自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

350 第261話 決戦への道標

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第261話 決戦への道標

1485年(1945年)11月28日 午前3時 ヒーレリ領クィネル

アメリカ北大陸派遣軍第2軍集団司令部では、深夜3時にもかかわらず、司令部要員の怒号や指示を仰ぐ声、新たな情報を入手し、それを読み上げる声が
ひっきりなしに響いていた。

「第42軍司令部より続報です!第78軍団は目下応戦中なるも、敵石甲部隊並びに、快速部隊の猛攻を受け損害続出、戦線の維持は極めて困難なり!」
「第79軍団には機甲師団がいただろう?それを回す事はできんのか?」

第2軍集団司令官であるドニー・ブローニング大将は、机に広げられた作戦地図を指さしながら、参謀長のコンスタンティン・ロコソフスキー中将に聞く。

「第79軍団も敵の猛攻を受けておりますので、第78軍団に増援を回す余裕は無いかと。」

ロコソフスキーは指示棒の先で第78、79軍団を記す駒を叩いた。

「両軍団は現在、推定でも1個軍相当の敵部隊の攻撃を受けています。このまま現地で防戦しても、あたらに犠牲を増やす上に、戦線の薄い所を突破されて
1個軍丸ごと包囲殲滅される危険があります。ここは、第42軍に遅滞戦闘を命じながら、敵の突破力を削ぎ落とさねばなりません。」
「参謀長の言う通りだが……しかし、何故シホールアンル軍は、いきなり攻勢に打って出たのだろうか。第42軍と対峙している敵部隊は、情報によれば歩兵師団で
構成された防御主体の部隊だった筈だ。」
「いつの間にか、防御主体の編制から、攻撃主体の編制に変わった、と言う事もあり得ると思います。」

作戦参謀のアレックス・ロー大佐が発言する。

「第42軍司令部からの報告では、敵の攻撃部隊は、強化型キリラルブスと、兵員輸送型キリラルブス……こちらでいう、ハーフトラック装備の機甲歩兵部隊を
主体とした、諸兵科連合部隊が主力となっていたとあります。それが第78、79軍団の各前線部隊の前に現れておりますから、敵はひそかに、歩兵師団から
石甲師団主体の部隊に入れ替え、我が方の主力が敵本土国境で戦っている隙を衝いてきたのでしょう。」
「これはまた、痛い時に来られた物だが……しかし、第42軍も防衛態勢を整えていた筈だ。それが、なぜあっさりと防衛線を破られそうになっているのだ?」
「もう少し、情報を集めない限りは、的確な判断が出来ませんが……推測は出来ます。」

ブローニングの疑問に、ロコソフスキーが答える。

「シホールアンル軍は、先のヒーレリ戦で、装甲と砲力を強化した発展型キリラルブスを投入しています。このキリラルブスは、シャーマン戦車の砲撃を正面から受けても
弾くほど頑丈であり、主砲は1600メートル先からシャーマン戦車の正面装甲を打ち抜き、パーシングでも300メートルの近距離ならば、やはり貫通が可能です。
現在、第42軍所属の戦車部隊の中に、パーシングを装備しているのは、第79軍団の第37機甲師団のみで、数も1個大隊、36両のみです。大半はM4シャーマンか
M3、M24軽戦車。その他に、M10駆逐戦車が多少混じっているだけです。」
「歩兵師団にも、一応は1個戦車大隊が配備されているが……相手は連隊単位でキリラルブスを投入しているから、どうしても数では不利になる。となると、敵は十分な
石甲戦力を活用して、歩兵部隊主体の戦線を突破できる……と言う事か。」
「ですが、この他にも疑問は残ります。」

ロコソフスキーは説明を続ける。

「今回の敵の攻勢ですが……敵が単に、部隊を入れ替えただけにしては余りにも数が多く、かつ、手際が良い。」
「……それはどういう事かね?」
「私の推測ですが……敵は、第42軍に対して、温存していた精鋭部隊を当てているのではないでしょうか。」
「精鋭部隊だと……どうして敵が精鋭部隊だと言えるのかね?」
「閣下。これまでの報告で、第7軍を初めとする本土侵攻部隊は幾度となく、敵石甲部隊と戦火を交えておりますが、報告を見る限り、敵は石甲部隊に、今では時代遅れに
なった短砲身型のキリラルブスを多数配備していようなのです。無論、長砲身キリラルブスもかなりいると思われ、少ないながらも、装甲強化型のキリラルブスとも、
いくつか交戦記録が残っています。ですが、敵は我々の進軍停止から、4カ月近くもの猶予期間を与えられていないがら、西部国境地帯の重要拠点を守る部隊には、
装甲強化型のキリラルブスを多く配置せず、“旧式”の短砲身型キリラルブスばかりを配備していた……私は最初、航空隊の戦略爆撃のせいで、新型キリラルブスの量産が
間に合わず、数が余っている旧型キリラルブスを穴埋めとして配置したのかと思っていました。」
「……ですが、参謀長閣下は、実際はそうではないとおっしゃられるのですか?」

ロー大佐の問いに、ロコソフスキーは頷く。

「あくまでも、推測に過ぎん。もう少し時間と、情報を入手しなければ、まだはっきりとした事はわからんが。」
「第42軍の報告を待つしかないな……」

ブローニングは渋面を浮かべながら呟いた。

「それに、敵の狙いも気になる。参謀長、君は、シホールアンル側がどこに向かうと思う?」
「………考えられる行動としては、まず、敵の侵攻部隊が西南方向に進撃し、西部方面にいる連合軍部隊と侵攻部隊本隊を分断する可能性が挙げられます。」

ロコソフスキーは、オスヴァルス方面からリーシウィルム方面にかけて、指示棒の先でなぞる。

「これをやられた場合、我が方は3個軍を包囲される恐れがあります。ですが、我々としてはむしろ、好都合と言えるでしょう。」

彼はそう言いながら、リーシウィルム東方にある5つの駒の周りを棒の先でなぞる。

「リーシウィルム東方には、戦略予備として温存している部隊がおります。シホールアンル軍が近付いてきたのならば、この戦略予備部隊を総動員して迎撃します。
この辺りは平野部と言う事もありますので、軍の一部に側面を衝かせて、ある程度の敵部隊を包囲殲滅する事も可能でしょう。」
「まさに、飛んで火に居る夏の虫ですな。」

ロー大佐がしたり顔でそう言い放った。

「……そうなればいいが、この場合、敵が得られるメリットは少ない。」
「と、言いますと?」
「まず、第1に……例え分断が成功したとしても、国境を攻撃中の第5、6、7、30軍とカレアント第13軍には、何ら影響を与えられぬままそのまま敵国本土の
奥深くに攻め入っていく。そして、第2に、待機していた予備軍に叩かれ続けられ、包囲成功は一時的な物にしかならず、逆に、敵は我が方に包囲殲滅される危険が
ある。まぁ、これは敵が戦略予備軍の存在を知らないことを前提にした物だから、あまり当てにはならんが……それから、第3の懸念として、敵が今では敵国領同然
ともいえる、ヒーレリ領を長距離にわたって行軍する事にある。」

ロコソフスキーは棒の先で、ヒーレリ領全体を撫で回す。

「ヒーレリ領の国民は、ほぼ全てが南部付近に避難しており、少し前までは首都であったオスヴァルスや、カイトロスク等の大都市はおろか、周囲の寒村ですら人は
全くいない。そんな中、占領地から延々と500キロ以上も行軍して、補給線を維持できると思うかね?」
「難しいかと思われます。」

兵站参謀のルイス・クリントン中佐が発言する。

「特に、冬季においては、補給量の維持は、全軍がほぼ自動車化された我が軍でさえ難事です。補給に馬車を多用しているシホールアンル軍では、補給量を維持するどころか、
線を確保できる事すら難しいでしょう。」
「それでもやるかもしれんが……閣下、私としては、敵がリーシウィルム方面、または、西部方面軍の分断を図るのは現実的ではないと推測します。」
「では……敵はどのように打って出るかね?」

ロコソフスキーの言葉に反応したブローニングは、更なる質問を飛ばす。

「こうなるかと………」

ロコソフスキーは、指示棒の先を、第42軍が布陣している辺りから、カイトロスク南方まで動かした。

「移動距離は、約300キロと、決して短くはありませんが……それでも、要塞線でミスリアル第1軍と睨み合っている部隊からの支援が期待できる上に、本命の本土侵攻部隊の
大半が国境沿いに前のめりになるような形で前進している今、リーシウィルム行きよりはかなりやり易い物になるかと思われます。」
「何たることだ……」

ブローニングの顔色が更に暗くなった。

「最も、これも推測に過ぎませんが……ただ、こちらのように動くのが現実的ではあります。幸か不幸か……この進み方は、先のリーシウィルム侵攻を予測した物とは異なり、
我が戦略予備軍を避けるような形となっております。」
「我々にとっては、不幸以外の何物でもないな。」

ロコソフスキーの説明を聞いたブローニングが吐き捨てるように言う。

「戦略予備軍がすぐに敵へ向かえないばかりか、敵に向かおうとしている最中に、カイトロスクに踏み込まれ、そこにある物資集積所を抑えられる可能性がある。それも、高確率で。」
「閣下、敵反撃部隊の規模に関しての情報は今の所、正確にはわかりませんが……」

ロコソフキーは指示棒で南下しつつあるシホールアンル軍の駒をつつきながら、自らの胸の内に浮かんだ言葉を口から吐き出していく。

「装備の整った1個軍が圧倒的に不利な状況に陥っている事を考える限り……敵は少なくとも、2個軍ないし、3個軍以上の戦力をぶつけて来たものと考えられます。」
「3個軍………」

彼の言葉を聞いたロー大佐が驚きとも取れる呟きを発する。

「仮に、敵が2個軍だけとしても、この2個軍は相当な練度と、優秀な装備を有している可能性が極めて高いでしょう。これでは、我が軍が“現状”のまま出撃し、敵の進出を食い止めようと
しても、航空支援が無い限り、容易に返り討ちにされるだけです。」
「参謀長閣下の言われる通りです。」


クリントン中佐が頷きながら言う。

「戦略予備軍として待機している第15軍と第29軍は、元々はシホールアンル西部国境の前線に投入される前提で待機していたため、燃料は豊富ですが、弾薬に関しては完全にカイトロスク集積所の
物を頼りにしています。一応、この2個軍は一定量の弾薬は有していますが、それも3日戦える分しかありません。満足に戦えるようにするには、4日間程待機し、カイトロスクとは別の物資集積所を作り、
そこに弾薬類を運ばなければいけません。」
「だが、それまでにカイトロスクが占領されてしまえば、前線で戦っている我が連合軍地上部隊はたちまち、燃料、弾薬の補給を受けられなくなる。そうなれば、敵の逆襲を受けて危険な状態に
陥りかねない!ここは、弾薬の備蓄量には目を瞑り、第15軍と第29軍が総出で反撃に出れば、敵の攻勢はなんとか食い止められるのではないか?」

作戦参謀のロー大佐が、慎重策を唱えようとするクリントン中佐に強い口調で問いかける。

「交戦開始から3日間で敵を撃退できる保証はありますか?作戦参謀、貴方も合衆国軍人ならば、兵站の大切さがよく分かっている筈ですぞ。いくら強力な軍勢を敵侵攻軍の前に部隊を配置しても、
弾が無ければ敵に蹴散らされるだけです!ここは、戦略予備軍の補給体制が確立してから、敵に対する反撃を行うべきです!」
「第42軍は敵と防戦中で、カイトロスクへ後退しようにもできない状態にある。カイトロスクに弾薬がたんまりとあるのなら、第15軍と第29軍をすぐに急行させれば良い。敵がカイトロスクへ
来るのならば、そこで迎撃すればいいだろう。」
「しかし、カイトロスクへ向かう街道は、この一連の悪天候のために大部隊での通行が難しい状態にあります。現在、工兵隊が24時間体制で交通状態の確保に当たっておりますが、降雪は数日前よりも
多く、今では吹雪同然です。こんな状況で軍規模の部隊を一気に送る事は、不可能ではありませんが難しい事に変わりありません。」
「だがな、兵站参謀……敵が第42軍を圧倒している以上、いつ戦線崩壊が起きてもおかしくはない。そうなれば、敵は一気にシホールアンル領侵攻部隊の背後に回り込んでしまう。そうならん内に
戦略予備軍を送るべきだ。例え、事故が起きてもだ!」
「いえ、私は反対です!事故が起きれば事態は尚更酷くなります!」

ロー大佐は睨み付けながらクリントン中佐に言うが、クリントン中佐も負けじとばかりに反対する。

「カイトロスク周辺に進出できる道路の数は、工兵隊が急造した物も含めて4本しかありません!そのうち、2本は積雪で通行不能になっており、後の2本は、工兵隊の努力のおかげで辛うじて通行状態が
可能な程度に維持出来ているだけであり、大軍が移動するには些か不向きな状況です。そこで無理に行軍を行い、事故でも起こそうものならば、進撃路を阻まれた戦略予備軍は、カイトロスクへ向かわぬまま
道路の真ん中で立ち往生してしまいます。そうなれば、カイトロスクへの増援はおろか、敵の側面を衝く事も難しくなります。」
「だが、こうしている間にも、敵は着実に前進を続けている。ここは多少の無理を承知で行動を超こすべきだ!」
「……何度も申し上げますが!」
「2人とも熱くなるな。」

互いに譲らぬ議論が、横から入った声によって中断された。


「君達は、敵がカイトロスクへ侵攻すると頭から決めてかかっているようだが、連中が私の予想通りに進撃するとは限らん。それに、戦闘はまだ始まったばかりだぞ。」

ロコソフスキーが言うと、クリントンとローは済まなさそうに一礼してから口を閉じた。

「司令官。彼らはああ言っておりますが…やはり、、もうしばらく様子を見たほうが良いと考えます。」
「様子を見るだと?第42軍が押しまくられているこの状況でか?」

その提案を受けたブローニングが眉をひそめる。

「状況が余りにも不明瞭すぎます。確かに、敵がカイトロスク方面を向かう可能性は少なくありませんが、同時に、リーシウィルムに向かうとも限りません。軍事的な観点から言えば、
後者はあり得ないかもしれませんが……相手はシホールアンル軍です。我々の常識で考えてはいけません。」
「しかし参謀長閣下!戦略予備軍は前線部隊の危急を救うために編成されております!戦場は想定した物とは異なりますが、今を置いて、行動する時は無いと愚考いたしますが……」
「ああ、それこそ愚考に過ぎんぞ。」

ロコソフスキーはあっさりと言い放った。

「作戦参謀。貴官は軍司令部の作戦立案を担当する身だ。作戦を考えるからには、常に冷静にならなければいかんはずだが、君は今、第42軍担当区域の戦線崩壊……ひいては、カイトロスクの侵攻に
伴う様々な悪影響を恐れるあまり、知らず知らずの内に感情的になっている。少し、頭を冷やせ。」
「!!」

ロー大佐はその言葉を受けるや、目を見開いた。
ロコソフスキーはしばしの間、ロー大佐の顔を見つめ続けた。

「………失礼いたしました。参謀長閣下の言われる通り、些か慌てておりました。」
「それで良い。常に、冷静になれ。」

ロコソフスキーは軽く頷きながら言うと、顔をブローニングに向けた。

「司令官。第42軍からもう少し情報を集めましょう。今は1にも2にも、情報が必要です。」
「君の言う通りだな。」

ブローニングは深く頷いたが、その顔は相変わらず、苦悩に満ちていた。


「それにしても、敵がどこへ向かっているのかがわからんと、こっちもどうすれば良いか分からん物だな。リーシウィルムに行くのか………それとも、カイトロスクへ回るのか……」
「カイトロスクへ行かないとなると、後方ががら空きのままになりますな。せめて……カイトロスクへの出入り口となるクヴェキンベヌには有力な部隊を配置したい所です。」

クリントン中佐がそう言いながら、右手の一指し指でカイトロスクから北方6キロにある地名をなぞった。

「クヴェンキンベヌはカイトロスクへ続く唯一の道が繋がっているからな。カイトロスク周辺は思ったよりも悪路が続いていて、攻撃側はここを抑えん限りカイトロスクに簡単に
行けなくなる。行くとすれば、クヴェンキンベヌを大きく西に迂回してからになるが……迂回路は150キロ以上もの長い細道だ。」

ブローニングが地図に指をさしながら説明する。

「実質的に、クヴェンキンベヌを制する者がカイトロスクを制すると言っても過言ではない。」
「となりますと……早急に部隊を送りたい所ですな。クヴェンキンベヌには憲兵しかおりませんし。」

クリントンがそう言いつつ、目で部隊を送れる余裕がある軍を探す。

「第42軍は例外だな。あそこから軍を引き抜こうものならば、即戦線崩壊だ。」

ロー大佐が左手を振りながらクリントンに言う。

「戦略予備軍も、道路の都合上……即座に動けない。送るとしても、敵の侵攻までに2個師団遅れれば上出来でしょうな。」
「その2個師団をどこに配備するかによって、迎撃作戦の様相が異なってくる。また、どの部隊を送るかでも状況は変わって来るぞ。」

ロー大佐の言葉に、クリントン中佐はしばし考えてから答える。

「機甲師団は……突破戦に必要な上に、防御には些か不向きです。となれば、歩兵師団が最適でしょうな。我が軍の歩兵師団は、実質的に自動車化師団のような物ですから、トラックや
ハーフトラック等で迅速に運ぶことが出来ます。」
「完全充足の2個師団を派遣か……しかし、2個師団だけで足りるのかね?」

ロコソフスキーがすかさず質問する。

「2個師団の内、1個師団はクヴェンキンベヌに置く必要がある。となると、残り1個師団はカイトロスクに置くしかない。」


「……この2個師団は自然と、敵に包囲される事になりますな。」

ロー大佐が唸りながら言う。

「そうだ。しかも、敵は何倍もの兵力を動員しているだろう。特に、クヴェンキンベヌの部隊は弾薬、食料の補給が切れた状態での戦いを余儀なくされる。そこに力押しで来られれば……
結果は自ずと見えて来る。」
「そもそも、戦略予備軍は敵機動集団の反撃を側面から衝き、敵の攻勢を頓挫させることを目的として編成されております。そのためには、多くの兵力を必要とします。その戦略予備軍から
部隊を抽出するのは、反撃開始時に兵力不足と言う問題を抱える事になりはしませんか?」
「言われてみれば……」

ブローニングの顔がより険しくなる。

「レースベルン軍とグレンキア軍はどうでしょうか?」
「第23軍と第12軍の事かね?この部隊も、第41軍と第44軍の機動予備として展開している部隊だ。前線の逆侵攻に備えるためには、ここから動かす事は難しいが……」
「閣下、全部隊を引き抜くのではありません。せめて3個師団程を抽出すればよいのです。」

戦力の抽出を躊躇うブローニングに対して、ロー大佐が促すように言う。

「待って下さい。同盟軍部隊は我が軍と違って、兵站の面においてはいささか不安があります。それに加えて、レースベルン軍とグレンキア軍の部隊は練度に置いても不安が否めない点もあり、
攻撃には使えるでしょうが、数十個師団の敵に包囲されるような極限状況に耐えられるとは、彼らには悪いですが……私はとても思えませんな。」

クリントン中佐がロー大佐の案に異を唱えた。

「では……すぐに動けそうな部隊は第18空挺軍しか無さそうだな。」

ロコソフスキーは、地図上のとある駒に視線を向けた。
第18空挺軍は、2日前に前線から後方のオスヴァルスに休養のため移動していた。

「確かに。第18空挺軍は練度も高いですからな。」
「……作戦参謀。カイトロスクとクヴェンキンベヌを守るとしたら、どれぐらいの兵力が必要になるかね?」

ブローニングがすかさず問い質す。

「最低でも3個師団は欲しい所です。」
「3個師団か……」
「第18空挺軍は第10空挺軍団と第11空挺軍団で成っていますが、練度の最も高い第10軍団は2個師団と1個旅団と、少々足りませんな。」
「もう1つの第11空挺軍団は2個師団か……転用するとなると、第10軍団の方が適しているようだが、最後の部隊は旅団規模だからな。せめて、あと1個師団欲しい所だ。」

ブローニングはそう言いながら、地図上に置かれた友軍部隊の駒を眺め回した。

「第18空挺軍から戦力を転用するにしても、カイトロスクへ向かう街道を確保し続けなければなりません。第42軍の状況からして、敵の攻勢に長期間耐えられる事はほぼ不可能です。」
「作戦参謀、そうなると……戦力の転用は即座に行わなければならんが。」

ブローニングがロー大佐に言う。

「無い物ねだりしても始まらない。ここは、第10空挺軍団を早急に送り、クヴェンキンベヌとカイトロスクを確保する事を決めたいと思うが……諸君、どうかね?」

ブローニングは、幕僚達を見まわしながらそう問いかけた。

「作戦参謀、何かあるかね?」

ロコソフキーが、ロー大佐に顔を向けて聞く。

「……現状では、それ以外に方法は無いかと思われます。」
「小官もその案でよろしいかと思います。第10空挺軍団は前線に近い所に布陣して居た事もあり、弾薬も相当量保持しておりますから、防御主体で行くのならば、軽く1週間……
長ければ2週間は耐えられるでしょう。最も、敵が予想以上に強ければ、この予想は外れるかもしれませんが。」
「閣下、私も異存はありません。」

ロコソフスキーが一段と張りのある声音でブローニングに言った。

「決まりだな。」

ブローニングは深く頷くと、命令を伝え始めた。


「では、第10空挺軍団にカイトロスク・クヴェンキンベヌへの移動を命じよう。それから、第42軍には極力、遅滞戦闘を行いつつ、最低3日はカイトロスク-オスヴァルス間を結ぶ街道の
確保を命じよ。ここを取られれば、敵の反撃は成功したも同然になる。」
「……しかし閣下。第42軍は現在、必死の防戦に当たっている最中です。ウェリントン街道(カイトロスク-オスヴァルス間を結ぶ街道の綽名である)を確保し続ける余裕は無い物と思われますが。」
「だが、やらねばならん。敵も無茶をしてきているんだ。ならば……こっちも無茶をせんといかん。第42軍の将兵には申し訳ないが……ここは踏ん張ってもらうしかないだろう。」


午前4時 ヒーレリ領クィネル

しばしの間休憩を取るため、ロー大佐と共に作戦室から退出したロコソフスキーは、淹れたてのコーヒーが入った紙コップを片手に休憩室まで足を運んだ。

「4時ですか……どうも、時間の流れが曖昧な感じがしますな。」
「曖昧と感じるだけ幸せだろう。」

ロコソフキーはコーヒーを啜ってからロー大佐に言う。

「第42軍の将兵達は、苦しい状況の中で戦っている。恐らく、彼らは一秒でも早く、この大苦戦から逃れたいと思っているだろう。彼らの中で流れる1分間は、俺達が今感じている1分間とは
全く異なる物となっている筈だ。」
「……その彼らに、自分らは酷な命令を下してしまいましたな。」

ロー大佐は浮かぬ口調でロコソフスキーにそう告げる。

「今は戦争をしているんだ。どこかの部隊が死力を尽くして戦わん限りは、勝利は望めない物だ。指揮官たるもの、時には心を鬼にする事も必要だよ。」
「……何はともあれ、やるべき事は決まりましたな。」
「ああ。第42軍には、何としてでも街道を守り切って貰いたい。航空支援があれば、ここまで苦労する事もなかったのだが……この際、やむを得ん。」
「勝つためには仕方ない事……なのでしょうね。」

ロー大佐の吐いた言葉に、ロコソフスキーは2度頷いた。

「………作戦参謀。第42軍を襲っている部隊だが…もしかして……」

急に、ロコソフスキーの語調が変わり始めた。

「参謀長。何か思い当たる事でも?」
「いや、これは今しがた思い立った事なんだが……今後の情報で、第42軍を襲っていた部隊が、今まで温存されていた敵地上軍の主力部隊だとしたら、第42軍の苦戦もわかるが……
これは同時に、連中に致命的な損害を負わせられる機会が俺達に巡って来たともいえるかもしれん。」
「致命的な損害ですと?参謀長閣下、唐突にそのような事をおっしゃられても……」
「馬鹿者。よく考えてみろ。」

ロコソフスキーは胸ポケットから手帳を取り出し、ペンで簡単な地図を書き始めた。

「合衆国軍はこのように……東に向かって進んでいるが、敵はその背後を衝くような形で第42軍を襲った。第42軍が目下苦戦中なのは周知の通りだが……この伏兵集団が、
シホールアンルにとって切り札とも言うべき装甲集団であったならば……そして、こいつらを包囲殲滅できれば、あとはどうなると思う?」
「………戦線の維持は不可能になり、前線はより奥へ押し込まれていきますな。」
「そうだ。そして、その果てにあるのは敵の本国……ウェルバンルだ。」
「なるほど……つまり、参謀長閣下は、温存していた敵精鋭部隊がのこのこ出張ってきたかもしれないと思われるのですな。となりますと……我が軍の現有戦力で、この敵精鋭部隊を
果たして包囲できるのでしょうか。」
「……今は真冬という事もあるし、戦略予備軍の準備が整い、反撃を行っても……敵の狙いは潰せるかもしれんが、敵を包囲殲滅できるかと言われれば、難しいかもしれん。」

ロコソフスキーは渋面を浮かべ、ペン先で紙面を叩きながら言う。

「さっきも話した通り、まずは1にも2にも情報が必要になるが、第42軍の苦戦ぶりからして敵がかなり強いという事は容易に想像できる。ここで判断するのは早すぎるかもしれないが、
私としては、この敵が敵主力であると考えている。だから、この敵主力を叩き潰すのは、並大抵の事ではない。では……どうするべきか。」
「動員可能兵力は、第15軍と第29軍の10個師団です。総兵力は17万程になります。歩兵師団は自動車化されており、機甲師団も4師団配備されていますから強力な布陣と言えますが……
例の伏兵集団は2個軍ないし、3個軍で攻め立てている事も考えられますから……攻撃しても一進一退の攻防を繰り返すだけですな。」
「ほかに使えそうな部隊は無いかね?」

ロコソフスキーの問いに、ロー大佐はしばらく考え込んだ。

「……第5水陸両用軍団はどうでしょうか?」
「第3海兵師団と第5海兵師団か。」

「ええ。この2個師団は強襲上陸専用師団となっていますが、第3海兵師団は陸軍の機甲師団並みに機械化されている上、第5海兵師団も師団直属の戦車大隊を有しており、駐屯地には迅速に
移動できるようにトラックも配備されています。実質的に、1個機械化歩兵師団と1個自動車化師団があるのと同じ状況ですな。」
「ほほう……どうにかこの2個海兵師団を使えない物かな。」
「そうなると、太平洋艦隊司令部と海兵隊司令部に話を通さないといけなくなります。あと、第5水陸両軍団の直属司令部である第5海兵遠征軍司令部にも話を付ける必要があるかと。」
「司令官は確か、ホーランド・スミス将軍だったか……私は会った事ないが、相当気性が荒いと聞いているぞ。話を持ち掛けたら何か文句を言ってこんかね?」

ロコソフスキーは不安気な口調でロー大佐に聞く。

「文句を言われても別に構わんでしょう。ここが勝負所だと説得すれば、スミス将軍も理解してくれる筈です。」
「確かにな……あと、他に使えそうな部隊は無いかな。」
「合衆国軍の中では……この2個海兵師団以外は難しそうです。となりますと、同盟軍の部隊に動いてもらうしかないでしょう。」
「同盟軍か……すぐに確認を取らねばならんな。」

ロコソフスキーはそう言ってから、慌ただしく手帳をポケットの中に戻し、席から立ち上がろうとした。
ふと……彼の頭の中に何かが閃いた。

「………出来るだろうか。」
「と、申しますと?」
「ん?」

ロコソフスキーは、急に声をかけて来たロー大佐を見て怪訝な顔つきを浮かべたが、それはロー大佐も同じであった。

「今、参謀長閣下は出来るだろうかとおっしゃってましたが……やはり、反撃を行うのは難しい事でしょうか。」
「ああ、いや、そうではないんだ。」
「……では、何か別の事を考えていたのですか?」
「別の事、とは言えんな。」

ロコソフスキーは苦笑した。それを見たロー大佐は更に首を傾げた。

「作戦参謀。第15軍と第29軍の各師団が保有している野砲や自走砲、ロケット砲の総数を調べたいんだが、これは兵站参謀にでも聞いた方がいいかな。」


「それがよろしいかと。しかし、なぜ野砲とロケット砲の数を調べるのでしょうか?」
「ああ……少しばかり古巣にいた時の事を思い出してね。」

ロコソフスキーは、どこか懐かしむような口調でロー大佐に言った。

「参謀長。それに作戦参謀もここにいらしたんですか。」

休憩室の入って来た通信参謀が、2人を見るなり頓狂な声を上げた。

「やぁ通信参謀。君も一服しに来たのかね?」
「ええ。すいませんが、お邪魔します。」

通信参謀はそそくさと室内に入ると、胸ポケットから煙草を取り出して火をつけようとした。

「そう言えば……先ほど司令部に、太平洋艦隊司令部から通信がありました。」
「ほう。何と言ってきたんだ?」

ロー大佐がすかさず問い質す。

「第5艦隊は予定通り、目的地に向けて出港するとの事です。」
「予定通りか。海軍さんも動き出したか。」

ロー大佐が何気ない口調で言葉を吐き出す。

「海軍は昨年の復讐をとばかりに、シェルフィクルを攻撃するようですが……上手く行くといいですね。」
「上手くいって貰わんと困るさ。でなきゃ、負担が減らない。特に前線の兵士はな。」

ロコソフスキーの軽いジョークが室内に響き、2人の幕僚は微かに微笑んだ。

11月28日 午前8時 シホールアンル帝国首都ウェルバンル

リリスティ・モルクンレル大将は、この日の8時に総司令部に出勤した。
執務室に入る前に、彼女は背後から誰かに呼び止められた。

「おはようございます。次官。」
「おはよう、情報参謀。」

リリスティは何気ない口調でそう返しながら、後ろに体を向ける。
総司令部情報参謀を務めるヴィルリエ・フレギル大佐が、右手に1枚の紙片を持ちながら歩み寄ろうとしていた。

「出勤早々で申し訳ありません。報告したい事がありますが。」
「ちょっと待って、中でやりましょう。」

リリスティはドアの向こう側に右手の親指を向けながら、執務室に入っていく。
ヴィルリエもそれに続き、入るなりドアを閉めた。

「それで、報告とは?」
「ん。これかな。」

ヴィルリエはキセルをくわえながら、リリスティに紙片を手渡した。
彼女はその紙片に書かれている文を読み、短いため息を吐いた。

「リーシウィルムのアメリカ機動部隊が、遂に動き出したか……」
「報告は第4機動艦隊にも行っている。今頃は敵艦隊襲来に備えるため、出港準備を整えている頃だろうね。」
「今度の海戦は、第4機動艦隊にとって最も厳しい物になるかもしれない………それでも、出撃を命じなければいけないとは。」
「まぁ、相手の面子がねぇ……」

リリスティが浮かぬ顔で呟き、ヴィルリエも半ば諦めたような口調で言う。

「でも、集められるだけの戦力は集めた。必要な場合は、リリィにも交渉してもらったし、あの地方の戦力は、現状の帝国の戦力でいうと破格と言ってもいいよ。」

「あとは、戦いに臨む戦士達の奮闘を祈るだけか……待つだけというのが、後方勤務者の辛い所ね。」
「そうかな?別に辛いとは思わないけど。」

ヴィルリエは特に感情のこもらぬ口調で答えた。

「まぁ、リリィは少し前まで前線勤務だったからね。そう思うのも仕方ないかな。」
「どうもね……落ち着かなくなる。」

リリスティはため息を吐きながら、ヴィルリエに言う。

「竜母は、揃えられる限りは揃えられた。正規竜母の数は少ないけれど、それでも大小18隻。艦隊航空戦力は900以上……これに陸上基地のワイバーン、飛空艇、計540ほどが加わる。
昨年の戦いと比べて、それに近い数の航空戦力を揃えられたのは、今の帝国の状況から行ってまさに奇跡と言っていい。」
「でも、昨年と違ってあちらさんの数も多い。空母も最低、20隻は下らないし、質も大幅に上がっている。どっちにしろ……多くの血が流れるのは避けられないね。」
「ヴィル……一応、私たちはやるべき事は全てやり尽した。あとは、ムクの率いる艦隊が勝つ事を祈るしかない……」

リリスティは、語調に悲壮な響きを含ませながら言う。

「戦神よ……そして、これまでの戦いで散っていった英霊よ……どうか、第4機動艦隊にご加護を………」
「リリィ……」

ヴィルリエは、両目を紡ぎながら祈りの言葉を告げるリリスティを見るなり、口から出かけた言葉を飲み込んだ。

(リリィ……豪放磊落と言ってもいい性格の持ち主の貴方が、こうまでするなんて……それほど、貴方も精神的な余裕を無くしているのね)

ヴィルリエはそう思いながら、リリスティの後姿を見つめる。
いつもは大きく見えたその姿も、この時ばかりは異様に小さく見えていた。

同日 午前8時20分 リーシウィルム

「出港用意!」

第5艦隊旗艦である戦艦ミズーリの艦橋内に、艦長の号令が響く。
この号令に反応した艦首の水兵達が手早く動き回る。
程無くして、艦首部から垂らしていた錨が駆動音と共に艦首に巻き上げられていく。
第5艦隊司令長官フランク・フレッチャー大将は、雪の降りしきる中、防寒着を身に着けた状態で環境の張り出し通路に出ていた。

「見事なまでに大雪だな。ここから1キロしか離れていないリーシウィルム港が霞んでいるぞ。」
「衝突事故を落とさぬか心配ですな。外海に出れば、気象も少しはマシになるのですが。」

航空参謀のホレスト・モルトン大佐の言葉に、フレッチャーは首を振りながら答える。

「事故対策は取ってあるから、何とかなるだろう。」

フレッチャーは左舷側に顔を向けた。
ミズーリから800メートルほど離れた海域を、複数の影がゆっくりと過ぎ去っていく。
その中の1つは一際大きい。
形からしてエセックス級空母のようである。その空母が、一定の間隔を置いて点滅を繰り返している。

「第2任務群のレンジャーが出港していきます!」

見張り員は、その空母から発せられる発光信号を読み取り、すかさず艦橋に報告する。
第2任務群の出港は程無く終わった。

第5艦隊は、この日の早朝より、主力部隊である第58任務部隊が出港を開始していた。
最初に出港したのはTG58.3であり、その次にTG58.2が続いた。
TG58.2の出港が終わると、ようやく、TG58.1の出番となった。
ミズーリの艦深部の唸りが徐々に高まっていき、ミズーリ以外の各艦もまた、出港を機関音を唸らせながら出港の時を待つ。

やがて、TG58.1の先導駆逐艦が最初に出港を開始した。
この駆逐艦4隻は、43年より続々と就役し始めたアレン・M・サムナー級駆逐艦の姉妹艦である。
先導艦が動き始めてしばらく経ってから、重巡洋艦ヴィンセンスと軽巡洋艦ビロクシーが艦を前進させる。
更に軽巡モントピーリアが出港を開始した後、任務群の主役である正規空母がゆっくりと前進していく。

最初に動き出した空母は、今や米海軍の標準空母とも言える、エセックス級空母のランドルフである。
ランドルフには、第58任務部隊の指揮官を務めるフレデリック・シャーマン中将が座乗しており、マストに将旗を掲げていた。
ランドルフに続いて、フランクリンが後を追っていく。
しばらくして、ランドルフ、フランクリンよりも一際巨大な空母が、ゆっくりと動き始めた。

「リプライザルも動き始めたか……」

フレッチャーは、目の前を行く巨大空母の名前を呟く。
今年より太平洋艦隊に配備され始めた、リプライザル級正規空母のネームシップ、リプライザルは、降雪下で視界が悪いのにも拘らず、
エセックス級とはひと味もふた味も違う存在感を滲ませながら、威風堂々と外海に向かって行った。
その後に、軽空母のラングレーが主人に仕える従者のように、雪で白く染まった飛行甲板を見せつけながら続行していく。

「出港!」

艦長の号令が響いた直後、それまで機関の圧力を高め、じっと待機していたミズーリがゆっくりと動き始めた。

「遂に出港か……」

フレッチャーはぼそりと呟く。
ミズーリが動き始めた直後、左舷側500メートルに位置している僚艦ウィスコンシンも行動を開始する。
2隻のアイオワ級戦艦は、ここ数日以来続く大雪で、艦隊の所々を白く彩られていたが、それがかえって、この2隻の巨大艦の威容を周囲に強く見せつけていた。

TG58.1が出港を終えた後も、残った3個任務群は順繰りに出港を続けた。

午前11時50分、戦艦5隻を主力とする水上打撃部隊……TG58.7の出港を最後に、第58任務部隊の出港は終わりを告げた。

陸軍部隊が2正面で死闘を繰り広げる中、海軍もまた、自らの決戦場へ足を運びつつあった。

第2次レビリンイクル沖海戦 両軍戦闘序列

シホールアンル軍

第4機動艦隊(司令官ワルジ・ムク大将)

第1群
正規竜母モルクド ホロウレイグ
小型竜母ライル・エグ ゾルラー リテレ 
戦艦クロレク ケルグラスト
巡洋艦フリレンギラ ルンガレシ エフグ 
駆逐艦22隻

第2群
正規竜母マレナリイド プルパグント
小型竜母マルヒク ゴイロ・ブクラ 
戦艦ロンドブラガ マルブドラガ
巡洋艦オルトバイド ウィリガレシ ルィストカウト 
駆逐艦20隻

第3群
正規竜母ランフック クリヴェライカ
小型竜母マルクバ リョバリキス エランク・ジェインキ
巡洋戦艦マレディングラ ミズレライスツ
巡洋艦レイヴァリス フィキイギラ イシトバ
駆逐艦16隻

第4群
小型竜母クラボ・ルィク アンリ・ラムト リフクラナ
戦艦フェリウェルド フィレヴェリド クリヴェンシュ 
巡洋艦ラビンジ シンファクツ キャムロイド マミラ・ルィシク フラミクラ
駆逐艦21隻

航空戦力960騎

陸軍第607混成飛行集団

第661空中騎士軍
第331飛空艇軍

ワイバーン320騎
飛空艇220機

計540騎


アメリカ軍

第5艦隊司令長官フランク・フレッチャー大将(旗艦ミズーリ)
第58任務部隊 司令官フレデリック・シャーマン中将(旗艦ランドルフ)

第58任務部隊第1任務群
正規空母リプライザル ランドルフ フランクリン
軽空母ラングレー
戦艦ミズーリ ウィスコンシン
重巡洋艦ヴィンセンス ボルチモア
軽巡洋艦ビロクシー モントピーリア サンディエゴ
駆逐艦22隻
(搭載機 リプライザル F7F32機、F8F48機、F4U20機、AD-1A36機、S1A9機
     ランドルフ F8F48機、AD-1A48機、S1A12機
     フランクリン F8F48機 AD-1A48機 S1A12機
     ラングレー F8FN-1 16機 F8F12機 TBF7機)

航空戦力406機

第58任務部隊第2任務群
正規空母シャングリラ レンジャーⅡ アンティータム
軽空母タラハシー 
戦艦アラバマ
重巡洋艦セントポール ノーザンプトンⅡ
軽巡洋艦フェアバンクス フレモント デンバー
駆逐艦20隻
(搭載機 シャングリラ F8F48機 F4U36機 AD-1A16機 S1A10機
     レンジャーⅡ F8F56機 SB2C24機 TBF18機 S1A8機
     アンティータム F4U56機 SB2C24機 TBF18機 S1A8機
     タラハシー F6FN-5 8機 F8F24機 TBF8機)

航空戦力 362機


第58任務部隊第3任務群
正規空母ヴァリー・フォージ グラーズレット・シー サラトガⅡ
軽空母ノーフォーク
重巡洋艦リトルロック ピッツバーグ
軽巡洋艦ウースター ロアノーク ウィルクスバール メーコン
駆逐艦24隻
(搭載機 ヴァリー・フォージ F6F48機 SB2C24機 TBF18機 S1A10機
     グラーズレット・シー F4U56機 AD-1A42機 S1A8機
     サラトガⅡ F7F32機 F8F68機 AD-1A36機 S1A8機
     ノーフォーク F6FN-5 8機 F8F24機 TBF8機)

航空戦力 394機

第58任務部隊第4任務群
正規空母キアサージ レイク・シャンプレイン ゲティスバーグ
軽空母サンジャシント プリンストン
巡洋戦艦コンスティチューション トライデント
重巡洋艦デ・モイン
軽巡洋艦ガルベストン アムステルダム アンカレッジ デナリ
駆逐艦24隻
(搭載機 キアサージ F6F48機 F4U36機 TBF16機 S1A10機
     レイク・シャンプレイン F6F56機 SB2C24機 TBF18機 S1A8機
     ゲティスバーグ F4U56機 AD-1A42機 S1A8機
     サンジャシント F6FN-5 8機 F8F24機 TBF8機
     プリンストン F6FN-5 8機 F8F24機 TBF8機)

航空戦力 402機

第58任務部隊第5任務群
正規空母キティーホーク オリスカニー モントレイⅡ
軽空母ロング・アイランドⅡ ライト
重巡洋艦カンバーランドⅡ ボイス
軽巡洋艦サヴァンナⅡ ブレマートン スポケーン メンフィス
駆逐艦24隻
(搭載機 キティーホーク F8F48機 F4U48機 AD-1A36機 S1A12機
     オリスカニー F4U56機 SB2C24機 TBF18機 S1A10機
     モントレイⅡ F6F56機 SB2C24機 TBF18機 S1A10機
     ロング・アイランドⅡ F6FN-5 8機 F6F24機 TBF8機
     ライト F6FN-5 8機 F6F24機 TBF8機)

航空戦力 440機

第58任務部隊第7任務群
戦艦モンタナ イリノイ ケンタッキー マサチューセッツ サウスダコタ
重巡洋艦セイレム シカゴ アストリア 
軽巡洋艦ヘレナ フェニックス モントピーリア 
駆逐艦18隻

第5艦隊航空戦力 計2004機

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