一騎当千 XROSS IMPACT

【いっきとうせん くろす いんぱくと】

ジャンル 爆乳ハイパーバトル(アクション)
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 マーベラスエンターテイメント
開発元 タムソフト
発売日 2010年4月28日
判定 なし
ポイント 簡単操作で爽快感抜群の横スクロールアクション


概要

PS2ソフト『一騎当千 Shining Dragon』(以下『SD』)、PSPソフト『一騎当千 Eloquent Fist』(以下『EF』)に続く、『一騎当千』のキャラゲー第3弾。『EF』と同様の横スクロールアクションゲーム。

  • いち画面で数人ずつ、いちステージ全体で百人前後をバシバシ殴り倒す、爽快感重視の設計。敵の挟み撃ちや奇襲に軽く警戒しつつ、要領よくハイテンポにブチのめしていく…単純明快なベルトスクロールアクション。
    • 攻撃をヒットさせ続けることで「連撃」数がカウントされ、スコア倍率が増加、ボーナスも入る。必殺技や浮かせ技、HP消費技なども活用し、いかにヒット数を長く大量に繋げていくかがプレイの中心になってくる。
      • 各キャラは得点累計でレベルアップし、新たなコンボが解禁される、能力値(攻撃力や防御力)が増える、また攻撃の隙も減っていく。
    • 主な内容は「ストーリーモード(3編×3難易度)」「アーケードモード(各キャラ×3難易度)」「チャレンジモード(5レベル×10種)」。一枚絵、立ち絵、カットイン、ボイスを鑑賞できる「ギャラリーモード」もある。
  • 物語はアニメ第3期『Great Guardians』、本物の左慈元放との戦い後のオリジナルストーリー(ただし、アーケードモードはそれより前の時間軸の場合もある)。本作オリジナル闘士の阿斗が新登場。『SD』の貂蝉、『EF』の関平も続投する。
  • 基本的なシステムは前作と同様だが、いくつかの追加・変更点がある。

追加・変更点

アクション

  • プレイヤーキャラを2人同時に選べるようになった(通称 爆乳クロスランブル)。Rボタンで控えの闘士と入れ替われるほか、2人の闘気必殺技を同時に出す「合体闘気必殺技」が使用できる。
    • 控え側のキャラ(現在操作している側でないキャラ)はダメージを受けない。そのため、仮ダメージ(『モンスターハンター』でいう赤ゲージ部分)を安全に回復させることができる。
  • R+○ボタンを押すことで援軍キャラ(王允・呉栄・夏侯惇・孫権のうちあらかじめ1人を選択しておく)を呼び出し、援護攻撃をしてもらえるようになった(通称 援軍乱乳)。
    • 援軍キャラの選択方法は「プレイヤーキャラ確定画面の“戦闘開始”メニューを決定する際に、援軍キャラと対応するLRボタンを押しておく」というもの(通常:夏侯惇、R:王允、L:呉栄、L+R:孫権)。取説にも記されているが、少しわかりにくい。
    • 援護攻撃は「勾玉」を1つ消費する。勾玉は、ステージ中にあるものを拾って最大3個までストックできる。なお戦闘開始時点で最初から3つ揃っている。
  • 浮かせ技をヒットさせて敵を空中に吹っ飛ばした直後は、ハイジャンプが可能。さらにボタン入力で空中用の連続攻撃を繰り出せるようになった(通称 飛翔乱舞)。
    • これにより前作ではあまり意味のなかった空中戦を有効活用できるようになった。
  • 新たなザコ敵が追加された。
    • また、一部ザコの遠距離攻撃など前作で不満に挙げられやすかった部分も含め、ザコ戦のバランスが再構築されている。
  • ザコ敵編隊の中に青く光る「部隊長」が出るようになった。
    • 部隊長を倒さない限り、画面に配下のザコ敵が補充され続け、ステージ進行はストップする。軽い緊迫感を与える存在として、地味ながら効果的なアクセントになっている。
  • アドホック通信による、プレイヤー2名の同時プレイが可能になった。
    • ただしアーケードモードのみ。対戦ではなく、協力プレイ。

ゲームモード

  • アーケードモードで各闘士ごとにオリジナルのストーリーが展開されるようになった。
    • 巨乳キャラに因縁をつけて襲いかかる左慈(乱入キャラとしても登場するが、その際も「巨乳が憎い」と叫ぶなど暴走している)、「これは孔明の罠です!!」と発言する司馬懿、不思議な箱の影響で劉備萌えになってしまう成都の闘士諸君など、爆笑物のストーリーが展開される*1
      • 一方で典韋のシナリオはかなり暗い印象を受ける。ギャグに走りづらい設定のキャラではあるが、前述の司馬懿のシナリオでは司馬懿を振り回してギャグに走らせている張本人だったりする。
  • チャレンジモードが追加された。5レベル×10課題の全50問。課題は「○○人倒せ」「必殺技のみで倒せ」「ボス2人に同時にトドメを刺せ」「ノーダメージで進め」など。
    • ストーリーモード・アーケードモードが長丁場で爽快感重視なのに対し、こちらは人選や戦場を研究して短期決戦に挑む、いわゆる覚えゲーの傾向が強い。
    • ストーリーモード・アーケードモードでは稼ぎにくい「闘技点」がコンスタントに手に入る、という差別化もされている*2
  • アーケードモードの一部ステージ間にミニゲームが追加された。
    • タイミングよくジャンプし続ける縄跳びと、時間内に石像を壊すタイムアタックの2つ。前者は当たり判定がシビア、後者はスピードや攻撃範囲に劣るキャラがかなり不利で、プレイヤーからの評判はあまりよくない。
      • ただし、どちらのミニゲームも「クリアすれば多少のボーナスが入る」だけ。隠し要素の条件などでもないので、ミスしても問題はない。

キャラクター

  • 前作のキャラに加え、司馬懿などの本編で既に死亡している人物、馬謖などのマイナーなキャラも追加された。
    • ちなみにアーケードモードの馬謖は「私の名前を言ってみなさい!」などと自虐ネタに走る。
  • 倒された際のカットインが動くようになった。必殺技がトドメとなり衣服が剥げるカットインも同様。
    • 絵そのものは一枚絵なのだが、各パーツがなめらかに動くことでポーズを効果的に、違和感なく見せている*3。もちろん乳揺れもしっかり作り込まれている。
  • 操作キャラのグラフィックは、ジャンプからの着地時に胸が揺れるなど一見わかりにくい部分も変更されている。

その他

  • 名無しのザコ闘士も、闘気必殺技でトドメを刺すと衣服が剥げるようになった。
    • 男性のザコも。バカバカしい愉快さは出ている。
  • 特定の条件を満たす事で、ロード時にアニメ第2期『Dragon Destiny』風のアイキャッチ画面を見られるようになった。全キャラそれぞれに用意されている。

問題点

  • グラフィック全般で前作『EF』の使い回しが多い。
    • ステージ背景、プレイヤーキャラクター、ザコ敵、カットインなど、ほとんどの部分で当てはまる。
  • 前作よりも改良されてはいるが、まだザコ敵の種類が少ない(色違いが多い)と感じやすい。
  • HPゲージがやや見づらい。
    • キャラクターが成長しHPが増えてゆくとゲージも長くなり見やすくなっていくが、キャラがレベル1の状態では小さく目に入りにくい。
  • 画面「奥~手前」軸の攻撃当たり判定が若干シビアになった。操作キャラと敵とをちゃんと平行線上に納めないと、弱攻撃が当たらない。慣れれば問題ないが、初めは違和感を感じるかも。
    • とはいえ前作がアバウト気味だったため、本作の仕様が妥当なバランスとも言える。
  • 敵の手数が少なめ。ザコ、ボスともに、棒立ちの状態が多い。
    • ただし、常時「プレイヤー1人 VS 敵は複数人」という状況なので、そこで敵全員に一斉に本気を出されたら袋叩きになってしまいゲームにならなくなる、という事情はある。
    • また本作では回復アイテムが固定地点にしか出現しない。そのため、個々のザコは激甘であっても細かいダメージは累積しやすく、消耗の結果、息切れし負けることはありうる。いわば「百人力の1人 VS 凡人が100人」という「性能 対 物量」の戦い。
      • これを「長く単調」と取るか「ひたすら爽快」と取るかで本作の評価は大きく分かれる。いずれにせよ、戦略性やパターン構築といった知的な攻略が必要になるゲームではない。立ち位置やキャラの交代、倒すべき敵の優先度を臨機応変に判断するぐらい。レベルアップしきると最高難易度でもプレイヤー側の無双状態。
  • 隠しコスチュームは1キャラにつき1つだけ。しかも多くのキャラは前作から使いまわしのスクール水着*4。意外性や個性、プレイヤー各自のこだわりといった楽しみは乏しい。
  • 全ての隠し要素を開放するのは地味に面倒。少なく見積もっても、200時間以上はかかる。
    • 各キャラのアーケードモードをクリアすることで、別カラー、隠しコスチューム、アイキャッチ画像などの隠し要素が開放される。しかし全て開放するには、各キャラごとに3つの難易度をクリアしなければならない。(「高難易度をクリアすれば、中・低難易度の隠し要素も開放される」といった仕組みにはなっていない)。
    • なお、アーケードモードの最高難易度は、だいたいクリアに3時間かかる。各ステージ間でセーブできる親切設計ではあるが、プレイのモチベーションは保ちにくい。キャラクターの多さが面倒くささに拍車をかけている。
    • そもそも最高難易度はレベル1の状態で戦える難易度ではない。攻略するには、あらかじめ長時間かけてキャラクターを強化しておく必要がある。「低難易度からステップを踏んで、長く地道に遊べる」と評価する声もあれば「もっと気軽にあっさりと楽しみたかった」と惜しむ声もあり賛否両論。
    • 実際のところ、「好きなキャラ数名のフル強化&隠しコスチューム獲得」を区切りにしたプレイヤーが多かった模様。
  • 数名のキャラクターは初期レベルから壁ハメを行える。
    • 壁ハメを活用しなければならないほどの難易度ではなく、また敵が壁ハメを行ってくるケースもないため、実際はあまり問題になりにくい。ただしキャラの使いやすさや性能差といった点で、話題に上がりやすい。
  • 会話パートが前作と同じ紙芝居。
    • ムービー的な演出は無い。ただし立ち絵の画像数は増えている。
  • 援軍乱乳で使用できるキャラは、誰を使用していても前述の4人のみ。このため場合によっては「孫策を布団叩きで叩く呉栄」「呂蒙を攻撃する王允」など、原作から考えるとちょっとおかしな事態になる。
  • アーケードモード時のステージは全てストーリーモードのステージを流用している(違うのは面の順番)。
    • 燃える校舎内でのんきに会話する闘士など、おかしな場面が少々ある。
  • ロード時間が地味に長め。ステージ切り替え時に10数秒ほどかかる。ダウンロード版では少し緩和されるが、UMD版では気になりやすい(メディアインストール機能などはない)。
  • 誤植(?)が少々。
    • 特殊な条件を満たすとステージクリア時に特別ボーナスが入るのだが、その獲得条件と、プレイ記録閲覧画面での説明が食い違っている…可能性がある。というのも、一部の特別ボーナスはどうやっても出ない、実際には存在しないのではないか、と疑われているため。
      • あくまでボーナス得点についてのことで、ゲームの進行や隠し要素の開放には影響がない。

総評

物足りない感の強かった前作『EF』とは比較にならないくらいの進化を遂げ、キャラゲーの中でも有数の充分遊び込めるゲームとなっている。原作の魅力を損なわないシステム、相変わらずの敵をなぎ倒す爽快感は健在。

前作で評判の良かったポイントを押さえつつ、チャレンジモードの追加など、やりこみ要素を求めるユーザーの声に応えようとしたサービス精神もうかがえる。一方で、その穴や副作用を抱えてしまってもいる。

総合的には、際立った独自性こそないものの、ちまちま気持ちよく遊べる1本。原作ファンだけでなくライトユーザーからもそれなりの評価を得ている。

ただ、隠し要素の配分やステージ道中の単調さ、ロード時間の長さなど、まだ課題は残っている。今後の展開に期待したい。



余談

PSP一騎当千シリーズのサブタイトル『Shining Dragon』『Eloquent Fist』『XROSS IMPACT』の頭文字を並べるとアレになるのは偶然ではない(参考記事)。ユーザーの声に応えた続編製作の意気込みが垣間見える。

後の2011年9月22日、ニンテンドー3DSで発売された『閃乱カグラ -少女達の真影-』(以下『閃乱カグラ』)は、本作とプロデューサー/発売元および開発元が同じである。
「爆乳」「衣服の破壊」といったアピールポイントも同様で*5、本作『一騎当千XI』が下敷きとなっているであろう「闘気ゲージ」「連撃」といったアクション性の共通点も多い。