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☆-2-004

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だれでも歓迎! 編集

投下作品まとめスレ2-4〔2-295~348〕



295 :創る名無しに見る名無し:2010/03/16(火) 15:47:57 ID:VlMBiHeq
『S氏とm氏』

m氏は豚の様な奇声を発しながら、鞭を振り下ろされる度に襲い来る、激痛と言う
この世で最も崇高で至高で至上の快楽に心の底からの歓喜の叫びと共に浸っていた…
s氏「ほらほら鞭をもっとクレテヤル!もっと喚け!泣け!!許しを請え!!!」
m氏「ぶうひいいいいいいいいいいいいいっ」
s氏「気持ちいいのね?この変態め!!!!!!!もっと苦しめ!!!!!そおれェ!!!!!」
ビッシ!バッチ!バチッンビッシ!バッシ!バッチーン!
m氏「ぶひ~~~ん!許して女王様~~~~!!!」
永遠と鞭の撓る痛々しい音が、s氏とm氏だけの秘密の地下室に響き渡る…
s氏「ほらほら~ガンガン行くわよ~この♂豚アアアアアアァ!!!」
ビッシ!バッチ!バチッンビッシ!バッシ!バッチーン!
ビッシ!バッチ!バチッンビッシ!バッシ!バッチーン!

夜は更けて行く… …そして天空の彼方から様子を見る3人の惑星調査員達がいた。

u氏「まったく…地球人の嗜好は理解出来んよ…はっきり言って異常だ」
f氏「でも、2人共、とっても楽しそうですよ?」
o氏「きっと地球人はこうやってお互いを理解し合うのでしょう、素晴らしい事です!」

u氏「…」
f氏「O氏、一体何が理解出来る物なのですか?」
o氏「色々でしょうね、他の星でも孵化前の自分達の卵に向かって悪口を言う
   習慣がある異星人がいます、強い子に育つ様に願いを込めて罵るのです」

u氏「だが、地球人類は卵生ではないだろう!?」
f氏「でも、きっと似たようなモノなんでしょう」
o氏「きっと彼らは、こうでもしないとストレスが溜まって死んでしまうのですよ」

u氏「そんな馬鹿な事が…」
f氏「調査の結果は普段の私生活上の彼等は異常者では無く、至って平静を保っています
   しね、同様のケースはこの星の世界中で観測されている事からも疑いの余地はあ
   りません」
o氏「一見残酷に見える嗜好を文化にまで発展させた稀有な例と言えるでしょうね」

u氏「馬鹿馬鹿しい!全銀河知性人権擁護憲法に照らし合わせて即刻禁止させる様に
   地球人に圧力を掛けるべきだ!」
f氏「そんな、横暴な…彼等は誰にも迷惑は掛けてません!今観測中の個体『s』に至っ
   ては普段は優しい小学校教師なんですよ?」
o氏「我々だって100個産まれる卵の内30個は親族で食べてしまいますよ?それを残酷だと
   指摘する異星人もいますが…まあ彼等の主張は我々への偏見に過ぎませんがね…」

u氏「そうだ!間引きの何がいけないのだ?!全く…銀河は物分りの悪い宇宙人ばっかりだ!!!
   奴らは我々の卵の持つ極上の味を知らんのだよ!」
f氏「まあまあ…平和的にいきましょうよ、また血圧が上がりますよ?」
o氏「今、私はあなたを批判しているのに…ああ、話がどんどんややこしくなっていく…」

u氏「あーだ」
f氏「こーだ」
o氏「どーだ」

s氏「ほらほら~ガンガン行くわよ~この♂豚アアアアアアァ!!!」
ビッシ!バッチ!バチッンビッシ!バッシ!バッチーン!
m氏「ぶひ~~~ん!ころされるう~~~~~~~ん!!!」         終わり



299 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/17(水) 17:11:50 ID:4APiijCI
『ハッハッハッ』

惑星めぐりをしている二人を乗せた宇宙船が、白い雲に覆われた惑星の目前まで接近していた。
「ではあの惑星に着陸しますよ」
操縦士の青年は隣に座る男性に確認を取り、大気の中へ宇宙船を降ろしていく。
宇宙船は地表へと近づく。厚い雲を超えると地平を埋めつくすように様に町が広がっていた。
操縦士が指示を仰ぐ。
「町が見えますね。どこへ着陸しましょうか」
「ずいぶん賑わっている星だな。それはともかくあそこに着陸できそうな広場がある。そこへ着陸してくれ」
「わかりました」
広場に近づいてみるとそこが宇宙船の発着場であることがわかり、二人を乗せた宇宙船もそこに着陸した。
男性が自動翻訳機を持って外へ出ると、道化師のような格好をした人物が話しかけてきた。
「ハハハッ、ハハッハハハッ」
まるで笑っているようにしか聞こないが自動翻訳機は次のように訳をした。
 ようこそ、私たちのフラフ星へ 私が案内して差し上げます
 どうぞ私に付いて来てください
男性は自動翻訳機を介して挨拶とお礼を言った後、操縦士とともにその道化師の様な人物に続く。
歩きながら男性は操縦士に注意を促した。
「この星ではうかつに笑ったりできないな。この星の言語は我々の笑い声と発音までも
 似ている。ハハハ、なんて声を出して笑ったらそれがどんな意味を持つかわからない」
「ですね」操縦士も同じことを考えていたようだった。
連れられて歩いていると、男性と操縦士はフラフ星独自の進化を遂げた生物とたくさん出会った。
きらめく球の上に無数の足でバランスを取っていたり、たくさん放られた果物をしっぽですべて拾っていたり、
火の点いた輪の中の向こうにある餌を長い腕を伸ばしてたぐり寄せたりしている。
「芸達者なものですね」操縦士は男性にそういい、
この星全体が巨大なサーカス小屋のようだ、と思った。
そう考えると、彼には空を包む白い雲さえもテントの入り口のように思えてきた。
案内をしていたフラフ星人が何かを言った。
「ハハハッハ」
それが道化師に笑いかけられた様で、操縦士は笑った。
「あっはっはっ」
声を出してみるとやはり自分たちの笑い声とフラフ星人の言葉は似ている。
操縦士はそれがなおさらおかしかった。
「あっはっはぁっ、あっはっはっはっはっ」
その声がフラフ星語ではどういう意味になったのだろう。案内役が声を荒げた。
「ハッハハハッ、ハッハッハッ」
どうやら悪い意味の言葉に聞こえるらしい。
慌てた男性が操縦士はわざと言ったのではないと、自動翻訳機を使って必死に説明をする。
「ハッハッ、ハッハッハ、ハハハッハッハッハッ」
「ハッハッハ、ハッハッハッア、ハッハッ」
「あっはっはっ、あっはっはっはぁっ、あっはっはっは・・・」

301 :創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 13:55:59 ID:J5h8Y1Bj
『音』

ごごごごごごごごごご

m氏:何だ何だ?何だと!そんな馬鹿な!嘘だ!
s氏:どうした?何が起こったのか説明しろ!m氏!

ごごごごごごごごごごごごご

m氏:…私の口からはとてもとても…言えません!
s氏:何だと!私の命令に逆らうのか?さっさと言え!何が起こっている!

ごごごごごごごごごごごごごごごご

m氏:ああああ…オシマイだあ……終わりだあ!
s氏:おい!お終いって何だ!?何が起こっている!?この『ゴゴゴゴ』っていうのは何の音だ!?
m氏:もう手遅れです…二人共死ぬんだ…ひひひ
s氏:馬鹿な!たのむ!教えろ!何が起こってるんだ!教えてくれ!凄く不安になって来た!
m氏:ひひひ…今更、知っても意味の無い事です…もう、どうでもいいや…死ぬんだし…
s氏:お願いします!教えてくれ!100万やるから!それに何か私に話せば
   解決の糸口が掴めるかも知れないんだぞ?絶対に諦めたくない!
m氏:……100万なんていりませんよ…それに、解決なんて絶対に不可能です…無理ですよ!
s氏:ぐぎぎ・・・・わかんねえ野郎だなあ!!!言え言え言えーーーーー!
    何も知らずに死いーーーにたくなーーーいんだよーーーーーー!言えーーー!!!

ごごごごごごごごゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

m氏ほらね…あんなのどうしようもねえよ
s氏うああああああああああああああああん!なぜだーーーーーーーー!!
                                         終わり

303 :創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 09:52:35 ID:XUFGvqLE
「フルボッコちゃん」

どうしよう…フルボッコにされてしまう…
恐怖に慄くM氏。
どうしよう…どうしよう…どう…あっ!
やばい!やばい!やばい!やばい!やばい!
どうしよう…どうしよう…どうしよう…

Fちゃん:待たせたな…

M氏:アアアアアアあああー
                終わり

304 :創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 10:24:23 ID:XUFGvqLE
「ボーッ」

Q氏:なあ宇宙人っていると思うかい?
A氏:うーん…………
Q氏:おい、どうなんだ?お前の意見が聞きたいんだ!
A氏:え?何?聞いて無かった!ごめん!もう一回言ってくれ
Q氏:てめえ!いいかげんにしろよ!ふざけんな!
A氏:悪い悪い…ちょっと『ボーッ』としてたんだ
Q氏:今度から気をつけろよ!

その頃、宇宙船内で…こんな話が盛り上がっていた

U氏:うーむ
F氏:どうしたU氏よ?
O氏:また、地球人にダイブして来たのか?

U氏:ああ
F氏:でも、地球人って話を聞いてないってだけですぐ怒っただろ?
O氏:そうそう!

U氏:ああ、この前ダイブした時なんて俺のせいで殴り合いに発展し
   ちまったし…まあ流石にアレは悪い事しちまったかなー?
F氏:気にすんなって!地球人が野蛮なだけなんだよ!
O氏:うん、ちょっと彼等の意識ダイブしただけでソレだもんなあ…

U氏:今日なんか『宇宙人はいるか?』って聞かれちゃった~
F氏:はははははっ何だよそれ!
O氏:目の前にいるっつーのにな~ははは

U氏:あはははははは
F氏:あはははははは
O氏:あはははははは
                     終わり

306 :創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 18:14:29 ID:XUFGvqLE
A氏「…」
B氏「…」
C氏「…」
D氏「…」
E氏「…」
F氏「…」
G氏「。。。」
H氏「…」
I氏「Gよ、お前今間違えただろ?」
J氏「何やってんだあよ!」
K氏「…真面目にやれ!」
G氏「へいへい…悪うござんした!」
A氏「こいつ…反省しろよ!」
B氏「C氏!見本めせてやれ」
G氏「…」
C氏「。。。」
K氏「真面目にやれよG!」
G氏「い、今間違えたのはCですよ!」
C氏「~♪」
G氏「てめえ何口笛吹いてんだよ!」
C氏「うるせえなあ…元はと言えばお前のミスだろうが…」
G氏「…」
F氏「なんだ、やれば出来るじゃん(笑)」

308 :創る名無しに見る名無し:2010/03/21(日) 23:00:32 ID:iWTI1aeI
A国とB国は隣接する同盟国だった。
その国境には自然に出来たフルーツの森があった。ブドウやリンゴ、桃に洋ナシ。ありとあらゆるフルーツが一年中実る不思議な森だった。
そこで採れるフルーツはどれも瑞々しく素晴らしい味で、驚くほど高値で取引された。
A国とB国は収穫されるフルーツを公平に折半していたが、ある時どちらからともなく
「そっちの方が収穫量多い気がする」
「いいや、そっちの方が多く採っている」
と言いだし、戦争が勃発した。
お互いにフルーツの森を独占しようと侵略を開始した。
フルーツの森は銃弾とミサイルが飛び交う戦場になった。
結果森は全焼し、フルーツの森は焼け野原になってしまった。
A国とB国はお互いに軍需産業に予算をつぎ込み、国家は転覆してしまった。
それを見ていたC国の子供が言った。
「ミックスジュースにして仲良く半分こにすれば良かったのにね」

312 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/23(火) 13:52:41 ID:fcvL8bUe
『魅力のある夢』

広い荒野のただなかをさまよっている者がいた。
彼はバクで、夢を食べる。
しかしこのバクは美食家のため、美味しい夢しか食べない。
美味しい夢を求めて現在、世界旅行の最中だった。
人のわんさかいる場所に行ければいいのだが、方向を間違えたらしい。
ここには誰もいないだろうな、と彼は探索をやめた。そして座り込んだ。
どこからか夢がふわふわ漂ってきた。
自分好みの夢がたくさん出てきて辺りが埋まっていく。
バクは大喜びでそれらをどんどん食べた。
自分が食べ尽きるよりも早く夢は漂ってきてどんどん増える。
大量だ、こんなにたくさんもう食べきれないよー
いやなんのまだまだ、夢をもっともっと食べておこう
でもなんで今日はこんなに食べても平気なんだろうな、

あっ、まさか夢かな。

314 :創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 00:50:11 ID:p3I8HRAB
「ここは何処だ?」
「村だ」
「何が欲しい?」
「情報だ」
「どっちの味方だ?」
「いずれ判る。さぁ秘密を吐くんだ。情報だ、情報だ」
「喋るものか!」
「どんな手段を講じてでも喋らせる」
「名前を言え?」
「新しいNo.2だ」
「No.1は誰だ?」
「お前はNo.6だ」
「番号なんかで呼ぶな!私は自由な人間だ...」

316 :創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 11:33:35 ID:8tF9oTbm
『最後の簒奪者』

「…」
「貴様…実はスパイだったのか!」
「バレては仕方が無い、悪く思うなよ?全ては我等≪銀河帝国≫の偉大なる物語完結の為だ!」
「何を!それは我等≪宇宙連邦≫から奪ったモノだろう!」
「ふふふ…一度、発表してしまえばこっちのモノだ!どうとでも誤魔化せる…」
「くそ、この恥知らず共め!」
「なんとでも言うがいい、さらばだ~この負け犬共め!わはははははは…」

数日後、分厚い一冊の小説が銀河帝国政府から直々に出版された…その名も「人類最後の物語」

青年「これが、人類最後の一冊なんだ…」
少年「ねえ、新しい本は本当にもう出ないの?」
老人「わしの若い頃にはAI工学がどんどん発達してのお、「物語全自動発想マシン」というのが発明
   されて以来、人間の作家はお払い箱で、AIが想像したそれまでに無く新しい斬新で血沸き肉踊
   る活劇であり感動的でもあり、とても高尚かつ教訓的で腹が捩れるほど面白いと言う様な物語
   が無尽蔵に発表されていったのだ…80年近くの間ワシは宇宙最高のフィクション隆盛期を生き
   てきた…AI作家達にはとても感謝している、彼等には数え切れない程の楽しい時間を貰ったか
   らのう…だが、とうとう、新作と言う言葉が死語になってしまったのだ…とうとう今度は「物
   語」そのものが無くなってしまう…本当にさみしい事じゃ…」

少年「ふ~ん…これからは超高速電子言語図書館であんまり本を読み過ぎ無い様にしよーっと♪
   死ぬまでに全ての物語を読んでしまったらツマラナイものね…」

その、物語はストーリーの起伏に欠け、それらしい見せ場も無く、ひどく平凡な物語であったが、
紛れも無く、今までに誰も思いつかなかったであろうオリジナリティ溢れる、どこか爽やかな読
後感が漂う作品であった…小説は銀河帝国内だけに留まらず全宇宙規模で大ヒットを記録し、
アニメ化され、舞台化され、映画化もされ、電子仮想世界化もされて、メディアミックス商品化
も大成功し、それまでに無い規模の宇宙一の超ロングラン大ヒットを記録しほぼ全ての賞という
賞の最優秀賞をごっそりと奪い去っていった。

ライバル国であった≪宇宙連邦≫を除いて…、

宇宙連邦政府は銀河帝国による盗作を主張したが、裁判は泥沼化し、帝国民は単なる連邦市民の妬
みなのだろうと言って相手にしなかった…その年、60年前に当時無名のAI作家によって発表された
『銀河帝国「人類最後の物語」盗作疑惑!!』
と言う、『フィクション』のノンフィクション小説が最注目され復刻され宇宙連邦全域で大ヒット
を記録したそうな。
                                          終わり

319 :創る名無しに見る名無し:2010/03/25(木) 10:19:40 ID:tQHEx8sN
「原因」

M氏:S博士!恐竜の遺伝子を解析して絶滅原因が解明されました!
S博士:何!さっさと教えなさいM氏!
M氏:恐竜は遺伝子組み換え食品だったのです!
S博士:な…なんだと!?誰が遺伝子を組み替えたと言うのだ?
M氏:おそらく恐竜から高度に進化した恐竜人達でしょう…
S博士:正気か?そんな連中が地球上の一体どこにいるのだ!?
M氏:遺伝子組み換え恐竜を食べ続けた副作用で6500万年前に
彼らは絶滅したのです。
S博士:では恐竜はなぜ絶滅したのだ!
M氏:彼らは図体がデカイだけの家畜だったのですよ、野生で
の生存競争に勝てるはずがありません。T-レックスに至
っては走る事も出来ませんし…ブラキオサウルスの類も
歯が弱く実は流動食でしか生きられない生物なのです…。
S博士:……
M氏:コーヒー冷めますよ…

326 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/26(金) 16:17:17 ID:06Qkoe1f
『宇宙船の写った写真』

久しぶりに旧知の友人が自宅にやって来た。
宇宙船の写真が撮れたんだ、見に来ないかと自分で招いたのだった。
靴をそろえる友人をじっと待ってから書斎へつれていく。
書斎に入ると机の上に写真アルバムが一冊置いてあって、表紙からはまだ新しさが窺えた。
「前にも宇宙船が撮れたと写真を見せてもらったが、その時とは
 違うアルバムのようだな。これでアルバムは何冊目になるんだい」
「五十冊を超えたところだ。もっともその全てに宇宙船や宇宙人を写せて
 いるとは思っていないさ。撮った自分でも偽物に見えるような写真がほとんどだよ」
彼はそう言って朗らかに笑った。
そしていよいよアルバムを開き、友人に見どころを説明しながらページをめくる。
「このページにあるのは赤道近くの国に撮りに行った際のものだ。ここに影のようなものが見えるだろう」
「こっちのページは離島で、夜に撮った。周りの星と比べて輝き方が少し違うんだ」
さっきまでの落ち着いていた彼とはうって変わって、熱く語っている。
しかし、それを聞いている友人はあまり信じていないという様子だ。
撮った本人でさえ偽物に見える写真は当然として、本人が宇宙船に見えるという写真も他人からは宇宙船に見えない。
空が写っている写真に少し加工をしたら同じような写真ができるだろう、友人はそう思った。
そしてアルバムに写真の貼ってあるページが終わりをむかえた。
最後に貼ってあったのは、これまでとは逆に空からこの町を撮った航空写真が数枚。
友人は町の写った写真を見たが、どこにも宇宙人や宇宙船らしきものは写っていなかった。
さっきまで熱く語っていた彼も、このページの写真については説明をくれない。
友人は心の中で これは加工をする前の写真なんだな と思った。
そろそろ帰るよ、そう言った友人と玄関で別れてから、彼はひとり言を言った。
「言っても信じてくれないだろうけど言わない約束があるからな。
 外国に行ったとき気のいい宇宙人と出会って、彼らの写真はだめだったけど代わりに宇宙船からの写真を撮らせてくれたんだ」
アルバムに貼ってある町の写った写真はどれも、宇宙船の窓ガラス越しで撮られたことに友人は気付かなかった。

327 :創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 16:54:41 ID:J2ynflFV
         「ミソシル」

???:!我等は秘密結社ミソシル!そう!ミソシルだ!ミソシルだ!ミソシルだ!
   ミソシルをこよなく愛している!ミソシルこそ宇宙の真理!ミソシルこそ希望!
   そして私はこの秘密結社の(総裁)をやっているのだ…ミソシルとは…そう…
   ミソシルとは古代より我等に伝わる秘伝の英知…口外を許されぬ賢者の予言…
   …とは言っても、それは中世の頃の話だ。
   今では古今東西の映画や小説のネタにされ、今時、子供でも知っている迷信話だ…
   …だが、我々は改めて問われると思い出す事が出来ない…ミソシルとは何なのか?

ある者は古の神々の名前なのだと言い…
ある者は大昔に飛来した異星人の母星の名だと噂し…
ある者は海底に没した超文明の名前であるとか…
ある者は遠い未来に人類を滅ぼすであろう悪魔の名前だと言ったり…
ある著名な学者は古代の賢者が残した不老長寿の霊薬なのだとも言っていた…

総裁:だが、我々には判断の仕様が無いのだ。もう1万年も前に滅亡した文明が、ほんの少し
   だけ残した遺物から断片的にミソシルの事を読み解くしか無いのだ…かつて、ミソシ
   ルとは、ある種の人間達にとって毎日無くてはならないモノだったのだそうだ…古文
   書にはそう記されている。或いはそれは何か宗教的なモノだってのかもしれないし、
   イデオロギーの様なモノだったかもしれない。でなければ古代の神官か大王の名前だ
   ったのかも知れない…また別の者達は旧人類を滅亡に追いやった謎の超兵器の事だと
   言って、必死に古文書を解読していたりもする…
   だが…私には最近、その全ての説が間違いなのでは無いかと思える時がある…何かこう
   …もっと暖かい…機械的では無く、それでいて哲学的なモノとは違う何か…そう…今、
   私の母が久しぶりに実家に立ち寄った私の為に作ってくれたこの「豆スープ」の様な…
   心地よい味のする、失われた何か…の様な…私にはそんな気がしてならない。      
オワリ

329 :創る名無しに見る名無し:2010/03/26(金) 23:09:10 ID:J2ynflFV
『ガーディアンズ』

近未来…街には人型アンドロイド達が溢れていた…
男「俺のヒトミかわいいだろ?」
男「う~ん、俺のシオリちゃんの方がセクシーだべ?」
男&男「あーあのマシンかわいいー」

G氏「アー嘆かわしい…」
H氏「人間は少なくなったわねえ…」
O氏「霊は供給過剰で僕等は失業中ですしねえ」
S氏「巷には少子化で人口が減り、代わりにアンドロイドが街に氾濫している」
T氏「まったくじゃ…ワシ等、守護霊も商売上がったりじゃい」

G氏「最近じゃあカラクリ人形と祝言をあげる者までいるってんだ!」
H氏「ん?カラクリ人形?」
O氏「ははは、カラクリじゃなくてアンドロイドですよ(笑)G氏」
S氏「相変わらず横文字は苦手ですな、G氏は」
T氏「G氏は、江戸時代産まれですからのお」

G氏「生まれ変りたくても機会がねえのよ!」
H氏「でも、わたしも最初はビックリしたのお」
O氏「中に人が入ってるんだと思った!」
S氏「私は漫画世代ですから覚悟はしてましたよ」
T氏「ワシも昔、アシモフを読んだ事があるぞい!」

G氏「てやんでい!」
H氏「それに少子化ですものねえ…」
O氏「うんうん」
S氏「転生待ちの霊魂人口は増えるばかりです」
T氏「どうしたもんかのお」

G氏「でも、カラクリ達はなんで守護霊がいないんでい?」
H氏「だって…機械ですもの」
O氏「!」
S氏「それは彼らに霊魂が存在していないからでしょう?」
T氏「だが、九十九神というのもおるじゃろう?」

G氏「よっしゃあ!決めた!イッチョ守護してやるか!」
H氏「え?!無理よ…」
O氏「面白い!」
S氏「…また始まった」
T氏「出来るのかえ?そんな事が」
331 :続き:2010/03/26(金) 23:11:38 ID:J2ynflFV
G氏「やってみなきゃわかんねえやい!」
H氏「どうやって?」
O氏「やれやれ~」
S氏「彼等には虫の知らせも夢枕も告げられませんよ?」
T氏「ロボットは霊感を感じんのじゃろ?」

G氏「てやんでい!一丁、憑依してやらあ!」
H氏「…」
O氏「……(わくわく)」
S氏「…」
T氏「…」

G氏「往くぜ~そォおーーーら!」
H氏「馬鹿、無駄に決まってるわ…」
O氏「がんばれーG氏!」
S氏「そう言えばG氏って前にも似た様な事やってましたよね」
T氏「結局みんなヒマなんじゃよ」

ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガガガガガガガガガガガガッガガガ…

アンドロイド女性:てやんでえ!人間共!さっさと子供作りやがれい!

H氏「!」
O氏「!」
S氏「!」
T氏「!」

地球はゾンビ達の星となった
                終わり

335 :創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 12:15:05 ID:nSblXzIJ
安定

おっちゃん:心の安定が欲しい…こんな戦争と飢餓と差別ばかりの世界は大嫌いだ!
   こんなの絶対に認め無い!こんな世界許さ無い!悲しいニュースが毎日
   TVから飛び込んで来るのは堪えられ無い!残酷な世界の真実を知る度に
   俺の精神はズタズタにされて行く…もうオシマイなんだ!此の世は闇だ!
   俺がこんなにも辛いのは全部世界のせいだ!きっと悪い宇宙人達が俺を
   殺そうとして超陰謀を企てているんだ!全世界を破滅に追い遣ろうとし
   ているのだ!宇宙人なんて皆、大嫌いだ!そして、こんな世界も嫌いだ!
   全部もう消えて無くなれ!この世界を壊してしまえ!俺様は神だ~~~!

その頃、とある1機の円盤が地上をモニターしていた…

U氏「まったく、たいしたもんだ…」
F氏「だめだ…コイツ、ダメ人間だ」
O氏「この人…また、僕等のせいにするんですか?」
336 :続:2010/03/28(日) 12:15:52 ID:nSblXzIJ
U氏「僕達がそんな事して何の得が?」
F氏「そもそも、地球が嫌で堪らないからって亡命して来たんですよ?この人」
O氏「確か、僕等の星にも馴染めなくて『地球ソックリの平和な星を創ってくれ!』ってね?」

U氏「創ったはいいが、『俺様を不老不死にして、この星の神にしろ!』って言いだした…」
F氏「毎日好き勝手放題で…そして、ある日『ヒマツブシだ!』と言って大戦争を始めた」
O氏「星はメチャクチャになり『また創ってくれ!もっとスリルのある星にしろ!』と…」

U氏「今度は、また『平和な…』って言ってる…」
F氏「えー?また僕達が新しい星を創るの!?」
O氏「ほんの12000年前にその〈平和〉な世界をメチャクチャにしたばかりでしょ?」

U氏「また文句を言い出すなんて…だいたい、この人飽きっぽいんですよ」
F氏「僕は嫌だ!これ以上才能の無駄使いはしたくない!」
O氏「うん、創ってくれって頼むだけで、自分は何も出来ないクセに…」

U氏「そのくせ、7日以内に世界を作れ!とか命令して来るし…」
F氏「大洪水を起こしてサーフィンがしたいとか…変な所で、こだわりがね~」
O氏「………さて、もう帰りましょうか…」

巨大な円盤は太陽系を後にした…もう戻る事は無い。

この日、ワガママで平凡なおっちゃんが一人…自分は神なんだ!といつまでもワメキ散らしていた…

338 :創る名無しに見る名無し:2010/03/28(日) 15:25:27 ID:nSblXzIJ
ミスターミサイル

「私はミサイル君だ!皆に愛されているミサイル君だ!今日もみんなに激突だ!」
「そうすれば皆幸せになれると人間達は僕に教えてくれた…」
「ははははっみんな僕に向かって何か叫んでるぞ!」
「うははははっ皆楽しそうに走っているぞ!」
「鬼ごっこだな?よーし、まてー」

『うわあああああああああああああああああああああああああ』
『ドッカーン』
「はははは」
「命中!命中!」
「あれ?誰もいない!?街も無いぞ?」
「おーい???」
「一体どうなってるんだ?」
「…」
「ま…いっか次の星を探そう!」         
                     終わり

344 :創る名無しに見る名無し:2010/03/29(月) 16:45:32 ID:oRBo6+bN
ある患者

「調子はいかがですか?」
アール医師は午前中最後の検診の病室で声をかけた
「調子がよかったら、こんなところにいないよ」
患者は沈んだ声で面倒くさそうに答えた。
「はは、早く良くなるよう頑張りましょう」
「はて、この匂いはりんごだね。先生その袋のりんごどうしたんだい?」
「ええ、よく分かりますね。302号室の患者さんのお見舞いを分けて頂いたんですよ。」
患者はさらにつまらなそうな顔をして言葉を返す。
「そうかい、あそこはよく見舞に来るねえ。五月蝿くてかなわないよ。私の主人なんて入院以来一度も来やしない。」
「まぁまぁ、御主人も仕事で忙しいのでしょう、さぁ薬の時間ですよ。これを飲んで下さいね。」
アール医師は患者をいなして、薬を差し出す。
「こんな不味い薬は要らないよ」
「そういわずに、早く直す為に我慢して下さい」

何時もこんな感じて、アール医師のいう事を聞き入れようとしない。
先日も半日押問答で潰してしまったばかりだ
今日はさらに無理難題を言い出した。
「そうだ、先生そのりんごは赤いんだろう?私は生まれつきこんな目だ、色っていうのを見た事がない。私に赤いっていうのを教えておくれよ」
これにはアール医師も困ってしまった。色を知らない者に言葉で説明するなんて

「わはははは」
突然患者は大きく口を開けてわらいだした
「全く先生をからかうのは面白い、その間抜けな顔を見たらスッキリしたよ。今日はその不味い薬を飲むとするよ」
そういって患者は薬を飲み込んで、眠っていった。

アール医師はほっとしながらもグッタリして病室を出て行った。
「全く…獣医になって20年、自動翻訳機のお陰で動物の言葉が分かるのはいいが、犬は気難しいから苦手だ…」

348 :灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/01(木) 03:18:29 ID:2QXMihg4
『同じ星の住民』

男達が数人で搭乗型の掘削機を操縦して地質の検査をしていた。
検査は最終段階のため、これまでの検査結果の確認をしに直接人が地下で調査をする必要があった。
地上と地下の間の距離を表わすように、進む掘削機の外装は硬く厚い。
岩盤をゆっくりと削って抜けると大きな空洞に行き当たった。
空洞の中をライトで照らすと奥に人が二人立っている様に見えた。
警戒しながらも掘削機に乗ったまま少し近づくとやはり人がいた。
こんな所に生身で人が立っているわけがないとわかっている、男達は目の前にいるのは地底人だと考えた。
言葉が通じないかもしれないが、拡声器を使って離れたまま話掛けることにした。
「あなたは地底人ですか。我々は地上から来たのです」
向こうに立つ人はこちらと同じく拡声器らしいものを口に当ててしゃべった。
「地底には住んでいますが、その地底人と言うのはやめてもらえませんか。 我々はあなた方地上に
 住む人達を地上人とは言いません。どちらも同じ地球の住人同士、地球人でいいじゃないですか」
話してみると地底人、いや新しく出会った同じ地球人は友好的で博愛精神を持っていることがわかった。
「地底にはどのようなご用件で来られたのですか」
地質調査に来たのだったが、なぜ地質調査をしているのか理由も答えるべきだろうか。
調査をするのはここにシェルターを造って、有事の際に避難場所とするためだ。
だが、初めて会う地上人にも同じ地球人は仲間であると言ったのだ。
世が平和な内から、地上人達と地上人達の間で起きる非常事態を想定してシェルターを造ると言ったら、同じ地球人はどう思うだろう。

「シェルターを作るための地質調査をしに来たんです。ですが…」
男達は意見を一つにした。
「シェルターを造るのはやめることにします。それよりもシェルターを
 使わなくてもいいような社会を目指すべきだと考えなおしました。」
男達が考えを変えたことを同じ地球人達二人は喜んだ。
「我々二人もそれがいいと思いますよ。」
そして計画を白紙にした男達はまた掘削機で岩盤を通って地上へ引き返していった。
「地下より地上は広いから、いろいろな人がいるのでしょうけど地底に住む我々ともわかりあえるのだから地上に住む者同士わかりあえますよね」
「そうだといいんですけどね。地底から地上の様子はわからないけど、シェルターなんて造ろうとするぐらいですから地上は緊迫した状況になってるのかもしれません」
繁栄と滅亡を激しく繰り返す地上の地球人とずいぶん長いこと、同じ地球でお隣さんをしているのだ。
どれだけ希望を持っても、お隣のことは嫌になるほどよくわかっている。


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