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人外と人間

人外アパート 機械系人外×女の子 アンダーグラウンド 2

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アンダーグラウンド 2 903 ◆AN26.8FkH6様

列車から、黒いブルゾンを着た男がゆっくり降りてきた。
駅のホームを歩くその姿は典型的な量産型バイオノイドで、特に目を引くこともない平凡な姿をしていた。特徴といえば、他のバイオノイドよりも視界レンズが多いぐらいだ。通常一つか二つのところを4つ、特殊なレンズでも入れているのだろうか。バイオノイドは自己改造する者も少なくない。ファッション的にであったり、機能的であったり。
そいつは、やや曇ってきた空を見上げて傘を用意してくるべきかどうか迷っているようだったが、駅の階段を下りる途中にゾロゾロと一定方向を歩いていくバイオノイドの集団を見かけ、そちらを凝視した。顔に嵌っているレンズがいくつかジジッっとかすかな音を立ててスライドする。
バイオノイド達は揃いの作業服を着込み、これから就労という風情で雑談しながら歩を進めており、皆似たような造作で個々の見分けは今ひとつ人間には困難だ。
だが、黒いブルゾンのバイオノイドのレンズの一つには映りこむバイオノイド達の発する固体識別番号が星のようにはっきりと映し出され、本人の知らぬところで莫大なデータバンクと照合されていた。
チキリ。
かすかな音を立てて、レンズがさらにズームする。
脳内に映し出された画面の奥から、一体のバイオノイドが駅の方、むしろ黒ブルゾンを見た。
まっすぐに両者の赤いレンズ越しの視界が一瞬交差し、すぐに解ける。
様々な人種が歩く中、歩き出す黒ブルゾンの姿はすぐに人ごみの中に埋没して消えた。

「……」

青い作業用ツナギを着ていたバイオノイドは一瞬その場に立ち止まったが、口の中で「見間違いか」などと呟いて少し先を行く仲間達の所へ小走りにかけて行った。
胸のプレートには『多田』と書いてあった。



ありのままを愛してくれなくてもいい。というか端的に言うと別に全然愛されたくない。ただ少しばかりアレだほら、性欲処理と、そのついでに可愛い女の子が俺のことを全肯定してくれるのは気分がいい。向こうからの完全な一方方向、俺は何一つ彼女等に返すことはなく、ただその彼女らの薄っぺらい言葉にいい気分になってみる。いいね、何よりも楽チンだ。交流なんざ欲しくない。
だから、訳あり美少女(三次元)が家に転がり込んできたのは、非常に苦痛でしかないのだ。
誰か欲しいならくれてやるからどうか存分にもってってくれ。俺は彼女のフラグを立てる気は全くない。向こうが何故かビンビンに立っていて、むしろそのフラグは叩き折りたい。



「ショウ君は本当につまらない服しかないんだね……」

だから、三次元訳あり美少女リセきゅん(笑)に箪笥を勝手に漁られた挙句にそんな理不尽なセリフを投げられて、ちゃぶ台の上に置いたPCの前に胡坐をかいていた俺は思わず怒鳴った。

「居候のただ飯喰らいがうるせえ、男の服に面白さなんざ追求するな!」
「じゃあ言い換えるけど、本当にダサい服しかないんだね……」
「言い換えるんじゃねー?!!」
「こんなんじゃモテないよ、壊滅的だと思います」
「モテなくていいんだよ、心は二次元に捧げた。俺の嫁はフラットだから。むしろ三次元いらないから」
「うわ………」

何か虫を見るような目で見られた。

「それはそのう……ショウ君はあれですか、女の子をおにゃのことか呼称し、○○たんとか○○きゅんとか呼ぶ人ですか……。探せば抱き枕とか持ってますか……」
「抱き枕は持ってねえし、そんな頭のおかしい呼称で呼ぶのはネット内だけだっつーの、大体どこで仕入れたそこらへん、古すぎてギャグでしか使わねーよ基本!!」

その目つきは非常に気に喰わないが、これはこれでリセがこんな男と一緒に暮らせるかええい女将を呼べっ!とばかりにこの部屋を出て行ってくれれば万々歳なのに、

「じゃあなんで!なんではリセの事「りせたん」とか「りせきゅん」とか呼ばないの!いっつも
「おい」とか「居候」とか「ただ飯喰らい」とかひどい言い方ばっかり!」
「そっちに来たー?!!」

付き合いきれません。陵辱系エロゲでも卓上に摘んで置こうかまったくもう。

「大体なんかこう、普通聞くよねこれまでの経緯とか、今後の展開とか」
「は?」
「何で私があんな目にあってたかとか、こういう傷とか!」

箪笥を漁って引っ張り出してきたのだろう、俺のやや彼女には大きいTシャツの袖から差し出された細い手首には、今まで気がつかなかったがぐるりと一周する赤い裂傷が走っていた。
何か輪のようなものが手首に嵌まって付いたらしい傷だ。例えば、手錠とか?
だが断固として事情は聞かない、決してフラグなど立ててやるもんか。


「ぶっちゃけどうでもいい上に人のシャツを勝手に着るな、この料理下手居候失格」
「呼び方がどんどんひどくなる一方なのはどうかと思うよ、ショウ君!」
「悔しかったらせめてアビゲイルさんぐらい料理が上手くなれ、いやなってくださいお願いします。
あんな炭を出されて料理とか称されるのは食料に対する大いなる侮辱です」
「んな…っ!がんばってるのに!ご飯は無事に炊けてるじゃない!」
「米研ぐだけで三分の一流した女が何を言う!!!」

余談だが、このアパートはボロくて汚くて古くて壁が薄く、非常に家賃は安い。
そのせいか、人間以外の多種族も多く住み、俺の部屋の近くに住む何人かのカップルや夫婦はどちらかが大抵人外種だ。近くに住む学生と女の子のカップルなどは女の子が鎧である。あの、戦争などで着てたような鎧。リビングアーマーという種族らしいが、初めて見た。いやはや色んな種族がいるもんだ。黄色と黒が鮮やかな虫人間の男と女子高生カップルや、旦那が獣人系の新婚とか。
ちなみに件の鎧アビゲイルさんだが、中身は非常に女の子らしく、料理がべらぼうに上手い。別に三次元彼女という生物に魅力は感じない俺だが、あれだけは彼氏が羨ましい。前に彼女んちでドアスコープが割れてるのに気がついて声をかけたのが始まりで、たまたま手持ちのレンズで代用がききそうなので取り替えてあげたらお礼に晩飯のオカズを分けてもらった。しかし下世話な想像だが、鎧ってどうやってやるんだろうなあ…。

「ああもう、お前にかまってる暇はないんだ…。今日は遅番だからせめてレベルを上げておこうと思ったのに…」
「目の前に三次元美少女がいるのに、ゲームなんかに時間をついやすショウ君の脳を勝ち割りたい気持ちになってきたんですがどうしたら」
「レベル上げの重要性は全てを凌駕するね。今週中にはレッドドラゴン狩りに行かねばならんのだよ俺は」
「ショウ君、もしかしてホモ?」
「大きいのは無理だが、二次元ショタとふたなりと女装子ならカバーできなくはない」
「もう死ねばいいのにー」

モニター内でせっせとフィールドでモンスターを叩く俺の分身を操作していたら、ぽふっとやわらかな感触が背中にあたった。リセが抱きついてきたのだ。
やや肩口よりも下、シャツを通して非常に柔らかな感触が二つほど。

「ちょっと待て、何だお前」
「え?スキンシップを」
「そうじゃなくて、下着つけてないのか!」
「家の中だし、いいじゃない」
「よくねえよ、少しは遠慮しろよ他人の家だってわかってんのかお前は!」
「あ、焦ってる、かーわいいー」
「そうじゃねえよ、恥じらいとか身の危険とか少しは感じろボケ!ハゲ!レイプすんぞ!」
「はげてませんー。ボキャブラリー貧困ー。あとショウ君ちょっとインポテンツぽいよね。あ、でもねえ」

リセが、後ろから無理やり俺の片腕をひっぱってきて、背中に回そうとしてきた。変な角度がついて、左腕をキメられそうになった俺はしぶしぶリセの方へ身体を向けた。
左手が、そのままひっぱられて柔らかいものに当てられる。

「おっぱいとか、嫌いじゃないでしょ。さっき当てた時にビクッ!ってしてたもん」
「アホか、今すぐ元居たゴミ山に埋もれてこい、なんなら俺が埋めなおしてやる」

リセの手を振り払おうとした瞬間、リセが飛び掛ってきた。予想外の勢いで、俺はそのままちゃぶ台に頭をぶつけて後ろに倒れこんだ。ゴッと鈍い音がする。鈍痛がして、俺は慌ててリセをどかそうとした。彼女の両腕を掴んだ瞬間、その上にぱたぱたと暖かいものが落ちてくる。それは、俺の腕を伝わって下に転がり、畳にいくつかの水玉を作って消える。ぱたぱた、ぱたぱたと玉のように、暖かい何かはリセの目から転がり落ちてきた。
大きな黒目を濡らして、彼女は泣いていた。

「お、おい」
「なんでそんなに嫌いなの?」
「え?」
「私の事、そこまで嫌いなの?聞きたくない話したから、イヤイヤ泊めてるだけなの?」
「……」
「リセの事、何も聞いてくれないんだね。『イシオス』の事も」
「…………お前の事だけじゃねえ」
「……」
「俺は、お前だけじゃなくて、全部かかわりたくないんだ」
「……二次元だけ、好き?」
「どうかな」

本当は、多分つきつめて考えたら、二次元だっていらないぐらいだ。大切なものも好きなものも、本当は何もなくて、ただ何かを取り繕って、ギーグ野郎というパーソナルを演じているだけかもしれない。性欲だって、そんなものはいつだってカットできる。脳を少し弄れば、一生性欲を感じることだってないだろう。それをしない理由は、ないはずだ。
リセは、ロングTシャツと短パンというラフな格好のままで、俺の腹にちょこんとのったまま、まだ静かに泣いていた。彼女が泣いている理由なんか知るか。俺をそちらの事情に巻き込むな。

「あは……馬鹿みたい、私」

リセは、泣き笑いのまま、俺の上に覆いかぶさってきた。人のような唇のない顔に、柔らかな唇を寄せてくる。
ちゅっと軽く口付けられ、そのまま舐められた。ピチャリと音を立てて、赤い舌が俺の顔を嘗め回す。レンズを避け、硬くて冷たいだろう表面を一心に舐めるリセは猫のようで、俺はぼんやりとそんな彼女を見ていた。
彼女の小さな舌が首筋まで降りてきて、鎖骨にあたる窪みを舐めてくる。
シャツのボタンが外され、さらに舌が降りてくる。
手を引かれ、短パンの上に当てられた。そこは湿っており、少し押すと、ぬるりとした感触が指先に伝わってくる。さらに押すと、生地ごとぬるぬると沈んでいく。
リセが少し吐息をついた。俺のGパンのボタンに手をかけ、耳元で涙顔のまま囁いた。

「ね、…………しない?」
「したくない」
「酷いね、ここまで女の子がしてるのに」

だが泣き笑いのまま、リセの手は止まることがない。Gパンの前が外され、暖かい手が俺の股間を撫で回す。男の悲しい性で、その感触につい反応した。
こんな、泣き笑いのまま三次元美少女にのっかられて色々触られたり舐められたりとかだな。コレで反応しない男は何か別の生物だと思うね、俺は。
無性に、腹立たしくなった。

「きゃっ?」

強引に身体を起こし、腹の上にまたがっていたリセをひっくりかえす。
ころりと畳に転がった彼女のシャツを捲り、一度見た、形のいい小ぶりな胸の突起を左手で摘んでやった。

「あ……やぁ……っ」

反撃を予想してなかったのか、頬を赤らめて、フルフルと涙目のままリセが頭を横に振った。
それには構わず優しく先端をもみし抱きながら、右手で短パンの上から、盛り上がった恥丘の上を撫でた。太腿を撫で、尻を軽くつかみ、腹を撫でてやる。だが、一番湿ったそこだけは触らない。

「したくないって…さっき、言った、のに…ッ…」

それには答えない。
身を捩って俺の体の下から逃れようとするその身体を押さえつけながら、生地の隙間から、肌に指を這わせていった。

「ああ、したくないね」
「じゃ、じゃあ何でこんな……んんっ」

小さな身体は俺の執拗な愛撫にいちいち反応し、苦しそうな息の下でいう文句は途切れ途切れになっていった。俺のシャツにしがみついてくる体が、ビクビクと跳ね上がった。

「ヒ…ッ、あっぁあああッんんんッ!!」

ぬるぬると濡れた秘所に、呼び動作なく、指を二本ねじ込んでやる。すっかりリセ自身の愛液で濡れ、柔らかくほぐれていたその穴は、無理なくそれを飲み込んだ。動かすと、ぐちゅぐちゅと粘着質の水音が響く。

「壁薄いから、あんまり喘いでたら隣に聞こえんだろうな」
「ひど…っやっこんなの……ひどい、よ……」
「何がひどいんだ、お前を気持ちよくしてるだけだろうが」
「私だけこんなの……セックスなんかじゃ……やっあっあっ」
「腰振っといて、何今更言ってんだ。イカせてやるよ。それでいいんだろ?」
「バカァ…ッ」

ぐちゅり。ぐちゅぐちゅぐちゅ、にちゅにちゅ。

繰り返される水音と、リセの泣き声と、苦しそうな声を聞きながら、俺は奇妙な満足感を得ていた。
指を増やしてやり、腹の内側から擦り上げてやると、さらに悲鳴があがる。

「やだっ、やだやだやだぁ……ッ」
「俺はお前の事好きじゃないけど、お前だって俺の事、好きでもなんでもないだろ?」
「…こん、こんなの、ひどい、よ……ッ」
「『イシオス』に関わりたかったのか?とっくに廃棄された問題シリーズに?もっとも、お前の理由も、俺は聞きたくない。関わりたくない。色仕掛けも、いらない」
「ひぁっあっあっああああああっ」
「俺に、関わらないでくれ」

震えるその身体が、深く抉った瞬間大きく跳ね上がった。




早朝。
遅番から戻った部屋は無人で、ひどく静かだった。






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