共生 903 ◆AN26.8FkH6様
熱砂吹きすさぶ砂漠の中を、人影がひとつ、ゆっくりと歩いている。
灼熱の砂嵐の中は水も一瞬で蒸発するほどの高温が篭っており、そんな中では常人では一瞬で焼け死ぬはずだった。
だが、人影は高温を意に介すことも無く、確かな足取りで歩を進めた。
高温で焼かれているため、真っ赤に熱された装甲が目に付く。
有機的なフォルムのその装甲の背には、やはり表面がカリカリに焼かれた小型の砂漠蟲が何匹かぶら下っている。狩りの帰りらしい。
灼熱の砂嵐の中は水も一瞬で蒸発するほどの高温が篭っており、そんな中では常人では一瞬で焼け死ぬはずだった。
だが、人影は高温を意に介すことも無く、確かな足取りで歩を進めた。
高温で焼かれているため、真っ赤に熱された装甲が目に付く。
有機的なフォルムのその装甲の背には、やはり表面がカリカリに焼かれた小型の砂漠蟲が何匹かぶら下っている。狩りの帰りらしい。
装甲は、辛抱強く歩いていったが、砂漠の一部、かつては街であったかもしれない廃墟郡が目に入ってくると、小さく口笛を吹いて歩を早めた。
廃墟の中に入った人影は、とある建物の残骸の前で立ち止まった。
その入り口を塞いでいた巨大なコンクリートの壁片をなんなくずらすと、素早く中に入った。中からコンクリート片を引き寄せる。
砂で焼けた内部を迷わずに進むと、ぽっかりと壁に開いた穴に身を躍らせた。
かつてはエレベーター……長方形の建物を上下移動するための装置があったはずのその縦穴には、ボロボロになったワイヤーが何本か垂れ下がるのみであり、装甲は壁に両手を付け、ブレーキをかけながら、まよわず下へ降りていった。
廃墟の中に入った人影は、とある建物の残骸の前で立ち止まった。
その入り口を塞いでいた巨大なコンクリートの壁片をなんなくずらすと、素早く中に入った。中からコンクリート片を引き寄せる。
砂で焼けた内部を迷わずに進むと、ぽっかりと壁に開いた穴に身を躍らせた。
かつてはエレベーター……長方形の建物を上下移動するための装置があったはずのその縦穴には、ボロボロになったワイヤーが何本か垂れ下がるのみであり、装甲は壁に両手を付け、ブレーキをかけながら、まよわず下へ降りていった。
ギキィイイイイイイッ
激しい摩擦音と、火花が暗い縦穴にきらめく。
かなり下降しただろうか、底に着いた時には、周囲は真っ暗だった。
装甲は、そんな真っ暗闇の周囲の様子を全て承知しているらしく、縦穴から出ると、迷わず奥まで歩き出す。
激しい摩擦音と、火花が暗い縦穴にきらめく。
かなり下降しただろうか、底に着いた時には、周囲は真っ暗だった。
装甲は、そんな真っ暗闇の周囲の様子を全て承知しているらしく、縦穴から出ると、迷わず奥まで歩き出す。
「明かりつけて」
装甲から小さな声がした。
ジジッと電子音がし、二、三回ほどスパークしてから天井全体が明るくなった。
そこは広い部屋だった。
ひび割れた白いタイルの床に、巨大な薬棚や壊れた照明台が並び、スプリングの飛び出した、かつては白かったであろう薄汚れた医療用ベッドやヒビの入った巨大な水槽が、この部屋がかつてなんらかの医療施設であった事を物語っていた。
ジジッと電子音がし、二、三回ほどスパークしてから天井全体が明るくなった。
そこは広い部屋だった。
ひび割れた白いタイルの床に、巨大な薬棚や壊れた照明台が並び、スプリングの飛び出した、かつては白かったであろう薄汚れた医療用ベッドやヒビの入った巨大な水槽が、この部屋がかつてなんらかの医療施設であった事を物語っていた。
背負っていた砂漠蟲を隅のコンテナに入れると、装甲は部屋の真ん中に立った。
砂嵐に炙られていた時の熱は引き、今はその装甲が薄青い色をしているのが見て取れる。
不意に装甲はぐんにゃりと形を失い、薄青の細い触手のような集合体に別れ、みるみる間に小さくなっていった。
2mはあろうかという身長はどんどんと小さくなり、中に入っていた人間が姿を現す。
150cmもなさそうな全裸の少女だった。
触手は、少女の陰部や咥内、耳や臍の中へとどんどんと潜り込み、なにやらぬるついた液体で濡れていた少女の身体はずるずると触手へ潜り込まれる度にフルフルと耐え切れぬように打ち震えた。
砂嵐に炙られていた時の熱は引き、今はその装甲が薄青い色をしているのが見て取れる。
不意に装甲はぐんにゃりと形を失い、薄青の細い触手のような集合体に別れ、みるみる間に小さくなっていった。
2mはあろうかという身長はどんどんと小さくなり、中に入っていた人間が姿を現す。
150cmもなさそうな全裸の少女だった。
触手は、少女の陰部や咥内、耳や臍の中へとどんどんと潜り込み、なにやらぬるついた液体で濡れていた少女の身体はずるずると触手へ潜り込まれる度にフルフルと耐え切れぬように打ち震えた。
「…あ…ッはぁ……ッ」
小さな体格の少女の性器は信じられないような太さの触手を何本も受け入れ、淫らな桃色の口を開けて飲み込んでいった。
にちゃっにちゃっズルズルズルと淫靡な音が部屋中に響き渡る。
大きく酸素を求めて開いたような小さな唇にも容赦なく触手は入り込み、まるで上から下まで体中の穴を陵辱されているような光景だった。
小さな唇を大きく割って、濡れた触手がズルズルと少女の体内に入っていく。
15分ほどかかっただろうか、触手が少女の全ての穴から彼女の体内に入り込んだ時には、少女はガクガクと膝を落とし、その場に崩れ落ちた。激しく息継ぎを繰り返す。
少女の足の間をじんわりと、粘着質の液体が汚していた。
あれだけの質量が収まったというのに、少女の平らな腹には、全く変化が見られない。
にちゃっにちゃっズルズルズルと淫靡な音が部屋中に響き渡る。
大きく酸素を求めて開いたような小さな唇にも容赦なく触手は入り込み、まるで上から下まで体中の穴を陵辱されているような光景だった。
小さな唇を大きく割って、濡れた触手がズルズルと少女の体内に入っていく。
15分ほどかかっただろうか、触手が少女の全ての穴から彼女の体内に入り込んだ時には、少女はガクガクと膝を落とし、その場に崩れ落ちた。激しく息継ぎを繰り返す。
少女の足の間をじんわりと、粘着質の液体が汚していた。
あれだけの質量が収まったというのに、少女の平らな腹には、全く変化が見られない。
「はあ……疲れた……」
何事も無かったかのように少女は顔を起こした。
涙と涎でベトベトの顔をしかめると、素足で隣の部屋に向かう。
涙と涎でベトベトの顔をしかめると、素足で隣の部屋に向かう。
(おい、足元に気をつけろ)
「大丈夫」
「大丈夫」
頭に響いてきた声に、少女は簡潔に答えた。割れたタイルを軽く避けながら、軽やかに歩いていく。
隣の部屋に行くと、やはり同じ白いタイルの床の似たような体裁の部屋ではあったが、片隅に備え付けられた小さなバスユニットに張られた水の中に素早く飛び込む。
体中を覆っていた粘液がぬるぬると水の中に落ちていった。
水の中には多脚複眼の甲虫が何匹か泳いでおり、水の中で薄利したとたん凝固していく粘液に食らい付いていく。
しばらく水の中で甲虫とともにたゆたっていた少女は、ゆっくりと身体を起こした。
平らな腹や胸から水が滑り落ちていく。
隣の部屋に行くと、やはり同じ白いタイルの床の似たような体裁の部屋ではあったが、片隅に備え付けられた小さなバスユニットに張られた水の中に素早く飛び込む。
体中を覆っていた粘液がぬるぬると水の中に落ちていった。
水の中には多脚複眼の甲虫が何匹か泳いでおり、水の中で薄利したとたん凝固していく粘液に食らい付いていく。
しばらく水の中で甲虫とともにたゆたっていた少女は、ゆっくりと身体を起こした。
平らな腹や胸から水が滑り落ちていく。
「今日は、運が良かった」
(そうだな、砂漠蟲の雌が四匹も取れた。二匹、卵付きだぞ)
「何日ぐらいもつ?」
(一週間といったところだな。それまでにこの砂嵐が収まればいいんだが…)
「収まっても、どうせ衛星は回復しないよ」
(回復しない、じゃ困る)
「何で?」
(そうだな、砂漠蟲の雌が四匹も取れた。二匹、卵付きだぞ)
「何日ぐらいもつ?」
(一週間といったところだな。それまでにこの砂嵐が収まればいいんだが…)
「収まっても、どうせ衛星は回復しないよ」
(回復しない、じゃ困る)
「何で?」
少女は、傍から見れば独り言のように、頭の中の声と会話していく。
「もう私も貴方も一人だけだよ。それでいいじゃない。二人ぼっちで。
きっともう、他に生き残りなんていないよ。ずっとずっと二人でいようよ。
貴方だけいればいいよ」
(俺は、唯の寄生装甲用生物だ。お前と一生共生していくが、俺は唯の道具だ。
だが、お前は違うんだぞ?人間だ。この星で、たった一人の生き残りかもしれない女だ)
「だから?他に人間なんていらない」
きっともう、他に生き残りなんていないよ。ずっとずっと二人でいようよ。
貴方だけいればいいよ」
(俺は、唯の寄生装甲用生物だ。お前と一生共生していくが、俺は唯の道具だ。
だが、お前は違うんだぞ?人間だ。この星で、たった一人の生き残りかもしれない女だ)
「だから?他に人間なんていらない」
部屋隅のコンテナからボロボロのシャツを引っ張り出すと、手早く着替える。
「他の人は、私に痛いことしかしないもの。ずっと二人だけでいい。
人間なんて滅んじゃえばいいよ。ずっと二人だけでいようよ」
(………)
人間なんて滅んじゃえばいいよ。ずっと二人だけでいようよ」
(………)
少女は、隣の部屋に戻った。ボロボロの診察台に横たわる。
穴の開いたシャツから、少女の形の良い脚がすらりと伸びていた。
下着もはいていない脚の間に、そっと手を伸ばす。
水で濡れたそこが、指先で軽くいじっていくたびに、水ではない湿り気で濡れて行くのがわかった。
少女は小さく息を吐きながら、自分の指を自らに埋め、かき回しはじめた。
穴の開いたシャツから、少女の形の良い脚がすらりと伸びていた。
下着もはいていない脚の間に、そっと手を伸ばす。
水で濡れたそこが、指先で軽くいじっていくたびに、水ではない湿り気で濡れて行くのがわかった。
少女は小さく息を吐きながら、自分の指を自らに埋め、かき回しはじめた。
「ねえ、気持ち、いい?」
(………ッ)
(………ッ)
少女と、少女の体内に寄生した生体装甲系生物は、神経を共有する。
何も言わなくても、『彼』が快感を覚え始めたのを少女は感じ取った。
自分が気持ちよくなれば、『彼』も気持ちいいのだ。
狭い膣の中を少女の指が何本も蹂躙しながら、こすりあげていく。
先ほど『彼』が通ったように、気持ちいい場所はもう覚えてしまった。
指を、腹の中ほどへすりつけた。
何も言わなくても、『彼』が快感を覚え始めたのを少女は感じ取った。
自分が気持ちよくなれば、『彼』も気持ちいいのだ。
狭い膣の中を少女の指が何本も蹂躙しながら、こすりあげていく。
先ほど『彼』が通ったように、気持ちいい場所はもう覚えてしまった。
指を、腹の中ほどへすりつけた。
「んん……ッ」
にちゃにちゃと粘着質な水音が響く。
ふいに、ずるりと腹の中から異様な感触が動いた。
ふいに、ずるりと腹の中から異様な感触が動いた。
「やッ……あッああ…ッ」
のけぞる少女の脚の間から、ぬらりと青い触手が這い出てくる。
「ああッいいよぉ……ッ気持ち、いいよ…ッ」
少女の体内から犯すように這い出てきた数本の触手は、そのまま少女の薄い乳房の先、まだ色の薄い乳首に絡みついてこすりあげたり、少女の腹に絡まって臍を愛撫し始めた。
口元まで来た触手の一本を、少女がペロリと舐めあげる。
軽く先端を噛むと、少女はそれをいとおしそうに舐めあげ、咥内に咥えた。
触手が少女を犯しているようでもあり、少女が触手を犯しているようでもあった。
両者は互いに共有している快楽を高めようと互いを愛撫し、犯しあった。
膣の中を犯しながら、触手が少女の小陰唇を押し広げて、敏感な豆を擦りあげる。
その快感が自身にもフィードバックされ、時折悶えるように白い肌に触手の先を擦りつける。
少女は快楽に濡れた目で微笑みながら、自分の中で悶える触手を掴んで舐めあげた。
口元まで来た触手の一本を、少女がペロリと舐めあげる。
軽く先端を噛むと、少女はそれをいとおしそうに舐めあげ、咥内に咥えた。
触手が少女を犯しているようでもあり、少女が触手を犯しているようでもあった。
両者は互いに共有している快楽を高めようと互いを愛撫し、犯しあった。
膣の中を犯しながら、触手が少女の小陰唇を押し広げて、敏感な豆を擦りあげる。
その快感が自身にもフィードバックされ、時折悶えるように白い肌に触手の先を擦りつける。
少女は快楽に濡れた目で微笑みながら、自分の中で悶える触手を掴んで舐めあげた。
「も、もういく……ッいっちゃうよぉ……ッ」
(…うァ………ッ)
(…うァ………ッ)
互いの快楽に、少女と触手は互いに絡み合い、一つの生物のようになりながら、絶頂に身を震わせた。
四肢に力を失った少女がベッドにグッタリと身を横たえると、少女に絡みついた触手もまた、少女に絡みついたまま力なく垂れ下がった。
少女が身体に絡みついた触手を優しく撫で上げる。
四肢に力を失った少女がベッドにグッタリと身を横たえると、少女に絡みついた触手もまた、少女に絡みついたまま力なく垂れ下がった。
少女が身体に絡みついた触手を優しく撫で上げる。
『彼』にも、少女にも、名はない。
本当はあったのだ。それを少女が拒んだのだ。
誰も他にいないなら、認識するのがお互いだけであるのなら、固体を認識するための名はいらない。
『貴方』と『私』だけ。それだけでいい。少女の執着を『彼』は知っている。
母体にいたときに感染したのだろうか、気がついたら彼女と一緒にいた。
それだけだ。
うっすらと他の人間たちがいたことを覚えている。
それは、少女の苦い記憶と共に忌まわしい思い出として残っている。
彼女を守りたい。彼女の盾となり、彼女の剣となりたい。
自分の在り様を決め、そう誓っても、所詮自分は彼女を守る鎧でしかない。
彼女を守るのは多分、同じ血肉を持った同属だけなのだ。
本当はあったのだ。それを少女が拒んだのだ。
誰も他にいないなら、認識するのがお互いだけであるのなら、固体を認識するための名はいらない。
『貴方』と『私』だけ。それだけでいい。少女の執着を『彼』は知っている。
母体にいたときに感染したのだろうか、気がついたら彼女と一緒にいた。
それだけだ。
うっすらと他の人間たちがいたことを覚えている。
それは、少女の苦い記憶と共に忌まわしい思い出として残っている。
彼女を守りたい。彼女の盾となり、彼女の剣となりたい。
自分の在り様を決め、そう誓っても、所詮自分は彼女を守る鎧でしかない。
彼女を守るのは多分、同じ血肉を持った同属だけなのだ。
「ずっと一緒にいようね……」
睦言のように彼女がそうささやいて触手の一本に口付けるのに、眩暈がするほどの喜びと共に、そう喜んでしまうのを苦々しく思いながら、『彼』は静かに彼女の口付けに答えた。
- 切ないストーリーでいい -- (ハヤタ) 2012-03-06 23:05:03