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inferiority complex ~小早川ゆたかの場合~
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tfei
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執筆日 2007年1月13日
備考 inferiority complexシリーズ第3弾。
ゆーちゃんの設定は意外と作りやすいので自分の小説にはよく使う。
ここまでは勢いのまま3連で書いてしまった。
備考 inferiority complexシリーズ第3弾。
ゆーちゃんの設定は意外と作りやすいので自分の小説にはよく使う。
ここまでは勢いのまま3連で書いてしまった。
inferiority complex
~小早川ゆたかの場合~
~小早川ゆたかの場合~
彼女は、疲弊していた。
もとより、身体が強い方ではなかった。
両親も姉も、血縁に病を抱えたような人間は居なかったのだが。
そのせいで、周りの人に迷惑をかけてしまうこともよくあった。学校でもなかなか縁の深い友人に恵まれずにいた。
両親も姉も、血縁に病を抱えたような人間は居なかったのだが。
そのせいで、周りの人に迷惑をかけてしまうこともよくあった。学校でもなかなか縁の深い友人に恵まれずにいた。
特に、年の離れた姉には迷惑をかけてしまった。
義兄の転勤が決まっても、姉はついて行くことをせずに自分のもとに残ることを選んでくれた(実際は警官の仕事を今まで通り続けたいという希望もあったからだし、気にするなとも言われていたが)。
義兄の転勤が決まっても、姉はついて行くことをせずに自分のもとに残ることを選んでくれた(実際は警官の仕事を今まで通り続けたいという希望もあったからだし、気にするなとも言われていたが)。
だから今でも彼女は、姉に感謝してもしきれないほどの恩義を感じている。
姉があったからこそ、自分があるのだと。
姉があったからこそ、自分があるのだと。
小早川ゆたかとは、自らの宿命に甘んじることを極端に嫌う存在。
しかし、その恩返しが出来ずにいることはまたもどかしかった。
そんな思うように行かない日々を過ごすうちに、中学3年生を迎える。
そんな思うように行かない日々を過ごすうちに、中学3年生を迎える。
親元を離れて、こなたと共に稜桜に行くことを発案したのも姉だった(これには親1人娘1人の泉家が少しでも明るくなれば、という願いもあったからだが)。
母親は反対したが(あんな風情の兄・そうじろうに対してなら不信感も抱いて当然であろう)、父親は賛成してくれた。
何よりも、姉に等しい存在であるこなたとならばうまく暮らして行けると思えた。
何よりも、姉に等しい存在であるこなたとならばうまく暮らして行けると思えた。
そして迎えた陵桜学園の入試で、またやってしまった。
体調管理は万全にしておいたはずだった。
しかしまたしても自分の身体のせいで試験に悪影響を及ぼすことになろうとは。
体調管理は万全にしておいたはずだった。
しかしまたしても自分の身体のせいで試験に悪影響を及ぼすことになろうとは。
決して彼女の頭は悪いわけではない。
むしろ優秀で、陵桜へ上がるには十分な実力を持っていたから、とりあえず合格する分には問題はなかったが、見ず知らずの生徒の手を借りることになってしまった。
彼女はまた落ち込みかけた。
こればかりはどうしようもないのかと悩んだ。
むしろ優秀で、陵桜へ上がるには十分な実力を持っていたから、とりあえず合格する分には問題はなかったが、見ず知らずの生徒の手を借りることになってしまった。
彼女はまた落ち込みかけた。
こればかりはどうしようもないのかと悩んだ。
しかし変わった。自分を助けてくれた生徒を、引き金にして。
入学説明会で自分を助けてくれた少女(と言っても自分こそ年下に見られていたが)と再会を果たし、そのうえ4月になって同じクラスに配属されたのだ。
これはもう、運命的な出会いという他ないのでは?
彼女はそう考えるようになった。
彼女はそう考えるようになった。
いつの間にか堅苦しい呼び名も消え(実を言うと明確な境界線はあるのだが。その日はゆたかにとって大きな意味を持つ日になった)、自他共に認める親友としての関係を築き上げた2人。
彼女が手に入れたのは、自分を受け入れ、全力で守り抜いてくれる真の仲間。
初めて出会えた“親友”の恩義に報うことを望み、彼女は今日も、精一杯の感謝と尊敬の意をこめて、親友の名を呼ぶのである。
初めて出会えた“親友”の恩義に報うことを望み、彼女は今日も、精一杯の感謝と尊敬の意をこめて、親友の名を呼ぶのである。
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