おうとした。だが、その手は空を切らずにモノに取られた。離して、という前に
恭子の唇はモノの強化プラスチックのそれに奪われていた。
『某TFのような死亡フラグはへし折ってみせます!安心して下さい!』
「訳分からん事言うな!私の部屋から出てけ、このボロット!」
まだ自由だった足を上げ、モノをベッドから蹴り落とそうとするが、足さえもモノの肩に掛けられて自由を奪われた。
すかさずモノは恭子のパジャマを下ろし、桃色の秘裂を割り開いて青銀の指を滑りこませる。
「ちょ、やだぁっ・・・!止めて・・・・・・ぁうっ・・・。」
『可愛いですね恭子さん!さっきまでの威勢はどこにいったんですか?』
恭子の中をいじくり回しながら、わざとらしく機械音を立てる。
「ひあぁあぁ・・・。」
『その内お父さんの事はパパと呼びますよ。だから結婚して下さい。むしろしろ。』
「この変態ロボット!最低、最悪!頭ひっくり返して初期化してやるから!・・・あぁん!」
人生は決まったかもしれない。恭子が意図していない方向へ。







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