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長時間露出改造(1004X)

最終更新:

kapaer

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いくらこのカメラが高感度とはいえ、ビデオカメラである以上、露出時間は1/25に制限されてしまいます(海外のPAL規格なので、25フレーム/秒)。
それでもその辺のウェブカメラよりは高感度ですが、やはり感度不足は否めません。
そこで、長時間露出が可能な様に改造してみます。

どのように長時間露出した画像を得るのか

ToUCAMやQCamで行われている長時間露出の改造では、PCからシャッターをコントロールして目的のフレームのみを得ています。
ですが、
  • PCからカメラコントロール用の配線が必要になる
  • ウェブカムと違い、フレームレート(秒間辺りのコマ数)が高いので、目的のフレームのみを得るのは困難
などの問題があります。

そこで、制御基板にマイコンを搭載することで、"1秒に1フレームだけ画像が出力されて、他のフレームは真っ黒"(1秒露出の場合)という映像を出力することにします。
1秒に一度、一瞬画像が表示される動画が出力されるわけです。
※一秒露出時のイメージ

この映像をオートガイドソフトで1秒コンポジットすれば、1秒に1フレームだけ取り込んだ場合と同じ結果が得られます。
使用するときは、カメラ側で露出時間を設定して、それと同じ(もしくは整数倍)のコンポジットをガイドソフト側で行うだけです。

回路の基本構成

露出時間は、CCDの制御信号(VD,HD)から得ています。時間で決めているのではなく、"設定したフレーム数だけ露出"という方式です。
露出中は、CCDへの読み出し信号の電源(VH)をカットすることで画像を蓄積します。また、シャッター制御(ESHUT)もOFFにしておきます。
この間も、CCDからの出力が無い(=真っ黒)ままビデオ信号は出力され続けます。
決まったフレーム数だけ露出したら、カットしていた電源を戻して、CCDのV3信号を制御することで蓄積された画像が1フレームだけ出力されます。
※WAT-120+などのフレーム蓄積型のビデオカメラは、この1フレームをカメラ内部でキャプチャして、真っ黒な画像の代わりに出力し続けるものです。
ただこれだけだと、映像の次のフレームにノイズが発生するので、ブランク信号(BLK)を制御して映像フレーム以外を完全に黒にします。

その他のおまけ機能として、数秒を越えるような長時間露出の場合は、CCD内部のアンプの電源(VAmp)をカットして、CCD自体の発熱も抑えています。
これはガイド用ではなく、撮影用カメラとしての利用を考えた物です。



カメラからの配線


写真の点から線を引き出します。
紫の部分は、2つをショートさせて1本引き出します。

赤-赤の部分は、CXD2463Rのピンのそばで配線を切断して、それぞれ引き出します。
橙-橙もCCD側で切断して引き出しますが、これは撮影用に発熱を抑える為の配線なので、ガイド用には必要ありません

水色の部分は、このピンをGNDに落とすので、このままだと電流が流れすぎてしまいます。
そこで、付いているチップ抵抗を交換して線を引き出します(100Ω→4.7kΩ程度)。

写真で見ると簡単そうですが、左下の青い点の間隔は0.5mmしかありません。カメラ基板の大きさは1辺30mmです。

基板との接続

後は製作してプログラムを書き込んだコントローラ基板と接続します。

黒い軸はマニュアルゲイン調整用、白いのが露出時間調整用です。
小型スライドスイッチはテスト用の物です。

1004Xを接続した所。写真はCCDを外していない時のものです。




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