ACE COMBAT 7 SKIES UNKNOWN

【えーすこんばっとせぶん すかいず・あんのうん】

ジャンル フライトシューティング

対応機種 プレイステーション4
Xbox One
Windows 7/8/8.1/10(64-bit)
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 バンダイナムコスタジオ
発売日 【PS4/One】2019年1月17日
【Win(Steam)】2019年2月1日
定価 【PS4/One パッケージ通常版】7,600円(税抜)
【共通 ダウンロード通常版】7,600円(税抜)
【共通 デラックスエディション】10,100円(税抜)
【PS4 コレクターズエディション】12,400円(税抜)
プレイ人数 1人、2~8人(マルチプレイ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
エースコンバットシリーズ


願い、救い、痛み、恐怖、
空はひとつにつながらない。



概要

12年振りのナンバリングタイトルにして、第8世代据置機の第1作として発売された『エースコンバット』シリーズ20周年記念作品。
対応機種はPS4/Oneであることに加えて、国内では初めてPC版(Steam)もリリースされた。

本作の存在は2015年11月の『INF』アップデート時における公式側のミスから明らかとなり、同年12月に初めて公式トレーラーが公開された。
当初2017年発売予定だったが、2度の延期を経て最終的に2019年の発売となった

テーマは「空の革新」であると同時に「新旧の対比」という裏テーマもあり、「旧兵器と新兵器」「旧体制と新体制」「ルーキーとベテラン」といった関係が多く含まれる。
ゲームエンジンには『フォートナイト』で御馴染みエピックゲームズ*1のアンリアルエンジン4を採用し、従来よりもさらに現実感のある空を表現していることが大きな特徴。
イメージカラーはミッション名にもあるダークブルー。副題の「SKIES UNKNOWN」は和訳すると「未知の空」を意味する。
作中には「未知なる空へ」という絵画も存在し、イメージカラーと合わせて軌道エレベータ建設により近づいた宇宙も暗示されている。

ユージア大陸を舞台に『04』『5』の設定が大きく関わり、今まで有人機中心だった戦場に次第に台頭し始めた強力な無人機との戦いを主軸に据えたストーリーが展開される。
脚本を担当するのは、『5』以来15年振りとなる片渕須直氏。そして、PS4版専用モードとして、PSVRに対応したVRモードが採用されたことも、発売前から大きな話題となった。

家庭用ゲーム機版の早期購入特典として、PS4では『5』のPS4向けダウンロード版、Oneでは下位互換機能を利用した『6』のダウンロード版が付属された。
また、PS4版では各設定資料と片渕氏の書き下ろし小説が収められた「ACES at WAR A HISTORY 2019」などが付いたコレクターズエディションも発売された。


ストーリー

ユージア大陸では、エルジア王国と大国オーシア連邦の間で緊張が高まりつつあった。

2019年、オーシアの行き過ぎた干渉と利権独占に不満を募らせたエルジアは、宣戦を布告し、オーシアに先制攻撃をかける。
強大な軍事力を持つオーシア軍に対し、エルジアは無数の無人機で対抗。瞬く間にオーシアの勢力は、ユージア大陸の東沿岸部へ追いやられてしまう。
加えて、誤爆を繰り返すオーシア軍に対し、市街地に影響を与えないエルジアのクリーンな戦争は好印象を与え、世論はエルジア側に傾きつつあった。

そんな中、国際停戦監視軍(オーシア国防空軍)のパイロットである主人公は、オーシア前大統領「ハーリング」の脱出援護任務に参加していた。
救出作戦は順調に進むと思われたが、予想外の出来事が発生する……。

※オンラインマニュアルより


特徴

キャンペーンモード

本作ではミッション中のフィールド上に天候システムが全面的に採用されている。各種自然現象によって、自機が様々な影響を受ける。

    • 雲自体が視界を遮る他、長時間雲の中を飛行し続けると着氷(アイシング)が発生し、視界妨害と機体性能の低下を招く。また、ターゲットとの進路上に雲があるとロックオン速度の低下や発射されたミサイルの誘導性能の低下が起こる。BGMもこもったような音楽になる。
  • 気流
    • 悪天候下でのフィールドや一部の山岳地帯では強風が発生しており、機体が流され、姿勢制御が難しくなる。ミサイルが静止目標相手に外れることもある。
    • 雷雲に接近すると落雷が直撃する場合がある。ダメージはないが衝撃で機首を下げられ、一定時間HUDの表示に異常が発生し、レーダーやロックオン機能が使用不可能になる。
  • 砂嵐(サンドクラウド)
    • M08後半のみ地表を砂嵐が覆っており、視界妨害と強風の影響を受ける。また、砂嵐の下にいるターゲットがレーダー上に途切れ途切れでしか表示されなくなる。
  • プレイアブル機体関連については『INF』とほぼ同じシステムを引き続き採用。一部変更箇所あり。
    • 機体・特殊兵装・パーツの入手は機体ツリーで行う。
      • 既に入手している機体・パーツの次に繋がっているものから順に、ミッション中に稼いだMRP(戦果ポイント)を消費して購入する。研究ゲージも『5』のキルレートも無いため、MRPに余りがあればすぐに次のものが購入可能である。
      • 特殊兵装は全機体共通で3種類。初期装備以外の残り2種類はMRPで購入する。
      • 機体及び特殊兵装のレベルシステムは廃止された。
    • 機体カスタマイズ
      • パーツ最大装着数は8個まで。パーツは『INF』と同様に「BODY」「ARMS」「MISC」の3種類。各種類に専用のスロットが存在し、各パーツの合計スロット数が機体毎に設定されている値を超えない範囲まで装着可能。
      • スキンは全6種類。ただし、内3種類は基本となるオーシアスキンを元に、キャンペーン進行状況で変化する主人公の各所属部隊向けに尾翼などのデザインが変化したもの*2であるため、実質的にはオーシアスキン、エルジアスキン、スペシャルスキンの3種類。スキンの解放条件は機体毎に異なる。
      • ゲーム進行状況に応じて、機体に貼り付けられるエンブレムを入手できる。貼り付け可能箇所は機体側面・主翼・尾翼の3箇所。
  • ミッション
    • 『6』と同様にミッションの節目にリトライポイントが設定され、失敗してもリトライポイントからやり直せるようになった。
    • 大規模なミッションではマップに帰還ラインが設定され、ミッション途中でも基地に帰投できるようになった。帰投すると耐久値及び兵装の弾数が全回復し特殊兵装の換装が行える。
      • これにより前半は対地兵装で地上のターゲットを破壊し、後半は対空兵装に換装してドッグファイト…などミッションの展開に合わせた柔軟な運用ができるようになった。
      • ただし帰還ラインはマップ端に設定されることが多く、必然的に往復分の時間をロスしてしまうので、多用するとスコアに影響が出てしまう。

マルチプレイモード

  • マルチプレイ専用の機体設定について
    • 『INF』と同様、出撃前に複数の機体セットを用意可能で、各機体セットで機体・特殊兵装・パーツ・スキン・エンブレム・通り名を設定する。
    • 各機体・特殊兵装・パーツにはコストが設定されており、高性能であるほど高くなる。これらのトータルコストはルーム設定のトータルコスト制限に影響する。
    • 機体ツリーにはマルチプレイ専用のパーツが存在し、階級が一定まで達すると解放される。
  • ルーム設定にはチーム変更可否・途中参加可否・トータルコスト制限・特殊兵装制限などがある。
  • 本作でプレイ可能なモード
    • チームデスマッチ
      • 2チームに分かれて行う空中戦。
      • 対戦時間終了時に相手チームより多くのポイントを獲得するか、先に一定ポイント獲得すると勝利。MVPは勝利・敗北チーム問わず、最も多くのスコアを獲得したプレイヤーとなる。
      • プレイには4人以上の偶数人数が必要。
    • バトルロイヤル
      • 参加プレイヤー全員が敵同士の空中戦。
      • 対戦時間終了時に各プレイヤーが獲得したスコアで順位が決まる。参加プレイヤーの内の1人が一定ポイント獲得した場合も対戦終了。1位のプレイヤーが自動的にMVPとなる。
      • プレイには2人以上が必要。
  • 対戦中は獲得スコアが上位のプレイヤー3人に☆マークが1~3個付く。マークの付いたプレイヤーに攻撃を当てると、通常よりも多くのスコアを稼げる。
  • 『INF』と同様、対戦中の行動評価ボーナスあり。獲得MRPに影響する。

VRモード

  • PS4版のみ対応かつ、プレイにはPSVRが必要。
  • プレイ中はコクピット視点で固定。プレイヤー自身が首を動かして周囲を見渡す必要がある。
    • HUDの内、速度計・高度計は常に画面中央で表示される。
    • レーダーや機体情報はコクピット上のモニターに表示される。
    • QAAMなどの一部の特殊兵装では、首の動きに連動して敵をロックオンできる。
  • 全ミッションクリアすると、エアショーモードが追加される。VR視点でF/A-18Fによる各種マニューバの鑑賞ができる。

評価点

グラフィック(評価点)

  • 対応ハードの性能向上も相まって、過去作から進化したことが最も分かりやすい箇所。第7世代据置機のシリーズ作と比べて、空や地形、兵器のグラフィックがより精巧になった。
  • 空及び天候表現には特に力が入れられており、テーマの「空の革新」に恥じない作り込み。
    • 雲がより立体的に描写されるようになった。接近した時の見え方についても実際の雲のようで、不自然さはない。
    • コクピット視点ではキャノピーに水滴が付着する演出が追加され、より臨場感が増した。長時間雲の中を飛行し続けていれば水滴が徐々に氷へと変わっていき、逆に雲から出れば氷が溶け水滴となって消えていく。また、計器類も機動に合わせて動く。
  • 爆発や炎がより鮮やかになった。特に夜間ミッションでは、爆発の瞬間に辺りが照らされる表現や、細かく飛び散る火花が非常に美麗。
  • 機体モデリングについては一から作り直されている。過去作では機体プレビューで至近距離までアップすればさすがにポリゴンの粗さを感じさせていたが、本作ではそれがほとんどない。ゲーム中ではまず意識しないような細かいパーツ1つ1つまで描き込まれており、精巧さがさらに増している。
  • ZERO』以来となる60fps動作。
    • 第7世代据置機作品はどれもfpsが低く、グラフィック自体は優れていてもPS2より完全に上とは言い切れないものであった。
    • また、携帯機作品ではハードの性能上、据置機ほど滑らかには動かない。このことから本シリーズで画面が「ぬるぬる動く」のは実に13年振りとなる。
    • 高fpsのため今までよりもさらにグラフィックの美しさを堪能しやすくなった。キャノピーを流れる水滴などで特に実感できる。

ストーリー(評価点)

  • 本作は『04』『5』との繋がりが深いストーリーのため、シリーズ経験者にとっては馴染みの要素が多い。
    • 据置機作品では『5』のアーケードモード『オペレーション・カティーナ』以来となるユージア大陸が舞台。
      • 過去作でミッション中のフィールドにされたものとして、ストーンヘンジ跡地や『2』『3D』のアンカーヘッド・ベイなどが再登場する。
      • エルジア首都ファーバンティは今作でも重要拠点扱いで登場。『04』の時から復興が進んだ箇所もあれば、未だに水没したままの高層ビル群もある。
      • ブリーフィングでは過去作で登場した地名を数多く確認できる。あるミッションでは、誤って移動されたカーソルの位置にあった場所がメガリスであるという小ネタも。
    • 『5』の重要人物の一人だったビンセント・ハーリング元大統領が再登場する。本作の最重要施設かつ戦争原因である軌道エレベータの建設や、主人公トリガーのストーリー上の行く末に大きく関わる人物として描写される。
    • オーシアの新型空母に「ケストレルII」「アドミラル・アンダーセン」や、ハーリングを乗せたヘリのコールサインに「マザーグース・ワン」など、『5』に関連した名称がよく用いられている。
+ ネタバレ
  • 終盤ではエルジアの無人機開発やIFF偽装技術に、『5』でも暗躍していたベルカが関与していたことが判明する。
  • 最終ミッション終了時には、シリーズ最多登場キャラクターのケイ・ナガセが再登場する。今作の彼女は『5』のナガセと同一人物である。
  • 裏テーマである「新旧の対比」
    • 両者を上手く対比させ、なおかつそれぞれの良い面と悪い面を描いた内容となっている。作中では主に「有人機対無人機」を主軸として物語が展開されていく。
    • エルジアは開戦時から無人機を運用し、軍事施設以外に被害を出さない「クリーンな戦争」をするのに対し、オーシアは誤爆を繰り返して世論から非難されることから、序盤は「無人機の方が優れている」ような流れとなっている。
      • さらにオーシアはパイロットを使い捨て前提で運用するような懲罰部隊を編成して無人機に対抗するという非人道的なことまで行う。
      • しかし、懲罰部隊に左遷されたトリガーが無謀な任務を次々と成功させていき、「究極のエースパイロット」として活躍する。主人公が大戦果を上げるのはいつもの『エースコンバット』と同じだが、「地に堕ちたパイロットが優れていたはずの無人機が相手だろうとお構いなしに勝利を収めていく」という、今までとは一味違うカタルシスを味わえる。
+ ネタバレ
  • 実は主人公は罪など犯してはおらず、エルジアがベルカの技術を利用して主人公に濡れ衣を着せていたことが終盤で明らかとなる。
    • 実際、M04を見返すと「脱出に使えと言わんばかりに輸送機が用意してある」「被弾で輸送機を操縦していた護衛が死亡し、輸送機を操縦できないハーリングしか乗っていないはずにもかかわらず操縦が安定している」「攻撃もせず輸送機に張り付く無人機」「広域マップを良く見ると不審な行動を見せる味方識別の機体が確認できる」「最後のムービーで意味深にトリガーをオーバーテイクする味方機」など不審な描写が多い。
  • その後軍事衛星の破壊によって、オーシアとエルジア両国が混乱状態に陥り、無人機が暴走する事態を招く。それでも継戦を主張するエルジア急進派は無人機に頼り続け、ついには「人間から地球を乗っ取ってしまいかねない最悪の無秩序」である2機の究極の無人機ADF-11F「フギン」「ムニン」*3を生み出してしまう。
  • 最後はトリガーが生き残ったオーシアとエルジアのパイロット達と共にこの2機に戦いを挑み、有人機と無人機の戦いに決着が付けられる。
  • 今作の主人公トリガーは本編中に計3部隊を渡り歩く。このため、それぞれの部隊で劇中の雰囲気が変わり、ストーリーに起伏が付けられている。
    • また、必然的に多くの味方キャラクターと出会うことになり、無線会話の内容がより多様になった。パーソナルマークはSAAを咥えた狼となっている。
  • メイジ隊
    • トリガーが劇中で最初に所属する国際停戦監視軍(IUN-PKF)傘下の部隊。ゴーレム隊やガーゴイル隊など、他のオーシア航空機部隊との絡みが多いのが特徴。トリガーのコールサインはメイジ2。
      • トリガーは新入り扱いであるが、少ない場数でその実力を認められ、この時点で早くも凄腕として称賛を受ける。
      • AWACSスカイキーパーはハーリングに憧れているという設定。AWACSとしては至って普通のキャラクターだが、M04のハーリング関連の会話で彼の個性が出てくる。
  • スペア隊
    • 懲罰部隊。メイジ隊所属時に犯した重罪で左遷される。発売前から特にその存在が強調されており、オーシア側の語り部であるエイブリルが所属する部隊でもある。コールサインはスペア15となる。
      • ここに配属されたパイロットが乗る機体の尾翼には罪の重さに応じて「罪線」が引かれる。トリガーは唯一かつ最大の3本が引かれ、これが後のトリガーの二つ名「3本線」の由来となる。また、トリガーのもう1つのあだ名となる「大馬鹿野郎」もここでつけられる。
      • ちなみに、大馬鹿野郎はエイブリルやバンドッグといったスペア隊の人間しか使わないため、終盤では「スペア隊と関わったオーシア軍にのみ通じる、トリガーを意味する符牒」という重要な意味を持たされる。
      • 隊員達は全員犯罪者ということもあり、皆能力はあっても一癖も二癖もある人物ばかりで非常に個性が強い。また、TACネームがそのキャラクターの性格や罪状を反映したようなものであるのも特徴。
      • AWACSバンドッグは懲罰兵の監視役。決して善人とは言えない性格で、懲罰兵の命を軽く見ているが、AWACSとしての指揮能力は高い。また、ミッションを重ねていくにつれて、皮肉交じりでトリガーを称賛するようになる。
      • 何かと不満を言う懲罰兵に対する辛辣な返答が耳に残りやすい。実はシナリオ中で最初にトリガーを「大馬鹿野郎」呼ばわりするのは彼である。
      • 戦死前提の無謀な作戦に投入される、成功させても称賛はされず、司令官であるマッキンゼイにとって気に入らない行動をしていれば独房入りにされるなど、シリーズでも類を見ないような理不尽な扱いを受ける。
      • いわば「底辺を通り越したマイナス」の環境。それでも、共に戦場を飛んだ者達からは少しずつその実力を認められていき、常軌を逸したスーパープレイで見られるような小ネタ的な反応もあるため、今まで通りのエース気分も味わえる。
  • ストライダー隊
    • スペア隊での功績が認められ、トリガーは正規軍に復帰し「長距離戦略打撃群」、通称「ロングレンジ部隊」メンバーの一人となる。ストライダー隊はその内の1小隊で、トリガーはこの小隊長を務める。コールサインはストライダー1。
      • トリガーの機体にはかつての罪線を爪痕のようにアレンジしたエンブレムが用いられている。罪や不名誉の象徴だった烙印が誇らしいパーソナルエンブレムになる変化については、プレイヤーからの評価が高い。
      • 長距離戦略打撃群はサイクロプス隊とストライダー隊の2小隊計8機で構成されており、メンバー全員にTACネームが設定されている。
      • その内、中隊長兼サイクロプス隊隊長であり、実力的にも精神的にもエースに相応しいワイズマン、ベテランパイロットで中隊のサブリーダー的存在のイェーガー、中隊の紅一点かつ男勝りのフーシェンが印象的。
      • 彼らはスペア隊時代にトリガーが救援した部隊であり、その腕前を間近で見ている事から殆どのメンバーが最初から好意的に接してくれる。
      • AWACSロングキャスターは食べ物絡みの話題を挟む無線会話が特徴。ユーモアがあり、なおかつ常に適切な指示をしてくれる為本作のAWACSキャラクターで特に愛着が湧きやすい。
+ ネタバレ
  • 終盤の軍事衛星破壊後も引き続きストライダー隊に所属。碌に友軍との連絡が取れず、司令官が精神的に消耗しきっている中、手探りで自分達が生き延びる方法を模索するという、今までにない展開となる*4
  • ワイズマン戦死後、イェーガーが実質的なリーダー格となり、作戦進行役として大きな存在感を見せる。「ブリーフィングやデブリーフィングで仲間達と相談しながら今後の方針を決める」という『AH』の様な特徴的な演出がある。
  • サブからメインに成り上がったキャラクター“カウント”。
    • 本作をプレイした人から特に印象に残ったと言われやすいキャラクター。数多く登場する味方キャラクターの中で、最もトリガーと長く付き合うことになるパイロット。
    • 発売前のキャラクター紹介などでその存在は明らかにされておらず、初登場時は単なる懲罰兵の1人に過ぎなかった。だが、他の懲罰兵が次々と戦死する中で生き延び、トリガーと共に長距離戦略打撃群メンバーに抜擢されるに至る。
    • 懲罰部隊のエースを自称する自信家であり、トリガーが幾多の戦場で戦果を上げても実力を認めようとはせず、それは正規軍復帰後も同様。
    • しかし、あることを切っ掛けにトリガーを認めるようになり、精神的に成長していく。
+ ネタバレ
  • 正規軍復帰後はサイクロプス隊でワイズマンの配下となるが、一匹狼のカウントは規律に厳しいワイズマンを鬱陶しく思っており、事あるごとに愚痴を漏らす。
  • しかし、ファーバンティ攻略戦でワイズマンがミハイに撃墜され戦死すると動揺。イェーガーの叱咤もあって隊の指揮を引き継ぐと同時に、ミハイを撃墜できるのはトリガーだけだと理解し、初めてトリガーを明確に認めるようになる。部隊の再編成後はコールサインもストライダー2になり、名実ともにトリガーの相棒となっていく。
  • また、これに前後し部隊の仲間やその他の友軍部隊への配慮や気遣いを見せるようになる。終盤では混迷を極める戦局や民間人への被害を見て嫌悪感を露わにするなど、1人の人間として好感の持てる描写が少しずつ増えていく。
  • 特に最終ミッションでは、無人機が海底トンネルに逃げ込み、トリガーしか追える者はいないと皆が彼を特別視する中、カウントだけはトリガーを追って無人機追撃に参戦を続け、間接的にではあるがトリガーを助けることになる。
  • 上記のことから、本作はカウントの成長も描いたストーリーとも言われており、人気の高いキャラクターとなった。
  • 敵側最強のエースパイロット「ミハイ・ア・シラージ」の存在。
    • シリーズで半ば恒例となっているフランカーパイロットのライバルキャラクター。初登場のSu-30SMを愛用する。エルジア側のストーリーは主に彼の所属する実験部隊の科学者による独白という形で語られる。
      • 幾多の戦場で生き延び、数々のエースを葬ってきた歴戦の老兵。劇中ではオーシアの名有りキャラクターが乗る戦闘機を何機も撃墜しており、強敵としての印象を強く残している。オーシア側でつけられたコードネームは「ミスターX」である。
      • ちなみに、フルネームは「ミハイ・ドゥミトル・マルガレータ・コルネリウ・レオポルド・ブランカ・カロル・イオン・イグナチウス・ラファエル・マリア・ニケタス・ア(アルシャンジュ)・シラージ」ともの凄く長い*5
      • 年齢相応の落ち着いた性格であると同時に、かつての黄色の13のように、強い敵と戦えることに喜びを見出すという、ライバルキャラクターとして魅力的な要素を持った人物。
      • 彼の強さを象徴する台詞<<いつの時代もこういうパイロットがいる そのすべてを墜としてきたのだ>>は、発売前のPVの時点で注目され、本作の代表的な名言の一つとなった。
    • ミハイ以外のソル隊メンバーも単なるモブではなく、それぞれに固有のTACネームと顔写真が存在する。特に2番機のヴィトはミハイ不在時にサブリーダーらしく隊の指揮を取れる人物で、なおかつ台詞や活躍する場面も多い。ミハイ機のSu-30SMと同じく初登場のSu-30M2に搭乗する。
  • 新規ストーリーが展開されるDLCのSPミッション
    • ファーバンティ攻略前のストライダー隊所属期間中に発生した戦闘が描かれる。エルジアが保有する超大型原子力潜水艦“アリコーン”を巡るストーリー。
      • アリコーンはボス級の超兵器として扱われており、ブリーフィングで説明される内容だけでも化け物であることが分かる他、SP03でその化け物振りを目の当たりにすることになる。
      • アリコーンと戦うSP03は、単なる撃沈任務ではなくオーシアへの核攻撃を阻止する内容も兼ねている。このため、本編を含む歴代の最終ミッションにも匹敵する危機的状況下での作戦となり、非常に熱い激戦が繰り広げられる。
    • 本編では人間と機械の対比を主なテーマとしていたのに対し、こちらは人間同士の戦いや人間の欲が主軸と言える内容。特に新キャラクターの存在がそれらの要素を強調している。
      • アリコーン艦長「マティアス・トーレス」は、そのエキセントリックな言動により各SPミッションで名(迷)言と言える台詞を多く残し、プレイヤーに強烈な印象を与えるキャラクター。
      • これまで、核兵器や超兵器で大量殺戮を行おうとした敵キャラクターは何人も存在したが、彼らはあくまで「手段」としていたのに対し、トーレスはそれ自体を最大の「目的」として行動しており、「史上最大の悪艦長」のコンセプトに恥じない悪人あるいは狂人として描かれている。
      • なお、艦長としては掛け値なしに優秀な人物であったことも言及されており、また彼を慕う部下も多いことから「トリガーの対存在」という側面も持つ。
      • 所属不明の敵エース部隊として、ミミック隊の「レイジ」「スクリーム」が登場。乗機はダズル迷彩を施したSu-47。高貴なエリートの印象を受けるソル隊とは反対に、卑怯なアウトローのような存在で、ミッション中の戦い方にもそれが表れている。姉弟で同じエース部隊に所属している大きな特徴があり、なおかつ2人共アクの強い性格をしている(特に姉のスクリーム)。
      • アリコーン関連作戦の指揮官を務める「ハワード・クレメンス」は、本編のマッキンゼイや『5』のペローのような人望の低い無能上司。SP01から胡散臭さを漂わせており、それがSP02で表面化する。
      • 悪い意味で人間臭い新キャラクターが多い中、オーシア分析官の「デイビッド・ノース」は共感しやすく、好感を持ちやすい人物。献身的にロングレンジ部隊を支援する他、各SPミッション開始前・終了後のムービーで“3本線を死なせずに済む方法”を模索していることが描写される。
    • 聞き所の多い無線会話
      • 予定通り進行しているミッション中の無線だけでも、出現した敵機の機種を詳しく教えてくれるロングキャスター、攻撃された特殊兵装によって異なる反応を見せる敵兵士などが挙げられる。
      • 特に、SP01でアリコーンを防衛する航空機部隊は誇り高いファイターパイロットの印象を残しており、モブながらも大きな存在感を放っている。
      • SP02のミミック隊戦はSPミッションでも特に無線会話が盛り上がる。片方を撃墜すると、残った方はTACネームの意味をそのまま表現したかのような激しい反応を見せる。
      • トーレスは前述した通りの人物のため、個々の台詞のインパクトが強い。SP03では戦闘が進むにつれて狂気を増していき、その本性を剥き出しにしていく。
    • 本編同様、過去作を意識した要素が多い。
      • アリコーンは元々エルジアの兵器ではなく、『5』のシンファクシ級の設計思想を受け継いだユークトバニアの兵器。公式HPの設定資料集にて、技術的・政治的問題から廃棄される予定だったが、『3』のゼネラルリソースを介してエルジア他2ヶ国に流出してしまう懸念が語られている。
      • トーレスは『04』の大陸戦争時にエイギル艦隊旗艦タナガーの艦長を務めていた。つまり彼はメビウス1と交戦経験のある軍人で、結果的に2人のシリーズ主人公と関わりを持ったキャラクターとなっている。
      • M16にも登場したアンカーヘッドはSP02で再登場。M16では夜間のため街の様子が分かりにくかったが、SP02では昼間のため、『2』『3D』との比較がしやすくなった。曇り空のため、状況がよく似た『2』の「補給港奇襲」を思い起こさせる。
      • 小ネタ要素だが、ムービーに映るアリコーン関連記事に『5』のアルベール・ジュネットの名前を確認できる。

ミッション(評価点)

  • 『AH』では操作そのものを制限・強制される、『INF』ではゲーム形態の関係上プレイヤーに時間的・金銭的負担を与えるなど、据置機作品では2連続で自由度の低い作品が続いていたが、今回は『6』以前のような、好きなように機体を飛ばせて好きな時に遊べる内容に戻った。
    • 敵エースのミハイはその性格上、標的として定めた機体に対して『AH』のDFMの如きストーカー行為に及ぶのだが、少なくともトリガーもといプレイヤーにはしてこない。
      同様に、入り組んだ地形に逃げ込むこともあるが、必ずしもこの挑発に乗る必要はない。
    • 基本的に後述のフレアでの回避を前提にした敵の攻撃はなく、使用しなくてもクリアに支障は出ない。SPミッションの艦船が搭載するVLSがそれに近いが、戦術次第では自力での回避は辛うじて可能である。少なくとも『AH』のように、必ず有効射程内で戦わせられて使用を強制される様な状況はない。
  • 超兵器「アーセナルバード」
    • 本作を象徴する兵器の一つで、劇中には2機登場する。新規の超大型航空機が登場したのは『X2』のスピリダス&オルゴイ以来9年振り。
    • プロペラで飛行するレトロな見た目に反して、その戦闘力は絶大。これまでの超兵器の主要兵装を複数備えたような機体で、複数のミッションで強敵振りを見せ付ける。
      • 翼下には無数の無人機を搭載。アーセナルバードが出現するミッションでは、必ずこの無人機達を相手にする必要がある。
      • 自衛用の対空ミサイルも完備。誘導性能が高く、中途半端な回避機動では当たることもある。
      • 敵の攻撃を防ぐ偏向シールドを発生可能。シールド発生に必要な電力は常に軌道エレベーターから供給されるため、軌道エレベーターの電力を止めない限り、通常兵器では太刀打ちできないほどの防御性能を誇る。
      • 一部ミッションでは、空間制圧兵器のヘリオスを放ってくる。『6』のニンバス同様、爆発範囲から逃げる必要がある。
      • 2機のアーセナルバードの内の1機は、さらに2種類のレーザー兵器を持っており、より優れた自衛能力を発揮する。
    • 後述するように、2機のアーセナルバードとはそれぞれ異なる方法で戦うことになるが、それによって別々の魅力を持ったミッション内容となっている。
  • 本作で特に評判が良いミッションとして、主に以下が挙げられる。
+ ミッションの詳細・ネタバレ
  • M11「敵主力艦隊殲滅」
    • ストライダー隊としての初仕事で、本作唯一のプラント破壊・対艦戦ミッション。
    • スペア隊で多くの複雑なシナリオミッションを経て、久々に撃墜ポイントを制限時間内に稼ぐ単純明快な内容。味方の護衛や無人機の乱入といったストレスの溜まる要素が一切無いので、何も考えずに思う存分敵の撃墜を楽しめる。
    • 中でもロングキャスターの台詞をもじって「ハンバーガー作り」と呼ばれる渓谷と洋上に築かれたプラットホームの破壊が最大の目玉。
      • プラットホームはコアとなる構造体を破壊することでブロックを丸ごと破壊できる。上にある対空兵器も丸ごと破壊扱いとなるのでポイントも大量に獲得できる。
      • 真横から狙う必要があるのでそれなりの操縦技術は必要なものの、慣れればあっという間にコアを狙い撃てるので爽快感とカタルシスは本作随一。
    • プラットホーム破壊にこだわらなくても目についた敵や艦隊を片っ端から殲滅するだけでもクリアでき、弾切れになっても帰還して回復できると至れり尽くせり。スペア隊の任務で溜まったストレスの発散に最適。
  • M12「ストーンヘンジ防衛」
    • 過去作の超兵器を護衛し今作の超兵器に対抗する」という、シリーズ経験者からすれば非常に熱い展開のミッション。
    • ストーンヘンジは『04』でメビウス1に破壊されたのだが、1基だけは隕石が付近に落下した影響で故障・修復中であり攻撃を受けなかった、という設定を活かしたもの。
    • かつて必死にストーンヘンジを守っていたエルジアが今度はストーンヘンジを破壊する側に回る、逆にプレイヤーはかつて『04』で破壊した敵の同型機を守る「皮肉」とも言える戦闘が行われる。
    • ストーンヘンジの復旧には所々無理が生じていて1発しか撃てないため、常に緊迫した状況が続く。
    • アクシデントが発生して目視照準で射撃する羽目になるものの、最終的には発射に成功しアーセナルバードをシールドの上から両断して勝利、如何にストーンヘンジが恐ろしい兵器だったかを再認識させるという流れ。
  • M15「ファーバンティ攻略戦」
    • 『04』同様、戦争終結に直結する本来の最終作戦に位置付けられたミッション。場所が同じなだけでなく「夕暮れ時」というシチュエーション、更に作戦決行の日時まで『04』と符合する。
    • 本編中では本作最大規模を誇るミッションであり、対空・対地・対艦と、多種多様な任務をこなさねばならない。
    • 前半が終わると後半にソル隊が増援で出現。黄色中隊を髣髴とさせる5機のフランカーでこちらに戦いを挑んでくる。戦闘開始時の散開は圧巻。
    • 戦闘が進むと、ワイズマンが囮になりミハイをトリガーに墜とさせようとするイベントが発生。遠くから安全に攻撃するのも、危険を冒してビル群を抜けつつミハイを追撃するのもプレイヤーの自由。
    • ビル群付近を低空飛行するミハイとの決戦はワイズマンが撃墜されてからが本番。一連のイベントや、ソル隊との本格的な戦闘のため、本作でも特に熱い空中戦を楽しめる。
  • M18「王無き国」
    • 自軍の補給を目的に敵拠点を制圧するミッション。生きるためにトリガー達は押し込み強盗紛いの行動をする、敵側は自分達の「国」を失うまいと必死になるなど、BGMやステージの雰囲気も相まって物悲しさ、憂鬱さが漂う。
    • ブリーフィングでも簡単な作戦と言われている他、初期配置の敵は通常兵器しかおらず、数も多くないため、一見終盤には似つかわしくない内容。
    • ただし防衛に上がったソル隊の半数を撃墜すると、改良型X-02に乗ったミハイがトリガーとの決着を付けるために現れる。
    • もっとも、ミッション名や目的地からミハイを連想することは難しくないので、ブリーフィングの時点で嫌な予感がしたプレイヤーもいるだろう。
    • X-02は通常の特殊兵装しか搭載していなかった架空機だが、本作ではレールガンを搭載。同時に初登場から19年目にして初めて本編中のボス機体として出現した。
      • この改良型X-02こと「X-02S ストライクワイバーン」が本作の隠し機体枠で、難易度に関係無くゲームクリア後購入可能となる。
  • M19「灯台」
    • 本作のキービジュアルであると同時に、ストーリー上でも最重要に位置付けられているミッション。
    • M15終了後からストーリー・ミッション内容共に閉鎖的な状況が続くが、ここは久々に自由度の高い戦闘が可能な、青空が広がる明るいステージということもあり、解放感に満ち溢れる。
    • 前半は『04』の「ソラノカケラ」や『ZERO』の「B7R制空戦」のような大規模空中戦、後半は残るアーセナルバード1機との戦闘になる。
    • 味方はオーシアだけではなく、継戦を主張するエルジア急進派に反対するエルジア反政府勢力も含まれており、『5』の「ACES」のように、かつて敵だった者達との共闘になる。
    • また、地上ではエイブリルとコゼットらが軌道エレベーターの電力停止のために行動しており、彼女達の活躍で上空で戦っているトリガー達がアーセナルバード戦で救われることになる。
    • ゲーム展開的に最も力が入れられており、BGMに後述するメインテーマが使用されていることも相俟って、本作最大の山場と呼べるような内容となっている。
  • M20「ダーク・ブルー」
    • 最終ミッションであり、M19終了時に突如現れた2機のADF-11Fとの戦闘を行う。
    • 出撃前には「これからの戦いでどの国に所属しているかは重要ではない」ことを示すように、トリガーが「INDEPENDENT SQUADRON(独立部隊)」を名乗り、オーシア軍とエルジア軍の国籍マークに打消し線、そして「NATION(国家)」の字幕に三本線が引かれる心憎い演出がある。
    • また、ラストバトルかつ空母からの発艦と『5』を意識したシチュエーションになっており、離陸時は甲板のクルーが敬礼で見送ってくれる演出が熱い。
    • この2機のADF-11Fはミハイ並みの戦闘機動を行う上に、TLSによる攻撃やミサイル迎撃、護衛用UAVとの連携を行うなど、ラスボスに相応しい強さを持つ。
    • 引き続きオーシアとエルジアの有志連合による共闘が行われるが、次々と仲間達がADF-11Fに墜とされていくため、壮絶かつ悲壮な最終戦となる。
    • 最後はウィングユニットを切り離したADF-11を追って、ここでようやくシリーズ伝統のトンネル潜りが行われる。しかも今回は、トンネルを抜けた最深部で一定時間内に目標に止めを刺した後、軌道エレベーターに入り込んで垂直に内部から脱出しなければならない。
  • さらに、いくつかのミッションではプレイヤーの行動による無線の変化や、ちょっとした小ネタが含まれている。
+ 一例・ネタバレあり
  • M1「始まりの笛音」
    • 最初のスクランブル発進時に離陸しないでいると急かされるほか、基地内の無線が聞ける。
    • クラウンの指示を無視して3機目の爆撃機を通常兵装で撃墜するとその後のクラウンの台詞が変化する。
  • M5「懲罰部隊」
    • 最初のスクランブル発進時に離陸しないでいると、チャンプとカウントに関する他のメンバーのやり取りが聞ける。
    • 武器使用ができない状態で攻撃ボタンを押しまくるとバンドッグに苦言を呈される。
    • 機銃縛りをやっていると無線会話が一部変化する。
    • 着陸に失敗するとハイローラーとバンドッグの賭け事の話が変化する。
  • M6「長い一日」
    • UAVを撃墜していくとタブロイドが撃墜数を報告した上でトリガーをベタ褒めする。
    • トンネルに突入・通過するとバンドッグがトリガーが墜落したと勘違い、それを味方機が訂正したうえで恐れおののく。
      • トンネル内に駐機してあるノーコンテナ状態の戦闘機は破壊可能。スコアも入る。
  • M10「異動命令」
    • 護衛対象であるマッキンゼイ司令の乗る輸送機が落ちると、バンドッグが司令に対して辛辣なセリフを吐く。
      • 当然ゲームオーバーになるのだが、なぜか味方識別されておらず、自分で撃墜することも可能*6ため、「マッキンゼイ殺害RTA」なる異例のネタ部門が誕生することに。
  • M11「敵主力艦隊殲滅」
    • ワイズマンより先に敵基地のノーコンテナ状態のコアを破壊すると、無線会話がトリガーを見習う様指示する内容に変わる。
  • M14「ケープ・レイニー強襲」
    • 道中のサーチライトなどは破壊が可能。渓谷抜け中にやると即ゲームオーバーになるが、襲撃に移行すればスコアポイントになる。
  • M15「ファーバンティ攻略戦」
    • 水没地区のビル群もほぼ全て破壊できる。
  • M19「灯台」
    • 特に意味は無いが、アーセナルバードのレーザーキャノンを早く破壊すれば味方艦を数隻救える。ちなみに、早過ぎると何隻か勝手に爆発して沈む。
    • アーセナルバードを橋に当たる様タイミング良く撃墜すると、橋の手前で急に角度を変え当たらずに墜ちる。
  • M20「ダーク・ブルー」
    • ヴィトが撃墜される前に素早くフギン・ムニンを撃墜するとヴィトは生存し、ソル隊の無線会話が一部変化する。
    • 戦闘開始から撃墜までの時間が極めて短く、当初は確定イベントと思われていた。素早く撃墜し生存させるやり込み勢が登場し始めた際も、一時シーケンスブレイクの類と認識されていたが、専用の無線が確認された事で『想定されたイベント』であることが確定した。
  • SP01「解放された者」
    • ミミック隊を放置するとエルジアの戦闘機が減ってきた事を理由に撤退する。
  • SP02「アンカーヘッド急襲」
    • エルジア将校が搭乗しているヘリを撃墜するとタッカー04がそれぞれ解説をする。このヘリは逃がしても問題は無い。
    • ミミック隊戦はとある理由から彼等にこちらの無線会話が筒抜けであるため、片方の撃墜が長引くとカウントが無線の周波数を変えて自分が囮になる事をトリガーに伝える。カウントが周波数を変えると無線の音質もちゃんと変わる。
      • また、戦死した前任のストライダー1を引き合いに出してカウントを気に掛けるフーシェンの台詞なども聞くことができる。
  • SP03「1000万人救済計画」
    • 第1段階で哨戒機を全て守りきると無線会話が変わる。
  • DLCのSPミッションは総じて好評。個々の内容が濃密で、やり応えのある追加要素となった。
    • SP01,02は、それぞれ制空、対艦で本編のあらゆるミッションを超える大規模戦。
      • SP01では味方電子戦機によるESMの支援を受けながらの空中戦ができる。『6』のESMは実感しにくかったのに対し、本作では特殊兵装含むミサイル性能が飛躍的に強化される。マルチロック対空兵装を有効活用しやすくなる他、途中で横槍を入れてくるミミック隊の対応にも大いに役立つ。
      • SP02では帰還ラインが3箇所もあり、補給がやりやすい。特殊兵装を惜しまず使用して、並み居る艦船を次々撃沈していく爽快感を味わえる。対艦戦が苦手な機体を使用しているなら、ある程度艦船を沈めたら空中戦に専念しても充分なスコア稼ぎが可能。高難度だが自由度も高いミッションとなっている。
    • ラストはミミック隊との決戦となり補給ラインが消滅するため、事前に対空兵装に換装しておかないと泣きを見る。
    • SP03はアリコーンとの直接対決。数多くの最新兵器でプレイヤーを迎え撃つ、SPミッションの最後を飾るに相応しい強敵。ミッション中の状況も相まって、ラスボス戦のような戦闘を行える。
    • これらのことから、SPミッションは1個だけでもゲーム面・ストーリー面で並みのミッションを大きく超えた規模がある。結果、本編のみだとやや少なめの印象を受けるゲームボリュームの問題がほぼ解消された。
    • このためかSPミッションは通常ミッションの倍のポイントを得られる。また、それぞれ条件を満たしてクリアするとそれによって御褒美が貰える。
  • 2020年10月アップデートで新難易度カジュアルイージーが追加された。
    • 言わば「ベリーイージー」に相当する難易度で、自機は通常ミサイルの弾数無限+威力アップ・地形衝突ダメージ減少、ほぼ全ての敵の耐久・機動力などの性能が大幅弱体化などの大胆な調整がなされている。
      • ミサイル威力強化で殆どの敵を1発で破壊可能になる、敵機(特に無人機)の機動性が大幅に低下し、他難易度では無理な角度からでもミサイルを当てられるなどより初心者に遊び易い環境が用意された。
      • 後述の様に本作では何よりも自然現象と地形に強制的に苦しめられるステージが多いが、それを考慮しても大分楽になる。
      • 「別ゲーム」と言えるほど簡単になっており、この難易度にしかできないスコアアタックやタイムアタックを楽しむこともできる。
      • とはいえ決してヌルゲーになるわけではなく、初心者はカジュアルイージーでもそれなりに難しい。ストーリー後半では苦戦することには変わりないだろう。また、ハイスコア記録はイージーと共有している。

機体・兵装(評価点)

  • 第2世代ジェット戦闘機で著名な機体であるF-104Cが初登場。
    • ストーリー開始直後にエイブリルが復元するのがこの機体。実際に「最後の有人戦闘機」と呼ばれた機体のため、無人機と対比させる有人機に相応しい機体と言える。
    • 全機体で唯一、専用かつ初登場の誘導型ロケットランチャーGRKTを搭載可能。
  • シリーズで初めてSu-30系列機のフランカーが登場した。中でもSu-30SMは本作の目玉機体の1つ。
    • Su-30SMについて真っ先に評価すべき点は、「シリーズ屈指の人気機体であるSu-37の代理機あるいは後継機が一二分に務まるフランカーである」ということ。
      • 過去にはSu-37よりも優先的に登場したフランカーとして、『6』初出のSu-33、『AH』初出のSu-35Sが存在した。しかし、前者は見た目が似ているだけで性能は遠く及ばない「劣化Su-37」でしかなく、後者は高性能でも肝心のカナード翼がないため、特にライバル機としては映えない外見だった。このため、どちらもSu-37の代わりになるとは言えない存在だった。
      • それに対してSu-30SMは複座という相違点こそ存在するが、全体的なシルエットはほとんど大差ない。さらに、「カナード翼と推力偏向エンジンがあって派手な外見であることに加えて、F-22Aなどのステルス機に迫るほど高性能」なため、『AH』以降弱体化されていったSu-37の代わりになる、最強クラスの三面翼フランカーとして扱える。
      • また、『6』でSu-33を使用するシュトリゴン隊は強敵としての印象が残りにくい、『AH』でSu-35Sを使用するマルコフは洋画・洋ゲーでよく見かけるステレオタイプな悪人であるせいでパイロットの腕ぐらいしか褒める点がなく不人気*7など、搭乗者の問題もあった。
      • 本作のミハイは前述したようにライバルキャラクターとして充分な魅力を持っているため、機体もパイロットも互いに引き立てあう存在になっている。
    • プレイヤー使用可能機としては、性能がどれも万遍なく高い、使いやすい特殊兵装である6AAM,QAAM,LAGMを装備可能で高汎用、ウェポンベイなどの特殊な仕様がないことなどから、非常に優秀で使い勝手が良い。
  • 現状、DLCを含めて架空機が計8(実質架空機であるFB-22も含めれば9)機登場。結果本作も含め各据置機作品初出の殆どの架空機が出揃う事になった。
    • 『AH』初出のASF-Xは3回目の登場だが、架空世界での登場は今回が初となった。
    • 映画『トップガン・マーヴェリック』コラボDLCにおいて、劇中で登場した極超音速実験機「ダークスター」がプレイアブル機として登場。最大速度マッハ5*8の、歴代架空機で最速の速度性能を誇る。
    • 例によって架空機は総じて性能が高い。DLCは全て最初から無条件で選択可能なので、先に低難易度のSPミッションで架空機を使ってポイントを稼ぎ、装備を整えてから通常ミッションに挑むことも可能。
  • 一部の機体で、コブラやクルビットなどのポストストールマニューバが可能になった。『AH』『3D』のボタン押下で行うマニューバで自動発動されるものではなく、手動で行える。
    • 可能な機体は推力偏向ノズルを装備した機体となっている。そのため、Su系列を開発していれば中盤あたりから使えるようになる。
  • 『INF』初出の特殊兵装であるHCAA,LACMなどが引き続き登場。『INF』ではゲーム形態上気軽に試せなかったこれらの兵装を、本作で存分に活用できる。
    • 特にXFA-27の専用兵装MSTMは、『INF』では実質的に重課金者しかまともに使えない立ち位置にあったが、本作ではDLC購入さえすればいつでも使用可能。
  • 『X2』『3D』で良くも悪くも強武器として有名だったSASMが据置機作品で初登場。以前と同様に高い命中率を期待できる対空ミサイルだが、QAAMなどを喰ってしまうような強さではなく、丁度良い性能に抑えられた。
  • 4/6AAM、4AGMのさらなる強化型と言える8AAM,8AGMが登場した。
    • その名の通り最大8目標への攻撃が可能。AGMはこれまで4連装止まりだったが、今回でようやく攻撃可能目標数が増加させられた。
    • 8AAMについて、本作では無人機の群れやアーセナルバードなど、手数が必要になる場面がよくあるため、有効に活用させられる場面は多い。
    • 8AAM搭載機は、この兵装を選ぶとウェポンボックスも一緒に搭載され、一度に大量のミサイルを運ぶことになる。特にF-22Aは胴体ウェポンベイも合わせて14発のミサイルが搭載されるため、ミッション中に機体下部を見るとかなりの迫力がある。
  • GPBと4AGMを合わせたような新対地兵装XSDBが登場。最大4目標を確実に攻撃できる使いやすさと、僅かながらの範囲攻撃を兼ねた運用が可能。
  • 架空機の専売特許だったTLSやEMLなどの一部架空特殊兵装を一部実在機も搭載可能。半架空機の様に運用可能となった。
    • 高汎用な新架空特殊兵装“PLSL(パルスレーザー砲)”登場。
      • ボタンを押している間、ショートレーザーを一定間隔で連射する。イメージとしては『スターウォーズ』などのスペースオペラでよく見られるレーザー兵器。
      • 威力、射程、弾速、攻撃範囲、連射力(リロード速度)、装弾数どれを取っても申し分ない。さすがに過去作のTLSのようなバランスブレイカーではないが、無誘導兵器としては大変優秀な性能を誇る。
      • 比較的当てやすいことに加えて「いつでも撃てる」ため、一度に一発しか撃てないEMLや照射時間が決まっているTLSと比べて使い勝手が良い。
      • 射線上に雲があると遮られてしまう明確な弱点があるが、運用上の欠点はそれぐらいしかない。
      • 無誘導である以上ある程度の練習を要するが、それがむしろ使い込んだ時の面白さに繋がっている。実用性と爽快感が共に高く、使っていて楽しい特殊兵装と言える。
      • DLC機のADF-11Fとダークスターはこの兵装を機銃として標準搭載している。射程の短縮や威力・連射力の微減こそされているが、機銃としては規格外の性能。しかもレーザーパーツの他“機関砲自動掃射装置”“機関砲レーダーロックシステム”もしっかり機能する為他の架空機と比べても次元の違う強さを持つに至っている。
  • キャンペーンだと特定状況下でしか役に立たず特殊兵装の選択肢を1つ潰してしまい、逆に対人戦だと作品によってはバランスブレイカーであった防御専用兵器のECMが廃止され、いくつかの代替手段が登場した。
    • 『AH』のフレアが復活し、こちらは全機種で使用可能。
      • 暴発対策としてL3とR3の同時押しで散布可能となっている。
    • 敵機からのミサイルを鈍化させるキャンペーン専用パーツも用意されている。
    • 一部DLC機体はECMとESMが統合された様な新兵器のIEWS(統合電子戦システム)を使用可能。
      • その効果は「自機ミサイル追尾力アップ&敵ミサイル追尾力ダウン」というもので、特殊兵装としての攻撃性が追加されている一方、防御兵器としてはECMより明確に弱体化されている。
      • 対戦では味方にもアップ効果があるが重ね掛けはできない。パーツによる強化もできない為少なくとも使用されると勝負にならない事態にまずならない。

マルチプレイモード(評価点)

  • トータルコスト設定次第で、どのようなコスト帯の機体でも活躍の余地がある。
    • 設定は計4段階。各コストまで性能が足りていないようであればカスタマイズで補える。
    • 元々は低性能だがカスタマイズして指定コストまで上げた機体でも、元から指定コストに近い性能を持つがほとんどカスタマイズできない機体でも同じように活躍できる。
  • 特殊兵装禁止設定にすれば、対人戦向け兵装を持っていない機体で対戦に勝利する可能性が上がる。
  • 『INF』ではホストが抜けたり回線落ちしたりすると全員が強制退室となったが、今回は別のメンバーにホスト権限が移るため引き続きルームを使用できる。

VRモード(評価点)

  • 専用機器を使用するだけあって、通常のゲーム画面では決して味わえない圧倒的な臨場感を誇る。
    • コクピットは細部まで作り込まれている上、各種操作機器一つ1つに立体感がある。
    • 本編以上にキャノピーの水滴の流れや雲の動きを感じやすい。また、僅かな操作で天地が大きく変わるため、本当に空を飛んでいるような感覚がある。状況によっては空間識失調に近い感覚を覚えることもある。
    • ミッション中は実際の戦闘機パイロットのように、自分の首を動かしながら周囲の様子を確認しつつ操縦を行う。
      • 目の前を激しく動く敵機を見ながら追撃するのは非常に緊迫感がある。首の動きとスティック操作を上手く連動させてドッグファイトができるようになると大変爽快。
      • VRによる視界操作の恩恵を最も受けている兵装がQAAM。側面にいる敵を実際に見てロックオンし、撃墜することが可能。
      • ロックオン警報が鳴り響いた際にはプレイヤー自身が機体のレーダー画面を確認、敵機やミサイルの方向を確認しつつ回避行動を取る、という動きも大変それらしい。無線などで時折聴こえる<<チェックシックス(後方に注意)>>という言葉の重要さも実感できるだろう。
    • M02開始前には、過去に何度か存在した空襲下でのスクランブルイベントがある。VRで体感する分、付近に敵機や味方機が墜落する、破壊された味方車両の破片が自機に降り注ぐ、敵機からの銃撃を受けそうになるなどの演出では恐怖感が増している。
    • ハンガーでは様々な方向から戦闘機を眺められる。「目の前に実物大の戦闘機が存在する」感覚があり、特にタラップに上がった時にそれを感じやすい。
    • エアショーモードでは、空母の甲板上から疑似航空ショーを体感可能。
      • 各種マニューバをしながら目の前を横切っていく戦闘機は大迫力。特にポストストールマニューバは必見。
      • 鑑賞する位置は固定ながら複数存在するので、空母上から気に入った位置を見つけて、そこから鑑賞ができる。
  • シリーズ経験者にとっては最大級のファンサービスがある。それは『04』の主人公メビウス1の復活。
    • プレイヤーキャラクターとしての登場は通算3度目。かつて自分の分身だったメビウス1になりきれるということで、多くのファンを歓喜させた。
    • リボンのエンブレムと、水色のメビウスカラーのF-22Aも復活。解散されたISAFに替わってIUN-PKFに所属している為、エンブレム下の表記がIUNに変化している。
      • ISAF表記のメビウスラプターは有料DLCとして本編中で使用可能。
    • 『カティーナ』でもメビウス1を支援したAWACSスカイアイも再登場。M02ではスクランブルイベントで機体を確認できる。
    • 『04』ではモブキャラクターの1人に過ぎなかったオメガ11本人が僚機として登場。今作ではベテランパイロットということで、劇中でのベイルアウトはなし。
    • もう1人の僚機ヴァイパー2は若きエリートの立ち位置にいる新世代パイロット。初めはメビウス1の存在を疑っていたが、最終ミッションクリア時に彼のことを認めるようになる。
    • 『04』『カティーナ』では対応していなかった日本語音声に対応しているため、初めて『04』関連キャラクターの日本語音声を聞けるようになった。

BGM(評価点)

  • メインコンポーザーはシリーズではお馴染みの小林啓樹氏。今回は過去にも増して「焦らし」を効かせたBGMが多い。
  • サントラ準拠でBGMは計125曲(過去作からの流用を除いても103曲)。シリーズ初の100曲越えのボリュームとなった。
  • メインテーマに相当するBGMは、M19後半の「Daredevil」である。発売前のPVで特に反響の大きかった「Dark Blue」にも使用されていた。
    • 『6』の「THE LIBERATION OF GRACEMERIA」のような、静かながらも緊迫感に満ちた曲調から徐々に盛り上がっていく壮大なオーケストラ調BGM。
    • この曲はミッション進行とシンクロするように特殊ループの仕様を組み込んであり、戦況が自軍側に傾くイベントに合わせてサビに入る*9
    • 本BGMサビのフレーズが使用されているものが序盤から終盤にかけて多数存在する。中でも終盤で使用される以下のBGMは高評価。
      • M19前半の「Lighthouse」は希望に満ちたアップテンポなBGMで、このミッションのシナリオの熱さ、そしてシリーズでも特に大規模な空戦で流れる事もあって、次の場面で流れる「Daredevil」の前座には留まらない高い人気を誇る。
      • M20前半の「Hush」は、悲しくも熱い曲調で最終局面に相応しい。「Daredevil」がサビで爆発するように変わるBGMならば、こちらはイントロを除くほぼ全体が常に燃え上がっているようなメロディーで構成されている。
  • ミハイ戦で使用される3曲「Two pairs」「Sol Squadron」「Archange」は如何にもボス戦といった感じで、威圧感が前面に押し出された力強いBGM。
    • 3曲共通で似たようなメロディーが存在し、事実上ミハイのテーマとして使用される。戦闘回数を重ねるごとにより曲調が激しくなり、BGM終わりの部分で特にそれを感じられる。
  • 「Daredevil」やミハイ関連以外では以下のBGMが印象的。
    • M06の「Long day」は、オーケストラの荘厳さとロックの激しさを持ったBGM。両ジャンルの要素がバランス良く取り入れられているのが特徴。
    • M09後半の「Faceless Soldier」は絶望的な状況から一転、編隊飛行からのサビ突入という印象に残るBGM。
    • M12前半の「Stonehenge Defensive」はストーンヘンジが登場することもあり、『04』から続いているフレーズが用いられている。
      • また後半の「Dragon Breath」もストーンヘンジ発射までの激しく忙しい展開をうまく盛り上げている。
    • M13の「Magic Spear I/II」は本作屈指でノリの良いBGM。ギターやドラムが主体だが、サビ以外で定期的に挟まれるオーケストラヒットと、サビの流れるようなストリングスも耳に残りやすい。
    • M18の「Lost Kingdom」は静かで切なく、ミッション中に登場する敵側の心情を表したかのような曲調。ステージの美しい景色とも非常に良くマッチしている。
    • ブリーフィングやハンガー、デブリーフィングのBGMも複数用意されている。メイジ隊では開戦直後の混乱を表すような緊張感のある曲調、ロングレンジ部隊では反撃開始をイメージさせる勇壮な曲調、M15後のデブリーフィングでは無音とシナリオの展開に合わせた曲調となっている。
  • SPミッション
    • ミッション中の状況に合わせて違和感なく特定パートに切り替わる・別のBGMに変わるなどの工夫が見られるBGMが複数存在する。
    • SP02後半のミミック隊戦BGM「Mimic」はハイテンポなロック調BGMであるだけではなく、ミミック隊の生存状況で変化するドラムパートが計3パターン存在するという特徴がある。
    • ミミック隊の片割れを落とすと狂ったような激しいリズムになるが、変化後のパートはレイジとスクリームのどちらが生き残っているかでそれぞれ用意されている。
  • マルチプレイモード
    • ステージの雰囲気(天候や場所)に合った過去作BGMが当てられている。例として、フォートグレイス島で『2』の「Aim High」や、アンカーヘッドで『5』の「Chain Reaction」に、インシー渓谷(夜)で『04』の「Operation Bunker Shot」などが挙げられる。
    • 唯一のオリジナル曲は「Roca Roja」。その名の通りロカロハで使用される、本作一の疾走感を誇るロック調BGM。
    • 『INF』でリミックスされ賛否両論だった「Comona」は原曲が採用された。
  • VRモードで使用されるのは『04』のアレンジBGM。アレンジされたのは「Sitting Duck」「Tango Line」「Blockade」の3曲。

賛否両論点

ストーリー(賛否両論点)

  • 発売前時点では、トリガーは懲罰部隊所属であることが強調されていた。
    • しかし実際に懲罰部隊であるのは前半の6ミッションであり、むしろメインになるのはストライダー隊として活躍する後半10+3ミッション。その為懲罰兵としての長期間の活躍を期待していると肩透かしを喰らう。
      • ただし、先述通り誇らしくアレンジされた罪線をはじめ、終盤では懲罰兵と合流し共闘する場面もあるため、懲罰部隊の展開は全くの無駄にはなっていない。
  • 序盤の正規部隊の仲間が別れたっきり一切登場しなくなるのもフォロー不足。最終決戦に全員集合する胸熱展開ぐらいやってくれても良さそうなものだが。
  • 本作のストーリーは、分かりにくい・解釈がプレイヤー任せになっている・捉え方次第で評価が分かれる箇所が散見される。代表的なものとして以下が挙げられる。
+ ネタバレ
  • ハーリング関連
    • M04において、ハーリングは自らの脱出のために奪取された輸送機を何故か反転させて軌道エレベーターへと向かい、その途中で撃墜され死亡する。
    • この軌道エレベーターに向かった理由は最後まで語られることはなく、その謎は本作のキーワード「ハーリングの鏡」として挙げられている。劇中の登場人物の間でも「軌道エレベーターを守るために自ら盾になった」「軌道エレベーターを壊すために体当たりを掛けようとした」と解釈が分かれている。
    • なお、最終的にエンディングにおける「彼女」の件から、守ろうとしていたと推理できる。
      • そもそも「破壊のための体当たり説」は単純に意味不明であり、本作は「アウトローな登場人物が多い」こと、「中盤辺りまで世論がオーシアに対し批判的な姿勢が目立つ」ことから、単にバイアスのかかった評が出回っていたという側面が大きい。
  • フルバンド関連
    • スペア隊所属時であるM09では当初の作戦成功後、IFFを偽装した敵機の集団に襲撃される。タブロイドの機転で、敵味方入り乱れる戦場での識別に成功するが、「事故」によってフルバンドがカウントに撃墜され戦死する。
    • この「事故」は、ミッション前半にフルバンドがスペア隊に関する機密情報を得たとひけらかしてバンドッグから警告されていること、バンドッグが識別時にわざわざフルバンドの位置を確認し、笑い声を漏らしていることから、意図的な抹殺であることは明白である。
    • しかし、フルバンドの死についてはM10開始時に僅かに言及されるのみのため、意味もなく張って投げっぱなしにした伏線のように思われがち。
    • その後、トリガーが正規軍に復帰すると、スペア隊とは「無人機自動邀撃システムの穴を突くために編成された瀬踏み部隊」であったことが明らかにされる。
    • つまり、フルバンドはこの情報をいち早く得ていて都合の悪い存在だったためにバンドッグから消されたと考えれば、演出・伏線回収として不自然ではない。
  • ミハイ関連
    • ミハイは良く言えば「ひたすら飛ぶことを愛するストイックな空の男」だが、悪く言えば「ただ飛ぶことにしか興味のない戦闘機馬鹿」という人物。
    • 老いてもなお強化スーツを身に着け老体を酷使しており、トリガーとの戦闘のように体に負荷が掛かり途中退場することもある。
    • そして、孫娘達がとても心配そうに常に付き従うとそこまでして飛ぶには深い事情があるようにも捉えられるが、誰かに強制されているわけではなく、自分の意志で飛んでは敵エースらを自らの実力で屠って来た。
    • 元々滅ぼされた国の王族の出身でエルジアに併合された時もそれなりの待遇を用意されたが、「大空こそが彼の王国」というシュローデルの台詞にあるように、これを辞退して一軍人としての道を選んだ。
    • これも「エルジアへの復讐」「祖国の復興」といったものが目的ではなく、ただ飛ぶことだけを考えたいだけである。
      • ただし、ドクターシュローデルの語りの中で、ミハイには「国の王族の世継ぎとして生きてきたが自国内で革命が起こり、その際 唯一無二の親友と思っていた人物に銃の引き金を引かれ、祖国を追われることとなり、最終的に母国は拡大するエルジアに飲まれて消えた 」という重い背景があると語られる。このことから、「ただ飛ぶことを考えたい」だけなのではなく「その失意・絶望から飛ぶことだけを考えるようになってしまった」と推察することは出来る。また、このことを踏まえると一見バッドエンドに見える彼のエンディングにも希望が示唆されていることがわかる。
      • しかし如何せん上記の話がミハイと大して親睦が深くないと思われるシュローデルの口からさらっと語られるだけで当時のミハイの心情なども全く描写がないため、多くのプレイヤーからはミハイが自分勝手な人物に映ってしまった感は否めない。
    • 本人は戦闘機パイロットとして飛べることに喜びを見出しているが、同時に自分の飛行データが無人機開発に利用されることを快く思っていない。
    • このため、M18でトリガーに敗れると、無人機の生産阻止を彼らに託して退場。今度こそベッドの上で過ごす余生を送る状態となり、飛べないことへの辛みを語っている。
    • 上記の展開は、ミハイが戦争拡大を望むエルジア急進派や、無人機開発に関わったベルカ人研究者を虐殺した一部のエルジア保守派のような悪人ではないことを強調する。
    • 同時に、王族である自分に期待された使命から目を背け、(自覚はあるが)自分の尻拭いを若い世代に丸投げしていて無責任という解釈にも繋がっている。この点を理由として、プレイヤーごとにミハイの評価が分かれている。
  • コゼット関連
    • M19においてコゼットは軌道エレベーターの電力停止を行い、脱出のためにパラシュート降下を行う。その途中ADF-11Fが発射したミサイルがパラシュートに当たって爆発、パラシュートは爆散しヘルメットは吹き飛び、どう見ても死亡した様な描写がされる。
      • しかし、M20では無線上で、エンディングでもエイブリルの台詞や実際に登場して何の理由もなく生存しているため、上記のシーンは本作一不可解な場面として話題に上がり易い。
      • M20開始時の意味深なAI起動描写や、無線でのコゼットの若干不自然な様子(ご丁寧にそれに不信感を抱く一部キャラ)といった描写から「一部始終を見ていたAIが彼女を学習し模倣した」と主張するプレイヤーもいるが、上記の通りエンディングでしっかり生存が確認されている。
      • 要するにもったいぶった数々の描写は正真正銘ただの意味のわからない代物になってしまっている。
      • ゲーム外でも説明がされておらず「爆炎等でコゼットが見えなかっただけで落下中に予備のパラシュートが開いて奇跡的に助かった」「ヘルメットはしっかり固定せずに被っていたから爆風で外れた」などと強引に解釈するしかない。
      • 「民間人のヒロイン」という守るべき存在のキャラが死なずに済んだことは、一連の展開の擁護点と言える。
  • DLC関連
    • 実はハワードは危険な思想“エースパイロット不要論”を持っており、賛同する上官とつるんでアリコーンを巡る戦いに乗じてミミック隊を差し向け勝手にトリガー暗殺を決行する。つまり、アリコーンとミミック隊は何の関係も無い。
      • ところがSP02でトリガーの戦いを目の当たりにした上官が考えを改めてしまった上、ハワードの制止を無視したミミック隊がトリガーに返り討ちに合って失敗に終わる。
      • さらに作戦中の無線会話により裏切り者のレッテルを張られた挙句、アリコーンの情報元として利用していた相手がまさかの敵(アリコーン)の差し金だったことまで発覚し結果失脚する。
      • このように実に複雑な陰謀が張り巡らされているため、初見だと分かりにくい内容。クリアが早過ぎると碌に会話も聞けないので全貌を良く知りたいならわざと回避に専念するしかない。ボリュームはあるもののそれを僅か2ミッションに詰め込んだため余計に分かりにくくなっている。
    • SP03でアリコーンの核弾頭が1発オーシア首都オーレッドに向けて発射されるが、その直前トリガーの奇襲によって照準が狂い失敗に終わる。
      • しかし、どこに着弾したかの説明は一切なし。海など何もない所に落ちたと考えるのが自然だが、放射性物質などを気にし出すとすっきりしない要素になっている*10
      • 尚、トリガーのこの活躍は「命令違反」であるがお咎めは無かった模様。
  • 上記以外にもM19のカウントの台詞<<くそったれのバリアめ 消えろ!>>やM20の「彼女」の帰還など、初回では意味不明な演出がある。しかし、これらの伏線は張られているため、2周目以降で無線に注意しながらプレイするとその内容を理解できるようになる。
  • 物語後半は今までにない展開に突入するが、それを上手く活かしきれていない点がある。
+ ネタバレ
  • オーシア軍はエルジア軍のレーダー網を無効化する為、衛星破壊作戦を実行し成功するが…。
    • 偶然にも相手側も全く同じ作戦を展開しており、ほぼ同時に成功する。
    • その結果、各戦地に赴いていた両軍の全部隊があらゆる情報途絶の憂き目に遭い、疑心暗鬼になり敵味方の区別もないまま戦闘に突入する大混戦に陥る。
    • さらに悪いことに、エルジアは元々複数の小国を併呑して成立した国であったため、各々が今が好機と一斉に便乗独立を開始し群雄割拠となる。
  • …といった具合なのだが、この状態になってからは残り数ミッションな上、最後の2ミッションは両軍が協力する展開となるので体験する期間は短い。

ミッション(賛否両論点)

  • ミッション数は本編20(分岐なし)+SP3(DLC)の計23ミッション。VRを含めれば26となる。
    • 本編のみでも1周当たり20ミッションであるのはシリーズ内では平均より若干多い*11。ナンバリングタイトルだけあってストーリーは規模の大きいものとなっており、通しプレイでの充実感は充分にあると言える。
      • しかし分岐込みで計30前後になる作品も度々見られたことを考えると、人によってはボリューム不足と感じられる可能性がある。本作には分岐がないので周回プレイ時の新鮮味が薄い。
      • SPとVRミッションを含めればボリューム面の問題は解消されるが、前者はネット環境が必要な上有料で後者はPS4版にしか無い上PSVRが必須である。
      • なお、SPミッションはストーリー上では「本編の時系列に含まれる形で発生した出来事」であり、単なるおまけや番外編ではない。このことから実質1周23ミッションに増えており、1周当たり最多の『5』に次ぐボリュームになったとも捉えられる。
  • 本作はシリーズ内で難しい部類に入っており、特に初回プレイ時はシリーズ最高難度と言われるほど初見殺しに事欠かないミッションが大半を占める。
    • その理由としては、天候による悪影響、高機動な無人機の高い出現頻度、特殊任務や護衛戦の多さによる攻略手順の複雑さなど、難易度設定ではどうにもならない要素が非常に多いことが挙げられる。
      • これらの環境要因は「難しいからイージーに変更」しても変化しないため、特に初心者・ライト層からの批判を呼ぶ原因となり、後のカジュアルイージーの実装に至った。
    • また、ランク基準がスコアとタイム両方の成績で決まるようになったため、どちらかに特化した戦い方ができなくなったのも、本作の高難度化に拍車をかけている。
      • 一応はタイムの方が優先されているらしく、クリアが早ければ多少敵が残っていてもSランクが取れる。
    • しかし一見無理ゲーのように思えて、攻略法が確立すると簡単になることが多い。良くも悪くも覚えゲーといえる。
      • X』『X2』では、低性能機だとSランクどころかクリアすら不可能なミッションが存在したが、本作では適切なカスタマイズを施せば、少なくとも本編ではどのような機体でも難易度エースで全ミッションSランク制覇が可能。自由度も意外とあり、F-104CやA-10Cなどによる機体縛りでの達成も実際に確認されている。
      • また、『6』のパステルナーク戦及びAoAのような、Sランクには長時間粘ったスコア稼ぎが必要なミッションや、『3D』のような、フルカスタム済みの高性能機でしかSランク獲得できないほど規定タイムが厳しいミッションは本編には存在しない*12
      • もちろん、『AH』のような完全に理不尽でクリアには運が関わる劣悪なゲームバランスのミッションもない。
      • 本作では難易度エースでもミサイルで一撃死しないため、ミッションクリア方法が分かっていれば攻略に余裕を持ちやすい。
      • 自動消火装置などがあれば被弾上等での戦法も通じる。また、一撃死をなくしたことで、耐久力が死にパラメータ化する問題も同時に解消している。
      • 以上のことから、本作はPS2の3部作よりは難しいだけで、ゲームバランスは理不尽どころかむしろシリーズ上位と言って良いほど優れており、プレイを重ねるとその良さが理解できる古典的アクション/STGのような内容となっている。
      • ミッション自体の難易度の問題というよりは、「カジュアルイージー」のような最初から初心者向けに調整された難易度や、低難易度での天候や制限時間、敵攻撃力の緩和といった要素が存在していなかったことの問題と言い換えることもできるだろう。
    • 主な難関ミッションは以下の通り。スペア隊所属時で特に難関が多い。
+ ミッションの詳細・ネタバレ
  • M07「無慈悲な摂理」
    • 複雑な奇岩地形、悪天候による視界不良・強風・落雷、中盤の無人機からの友軍機の護衛、極め付けがソル隊(というよりミハイ)との初戦闘と、初見殺しの塊のようなミッション。
    • 特に厄介なのは落雷で、無人機の撃墜を急がないといけない状況でレーダーやロックオンが機能しなくなるのは致命的。運が悪いと被雷の衝撃で墜落する危険すらある。
    • 中盤の味方機援護では運が相応に絡む。運がいいと長時間援護せずとも耐えてくれるが、運が悪いと何度も救援要請を出してくる。
    • 本作を低く評価する声には大抵このミッションへの苦言が含まれるほどで、初心者を払い落とす要因となっている。味方機救援とミハイ戦の前にリトライポイントが設定されているのがせめてもの救い。
  • M08「生命線を断て」
    • 石油精製施設への攻撃ミッション。問題なのは後半で、砂嵐の状況下でマップ外に逃げ出すタンクローリーを追撃する。
    • 砂嵐の影響でタンクローリーは短時間しかレーダー上に表示されず、その上視界もほとんどないため、索敵難度が高い。
    • 爽快感抜群の前半に対して後半はテンポが悪く、そのギャップが批判を呼んでいる。
    • 出現するタンクローリーの位置、移動方向は決まっているため、最適な攻略ルートを見つけると、周囲の無人機を全滅させた上でのSランク獲得も可能。
  • M09「顔の無い兵士」
    • 本編ではSランク獲得が最難関と言われるミッション。雲より上空に出ると敵の防空システムが作動し、一定時間後に確実に命中するミサイルが飛んでくる中、山頂に設置されているレーダー施設を破壊する。
    • 防空システムがあるために敵への攻撃が難しく、時間が掛かりやすい。クリアだけなら難しくないが、Sランクを目指すとなると難易度は跳ね上がる。
    • 特に難易度エースでは雲から出て約2秒でミサイルアラートが鳴るほど余裕がない。加えて被ダメージ量も多く、機体によっては耐久力特化のカスタマイズをしても自動消火装置でのゴリ押しすらできない。
    • 防空システムより放たれるミサイルは雲に隠れればどんな状況であろうとも振り切れるが、逆に言うとそれ以外の方法では絶対に振り切れない。
  • M10「異動命令」
    • 『X』にも存在した、「接近しないと探知できないSAMがいるマップ内で足の遅い友軍機を護衛する」ミッション。
    • ミサイルの煙を辿ってSAMを見つけ出すことは可能だが、ミサイルの煙も霧で視認しづらく、初回では見えないSAM相手に後れを取りやすく、失敗しやすい。
    • SAMの出現位置は完全に固定されている上に、『X』の類似ミッションと異なって、自機が接近さえすれば攻撃可能となる。このため、移動ルートを覚えられるが全て。
  • M13「爆撃指示」
    • TGTP(照準ポッド)を搭載し、ミサイルサイロを発見したら味方の爆撃機にバンカーバスターを投下させ、着弾まで誘導を行うミッション。
    • 誘導には自機の機動を制限される上に攻撃まで時間が掛かる。その上、偽装サイロまであるため、タイム的にSランク獲得が難しいとされる。
    • 本物と偽物のサイロの位置はプレイするごとにランダムで決まる。ただし、一度のプレイではリトライしても位置は変わらないので、事前に確認してからリトライすればタイムに余裕ができてくる。
    • さらに最後は、シリーズ恒例とも言える発射された弾道ミサイルの撃墜となる。ミサイルは一定高度に達するとミッション失敗となるうえに合計3発撃墜しないといけない、発射位置が離れている。
    • そのためロックできる距離まで迅速に移動する必要がある、そこそこ硬いためミサイル1発では落とせない、前半のミッションのあおりで特殊兵装が使用不可など足の遅い機体では相当厳しい内容。
  • M16「最後の希望」
    • 敵味方識別が困難な状況下、要人を乗せた味方車両を護衛するミッション。
    • M16・17ではストーリーの展開上、マップ上に展開しているUNKNOWNを注視または近づいて敵か味方かの識別を行わなければならない。特にM16は夜間・ビル群の存在・護衛ミッションであることから識別の難易度がかなり高い。
    • 未識別ターゲットの敵味方配置は固定だが、たとえ敵だとわかっていたとしても未識別のまま敵を撃破した場合、スコアは加算されない。同様に味方を撃破したとしてもスコアは出ない上、3回撃破するとミッション失敗になる。
    • ブリーフィングで告知される通り、未識別ターゲットを「カメラ」で捉えることで識別できる、つまり飛行中にスティックでカメラを動かしつつ空戦を行うので事故が起こりやすい。
    • カメラ操作を使わずとも正面に捉え続ければ識別できるが、この場合は相手に機首を向けるように行動しないといけないため機動が制限される。
    • ある程度先行して進路上のターゲットを識別しつつ撃破しないといけないが、イベントなどで護衛対象のそばに突如未識別状態の敵が現れたりする。無線では「後方から敵に攻撃されている」と言われていても識別が必要。
    • 車両は耐久力が低く、放っておくとすぐミッション失敗になる。出現する敵の位置を覚えるまでが大変な内容となっている。
  • M17「残された島」
    • M16と同様に識別を含むミッション。こちらは味方機を2度撃墜するとミッション失敗となる。M16よりは障害物が少ないが、途中で到達されるとミッション失敗となる爆撃機がステルス機の護衛を多数伴う大部隊であり、そのうえで識別を要求されるため対地装備で行くと中盤から非常に厳しくなる。
    • 後半にはマスドライバーから飛び立つ2機のサプライシップを追うことになるのだが、かなり高速な上に後方からの追撃部隊、さらに被雷と強風、そして厳しい時間制限に追い立てられる。
    • 要は、これまでに何度もあった「対地戦と見せかけて対空戦」パターンの典型例。
  • SP03「1000万人救済計画」
    • 本作真のSランク最難関ミッション。SPミッションはクリア後のプレイを想定している長丁場故にどれも高難度なのだが、その中でも特に容赦がない。
    • アリコーン自体が強敵である上、そこに辿り着くまでの道のりが長い。攻略法が分からないと苦戦しやすく、初見殺し要素も強い。
    • 最大の問題はSランク条件の厳しさ。最大タイムボーナスを獲得するのがほぼ絶対条件なのだが、基本性能(特に速度)が低い・対艦向け兵装がない機体では高速クリアが不可能で、条件を満たせない。
    • スコアについても、出現するユニットの関係で非常に稼ぎにくい。このため、稼ぎに特化させてタイムボーナスの分を補うことも現実的ではなく、それを行えるだけの制限時間も不足している。
    • 結果、恐らく本作で唯一、低性能機でのSランク獲得が不可能なミッションになってしまっている。
    • なお、クリアだけなら難易度エースでも、低速度のA-10Cや対空兵装しか持たないF-15Jのような本ミッションに適さない機体を使っても辛うじて可能なことは確認されている。
  • 本作ではメインテーマの一部分を占める無人機が全編通して数多く出現する。
    • 無人機は高機動であり、通常の敵機よりも撃墜が難しい。その一方で通常ミサイル1発で撃墜できるため、状況によっては簡単に次々と撃墜できる。
    • この無人機は「ミサイル1発で次々墜とせて楽しい」要素にも「墜としにくい上に量が多くうんざりする」要素にも成り得る。
  • 本作の味方NPCはシリーズにおいてもあまり役に立たない方(『04』『X』など)に分類される性能に下げられている。
    • 登場数は『6』並に多い場合もあるが、数が多くて積極的に戦ってくれるM12,19などを除き、存在感が薄い。
      • 味方のミサイルの煙や砲弾の光などが『6』と比べてかなり見えにくく、『6』経験者からは共闘感の欠如に難色を示す意見が出ている。
      • 但しミサイルの煙については『6』では邪魔でもあった為、難点ではあるが改善点でもある。
    • また、『5』からのナンバリングタイトルで続けて搭載されていた僚機システムが無いため、部下に指示も出せない。
      • 当然リプレイの僚機カメラも存在しない。味方の働きを監視したり、味方視点でプレイヤーの活躍を眺められなくなってしまった。
    • ちなみにTGT(撃破目標)は残り2体、または特定条件でプレイヤー以外に対して無敵になるらしく、わざと味方にトドメを譲っても決着はつかない。そのため、甘く検証するとなおさら味方が役立たずに見えてしまう。
    • さらに厄介なのが、味方による撃破ではスコアが獲得できない点。イベントで味方が破壊する対象も例外ではなく、Sランクや報酬アップを目指す場合は積極的に獲物を横取りすることになってしまう。
      • このことから本作のランク評価基準では味方が有能だと割を食うことになり、能力を下げないとバランスが崩れる可能性があるという、NPCとの共闘を好むプレイヤーにとっては歯痒い状態になっている。
    • ゲームシステムとしては「『04』を思わせるシンプルな方針に回帰した」とも言えるが、シナリオ・演出上で『5』『ZERO』『6』のように味方に明確な個性を設定しているために上記の点が目立ちやすくなっている。

機体・兵装(賛否両論点)

  • 登場機体数は28機(架空機1機含む)+早期購入特典1機+追加DLC15機の計44機(2022年5月26日時点)。
    • 「新世代据置機の1作目」としては発売時点でも歴代最多で、その後もDLCで増加した。
    • 一方、発売時点での機体数はシリーズ全体としては特別多くはなく、また、DLC頼みな所がある。
  • 『INF』の機体ツリーを採用したこと。
    • 過去には機体解禁条件が分からずにいつまでも自分の使いたい機体が出てこない、パーツの出現条件が分からないなどの問題が存在した。
    • ツリー制の採用で上記の問題が解消され、プレイヤーの意思で優先的に欲しい機体・パーツを選べるようになった。
    • 一方で、目当ての機体・パーツ入手にはそこまでに繋がるものを購入しないといけない、一度購入したものは売却ができないなどの問題が発生した。
  • 『INF』では機体分類ごとに、空中目標及び地上目標への大きな威力補正がされていたが、本作ではなくなった。
    • 結果、ファイターでの地上目標攻撃、アタッカーでの空中目標攻撃で、『INF』ほど苦戦はしなくなっている。
    • 一方、分類ごとの特性の希薄化に繋がっている。
  • 終盤に入手できる機体のうち、LAGM(長射程空対地ミサイル)を装備できるのがSu-30SMのみ。LASM(長射程空対艦ミサイル)を装備できる機体もいるが、SPミッションが無い場合は対艦になる事自体が少ないので持て余し気味になってしまう。

VRモード(賛否両論点)

  • 臨場感を損なわないための措置として、本編と比較して意図的に設けられたと思われる制限要素がある。
    • 操作タイプはエキスパートで固定。
    • △ボタンによる目標注視や、右スティックによるカメラ操作はできない。自分で首を動かして周囲を確認する必要がある。
    • カメラはコクピット視点で固定。また、レーダーや機体情報はコクピットを直接見ないと確認不可能。

DLC(賛否両論点)

  • 発売から長期間に渡ってDLC展開してきたため、全て導入する場合は現時点で税抜き8,700円が必要。本作自体の価格はこれまでの例に漏れずフルプライスのため、結果的に1万円以上かかることになる。
    • ADF-01など、過去作では本編に最初から入っていたようなコンテンツで有料DLC扱いのものも存在する。
      • 特に1つ550円のSPミッションはゲームのボリュームに大きく関わってくるので、これらもユーザーによっては気になるポイント。
    • ただし、追加機体カラーだけで480円もしていた『AH』や、まともに遊ぶには月数千円単位の課金が要求された『INF』に比べれば遥かに良心的。
      • また、計数千円の有料DLCが販売される作品は既に珍しくなくなっている。何れにせよ妥当と見るか高いと見るか意見が分かれやすい。
    • シリーズ25周年記念企画以降のDLCについては、予定されていなかった新たな追加要素であること、複数の架空機が追加されたことからサプライズに近く、値段や商法は別にして内容そのものは歓迎された。
    • 逆に今から新規で購入する場合はセール時を見逃さなければSteam版で本編+DLC全て合わせても6000円以下で買えるタイミングもある。

その他(賛否両論点)

  • 発売から3年以上経過してからの『トップガン・マーヴェリック』コラボまでは、『AH(マクロス)』や『INF(エリア88)』のような大々的なコラボレーションが長らく行われなかった。
    • コラボ自体も、発売から1年以上経過してアニメ『荒野のコトブキ飛行隊』のエンブレムが3つ登場した程度。
    • 『トップガン』コラボでは、少ないながら映画をモチーフにした特別機体が登場。これにより、「中身は高性能機な旧式機」などを使う楽しみが復活したが、「同じ機体なのに兵装が異なる」という問題も復活した。
    • 『6』以降の据置機作品で恒例だった痛戦闘機は今の所存在しない。
      • ただし、痛戦闘機はネタに走っていて賛否両論だったため、なくなったことが「欠点」とも言い切れない一面もある。
      • 『アイドルマスター』シリーズとのコラボは今回も行っており、『スターリットシーズン』関連のエンブレムが登場したに留まっている。

問題点

システム(問題点)

  • 各ハードのハイエンドモデルのENHANCEDに対応しているが、残念ながら4kは非対応。その他Steam版でも、PS4 Pro/One Xを使ってもデモシーンの動きは滑らかではない。
  • HUDに欠陥があり逆にプレイしにくくなっている。
    • 『6』同様HUDの色が薄く逆光も強いため、太陽の方向に敵がいると目標コンテナが見えなくなる。
    • コンテナ拡縮度が距離だけで決まり、さらに上限・下限値があまり変わらないため敵との位置関係がつかみにくい。
      • 『6』では機首方向に応じて大胆に拡縮、『INF』では近距離ほど大きく拡大していたが、本作にはその機能は未搭載。
      • 敵が密集しすぎてコンテナが重なり、TGTの位置がわからなくなる状況も多い。特にM12のアーセナルバード戦が顕著。
    • 『INF』では、リロード中でミサイルなどが撃てない時はロックオン中でもコンテナが緑になるシステムだったが、本作ではずっと赤いままの旧来の仕様に戻された。
    • 敵の残り耐久値が判別困難。オンライン対戦時にのみ『INF』と同様コンテナ直下に耐久ゲージが表示されるのみ。
    • 『INF』ではマップ上での自機以外の航空機の大きさ変化により航空機の高低差が分かったが、本作では何故かその機能も無くなった。
    • 一部の過去作がそうであったように、無線会話のキャラ名は英語表記のみ。
      • 終盤になると一部の敵が味方になる為、無線会話において誰が喋ってるのか非常に分かりにくく、余計に混乱する。
  • 敵が多いミッションでは処理落ちが発生する場合がある。M08・11・15などが分かりやすい。
    • 爆発エフェクト等が画面内を埋め尽すと露骨に処理落ちすることもある。
  • 『INF』とは違い、メインメニューから直接機体ツリーへ行く事ができず不便。

ミッション(問題点)

  • 以下の理由から、自由度と快適性に若干難がある。
    • 天候システムは機体操作に直接影響を及ぼし、思うように操作できなくなる。このため慣れるまではストレスが溜まりやすい。
      • 雷は完全に妨害用で被雷するポイントもわかりにくく、回避が難しいにもかかわらず視界と操作を奪われる。
      • 気流は機体を流すほどの強風なのだが、追い風として利用するなどの選択肢は無いため戦略性が無い。
      • 砂嵐は視界妨害+強風での操作妨害、さらにレーダー妨害も加わる。M08などといったミッションそのものの構成も相まってヘイトを買いやすい。
      • 雲は上記3つと比較すると駆け引きを成立させているが、視界不良や着氷はやはり嫌われ易い。
      • 「天候システムだけ」であればまだ際立つストレス要素というほどでもないのだが、「護衛任務」「地形を避けて飛ばなければならない任務」「時間制限が厳しい任務」などそもそも高難易度のミッションと天候システムのダブルパンチがあるミッションが多いため、結果として余計に目についてしまう問題となってしまった。
    • 前述の通り護衛任務が多い。積極的に動かないと味方がすぐやられて失敗になるため、味方の脅威の排除を迫られる場面が多い。
      • さらに言うと「天候や大量の敵に妨害されながら分散した複数の味方全てを実質プレイヤー単機で守り抜く」という高難度な事をストーリーの前半に2度も要求されるため、爽快感を得る余裕や遊ぶ余地すら無い。
  • ブリーフィングで対地ミッションと見せかけて、中盤や後半から空中戦や速度の要る追撃戦となるマルチロール機向けの展開が多いため、アタッカー(というよりA-10C)で出撃して苦戦する事態に陥りやすい。
    • 初見だと何度もこのパターンで騙されるため、終盤にもなると「対地戦だけど後半はどうせ対空だろうからマルチロール機で」となりがちで機体選択の余地を奪っており、攻撃機で出撃するメリットがあるミッションはほぼ皆無。
      • 対地/対艦戦となるM11も、構成的に対艦ミサイルを積める機体の方が有利。
      • 一部では「地上戦で尺を伸ばしている」との声も挙がったが、実際は上記のように実質マルチロール向きのミッションが過半数を占めるので、対空好きなプレイヤーも対地好きなプレイヤーも純粋に楽しめるミッションが少ないという困った事態に陥っている。
  • 一部ミッションでは大規模戦な割に帰還ラインが設置されておらず、無計画に戦うと弾切れしやすい。むしろチェックポイントで即リトライした方がタイムロス無しで弾を補給できるので、ノーリトライ分を上回る好成績を獲得できてしまう。

機体・兵装(問題点)

  • 過去に登場回数の多かった機体の内、X-29A、トーネードなどが未登場。また、『INF』で注目を浴びたATD-0も登場していない。
  • 機体ツリーは「東側・日本機・EU機・アメリカ機」といった具合に分かれているのだが、西側は最終的にF-22Aに合流する(YF-23という例外もある)、東側も同様にSu-57(PAK-FA)に辿り着いてしまうのがやや物足りない所。
  • アタッカーの数が4機と少ない。2021年4月28日のDLC機追加までは、A-10CとSu-34の2機しか存在しなかったほど。
    • 全作品で使用可能だったF-117Aが今作では使えなくなった。一応敵機としては登場しているので、辛うじて皆勤のままではある。
    • 『INF』で念願の登場を果たしたADA-01Bもいないため、ただでさえ少ないアタッカーがさらに減ってしまっている。
    • 他のアタッカーは限りなくマルチロール機に近いためあまり問題ないが、A-10Cは前述のとおり様々な要因で苦境に立たされやすい。
    • ちなみに、過去作でアタッカー扱いされやすかったF-2Aは本作では現実と同じくマルチロール機である。
    • また、現実においても本格的な軍用機はマルチロール性が重視される傾向にあり、純粋な攻撃機と言える機体はCOIN機や練習機の転用を除いて減少傾向にある。攻撃機枠が減っていくのは致し方ないのかもしれない。
  • 過去に敵ユニットとしてよく登場したB-2は、ストーリー終盤のカットシーン及び直後のマップ上で賑やかし味方としてしか登場しない。
  • PLSL搭載機を除き、今回の機銃は過去作より威力が低めに抑えられている。加えて艦船に対する威力マイナス補正が非常に大きいせいでこれに対してほとんどダメージソースにならない。
    • 機銃照準が自機の挙動から遅れて動くため、慣れないとシリーズ経験者でさえ当てるのが難しい。
    • 機銃専用パーツを装備してようやく過去作と同じくらいの強さになる。
      • ただし、機銃縛りでもなければ、他の優秀なパーツを差し置いて装備するメリットはあまりなく、結局は未強化状態で使うことになる。
      • パーツの中には機銃照準補正機能が付加されるものもあるが、携帯機作品のような強い補正は掛からない。むしろ、自由に狙いを付けられなくなる分、かえって使いにくくなる場合も多い。
  • シリーズ通して最強の特殊兵装として名を馳せたTLSが『INF』から更に弱体化。架空機専用ではなくなったことを考慮してもかなり使い勝手が悪化した。
    • 威力が大幅低下しており、充分なダメージを与えるには継続的な照射が必要になったため、以前のように敵を次々切り裂くような運用がほぼ無理になってしまった。
    • また、照射開始時に攻撃判定が出るまで時間が掛かるようになったり、命中時に派手に上がる爆炎で目標が見え辛くなることで、尚更使いにくくなっている。
    • 汎用性や継続火力ではPLSLに、対人戦や瞬間火力ではEMLに負け、乱戦時では機銃にさえ劣る性能になっている。
      • 一応ADF-01のTLSは通常より威力が高いものの「それでも微妙」と言わざるを得ない。パーツでフル改造してやっと役に立つかどうか。
  • シリーズ通して人気の高い特殊兵装FAEBが本編未登場。対地戦での優れた破壊力と爽快感を兼ねた兵装であっただけに惜しい。
    • 特にFAEB搭載機の代表格であるA-10Cが悲惨。これが原因で独自の強みがなくなり、低速度などの欠点ばかりが目立っている。
    • 現状、FAEBを搭載しているのはDLC機2つのみである。
  • 8AAM・8AGMには「単一目標に対する多重ロック」という『AH』同様の余計な機能がある。
    • この機能が役に立つ場面はほとんどなく、特に大抵の目標を一撃で撃破可能な8AGMはむしろ無駄弾を増やす要因になり使いにくい。
    • 効果的に活用するには、まとめてロックオンしたい敵が射程に入るまで兵装切替を繰り返し「全てのロックオンが完了したら即発射」というテクニックが必要になる。
    • それでも無駄弾を完全に抑えるのはロックオン速度の高さも考えると至難の業。何発かは無駄撃ち覚悟で運用することになる。
    • 8AAMについてはアップデートによって6AAMと一緒に搭載弾数が上方修正された。「ばら撒き運用しやすくなった」という意味では使いやすくなってはいるが、根本的な解決にはなっていない。
  • 『INF』のような、カスタマイズによる大幅な性能向上ができなくなった。
    • レベル制廃止により、機体性能の底上げもなくなった。
    • 低性能機ほどパーツスロット数とフレアの数は多くなるが、高性能機との差を埋める要素にはなっていない。
    • 通常よりも高性能な上位パーツは全てマルチプレイ専用。

マルチプレイモード(問題点)

  • 『INF』の反動か縮小されている。細かい改善点は存在するが、『INF』から大きく進化した要素はなし。
    • プレイ人数が『INF』同様最大8名までと、『6』『AH』の最大16名よりも減少している。
    • ルールがチームデスマッチとバトルロイヤルのみ。『INF』で好評だった艦隊攻略戦も採用されず。
      • 基本的に他プレイヤー機を撃墜する以外にする事がないので、人によってはすぐに飽きがくる。
      • 空中戦しか行わない為、特殊兵装が対地しか無いA-10Cはルールによってはますます使い所がない。

VRモード(問題点)

  • 当然ながら、個人差はあるが少なくとも本編よりは3D酔いを起こし易い。今まで本シリーズをプレイして酔わなかった人でも注意が必要。
  • ボリューム不足。
    • ミッション数は3ミッションのみ。『カティーナ』ほどのボリュームはなくなっている。
      • ミッション内容自体も本編同様に防衛系が多く占め、『カティーナ』のような掃討系は1ミッションのみとなっている。
    • 使用可能機はF/A-18F・F-22A・A-10C・Su-30M2の4機のみ。
    • VRモードのストーリーは本編の前日談ではあるが所謂打ち切りENDで、本編に繋がっていくような要素も言及も無い*13
  • PC版にVRモードが搭載されていない。
    • 公式サイトにも記されている通りSteam版には未収録。実際のプレイ経験者から高く評価されているだけに、SteamVRでもプレイできないのは悔やまれる。
    • 体験版が配信されてるが、PS4版は何故か他機種版と違いVRミッションを抜粋収録したもの。故にPSVR必須でありあまり体験版の意味がない。
      • 前述の通りVRミッションはPSVRが無ければ絶対にプレイする事ができない為、結果的にPSVR代まで掛かってしまう。

DLC(問題点)

  • 従来のシリーズ作品ではキャンペーンクリアで解禁されていたミュージックプレーヤーは、DLCシーズンパスを購入しなければ使用できない。
    • マルチプレイモード、VRモードの過去作の曲及びアレンジ曲、SPミッションの曲はミュージックプレーヤーには未収録。
  • 25周年記念企画以降のDLC機体は3機セット購入しなければスキンやエンブレムが入手不可。中にはファン待望の『エアーコンバット22』のエンブレムなども在るため、どうしても欲しい場合は嫌でもセット購入しなければならない。
    • しかも1度単品購入してしまうとそのセット購入はできなくなってしまう。単品で揃えても意味が無い。

総評

12年振りのナンバリングタイトルということで、シリーズ作としては正統派寄りの内容となった。
発売前から強調されていただけあってグラフィックの出来は大変素晴らしく、ハードの進化を強く感じることができる。
舞台がユージア大陸であることを始め、シリーズファン向けの内容が数多いのも本作の特徴の1つ。
エース気分を強く味わえるストーリーやミッション、ゲームを盛り上げる印象的なBGMなども健在。

難点としては天候システムなどによる高難度化や若干難解なストーリーが挙げられ、そこを巡っては評価がやや分かれている。
しかし、これらはフライトSTGとしての質を落とす欠点ではなく、むしろ周回することでその魅力に気付く要素にもなっている。
また、目立ったバグなどはなく総合的に水準以上の出来栄えのため、単体のゲームとしても「充分良作」と言える作品である。

PS4版専用のVRモードは大変好評で、発売後にその内容を評価するネット記事が数多く作成された。
VRでしか得られない臨場感や疑似パイロット体験は高く評価されており、シリーズ最高の「超本格的ヒコーキごっこ」が楽しめる。
シリーズファンにとっては、主人公があのメビウス1だったことも、VRモードの評価を後押しする要素となった。

DLCも値段や商法については意見が分かれるが、本編の魅力を損なわずに架空機や新規ミッションで新たな楽しみを増やす事に成功している。


余談

  • 最初期のPVについて。
    • 本編未採用の要素として、製品版とは異なる『5』のBGMアレンジや、真後ろの敵へのQAAM4発一斉発射と8AAMとの同時搭載などが存在した。
    • このPVには気密服を着た女性が軌道エレベーターから飛び降りるシーンがあり、本編の例のシーンは「その名残」と言える。
  • 本作の発売に伴い、本シリーズをモチーフにしたフライトジャケットが複数種類販売された。
    • 発売と同時には、「PROJECT ACES」をモチーフにしたジャケットに加えて、着脱可能なエンブレムが発売された。
    • Alpha Industriesからは、スペア隊モチーフのジャケットが会員限定で販売。
    • 発売から1年以上経過してからも新たなジャケットやTシャツが追加された。
  • 国際停戦監視軍(International United Nation Peace Keeping Force)は度々『X2』の多国籍治安維持軍(International Union Peacekeeping Forces)に倣ってIUPFと略されることがある。
  • 開発者インタビュー及び公式HPの年表より、架空世界の物語で最も未来に位置し、『UGSF』シリーズにつながっていく『3』が『04』以降の作品と繋がることが確定した。本作には小ネタ程度だが、『3』関連の要素や登場キャラの存在を示唆する演出がある。
    • ミハイの孫娘達とは年が近いとされるドクターシュローデルの助手マーサは『3』のヨーコ・マーサ・イノウエである。
    • イェーガーは度々息子の話をしており、土産話をすることを楽しみにしている。劇中で明確に分かるような描写はないが、その息子とはエーリッヒ・イェーガーである。
    • フォートグレイス、レイニー岬など、『3』でも登場した地域が作中で登場する。
    • ADF-11Fには、愛称や機体形状の一部などに、ナイトレーベンやゲイムを思わせる要素が含まれている。
    • 公式HPの設定資料集では、上述した通りゼネラルリソースの存在が明記された。ゲーム劇中で言及こそされないが、SPミッションのアリコーンやミミック隊に深く関与している。
    • 本編ミッション20開始直前の「NATION(国家)」の字幕に3本の打ち消し線が引かれる演出は、国境無き『3』の世界の到来を暗示している様にも見える。
  • 2021年1月18日に、全世界販売本数が250万本を突破。『エースコンバット』シリーズの最高売上本数を更新した。
    • 2022年11月17日には販売本数400万本を突破。シリーズの全世界累計出荷本数が1,800万本を突破したことも発表された。
  • 本シリーズは度々『アイマス』シリーズとコラボしているが、前述の通り『スタマス』において本作とのコラボが行われ、ADF-11Fをイメージした衣装が登場。
    • こちらでは戦闘機に『アイマス』キャラのエンブレムが描かれるのに対し、あちらではアイドルが戦闘機の擬人化のようなコスチュームになり、それぞれのシリーズでコラボの仕方が逆になっている。

その後の展開

  • 2021年8月に『エースコンバット』シリーズの新プロジェクトが発表された。
    • 詳細については語られていないが、開発チーム「Project ACES」だけでは新プロジェクトに対応出来ないということからチームを拡大することが発表され、これまでのシリーズよりもかなり大規模な作品になることが示唆された。
  • 2024年7月11日にDLC6種が収録されたSwitch版が発売予定。
    • ただし、25周年記念DLCは別途購入が必要となっている。
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最終更新:2024年04月09日 21:04

*1 アメリカ合衆国ノースカロライナ州ケーリーに本社を置く、ゲーム・ソフトウェアの開発及び販売企業。主要株主は“中国の”持株会社テンセント。

*2 これらはキャンペーンクリア後に自由に選択可能となる。

*3 ADF-11Fの愛称はワタリガラスを意味する「レーベン」(正式な英語読みは「レイヴン」)。「フギン」「ムニン」は、製造された2機のADF-11Fに付けられた固有のコードネームである。

*4 『5』終盤の展開に近いが、あちらはベルカの愚行を止めるという明確な目的が最初からあること、おやじさん、アンダーセン、ハーリングと言った指導者が複数人健在であるという点で本作と異なる。

*5 このような「ミドルネームに多くの人名を入れる」という方式は現実世界でもスペイン語圏で多く見られ、例えばスペイン出身の画家ピカソもフルネームがひたすら長いことで有名。また、マルガレータやマリアといった女性の名前が入っているのも「性別問わず親族の名前を入れる」という風習に拠るもの。

*6 意味はないが、一応スコアも設定されている。

*7 それ以前にそもそも『AH』のストーリーが不評。

*8 これでも原作からは半減しており、劇中ではマッハ10での飛行が可能。

*9 ゲーム進行に応じて曲の構成を組み替えて再生されるようになっており、プレイに時間がかかっても必ずイベントと同時にサビに入るようになっている。同様の演出はDLC4の「EnchanterⅡ」などにも使われているとのこと。

*10 逆に阻止に失敗した場合には、放射性物質による2次被害について触れている。

*11 大抵は18前後であり、20以上となる作品は『2』『5』そして本作と、あまり多くない。

*12 ただし、後者についてはDLCで追加されたSP03が該当する。詳細は以下に格納。

*13 強いて言えば本編ミッションのやられ役がVRミッションに登場している位か。