マリオネットラプソディー

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マリオネットラプソディー ◆28/Oz5n03M




誰が言った言葉であろうか

『運命』は変えられない

本当に?

それとも――――



◇ ◇ ◇



「誰もいないよぉ……しかもここはどこなのかな」

研究所のロビーにいたとこまでは覚えてるんだけど……なんか気がついたら森の中だし。
平坂さんとブランドンさんを探そうと思って研究所に戻ろうかなって考えたけど。

「迷っちゃった……」

だって、自分がどこにいるかすらわかんないんだよ?
そんなので研究所に戻ろうなんてできるわけないじゃん。
それに、平坂さんやブランドンさんに会うどころか、人とすら会わないし。

(はぁ〜。ハヤテ君、ここにいるのかなぁ)

私の……その……大好きな人。片思いなんだけどね。

(会いたいな、ハヤテ君。一人は……嫌だよ)

ハヤテ君がこんなのに巻き込まれて欲しくない私。
ハヤテ君がこの場にいてほしいって願う私。
さっきも思ったけど矛盾している。ほんと、自分勝手だ。普通なら巻き込まれてないのを願うはずなのに。


(それに、もしもハヤテ君が死んだら、私は……)

考えたくも無い未来が頭に浮かぶ。血を流して倒れているハヤテ君。
光を映していない虚ろな目。冷たくなった体。もう、笑ってくれることの無い顔。
いやだ……そんなのいやだ!だめだ、こんなこと頭から無くさなきゃ。
そんな風に考えていた時、

(……何?この音楽?)

突然耳に入ってきた音楽。聞いたことは……うーん。
なんかどっかで聞いたような、聞かなかったような……

(でもなんか……悲しい曲だね……)

だからといって明るい音楽がいいってわけじゃないけど。
でもこんな悲しい曲を聞かせられたらただでさえ落ち込んでいる気持ちがさらに落ち込んじゃうじゃん。
そして放送が始まった。



◇ ◇ ◇



放送は若い女の人がしてるみたい。
運命がどうとか言ってたけど私には立ち向かうことなんてできない。
普通の高校生にそんなの無理なんだよ。
そういえば、放送で名簿が見れるって言ってたね。

…………いた。

綾崎ハヤテ

三千院ナギ

やっぱりいるんだハヤテ君、ナギちゃん。
ハヤテ君はどうしてるんだろう。
ハヤテ君ならきっとこの名簿を読んでナギちゃんを探すんだろうなぁ。
出来れば私のことも探してくれるとうれしいんだけど。
ナギちゃんは怖がってるんだろう。
気が強そうに見えるけど実際怖がりだし。
家族のみんなやヒナさん、ワタル君が巻き込まれてなくてよかったとかじっくり考えたいことはあるけど、そんなことを考えさせないかの如く放送が流れる。


『……そして、そこから更に名前は削れるの。悲しんでも進み続ける覚悟はできている?
 今回の死亡者は、……以下の通り。

 愛沢咲夜
 綾崎ハヤテ――――

その瞬間、私の頭は停止した。
今も続く放送も全く聞こえない。

…………え?………………う…………そ……

嘘だ……嘘だ!
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ

ハヤテ君が……ハヤテ君が死ぬはず無い!

いや……!

「嗚呼嗚呼あああああああああああああああああ!」

私は何かを振り切るかの如く走り出した。
頭の中では冷静な自分がいて。
ハヤテ君が死んだことも理解していて。
でも信じたくない自分もいて。

走る。
走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る
走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る
走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る
走る!

こんな辛い現実から逃げたくて。

ハヤテ君が死んだこと。

いつ死ぬかわからない恐怖。

一人という孤独。

もう何もかも嫌になって。

生きることすら―――



◇ ◇ ◇



走って。走って。疲れて走るのをやめて。
歩いて。歩いて。そうして歩いた先には。

「……ロボット?……」

人の形をした壊れたナニカ。
それが私の目の前に転がっていた。
そのすぐそばに

「……外人さんかな……」

人が倒れていた。腰に銃を差している。
そして何でか知らないけど気絶している。
ふと、腰に差している銃を見てみる。

銃――人を×す凶器――――

ああ。私気付いちゃった。

これがあれば――――

そう。私が思ったのは。

「すいません、少しこれ、借ります」

外人さんの腰に差している銃を抜き取って。
私は銃口をお腹に向ける。

自殺。

これでお腹を撃ち抜けば終わる。

いつ死ぬかわからない恐怖が。

一人という孤独が。

そして。

「ハヤテ君に会える……!」

うん、逃げだってことはわかってる。
でもね。もういやなんだ。
痛いのも。怖いのも。
だから。
ごめんなさい。

ヒナさん。おとうさん。おかあさん。一樹。……ハヤテ君。

「もう疲れちゃったんだ、何もかも」



◇ ◇ ◇



『運命』は皮肉にも彼女を生かす。

西沢歩は知らない。

この銃は麻酔銃で命を刈り取るものではないことを。

そして翼ある銃はいまだに目覚めない。

この先、どうなるのか。

この哀れな少女の行く末は――


【H-5/山道入り口/1日目 朝】

【西沢歩@ハヤテのごとく】
[状態]:肉体疲労(大)、肋骨一本骨折、自暴自棄、睡眠中
[服装]:制服
[装備]:五光石@封神演義 
[道具]:支給品一式(一食分消費)、大量の森あいの眼鏡@うえきの法則、研究所の研究棟のカードキー
[思考]
基本:???
0:???
[備考]:
※参戦時期は明確には決めていませんがハヤテに告白はしています。
※理緒手製麻酔銃@スパイラル~推理の絆~が歩の手に握られています。

【カノン・ヒルベルト@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:気絶、潜在的混乱(大)、疲労(中)、全身にかすり傷
[装備]:麻酔弾×16、パールの盾@ワンピース
[道具]:支給品一式
[思考]
基本:ブレード・チルドレンは殺すが、それ以外の人は決して殺さない?
0:――?
1:マシン番長の残骸から使えそうなパーツと、デイパックを回収したい。
2:歩を捜す為に、神社に向かう。(山道は使わない)
3:ブレード・チルドレンが参加しているなら殺す?
4:本当に死んだ人間が生き返るなんてあるのか―――?
[備考]
※剛力番長から死者蘇生の話を聞きました。内容自体には半信半疑です。
※思考の切り替えで戦闘に関係ない情報を意識外に置いている為混乱は収まっていますが、きっかけがあれば膨れ上がります。
※みねねのトラップフィールドの存在を把握しました。(竹内理緒によるものと推測、根拠はなし)
 戦術を考慮する際に利用する可能性があります。


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