ゆっくりいじめ系1894 楽園~まりさの場合(3)


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「きょうもおつとめにいってくるよ!」
「いってらっしゃい、まりさ。ゆっくりがんばってきてね!」
「「す〜りす〜り♪」」

ここ1週間で日課となった出勤前のすーりすーりをするまりさとれいむ、その周りでは11匹の子供達がまりさにいってらっしゃいのすーりすーりをするのを順番に待っている。
赤ゆっくりだった子供達は子ゆっくりサイズに成長していた。だが何故か子れいむだけは他の子供達より発育が遅く、体も弱いのか、ちょっと体を動かすと直ぐ咳き込んでいた。
れいむと子供達からのすーりすーりが終わると、まりさは入り口まで迎えに来ていた男に抱えられ、ドアから出て行った。
途端に笑顔の消える子供達。
これからまりさが帰るまでの間はれいむによる『おべんきょう』の時間である。対象は子まりさと子ありす、子れいむだけは『おべんきょう』に参加しないのだが、それは体が弱いからという理由ではなく、単純にれいむが贔屓しているだけだった。
出産の時からその兆候はあった、れいむは初めての挨拶のとき以外で子供達を三人称の複数形で呼ぶことがなかったのだ。漏れなく愛すると誓ったれいむだったが、潜在意識の中では餡を分けた子れいむに愛情を偏らせていたのだろう。しかしそれでもれいむは良い親であろうと努めていた、他ならぬ愛するまりさと誓ったのだ、この子達を愛し育てていく、と。が、それもまりさが『おつとめ』を始めて僅か二日で心変わりする事となる。



それはれいむが子供達に食事を与えているときの事だった。
男から与えられる野菜屑を、赤ゆっくりが食べられるように柔らかく噛み砕いていく。硬化している底部を必死に動かし、子供達へと這って行くれいむ、その眼に宿る光はまりさと同じく、子供達への慈愛の念で満ち溢れている。
全員揃ったところで『いただきます』をし、自身も子供達と一緒に食事と会話を楽しんでいた。
事件はその時起こった。

「おちょーしゃん、れいみゅにごはんだべしゃしちぇにぇ♪」
「ゆゆっ、わかったよ、くちうつししでたべさせてあげるね!」
「む〜ちゃ、む〜ちゃ、ちあわちぇ〜♪」
「ゆ〜、れいみゅだけじゅるーい、ひちょりでたべりゃりぇにゃいこはちょかいはになりぇにゃいんだきゃりゃ!」
「しょんなこちょいっちゃりゃめりゃよありちゅ、りぇいみゅはおびょーきなんだかりゃ」
「ゆぅ…ありす、あとで…えっと、とかいは、なおうたをおしえてあげるからきげんなおしてね?」
「「「「「ゆゆぅっ!ちょかいはにゃおうちゃあ!?」」」」」

普段使い慣れない単語を使った為か一瞬どもるれいむだったが、赤ありす達の反応を見て満足そうに食事を続ける。
赤ありす達はというと『とかいはなおうた』が余程楽しみなのか、食事そっちのけでその場でぽよんぽよんと跳ねながら喜んでいる。そんな気持ちが伝播したのか、赤まりさ達まで嬉しそうにキャイキャイ言っている。れいむもそんな赤ありす達が可愛いのか、行儀が悪いと叱る事はしなかった。

「ゆゆうぅん、おうちゃ♪おうちゃ♪ちゃのしみ〜♪」
「どんにゃおうちゃかにゃ?」
「きっちょすちぇきにゃおうちゃだにぇ!」
「しょうだね!こんにゃにちょかいはにゃ『おばしゃん』だもん!しゅごきゅゆっきゅちちたちょかいはなおうちゃだにぇ!」
「…………ゆ?」

え?おばさん?
瞬間、れいむの中で何かが音を立てて崩れていった。
自分はこんなにもお前達を愛しているのに…否、愛そうと努力してるのに…っ!お前達は私を親とは思ってなかったというのか…っ!!
実際は赤ありすも赤まりさも、れいむに親に対する感情と全く同じものを抱いていた。誕生から今日まで一緒に過ごし、食事や下の世話までしてくれていたのだ、10匹の赤ゆっくり達にとってれいむは間違いなく『親』だった。
しかし赤ありすのクリームに刻まれた遺伝情報はれいむを親だと認識しなかった。結果、無意識のうちにれいむを『おばさん』と呼んでしまったのだが、そこはまだ分別のつかない赤ゆっくりである、言葉を選べと言う方が酷というものだ。
だがそんな赤ありすの失言の理由をれいむが知る由もなく、その胸の内では捨て去った筈の『レイパーの子供』への感情がぐるぐると渦巻いていた。
そして『おべんきょう』はこの次の日から始まる事となる。



まりさを見送ったれいむは子れいむを除く10匹の子供達を振り返る、笑顔はそのままだが、その目は笑っていなかった。

「さあおまえたち、きょうも『おべんきょう』のじかんだよ、はやくそこにならんでね。なにぐずぐずしてるの?ばかなの?えさへらされたいの?」
「ゆ゛!?」
「ごはんすくないのやーよぉ!」
「ならぶからゆっくちまってね!」
「まりしゃはならんでるよ!だかりゃいたいいたいしないでね!」

最初の頃は子供達も『こんなのゆっくりしてない』と反発していたのだが、言う事を聞かない者はれいむが口に咥えて地面に叩きつける等して従わせていた。底部の所為で叩きつける勢いは弱かった為、赤ゆっくりだった子供達が致命傷を負う事はなかった。だがいくら動きが遅いといっても成体と赤ゆっくりである、子供達が逃げ遂せる訳もなく、また致命傷には至らなくともその痛みは恐怖を与えるのに十分だった。
体に、心に、刻み付けられた恐怖と悲しみは、子供達が子ゆっくりサイズになった今でも、れいむに従わないという選択肢を奪ったままでいた。無論、まりさに言いつける等考えもしない。

「ゆ、やっとならんだね。でもおそかったよ、こんどはもっとはやくならんでね。ありすたちはとくにのろまだったからきょうのえさはおやさいのくきいっぽんだよ。」
「ゆゆゆ!?しょれだけじゃおなきゃいっぱいにならにゃいよ!」
「ゆええぇぇ…ありしゅつぎははやくなりゃぶからごはんへらさにゃいでね!」
「ゆえーん!ゆえーん!」
「ありしゅはまりしゃよりはやくなりゃんでたよぉっ!?」
「こんなのやーよぉっ!じぇんじぇんとかいはじゃないいぃぃっ!」
「がああっ!!!とかいはとかいはってうるさいよ!また『とかいは』っていったらこんどはかみのけぐいぐいするからねっ!」
「「「「「ゆ゛っ!?ぐ……」」」」」

目をカッっと見開いてありす達を怒鳴りつけるれいむ。れいむは子供達の『おべんきょう』の中で、『とかいは』などというものは存在しない、もしあったとしてもありす種が『とかいは』になる事はない、と何度も何度も言い聞かせてきた。
それだけではない、れいむは事ある毎に5匹の子ありすに偏って厳しいペナルティを課していた。子まりさが失敗をしたとしても怒鳴って終わりな事が多いが、子ありすが同じ失敗をすると容赦なく髪の毛を引き抜いたり、餌の量を一口程度にしたりと、最早罰を与えるのが目的で粗を探している節もある。つまりれいむの中では、

まりさ&子れいむ>(越えられない壁)>子まりさ>>>>>子ありす

なのである。
そんな子供達にとってゆっくり出来ない『おべんきょう』時間は……

  • ゲスに生きる価値無し、レイパーに生まれる価値無し。
  • ありす種は『とかいは』になれない。
  • ありす種は成長するとゲスかレイパーになる。せめてそうじゃない普通のゆっくりになる為に『おべんきょう』をする。
  • れいむ種はゆっくりの中でも最もゆっくりしている種族である。
  • 次いでまりさ種が優れた種族である。
  • まりさ種はれいむ種を愛し、共にゆっくりするのが好ましい。
  • 良いありすは、まりさ種とれいむ種に尽くすありすだけである。

といった事を延々と繰り返し聞かせ、不意を突いて復唱させる、といったものが主な内容だ。この復唱で一語一句でも間違えれば罵声が、子ありすに限っては厳しい制裁が待っている。
しかしこのように差別意識を助長させるような事を吹き込んでも、子供達の間が不仲になるような事が無かったのは性格の良いまりさの遺伝だからだろうか。むしろ助け合い、励ましあうくらい子供達は仲が良かった。

ありすのくせにありすのくせにありすのくせにありすのくせにありすのくせにありすのくせにありすのくせにありすのくせに。

まりさの面影を残す子まりさには欠片程の愛情が残っていたのか、子ありすと子まりさが仲良くしてる姿が甚く気に入らないれいむ。嗚呼憎たらしい、今度はどんな制裁を与えようか……そんな事を考えていると、そろそろ『きゅうけい』の時間になる事に気づいた。
『きゅうけい』。文字通り『おべんきょう』を休憩する時間である、といってもその時間は1時間近くと結構長い。この間れいむは眠ってしまうので、子供達にとってはまりさの居ない時間で唯一の安息のときだ。

「ゆゆっ、そろそろきゅうけいのじかんだね。れいむはねるけど、おきるまでおこしちゃだめだよ!さわいだりしてめがさめたらおしおきするからね!」

そう言うとれいむは藁と羽毛の寝床に這って行き、30秒と経たずに寝息を立て始めた。ちなみに子供達はれいむを起こす起こさないで制裁された事は無い、一度寝たら言葉通り『起きるまで起きない』からだ。
れいむが寝静まるのを確認して、今まで寝床でじっとしていた子れいむが葉っぱの包みを咥えて姉妹達の下へ這ってくる。その顔はとても申し訳なさそうな表情を作っていた。
子れいむの体が弱い事を知っていた姉妹達は自分達の方から子れいむに近づこうとしたが、子れいむは顔を横に振ってそれを制す。れいむが起きたら、自分は大丈夫だろうが他の姉妹がおしおきされる、そう思ったからだ。
ようやく姉妹の下へたどりついた子れいむは、まず姉妹達に今日最初の挨拶を交わす。

「ゆふぅ……ゆぅ…ゆ!おにぇえちゃんたち、ゆっくりしていっちぇね!」
「ゆっくりしていってね!」×10
「ゆううう…れいみゅぅ、あんまりむりしちゃめーよぉ?」
「あんよいたきゅなかった?おねえちゃんがぺーろぺーろしてあげるね。」
「ゆ、じゃあまりしゃはすーりすーりしちゃげるね。」
「まりしゃ、れいみゅはおはだがよわいからあんまりしちゃらきずがついちゃうわ!」
「ゆゆ!れいみゅのきょとはいいからおねえちゃんたちはごはんたべちぇね!」

そう言って持ってきた包みを広げる子れいむ、中からは食べかけではあるが多めの野菜屑が出てきた。
10匹が小声で『いただきます』をし、音を立てないように静かにそれらを食していく。子れいむはそんな姉妹達の姿を満足そうに、そして申し訳なさそうに見ていた。
れいむが子供達の餌を減らしていたのは制裁だけが目的ではない、体の弱い『我が子』の為に大量の食事を用意する為だ、その量は成体ゆっくりが一度に食す倍以上あった。
れいむは朝食と昼食から子供達の分を計3分の2近く天引して、その全てを子れいむに与えていた。勿論、発育の遅い子れいむが全て食べられる訳もなく、かといって残った分を子供達に返す事もなく、うんうんといっしょにゴミ置き場へ捨てていた。残った分は姉妹にあげて、と子れいむがいくら訴えても、れいむは苦笑いを浮かべるばかりだった。
空腹に涙を浮かべる姉妹を見ていたたまれなくなった子れいむは、昼に全部食すと言い、れいむが寝静まった後にこうやって姉妹達に食事を『返して』いるのだ。
子れいむはそれなりに頭の良い固体だった。自分が食し、余ったらゴミとして捨てられているが、本来この食事は姉妹達が食べている筈のものだと理解していたし、その一連の行為がれいむによる姉妹達への虐待だとも理解していた。だがそんな子れいむでも、何故父がそんな事をするのかは何度理由を聞いても理解出来なかった。
ともあれ子れいむのおかげで比較的まともな食事にありついた10匹の姉妹達、食事が終わったら11匹でまどろみながら固まってひっついてのゆっくりタイムが待っている、普段子れいむと触れ合う事を許されない姉妹達にとってはこれがある種一番のしあわせーな時間だ。

そんなささやかな幸せも終わりを迎えようとしていた…

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最終更新:2022年01月31日 03:35
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