〈星詠み〉

名称:星詠み
呼称:《星詠み》
大分類:ロール系

◆解説

 〈星詠み〉は、天を行く星の道行きを読み解き、未知の事象を解き明かすサブ職業である。その知見は潮の満ち欠けや天候といったものにとどまらず、人や国家の運命すらも知りうるという。
 サブ職業の能力としては〈占い師〉と〈学者〉の中間のような性質を持ち、トラップや不意打ちなど危険の感知に補正のある占術要素と、地図系アイテムの鑑定、読み解きといった特定分野に限定された学者要素を兼ね備えている。また、天文学や占星術に関する専門家として、〈星詠み〉固有の能力も持つ。


◆セルデシアにおける〈星詠み〉

 〈孤状列島ヤマト〉における〈星詠み〉は〈符術師〉とならび、聖職として認知されている職業である。これは、かつてヤマトを統一していた国家〈ウェストランデ皇王朝〉において、〈星詠み〉が国家繁栄の秘術とされる「久爾永の儀」を始めとした祭儀を執り行っていたことによる。星の軌跡を辿り、国の行く末を導く祭事を為す〈星詠み〉は、実務的な政事を為す〈貴族〉と表裏で統治を行う重要な存在だったのだ。
 〈ウェストランデ皇王朝〉が滅んだ後、聖都イセにおける〈星詠み〉の宗主〈斎宮家〉〈神聖皇国ウェストランデ〉を興してからは、さらにその傾向が強まった。人々の身近で辻占いをする〈占い師〉が俗に立つ側の占術の担い手だとすれば、〈星詠み〉は聖、あるいは政の側に立つ占術の代表なのである。このため、〈星詠み〉は多くがその職能組織に所属しているか、〈貴族〉のお抱えである。
 〈大地人〉にとっての〈星詠み〉は占術師としてだけでなく、暦の作り手という面でも重要な職業だ。星の動きは時の流れと不可分であり、それを刻む暦を正確に作ることも、〈星詠み〉の役割なのだ。
 また、天候の予測、潮の満ち干きの予想を得意とする〈星詠み〉もいる。少数派であるが、こうした特技を持つ在野の〈星詠み〉が行商人や〈海賊〉などに雇われていることもあるようだ。


◆ゲーム時代の〈星詠み〉

 〈星詠み〉は、〈占い師〉または〈学者〉のいずれかのレベルを一定以上に上げることで転職可能となる特殊な上級サブ職業である。
 〈星詠み〉が習得できる特技は占術系ならば〈占い師〉、知識系ならば〈学者〉にそれぞれ劣るため、ソロや少人数のパーティでもない限りは〈占い師〉と〈学者〉の2人を別々に揃える方が良いとされる。しかし、月齢や潮の満ち引きに影響を受けるという設定の時限クエスト、ダンジョンの周期を知ることができるなど、ユニークな能力も多く、特に不定期に発生する時限レイドについては〈星詠み〉がいない限り挑戦すら困難なケースもある。そうした難関クエストに挑戦する大規模戦闘系ギルドならば専属の〈星詠み〉を抱えていることも多い。
 特殊なサブ職業であるため、〈星詠み〉が総人口に占める割合は決して多くはないが、その性質から人口の分布がソロプレイヤーや小規模ギルドと、大規模戦闘系ギルドの両極端に偏っているのが特徴である。
 〈星詠み〉への転職クエストは、他の上級サブ職業と同様に、前提となるサブ職業のレベル要件を満たした上で、各地にいる〈大地人〉の〈星詠み〉と接触することで転職クエストを受けるという一般的なものである。ただし、〈星詠み〉はヤマトにおける神職として特殊な立ち位置にあるためか、転職クエストを受けられる場所が聖宮イセなどヤマト全土で数ヶ所程度しか存在しない。また、クエスト内容は多くが聖域の祭儀の補佐というもので、供物の用意、祭具の手入れ、儀式中の裏方など、細かな段取りを要求されるため、そういった面でも転職のハードルが高い。一方で、クエスト中は限定の特殊な和風装束を身にまとうことができることから、このビジュアルに惹かれて転職に挑戦する者もいた。


◆〈大災害〉後の〈星詠み〉

 〈大災害〉後に報告されている特技外の〈星詠み〉の影響に、「時間感覚の強化」「方向感覚の強化」が挙げられている。これは、暦や時の刻み、星の巡りを司る専門家というサブ職業のフレーバーが現実化したものではないかと予測されている。
 〈星詠み〉はそのサブ職業のレベルに応じて、正確な時間のカウントや、方位の把握の正確性が増す傾向にあるようだ。〈機工師〉による機械的な時計や、〈地図屋〉による測量がまだ一般的ではない状態で、こうした能力はサバイバルを行う上で重要なものだ。大規模戦闘などの高難度の戦闘では、1秒単位の時間把握が生死を分ける場面もあり、〈星詠み〉の価値を高めている。
 また、〈星詠み〉には〈機工師〉と組んで、各地の〈大地人〉貴族の領地にある巨大時計の調律を行う需要もある。調整した時計が正確な時を示しているか確かめることができるのは、〈星詠み〉なのである。海で暮らす漁師にとっては潮の満ち引きを知るために、農家にとっては種まきや収穫の時期を知るために〈星詠み〉の能力は役に立つ。幅広い立場の〈大地人〉にとって、特定の組織に属さない〈冒険者〉の〈星詠み〉は重宝する存在である。
 縁の下の力持ちといった印象の強い〈星詠み〉の能力ではあるが、今アキバの街ではその力に大きな期待がかけられている。世界各地を繋ぐ瞬間移動装置である〈妖精の輪〉の転移法則の解明に、彼らの特性が役立つのではと考えられているからだ。
 〈妖精の輪〉は月齢と星の巡りに影響を受けてその転移先を刻々と変えるとされる。このため、データを一定量集積すれば〈星詠み〉がその法則性を読み解くことも可能なのではないかと言われているのだ。


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最終更新:2022年12月23日 17:27
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