人外と人間

メタモン娘 パロディ・主従・鬼畜

最終更新:

monsters

- view
管理者のみ編集可

メタモン娘 221様

部屋に響く水音は聞き慣れたものだった。
昔も、そしてこれからもそれは変わらないだろう。





「っ…ん…あ、っふ…」


『ぴちゃ』『くちゅ』

その空間は、か細い嬌声と湿った喘ぎ、そして粘液を掻き回すような水音で占められていた。
発される熱、それから流れてゆく汗、鼻腔から吐き出すことが追い付かず口から出ていく息が空間を温めてゆくのだろう。ぬくまった空気が纏わり付き、少女は湯気の立ち込める中を泳いでいるかのような錯覚さえ覚えた。
額に伝う汗が薄紫の髪の隙間を通っていくのを感じながら、少女は熱を帯びた目で天井の照明を見つめる。
円い形をしたそれが黒い双眸に光を落とす様は、まるで月夜の空のようであった。


「っ………、ん、んぅ…」


びくん、と反り返った足が痙攣する。その両足は腿からふくらはぎ、足首から爪先までもがアラバスターのように白く細い。
その白さ故に皮膚の下で流れる血液の色が透けるのだろう、柔らかな肉の全体は興奮により桃のように赤く染まりつつある。


滑らかな足の終点、桜貝のような爪を生やした指が何かから逃れるように虚空を掻く。
ささやかな抵抗なのか生理的な反応であるかは定かでないが、どこかその姿が蜘蛛の巣にかかった虫の最期を想起させるようでどこか哀れを誘った。
引き攣るような動きは先程から幾度も繰り返されている、少女が逃れたがっているという解釈はあながち間違ってはいないのかも知れない。


グォ……ウゥ……


ときに甲高く弱々しく紡がれるそれとは別種の、くぐもった唸りが漏れる。少女と共に存在するその生き物には四つの腕があった。
暗緑の皮膚の下に筋肉が盛り上がり、胸板は並外れて厚く、逆三角形というよりは円錐を逆さにし手足をつけたような体型をしていた。

首はない。四つの腕の付け根である肩の真ん中に顔が乗っており、顔には大きな瞳、小さな鼻、固い唇に縁取られた口がある。
額からはとさかのような三つの突起が生えていた。

腕の一本一本が丸太のように太く、糸をより集めなった縄のように美しい筋の集まりからその腕ができていることがわかる。
力を込めたりわずかに動くだけで鍛えられた筋肉のうごめく様が見てとれ、それがこの生き物が「より強い力」を求め長い年月の中淘汰され進化し発達した証拠であり、進化論の縮尺と言っても過言でなかった。



異常に大きな上半身を支える腹と腰も、発達した腕と胸筋ほどではないががっしりとしており、岩のような臀部に続いてこれまた腕と同じかそれ以上の太さの足が伸びていた。足は人間と同じように一対である。

世間はこの生物を「人型ポケモン」に分類し、「カイリキー」という名で呼んでいる。


フッ…フゥッ…


「んぁ……ひっ!」


巨体の呼吸が一際荒くなった瞬間に、少女の声が一瞬だけ大きくなった。
すぐに熱に犯された漆黒の瞳ははっとしたように見開かれ、それからわずかにしかめられる。
上気した頬や額に濡れた紫陽花の髪が張り付き、幼さを残す顔は大きな胸も相俟って年齢より遥かに艶めかしく見えた。



――両足を広げて掲げられ、その間に顔を埋められて。


――そう、少女は人外の存在に秘所を舐められていた。




「ひ、やぁ…ん!ん…は」


『じゅるじゅる』『ちゅぷぅ』
部屋に響く水音はいくらか汁気を増したようである。
少女の呼吸は荒くなり、時折耐え切れず先ほどのような上擦った声が当初よりずっと割合多く喘ぎに混ざって聞こえてくるようになった。

モンスター、…カイリキーはその腕に獲物を抱いていた。自身の腕の『半分しかない』細い二の腕を標本でも作るように押さえ付け、フローリングに張り付けていた。
固いフローリングはたとえ少女が背まで伸ばした髪を敷いても、寝床にするにはあまりに居心地が悪いように見える。
しかし不躾なその行為に相応しくないことに、カイリキーは…百キロをゆうに越える自重や岩石すらやすやすと握り潰せる握力で少女を傷つけないようにとの配慮なのか…あくまで握ることはせずに華奢な白い腕にその巨大な手の平を渡して包むようにし、小指から親指に至る五指をがっちりと床に付け、手枷のように少女を拘束していた。
それゆえに少女が身をよじらせることはできても、手を使って抗ったりはできないようになっていた。


それから、余った下二本の腕は少女の膝の裏を押し上げている。
柔らかでしっかりと肉のついた太ももは軽く押しただけでカイリキーの手にみずみずしい弾力を返し、ただでさえ白い肌のさらに白く滑らかな箇所が照明の下に晒されると、モンスターの肌色との対比もあり目にまばゆいほどに輝いた。

くぱりと膝を割られて暴かれた少女の性器は長い責めの間に全体が濃い赤色に充血して、指一本入るのも難しそうな狭間の左右の入口もふっくらと太っていた。

肉厚の舌で舐め上げられる度にひくひくとうごめき、その反応を楽しんでかカイリキーはいたずらに舌先をその狭間に差し込んだり固い口唇で弄んだり、隠唇に軽く歯を当てたりしていた。

狭間からは透明なうるみが溢れ出しカイリキーの唾液と混ざり、汗とも尿とも違う甘酸っぱい匂いが充満する。
それを甘露だとでも言うように、溢れるそばから、もしくはもっと溢れるようにとカイリキーは様々な方法を駆使し執拗にそこを吸い、舐め、ねぶる。

まだ皮を被っている隠核も痛いほどに勃起しているらしく、包皮ごと持ち上がって固くしこっている。
こちらは隠唇を舐め上げられるとき一緒に刺激され、その度に少女は息を呑んだ。


「ひっ!くっ…ン、」


ゴォ…ッフゥ……


「い!あぁ…!!」


責めの間に挟まれる、小休止したカイリキーの荒い息によってもたらされる膣に感じる微風も快楽を増大させるスパイスに変わりつつあった。

最初単調に上下を往復していただけの舌は秘所を味わううちにこつを掴んだらしく、舌の動きは徐々に少女の悦びを心得てきていた。
くすぐったいだけの責めや執拗に撫でて無意識の反応を促す動きではなく、良いところを的確に捉え、どこを弄ればいかに少女を狂わすことができるかと探る動きに変わってきており、偶然に与えられるだけだった息の刺激もだんだん狙うように蜜の滴る隙間や、熱を持って立ち上がるクリトリスに集中し始めていた。


結果少女は幾度も頂きに近いところまで押し上げられがくがくと震える。
試行錯誤しながらの相手の動きがもどかしく、何が悲しいわけでもないのに涙がぼろぼろと零れてきてしまうことも途中にあった。

手足を拘束されているのが切なくてたまらずに顔だけを左右に振って、なんとかこの快楽から逃れられはしないかと幾度も試みる。
勿論怪力ポケモンの力にはかなわずその試みはすべて失敗していたが。

フローリングの床は少女の汗ばんだ痩躯を受け止め怪物の巨体を受け止め、遊戯のための舞台となっていた。


「んん…うっ…くぅふ…」


赤に近いカシス色の唇をきゅうと噛み締めて、痛みに堪えるときのように拳を握る。
背けた頬からまた一筋こぼれた涙はにじむ汗と一緒くたになって、すぐに区別がつかなくなる。
歯を食いしばるように唇を噛むので、引き攣れた赤は歯の食い込む箇所だけ色を失い、あと少し食い込めば血が出てしまいそうだった。

細められていた、けれどまだ開かれていた瞳がついにぎゅうとつぶられ、長い睫毛が瞼に影を落とし震えた。
両の眼球から押し出された涙が続けて二滴三滴と、横向きになった顔の一つの道を辿って頬に伝う。
少女の限界が近いことは誰の目にも明らかだった。





不意に、空間に声が放られた。



「なんで、目を閉じている?」


「…っ!! あ……」


それは可憐な少女のものでもましてや少女の股間にむしゃぶりつく怪物のものでもなく、どこまでも冷たい雰囲気を纏う男の声で、その声は瞬時に少女の背中を凍らせる。

目を見開けば、先ほどまで照明しかなかった逆さまの視界に見慣れた顔が映っている。
冷ややかな視線は少女を見下ろし、怒りを無表情の裏側に湛えたその顔は端正であるだけにどうしようもなく恐ろしかった。


「退け、カイリキー」


男が現れてもなお少女に執着していたカイリキーは、緩慢に顔を上げ自身の腕越しに男を見遣ると、上の腕を言われたとおり離して少女の上半身を解放した。
それから大きく上げていた少女の脚を元に戻し、足首を掴む。

少女はその時初めて、まだ責めが続けられていたことと声をかけられてから悶え狂うほどの快楽がすっぱりと途切れていたことに気付いた。
少女の心中はそんな些細なことに構っていられるほど平静さを保ってはいなかったが。

少女の顔の隣にしゃがみ込み瞳を覗く男の暗い双眸から目を離せずに、せっかく半身が自由になったことも忘れたように床に寝たまま、所在無さげな両手を胸の前でゆるく握って合わせた。

蒼白な顔に浮かぶ感情はひとつ、『恐怖』である。

「ごめん、なさいっ……ごめんなさっ…!!」

「うるせぇよ」

「あっ!! …う、あ…」


少女はまず許しを請うてみせたが、男は最後まで聞かずに少女の頬を張った。
間髪入れず汗で湿った前髪を掴み上げ、細い体の上半分はそれによりぐいと持ち上がり、白いふくよかな乳房がたゆんと揺れた。
頬を張られることを予想してはいたのだろうが、突然の攻撃に怯んだ少女はまた強く目をつぶってしまい、抵抗らしい抵抗もできずいとも簡単に持ち上げられた。
髪を掴んだ手は男の顔の前まで移動し、少女と男は無理矢理に向き合わされる形になる。

男は幼子に言って聞かせるように一言一句少女に問う。煙草の苦みがわずかに残る息を顔に感じながら、少女は震える声でそれに答えた。


「俺はお前にきちんと教えたよなあ?」

「ごめんなさい…ごめんなさいっ、」






「『目は閉じるな』『声を抑えるな』『嫌と言うんじゃない』『激しい抵抗はするな』『泣くんじゃない』
…そう、何度も何度も教えたはずだ。そうだろう?『ドリー』」

「…はい、そうですっ…ゆるして、ください……ばかなわたしを、ゆるしてくださいっ…!ごめんなさい、ご主人、さま……」

「…『それ』も、ダメだ」

まともに目を合わすことなどかなわず、射殺すような視線から逃げるように半ば俯いていた少女は、男の声のトーンが変化したことに気付き顔を上げたと同時に今度は逆の頬を張られた。
ぱあん!と小気味よい音が鼓膜を揺るがしたあとに遅れて痺れが、それからじんじんとした痛みがやってくる。
どうやら奥歯が頬の粘膜を傷つけたらしく、舌の上に鉄の味が広がった。随分と、慣れ親しんだ味だった。


「あ……あ」

「お前を躾けたのは俺だろう?なのに、自分を『馬鹿』だなんて言うんじゃねえよ」

「!っ…い…たいっ、いたいです!ご、主人…」

「当たり前だろう、痛くしてるからな」


右手は前髪を掴んだまま(それどころか一層力を込めて)左手を豊満な乳房に伸ばし鷲掴みにする。愛撫なんて生易しいものではなく、そこに慈しみなどあるはずもない。


男はただ『罰』として、乳房をもぎ取らんばかりに、成人男子の強い握力で繊細な肌に爪を立てる。
痛みか恐怖か悲しみか、どれに由来するかもわからない雫が少女の瞳から次から次へ産まれ、潰されている胸まで伝い落ち、堪え切れない鳴咽が少女の喉から漏れた。


「なあ、聞いてんのか?」


ぐにぃ



「はっ…いぃ、きいて、ます、」



ぎりっ



「…オレはお前に、『泣くな』とも言ったはずだろ?とっとと、泣き止め」

「はいっ…なきやみ、ます、なきやみますからっ…!!」

「それから、『これ』は何だ?」


急に乳房から手が離れる。頭と胸のふたつの痛みがひとつになり、少女は心中で安堵の息を漏らした。
痛みに潤む目を早く乾かそうと瞬きをひとつし、主の指すものを懸命に視界に入れようとする。


――濁った視界が澄むと同時に少女ははっと息を呑んだ。

視線の先、主の指すそこには少女の長い前髪を掴む主の腕があったのだが、その手の中の髪束が、
――どろどろと溶けはじめていたのである。



「あ…あ……!」


少女はその景色を見ると同時に、一層蒼白になって口を手で覆った。

主人の握る髪は、手の中で飴細工を溶かすように急速にその形を変えてゆく。
先程までは確かに一本一本がさらさらと分かれた艶のある美しい髪であったのに、その髪同士がくっつきひとつの固まりになって、さらに固体から液体へと変質し手の内からこぼれつつあった。

――液体。だがそれには粘りがあり、すぐに床に到達せず主人の皮膚に纏わり付く。
薄い桃色に色づいた液体は奇妙な紐のように垂れ下がり、『型崩れ』したその箇所は少女の怯えとは無関係にぷるぷると震えている。
まるでそれはゼリーかスライムのようだった。

「気を抜くとすぐこうなりやがる…物覚えが悪いったらありゃしねえ…なあ、また『育て屋』に戻るか?」
「…っ、……い……」


それは少女と主の契約に反していたのだろうが、少女は返事をせずにただ震えていた。
意味を成さない言葉や鳴咽すら発せないほど怯えきり、歪めた顔に一度止まった涙がぼろぼろと途切れることなく頬を伝った。
強く掴まれ溶けはじめた前髪に阻まれながら、力強く首を横に振る。


主はそれを醒めた目で眺めていた。
もう一度張り手を彼女にくれてやることはなかったが、そのかわり今までで一番冷ややかな瞳をして、前髪…いや、もう『髪』ではなく彼女の『体の一部』と化したものを掴んだまま、視線を下へさ迷わせた少女の顎を左手で捉え無理に自分の目を覗かせる。
それは彼の左手は少女へ暴力を振るうためにあるのではないかと思わせるような、荒々しい捉え方だった。


「嫌なんだろ?…だったら、することは決まってるよなぁ」

「……う……」

「わかったらとっとと崩れた頭を直せ。ルールを守って、ポケモンはポケモンらしく、『黙って犯されてろ』」

「あっ…!きゃあっ?!!」


――主人はそう言い放つと、強く顎を捉えていた腕を即座に離し、細い首を捕まえ渾身の力で再び少女を床にたたき付ける。

背中の痛みに喘ぐ暇もなく、少女の視界は暗緑の巨体に塞がれた。





目安箱バナー