宮崎日日新聞 激震口蹄疫へ飛ぶ(魚拓)



 口蹄疫問題で県は4日午前0時、えびの市の感染疑い1例目農場を中心とした家畜の移動制限区域(半径10キロ)と搬出制限区域(同20キロ)を37日ぶりに解除した。5月13日を最後に感染疑いが出ておらず、その後の清浄性確認検査でウイルスの痕跡も確認されなかったため。移動・搬出制限区域は鹿児島、熊本県を含む11市町村にまたがっていた。

 県などによると、制限解除の最終段階となる臨床検査を5月31日〜6月3日に実施。1例目農場から半径3〜10キロ圏の農家全407戸を対象に、牛や豚など9万8619頭を目視検査した結果、異常は確認されなかった。検査最終日の3日は、獣医師ら約20人が10班に分かれ69戸を巡回した。

 これに先立ち、半径3キロ圏内の農家を中心に5月24〜26日、牛から血液を採取し、動物衛生研究所海外病研究施設(東京)の抗体検査で陰性を確認。獣医師による豚の目視検査でも異常は見つからなかった。

 国の口蹄疫防疫指針では、最終発生例の殺処分を終えた翌日から21日間を制限期間に設定。えびの市の場合、最終発生例の殺処分は5月13日で、6月3日までが制限期間となっていた。移動制限区域には、えびの、小林市、鹿児島県伊佐市、湧水町、熊本県人吉市が、搬出制限区域には高原町、鹿児島県霧島市、さつま町、熊本県あさぎり、錦町、相良村が含まれていた。

 えびの市では制限解除に伴い、ウイルスの封じ込めから侵入阻止へ向けた防疫態勢へと転換する。

 同市の村岡隆明市長は「(終息は)市民が一体となって勝ち取ったもの。とにかく関係機関、農家、市民の皆さまの協力に感謝したい」と喜びを口にしながら、「県全体で終息しなければ意味がない。児湯地区に頑張れコールを送り、協力できることはしていきたい」と話した。終息努めていく

 【東国原知事のコメント】ご尽力、ご協力いただいた市町村、関係団体、農家、地域住民に感謝する。しかし、児湯地域では依然発生が続いており、引き続き防疫対策に全力を注ぎ、一日も早く終息を迎えられるよう努めていく。

(2010年6月4日付)


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防疫関係 6月
最終更新:2010年07月17日 05:26