亀の恩返し~ウラシマ伝説~

【かめのおんがえしうらしまでんせつ】

ジャンル アクション

対応機種 ファミリーコンピュータ
開発 アトラス
発売 ハドソン
発売日 1988年8月26日
定価 5,500円(税別)
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 浦島太郎
深みのある演出
シューティング
マルチエンディング
ホゲホゲ


概要

  • ハドソンが打ち出した、ファミコン版・日本昔話シリーズ・第2弾。題材は浦島太郎。未来の日本を舞台に浦島太郎の子孫が姫たちを助けに行くという王道もの。
  • 主人公ケン・ウラシマは浦島太郎の子孫で、超能力を持つ。ある日、赤くなった海を見ていたら、亀が化け蟹に襲われピンチになっているのを発見。超能力で倒して助け、乗れと言われて亀に乗ったところ、タイムスリップ。機獣帝国に占領されて乙姫達が囚われた事を告げられ、助けて欲しいと言われる。それを引き受けたウラシマは、亀からバトルスーツ『ブリガンディーネ』を授かり、乙姫達を助ける旅に出る。

ゲーム内容

  • ステージによって横スクロールのアクションとシューティングが切り替わる。西暦2700年の日本を舞台にボスを倒して姫たちを助けていく。
    • 奇数ステージは島の屋外から始まり建物に入りボスに挑む。途中、シューティングステージを経由。
    • 偶数ステージは姫から頂いたサイボーグ獣に乗り、次の島へ向かうためのシューティングパート。乗った時点でHPも成長。
    • 長い旅になるがパスワードコンティニューが実装されている。
    • 本作はステージクリア方式の一本道。一度クリアした場所には再訪できない。期間限定要素はないので取り逃すという事はないようになっている。
  • 通貨はEボールで、Eはアイコン仕様
    • アイテムの購入が主体だが、情報を買ったり、ミニゲームをしたり乗り物に乗ったり色々。
      • 色々な店もある、ボスの弱点を教えてくれる情報屋まである。
  • アイテムは攻撃とスペシャルに大別。海の生物をモチーフにしている。
    • 攻撃は使用回数無制限。また、特定の部屋で1回だけ強化できる
      • タコボール(45度の方向にバウンドする)
      • クラゲボール(波状弾を撃つ)
      • ウミヘビボール(オプションが周回する、攻撃範囲に優れる)
      • シンジュレーザー(連射性が高い)
    • スペシャルアイテムは3回ダメージを受けると消える。
      • トビウオウィング(ゆっくり降下、同社の「迷宮組曲」「魔神英雄伝ワタル外伝」にも似たようなアイテムが登場)
      • カイバシラミラー(頭上に分身が常駐して火力が倍増する、セリフの上にいると邪魔になる)
      • サザエタイフーン(10秒間無敵)

評価点

  • 浦島太郎の要素
    • まずカメを助ける場面から始まり、各地でカメを模した乗り物とともに強大なボスと戦い姫を助けていく姿は未来風にアレンジされながらも浦島太郎らしい力強い正義が伝わってくる。姫による踊りの実演などもあり、最後には玉手箱も…
  • BGM
    • 基本的に吸い込まれるような深みのある音楽は評判が良い。例えば偶数ステージではグラフィックも相まって本作独自の臨場感を持たせてくれる。
    • ボスBGMは奇数と偶数で別々に用意されている。
  • グラフィック
    • タイトル画面が芸術的に高品質。ストーリー説明では簡素な一枚絵が表示。
    • キャラクターは顔グラフィックが用意。更に口パクまでする。
    • 複数の姫を助けると違う顔グラが、更に提供してくれる乗り物も違いがあるなど細かい。
  • ボス
    • 本作のボスは乗り物に乗って空中戦。大型かつ見た目も攻撃内容も多彩。さらに、奇数の島と機械城と偶数の屋外シューティングに応じて道中のBGMもボス戦のBGMも違う。
  • 演出
    • 本作に限らず大型のを動かすために背景が黒地になるのが相場だが、偶数ステージではグラデーションを意識しており黒地になった後にボスに到達するようになっており違和感がないようなっている。またその際は高速スクロールでスピード感もある。
  • ラスボス
    + 一応ネタバレ
    • 最終戦はゴルーザ城と戦うというもの、3Dをイメージした高品質な作り込みは互いに撃ち合っている実感がある。
  • マルチエンディングという概念
    • あまり大層なものではないのだが、当時としては珍しいと言えるだろう。

賛否両論点

  • ミニゲーム
    • 豊富に用意されているが、どれも運に左右される。

問題点

  • フォント
    • 全部カタカナのみ。なお、海外版では英語が大文字小文字が区別されている。
  • 武器の確保
    • 切り替えは出来ない。状況に応じて使い分ける事もなく、あれば有利になるというもので大味な印象である。次のステージに進むと武器が初期化される。変更はショップで購入でもするしかないが品揃え次第。
    • サザエタイフーンを購入する必要がない。10秒で切れるので通貨Eボールを棒に振るだけになってしまう。ストックも出来ず、近くに無敵時間で有利に働く個所があるわけでもないので全く割に合わない。
  • ゲーム構成
    • どのエリアもやる事は変わらず似たり寄ったり。
    • 野外パートは個性があってBGMも豊だったが、機械城は変わり映えがしない。ただし最後の機械城のBGMは専用のものが用意。
    • 建物内部にもシューティングが用意されており、広大な内部を駆け巡る実感があるのは良いのだが、いくつかのエリアに分けられていて、各エリアの最後には上と下に2つの行先があり、間違った方を選ぶと今のエリアのスタート地点に戻される。ノーヒントなので覚えるしかない。
    • 王様も姫も各地では判を押したような全く同じセリフ。乗り物に乗った時点でHP回復や最大HPが上がるのは適当に割り振った感がある。ただし乗り物は描き分けられていたり、終盤ではセリフに変化があり細かい。
  • ボス戦
    • 相手のHPが表示されないので分かりにくい。撃破した後に激しいフラッシュがあるので目に悪い。つまり、相乗効果によりボス撃破→激しいフラッシュが突然起きうる。
    • シューティングステージは敵の攻撃が激しく、被弾を回避するのが困難。ライフを回復するLアイテムも全く出現しない。さらに、偶数ステージでは途中からスクロールの速度まで上昇するため、消耗しやすく、ボス戦が非常に厳しい。
  • エンディングについて
    + 一応ネタバレ
    • マルチエンディングとあるが玉手箱の扱い方の3択で決まる。どれを選んでも簡素な内容でスタッフロールもない。赤くなった海が青く戻ったのは良いがその原因と解決の過程は一切説明されない。
    • 3つとも全て見るのは意外と楽で、それというのもVSゴルーザ城から再開出来るためである。

総評

  • 練り込み不足かつ問題点もいくつか目立つが、高品質なグラフィックとBGMそれの相乗効果は非常に味わい深い本作特有の魅力であり浦島太郎の世界を感じさせてくれる作品と言える。

余談

  • 海外ではXEXYZという題名で発売、一部キャラクターグラフィックにも変更が見られる。

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最終更新:2022年11月09日 21:54