Blaster Master 2
【ぶらすたーますたーつー】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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SEGA GENESIS(北米版メガドライブ)
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発売元
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サンソフト
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開発元
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Software Creations
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稼動開始日
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1993年3月15日
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備考
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日本未発売
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判定
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なし
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ポイント
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三つの視点による操作 斜め撃ちの実装 坂道も実装
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メタファイト/ブラスターマスターシリーズリンク
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概要
『超惑星戦記 メタファイト』の海外版『Blaster Master』から始まるブラスターマスターシリーズの一作。
ストーリーも『メタファイト』ではなく『Blaster Master』の続きとなっており、同作主人公のJason Frudnick(ジェイソン・フラドニック)と愛機SOPHIA(ソフィア)を操作して探索を進める。
Plutonium Boss(プルトニウム・ボス)率いる異生命体Lightning Being(ライトニングビーイング)との戦いから4年後。新たに襲い来るライトニングビーイングを迎え撃つ為にジェイソンはソフィアを改造して再び戦いに赴く。
開発は『ソルスティス』『シルバーサーファー』などでお馴染みのSoftware Creationsによるもので、リリースされたのも北米のみと言う珍しい一作である。
本作独自の仕様も多い。
登場キャラクター
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ジェイソン・フラドニック(Jason Frudnick)
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ブラスターマスターシリーズの主人公。本作でもソフィアを駆る。
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ソフィア(S.O.P.H.I.A.)
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ジェイソンが地下世界で発見した戦闘車両。前作の戦いの後は廃屋に隠されていたが、ライトニングビーイングによってパーツを奪われてしまった為、ジェイソンの手による改造の末に新バージョンとなって生まれ変わった。またの名を「Sophia 4th」だが、S.O.P.H.I.A.が基本の名称となっている。
特徴
3つのビュー
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サイドスクロールビュー
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戦車で進むステージが主体。全方向スクロールで広大な作りになっており、坂道も配置。
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随所に点在する、ハシゴを降りたり人間用の入り口に入るには戦車を降りる必要がある。
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ジェイソンビュー
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入口に入るとそこはトップビューではなく『魂斗羅』チックな横スクロール仕様となっており、こちらも全方向で広大である。
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アイテムがたくさん配置された部屋もあったり、長い道中の後にボスが待ち構えていたりする。
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ボスバトルでは、ジェイソンが大型で等身大表示になっている。ボスを倒すとカギが手に入り、オーバーヘッドビューへ行けるようになる。
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オーバーヘッドビュー
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各ステージの最後に来るエリア。ここに来るにはボスを倒してカギを手に入れる必要がある。
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『バトルシティー』よろしく真上からの見下ろし視点。これも本作独自の仕様である。ここも全方向スクロールであり通過すれば次のステージに進める。他とは違って、戦車は、ジャンプする事は勿論、空を飛び回る事も不可能だ。
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ここではなぜかFAILED専用曲ではなく、BGMがリセットされない仕様である。
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全部で7ステージ分用意。最終ステージではボスを倒せば終わりなので無い。
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ステージ構成は、1~8まで順番に繋がっている仕様であり、他作品のように一度クリアしたステージを再訪する事はない。
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各ステージの方針は「戦車サイド(+ジェイソン魂斗羅)」→「戦車オーバー」。もちろん強力な兵装も手に入る。
その他
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ソフィアとジェイソンのHPは共用となっている。
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瀕死状態ではアラームで知らせてくれる。
評価点
ゲーム性
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ナナメ撃ちを実装
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ナナメ撃ちと真上に撃てるようになった。更に後述する坂道も併用。
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オーバーヘッドに至っては、砲台のみを360°回転させる事も可能。戦車らしく砲台で狙撃、前方に撃ちながら後退など自由度が高い。
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ジェイソンも、斜め上、斜め下、真下にも撃てるようになっている。
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坂道
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ボス戦
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ボスのHPが表示されないのは相変わらずだが、色は変わるので分かり易い、またHPが高すぎて無駄に長引くという事もない。
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ジェイソンビューは、ボス戦では大型の等身大で表示される仕様も用意。ボスと格闘している感がある。更に兵装に応じて表示も変化。
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ボスを追いつめると、攻撃パターンを変えたり、物量の増加、スピードアップなど色々激化して更に格闘している感がある。
演出
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緻密に書き込まれたドット絵
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最初のエリアは夕日ステージから始まる、遠景による奥行き感もあり高品質で掴みはバッチリ。
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前作で車輪の表現が素晴らしいと言ったが、本作では戦車がやられた際の壊れ方も4つの車輪が飛び散り敗北感を演出。ジェイソンも鎧がバラバラに。その際のBGMも用意。これもまた本作独自の仕様である。
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高品質なBGM
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ステージ毎に音楽が用意。エンディング曲も好評である。
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場面の切り替えに応じて、ソフィア、ジェイソンが右に左に移動するシーンが入る。落下した際は上から落下する仕様に。
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エンディング
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ややネタバレ
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戦いに勝利し、陽気なBGMと共に1stステージの夕日の中を帰還していくソフィア。それをバックに「ミッションは成功して地球はエイリアンの脅威から救われた」という旨の英文とスタッフロールが流れる。そして最後にソフィアはふと立ち止まり、ホバーで画面外へ飛んでいく。
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ラストは高品質な地球の画像が出て、その下に"THE END?"の文字がやや思わせぶりに表示。その後に、セガ、サンソフトのロゴが表示されタイトルに戻る。
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実際、ジェイソンの戦いは息子の代まで続くので確かに"THE END"ではなかった。
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賛否両論点
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セーブ、パスワードは実装されていない
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コンティニュー回数も有限なので厳しい。
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更にはステージクリアした際に回復はせずHPは持ち越しと、難易度自体も高い。
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やられても実績は残るのだが…
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アイテムを手に入れた後にやられてもアイテムは残る。デスルーラをする考えもあるがコンティニューは有限なのでしない方が無難。
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後に別な作品で対策が講じられる事になるが…
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パイロットの落下耐性
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本作では落下によるダメージは採用されていない。前作のように転落死に怯えなくて良いと取るか、リアリティが無くなったと取るかはプレイヤー次第。上述の通り仕様的に厳しくなった部分も多い為、救済措置とも言えるか。
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後のPS版も落下ダメージがなかったり、他では厳しかったり、このあたりは製作者の間でも賛否が分かれている。
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ストーリーは薄く、主な登場人物はジェイソンだけ
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前作はエンディングのみとは言え『メタファイト』ではヒロインのジェニファーが、『Blaster Master』では相棒のフレッドが登場した。本作は最後までジェイソン一人で戦うのみなので、ゲーム的には問題は無いが、前作と比較するとやや寂しさが否めない。
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前作の小説版ではジェイソンのパートナーとしてEve(イヴ)というヒロインが追加されたのだが、その設定がゲームに反映されるのは次回作『ブラスターマスター』(Blasting Again)以降なので本作の時点ではそう言った流れは無い。
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敵との会話も一切ないので、完全にゲーム性重視となっている。
問題点
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ステージ構成
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最初は夕焼けの自然から始まるが、それもすぐに終わり、それ以降は洞窟ばかりの構成で代わり映えしない。どのビューでも似たり寄ったり。地下世界が舞台という為でもあるのだが、前作では様々な地域があった事を考えると寂しい。また、PS版の『ブラスターマスター』でも同じ問題が。
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BGMの扱い
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メニューを開くたびにBGMの再生が最初からになる。前作ではこんな事なかったのに。
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ステージクリア専用曲はない。
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ラスボス戦用曲は無い
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前作のようにステージ曲を使い回すような事は無いが、通常ボスと同じ曲である。
今回のエリア7の曲は合わない
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日本未発売
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海外版の続編とは言え、日本発祥ゲームからの派生なのに知らない人も多い。後の『ブラスターマスター』はジェイソンの息子が主人公で、勿論ストーリーも続いている訳だが、日本のプレイヤーには何のことか分からない事態に。
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また、『ゼロ』のシナリオは『メタファイト』のケインではなくジェイソンの物語をリブートしたものなので、彼が主人公の作品を日本でも発売していれば、同作発売時によりファンを驚かせられただろう。
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事実、『ゼロ』発表時は基本的に「『メタファイト』のリブート」としか紹介されていない為、ストーリーのベースが『Blaster Master』である事を知らない人も多い模様。
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ボス
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各ステージで2回ボスと戦わされる、似たり寄ったりで使い回し感が強い。
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エリア6はエリア1、エリア7はエリア2の再登場で更に使い回し感がある。なお、エリア7のみボスはエリア2ボス1回のみである。
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回復手段に恵まれず満身創痍でボス戦になる事もある、しかしやられた際はボスからリトライ出来るのは有難い。
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前作に続き、ソフィアで戦うボスはいない。戦闘車両というよりも送迎車どまり。
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オーバーヘッドビューにボスでもいれば面白かったという意見もある。
総評
色々と引っかかる点があるのは否めないが、志は高く、とてもよく作り込まれていて本作独自の魅力も多い。メタファイト/ブラスターマスター史に残る作品の一つと言えよう。
惜しむらくは北米でしか発売されなかった為、日本の『メタファイト』ファンに知られていない事である。
余談
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上述の通り、登場人物はジェイソンしかいない訳だが、開発者の1人であるMartin Holland氏によると当初はパートナーとなるヒロインの登場が予定されていたらしい(アーカイブ)。
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もし登場していたら、イヴが小説から逆輸入されず彼女がシリーズヒロインになっていたのだろうか?
最終更新:2022年05月12日 16:33