怖かった。いきなり知らない人達がいっぱいの暗いホールで目が覚めて。
見渡す限り私ぐらいの年齢はいなくて私は明らかに異質で場違いだった。
しばらくすると綺麗な女の人が出てきて、それから……。
見渡す限り私ぐらいの年齢はいなくて私は明らかに異質で場違いだった。
しばらくすると綺麗な女の人が出てきて、それから……。
殺し合いをして下さいと言われた。
いきなりで何が何だが分からない。きっと質の悪いいたずらみたいなものだと最初は思ったけど。
そんな幻想はすぐに壊された。
そんな幻想はすぐに壊された。
首が弾けた。
運が悪いことに私は近くでそれを見てしまった。
あれが死ぬということなんだ。
思わずその場にうずくまってしまった。あまりにも衝撃過ぎて吐く気すら起きない。
そして気がついたら西洋風の街並みのメインストリートの真ん中にポツンと立っていた。
あれが死ぬということなんだ。
思わずその場にうずくまってしまった。あまりにも衝撃過ぎて吐く気すら起きない。
そして気がついたら西洋風の街並みのメインストリートの真ん中にポツンと立っていた。
「ここ、どこ?」
夜空に問いかけても何も答えてはくれない。
当たり前、か。
とりあえずデイバッグの中身を確かめてみよう。
出てきたのは少し大きい冊子のようなもの。
めくってみると、知らない名前がズラリと載っていた。
当たり前、か。
とりあえずデイバッグの中身を確かめてみよう。
出てきたのは少し大きい冊子のようなもの。
めくってみると、知らない名前がズラリと載っていた。
「私の名前……それにフェイトちゃん、ユーノ君、クロノ君まで」
私以外にもこんな怖いゲームに参加しているなんて!
幸いにもアリサちゃんにすずかちゃん、はやてちゃんにヴォルケンリッターの四人はここにいないみたいだ。
よかった。
幸いにもアリサちゃんにすずかちゃん、はやてちゃんにヴォルケンリッターの四人はここにいないみたいだ。
よかった。
「すいません……」
「ひゃっ!」
「ひゃっ!」
後ろからの突然の声に私はびっくりする。
振り向くとお姉ちゃんぐらいのオレンジ色の髪の女の人が立っていた。
腰に刀を差して、なんか……すごく暗い顔をしていた。
振り向くとお姉ちゃんぐらいのオレンジ色の髪の女の人が立っていた。
腰に刀を差して、なんか……すごく暗い顔をしていた。
「お聞きしたいことがあるんです……いいですか?」
「は、はい!」
「土見稟と言う参加者を見かけませんでしたか?」
「すいません、見かけてません」
「そうですか……」
「は、はい!」
「土見稟と言う参加者を見かけませんでしたか?」
「すいません、見かけてません」
「そうですか……」
さらに暗い顔になってしまった。
どうしよう、ここは慰めるべきなのかな。
どう切り出そうか、私が考えている時
どうしよう、ここは慰めるべきなのかな。
どう切り出そうか、私が考えている時
「もういいです。死んで下さい」
そう言って私に刀を振り上げてきた。
私がそれを躱すことができたのは偶然だろう。
あまりにも突然のことに驚き、尻餅をついてしまった。
それに死ね?あの死体みたいになるの?
嫌……嫌だよぅ。そんなのやだ!
私がそれを躱すことができたのは偶然だろう。
あまりにも突然のことに驚き、尻餅をついてしまった。
それに死ね?あの死体みたいになるの?
嫌……嫌だよぅ。そんなのやだ!
「きゃああああああああああああああああああああああああ!」
そして私は振り返らず必死に走る。
ジュエルシードや闇の書の事件を経験したおかげなのか、私は少し冷静だった。
もちろん怖い。黙っていたら震えてしまいそうなほどに。
ジュエルシードや闇の書の事件を経験したおかげなのか、私は少し冷静だった。
もちろん怖い。黙っていたら震えてしまいそうなほどに。
「黙って殺されて下さい、稟君のために」
あの女の人が私を追ってくる。
だめだ。このままじゃ捕まる!助けを呼ぶんだ。大声で。
だめだ。このままじゃ捕まる!助けを呼ぶんだ。大声で。
「誰かぁ、助けてぇ!」
声を張り上げても助けは来ない。
そして私は足がもつれて転んでしまう。
そして私は足がもつれて転んでしまう。
「逃げるから悪いんですよ。どっちにしろ殺されるというのに」
私が転んでいる間に追いつかれてしまった。そして私は女の人の持ってる刀に威圧されて動けない。
逃げないと、動かないと!
逃げないと、動かないと!
「さようなら、せめて一思いに」
そう言って、女の人は刀を振り上げる。
いやだ、助けて。誰か誰か誰か!
いやだ、助けて。誰か誰か誰か!
「おおぉぉおおおぉおおぉぉぉお!」
「ひっ!」
「ひっ!」
誰か来たの?助けに来てくれたの?
「芽衣に近づくんじゃねええぇぇぇぇええぇえ!」
突然背後から現れた金髪のお兄ちゃんぐらいの男の人が女の人を蹴り上げた。
女の人はそのまま痛そうな表情をして一目散に逃げてしまった。
芽衣って誰だろう?
でも、
女の人はそのまま痛そうな表情をして一目散に逃げてしまった。
芽衣って誰だろう?
でも、
「芽衣!大丈夫か……ってあれ?」
「怖かったよぉ……」
「怖かったよぉ……」
この金髪の男の人は私を助けてくれた。
私は緊張の糸が途切れてしまい、男の人に抱きついて泣いてしまった。
私は緊張の糸が途切れてしまい、男の人に抱きついて泣いてしまった。
「……えっと、助けてくれてありがとうございます。名前は……」
「ああ、僕は春原陽平」
「本当にありがとうございます。春原さんが来てくれなかったら……」
「ああ、僕は春原陽平」
「本当にありがとうございます。春原さんが来てくれなかったら……」
私は危機一髪で春原さんに助けられた。
春原さんは私の声を妹と聞き間違えたらしく、それで焦ってここまで来たらしい。
何でも私の声は妹の芽衣さんにそっくりみたい。
それでも私を守ってくれた。その事実は覆ることはない。
春原さんは私の声を妹と聞き間違えたらしく、それで焦ってここまで来たらしい。
何でも私の声は妹の芽衣さんにそっくりみたい。
それでも私を守ってくれた。その事実は覆ることはない。
「そんな、いいよ。僕はそこまで感謝されることはしてない。だって……」
「そんなことないです、勘違いでも私は嬉しかったです!
助けにきてくれて!」
「そんなことないです、勘違いでも私は嬉しかったです!
助けにきてくれて!」
これは私の偽りない本心だ。春原さんみたいな優しい人に会えて。
こんな殺し合いの島でもいい人はいるって証明にもなった。
こんな殺し合いの島でもいい人はいるって証明にもなった。
「じゃあさ、一つ頼み事していいかな?」
「いいですよ。私に出来ることだったら何でも」
「いいですよ。私に出来ることだったら何でも」
私にとって恩人の頼み事だ。出来る限りのことなら聞いてあげたい。
“”
「僕の妹、春原芽衣に会ったら伝えて欲しい。『僕のことはいいから自分のことだけを考えろ』ってね」
「はい、わかりまし……春原さん、私と一緒に行動してくれないんですか!?」
“”
「僕の妹、春原芽衣に会ったら伝えて欲しい。『僕のことはいいから自分のことだけを考えろ』ってね」
「はい、わかりまし……春原さん、私と一緒に行動してくれないんですか!?」
てっきり一緒に行動してくれるかと思っていたからショックだった。
「ごめん、僕にはやることがあるから。だからなのはちゃんとはいっしょに行けないんだ」
「でも、私は春原さんと一緒がいいです!」
「本当にごめん……わかってくれないかな」
「……わかりました」
「でも、私は春原さんと一緒がいいです!」
「本当にごめん……わかってくれないかな」
「……わかりました」
本当はわかりたくはない。まだ私は恩を春原さんに返してないのに。
でもなぜか春原さんの眼力に逆らえなかった。
でもなぜか春原さんの眼力に逆らえなかった。
「じゃあ速くここから離れなよ。さっきの人がまた来るかもしれないから。
僕はここで少し見張ってから行くから」
「でもそうしたら春原さんが危ない目に!」
「大丈夫だから。僕にはこれがある。これで威嚇すれば何とかなるさ」
僕はここで少し見張ってから行くから」
「でもそうしたら春原さんが危ない目に!」
「大丈夫だから。僕にはこれがある。これで威嚇すれば何とかなるさ」
春原さんはそう言って腰に下げている二丁の拳銃の内の一つを見せる。
たしかにこれがあれば怯えて逃げるかもしれない。
たしかにこれがあれば怯えて逃げるかもしれない。
「だからなのはちゃんは安心して逃げな」
「わかりました、必ず生きてまた会いましょう、春原さん」
「うん」
「わかりました、必ず生きてまた会いましょう、春原さん」
「うん」
そう言って私は女の人が逃げた方向と逆の方角へ向けて走った。
春原さんとまた無事に会えることを思い浮かべながら。
春原さんとまた無事に会えることを思い浮かべながら。
◆ ◆ ◆
幼い頃、交通事故で稟君の両親と私のお母さんが死んだ。
その知らせを受けてから私はショックで寝込んでしまった。
稟君だって苦しかったはずだ。
そんな私を立ち直らせるために稟君は一つの嘘をついた。
その知らせを受けてから私はショックで寝込んでしまった。
稟君だって苦しかったはずだ。
そんな私を立ち直らせるために稟君は一つの嘘をついた。
お母さんが死んだのは稟君のせいだという嘘。
その嘘を真にうけた過去の私は愚かにも稟君にいろいろとひどいことをし続けた。
稟君は何も悪くない、悪いのは全部私なのに。
誤解に気づいた私は中学生の時に仲直りもした。でも、私がしたことが消えることはない。
なら私が稟君にできることは何か?
稟君に身も心も捧げることだけだ。
その嘘を真にうけた過去の私は愚かにも稟君にいろいろとひどいことをし続けた。
稟君は何も悪くない、悪いのは全部私なのに。
誤解に気づいた私は中学生の時に仲直りもした。でも、私がしたことが消えることはない。
なら私が稟君にできることは何か?
稟君に身も心も捧げることだけだ。
それからは楽しい日々でもあった。新しい家族、リムちゃんも増えて。
でも、その日常はリムちゃんが死ぬことで壊れた。つい、さっき。
もう私には稟君しかいない。大切な人がこれ以上いなくなるのは嫌だ。
だから殺し合いに乗った。大切な人を護るために。
芙蓉楓の全てを賭けて稟君を優勝させることを私は決めた。
なのに、あのざまだ。子供一人殺すことすらできなかった。
でも、その日常はリムちゃんが死ぬことで壊れた。つい、さっき。
もう私には稟君しかいない。大切な人がこれ以上いなくなるのは嫌だ。
だから殺し合いに乗った。大切な人を護るために。
芙蓉楓の全てを賭けて稟君を優勝させることを私は決めた。
なのに、あのざまだ。子供一人殺すことすらできなかった。
「油断していたようですね、私は」
今度からは賢く殺さなければいけない。
後ろからバッサリと、ね。
後ろからバッサリと、ね。
「稟君は私が護る。何が何でも、どんな汚いことをしてでも」
他のものはいらない。稟君だけいればいい。
友達も全部捨ててでも稟君だけは。
友達も全部捨ててでも稟君だけは。
◆ ◆ ◆
「何でだろうね、僕は殺さなかったんだ……」
殺し合いに乗っているはずなのに。女の子を助けて。
僕はなのはちゃんを殺すべきだったんだ。
僕はなのはちゃんを殺すべきだったんだ。
「重ねてるのかな……なのはちゃんを芽衣に」
芽衣とそっくりな声、同じ髪型。
あの子に向けて銃弾を放とうとしたけどどうしてもダメだった。
芽衣を思い出して銃を持つ手が震える。
本当に僕は……何をやってるんだろう?今更綺麗な立場に戻れるわけもないのに。
あの子に向けて銃弾を放とうとしたけどどうしてもダメだった。
芽衣を思い出して銃を持つ手が震える。
本当に僕は……何をやってるんだろう?今更綺麗な立場に戻れるわけもないのに。
はぁ、と重い溜息を僕は吐く。
この島で “殺せない殺人鬼”に何の価値がある?
何もない。ただ淘汰されるだけだ。
次になのはちゃんに会ったら。
この島で “殺せない殺人鬼”に何の価値がある?
何もない。ただ淘汰されるだけだ。
次になのはちゃんに会ったら。
「殺さないとね。けじめを、本当の覚悟をつけるために」
それに僕は親友を殺して人殺しになった。
芽衣をこの島から脱出させるために全てを皆殺しにする決意をした。
芽衣をこの島から脱出させるために全てを皆殺しにする決意をした。
「岡崎……」
僕の頭の中にはまだ岡崎のことが残る。いや、こびりついているとでも言うのだろうか。
さっき僕が銃で撃ち殺した親友。
僕はあの岡崎の最期の表情が忘れられない。
失望?無念?怒り?渇望?
全部が入り交じったような、言葉には表せないそんな表情だった。
さっき僕が銃で撃ち殺した親友。
僕はあの岡崎の最期の表情が忘れられない。
失望?無念?怒り?渇望?
全部が入り交じったような、言葉には表せないそんな表情だった。
「迷うな、春原陽平。誓っただろうが、皆殺しにするって」
離れない。あの最期の岡崎の表情が頭から離れない!
「くそっ、くそっ、くそっ!」
思わず悪態を声にだしてしまう。こんなことをしてる暇があったらさっさと殺せ。
人を探せ。そして殺せ!
理性はそう言ってるのに身体が動かない。
人を探せ。そして殺せ!
理性はそう言ってるのに身体が動かない。
「こんなんだからヘタレって呼ばれるんだよ、僕……」
親友を殺したのにまだ迷いががあるのかよ。
どうしたらこの迷いは消える?もっと人を殺せばいいのか?それとも騙せばいいのか?
いや、杏や智代ちゃんを殺せば迷いなんて霧散するのか?
どうしたらこの迷いは消える?もっと人を殺せばいいのか?それとも騙せばいいのか?
いや、杏や智代ちゃんを殺せば迷いなんて霧散するのか?
でも知り合いを皆殺して最後に芽衣を残して死ねば……きっと!
できるかどうかわからない。でもやるしかないんだ。
親友を殺しておいて幸せのひだまりに浸るわけにはいけないのだから。
できるかどうかわからない。でもやるしかないんだ。
親友を殺しておいて幸せのひだまりに浸るわけにはいけないのだから。
【D-2/1日目・深夜】
【春原陽平@CLANNAD】
[状態]:健康
[装備]:Sturm Ruger Blackhawk(5/6)、IMI Micro UZI(20/20)
[道具]:支給品一式×2 不明支給品0~4、.41Remington Magnum予備弾60
予備マガジン×3
[思考・状況]
基本:芽衣のために皆殺し
1 積極的に他者と争う。
2高町なのはについては……
3甘さを見せない
[状態]:健康
[装備]:Sturm Ruger Blackhawk(5/6)、IMI Micro UZI(20/20)
[道具]:支給品一式×2 不明支給品0~4、.41Remington Magnum予備弾60
予備マガジン×3
[思考・状況]
基本:芽衣のために皆殺し
1 積極的に他者と争う。
2高町なのはについては……
3甘さを見せない
【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本:
1 安全第一。
2春原さんはいい人です。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本:
1 安全第一。
2春原さんはいい人です。
【芙蓉楓@SHUFFLE!】
[状態]:脇腹に痛み
[装備]:地獄蝶々@つよきす
[道具]:支給品一式×2 不明支給品0~2
[思考・状況]
基本:土見稟を最後の一人にする。
1 他者と争うが搦手を使う。
2土見稟と会ったら?
[状態]:脇腹に痛み
[装備]:地獄蝶々@つよきす
[道具]:支給品一式×2 不明支給品0~2
[思考・状況]
基本:土見稟を最後の一人にする。
1 他者と争うが搦手を使う。
2土見稟と会ったら?
【地獄蝶々@つよきす】
鉄乙女が持っている代々の竜鳴館学園の風紀委員長に受け継がれてきた日本刀。
鉄乙女が持っている代々の竜鳴館学園の風紀委員長に受け継がれてきた日本刀。
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