Phase Paradox
【ふぇいず ぱらどっくす】
ジャンル
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アドベンチャー
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裏を見る
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対応機種
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プレイステーション2
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開発・発売元
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ソニー・コンピュータエンタテインメント
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発売日
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2001年5月24日
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定価
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6,800円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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AADVだがアクション性はない
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概要
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PS2初期にしてはリアルな3Dポリゴンのキャラを操作するAADV。
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STGだった『フィロソマ』の続編で、『フィロソマ』の兵器や登場人物も本作に登場する。
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母艦のギャラントが本作の舞台。
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本作のパッケージにも描かれているニコラ・ミショー大尉、ギャラントの艦長スタンレー・キナバル大佐が本作にも引き続き登場している。
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『フィロソマ』プレイヤーキャラクターは登場しない。
ストーリー
植民惑星220の住民からの救難信号を受け、住民の救援に向かった宇宙空母ギャラントは、ニコラ・ミショー大尉を隊長とする航空部隊による降下作戦を実行する。
しかし、ニコラ・ミショー大尉からの通信で惑星220の異常とそれに伴う降下作戦の中止の報告があり、ニコラ・ミショー大尉の乗る機体のみがギャラントへ帰還してくる。その最中に惑星220が爆発!
惑星220の爆発で宇宙空母ギャラント内は甚大な被害を負った。
ニコラ・ミショー大尉は辛くもギャラントの発艦ゲートに着陸するも、昏睡状態でメディカルエリアに運び込まれる。
システム
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Phase(章)ごとに異なるキャラクターを操作して探索するAADVである。
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アクション性はなく、選択肢で「撃つ」を選ぶと撃つイベントに移行して勝手に攻撃してくれる。
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ただし、そいういう選択肢には10秒程度の時間制限がつくことが多い。
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Phaseは時系列通りに進行するとは限らない。
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特定のPhaseだけプレイヤーが操作するキャラを3人の中から選べるが、それ以外のPhaseでは固定である。
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このPhaseの全貌を見るには2回以上再プレイする必要があることとなる。
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1度クリアすれば、Phaseを選択してプレイできる。
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また、1度クリアすればStart画面の"VIEWER"から任意のイベントを再度見ることができるようになる。
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1度クリアしたPhaseを再プレイすると、イベントが追加されるPhaseがある。そのイベントで入手するアイテムにまつわるイベントが連鎖的に後のPhaseにも追加される。
操作キャラクター
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ジュード・サトクリフ中尉
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艦内の被災箇所の人命救助を任務とするダメージ・コントロール部隊に所属する。ニコラ・ミショー大尉とはパイロット学校の同期だが、ジュード・サトクリフは訓練中の事故でパイロット不適格とされて後方支援に回されている。
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レネイ・ハーン大尉
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女性。今回の惑星220降下作戦で唯一作戦から除外された航空部隊ワイバーンの隊長。「素手でも怖いワイバーン」という異名を持つ。
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アイラ・ホイブローデン
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艦内のバイオラボに勤務する女性研究者。
評価点
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演出が良い
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オープニングのムービーは緊迫感や惑星爆発という衝撃、そして惑星220の謎をプレーヤーに与えるインパクトのあるものである。
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その後も、謎の怪光線など、謎が山積みとなってゆくため、プレーヤーの探究心をくすぐり続ける。
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イベントはフルボイスで、すべてがモーションキャプチャーによる自然な演出となっている。
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イベント中にはカメラ位置の切り替わりもあり、それらのカット割りなどもきっちりと計算されている。
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なお、フルボイスではあるが全て英語で、日本語の字幕が付く。ただし、すべてのセリフに訳がついているわけでもなく、飛ばされているセリフも散見される。もちろん、訳が飛ばされているセリフはストーリー上は重要ではないものだけである。
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なお、ボイスがすべて英語で、メニュー画面も英語が多いが、洋ゲーのローカライズではなく純然たる和ゲーである。しかし海外では発売されていない。
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リトライが容易
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基本的に分岐はないが、理不尽な即死のBADエンドは多数用意されている。ただし、BADエンドになった場合、「CONTINUE?」という画面に遷移して、直前の場面からのリトライが可能となっている。
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リトライした場合、イベントシーンが○ボタンでスキップできる。ただし、イベント中に選択肢が出るイベントはこの限りではない。
賛否両論点
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再プレイ時にしか起きないイベントが有る
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ネタバレがひどい内容であれば仕方無いとも思えるが、再プレイ時以降に限定する意味が感じられない場面が多い。むしろ1回のプレイで全イベントをコンプリートできたほうが良かったのではないか。
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一本道のシナリオのため、再プレイしようと思いにくい作品であることや、再プレイでストーリーが変化することは示唆されていないことから、ネット上の情報でも1周しかプレイしなかったというレビューが散見される。
問題点
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プレイ時間が短い
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1周のプレイ時間は5時間程度で、ストーリーは一本道である。
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選択肢による分岐は即死イベントによるBADエンドのみ。ストーリーの分岐と言ったADVの醍醐味は全く無い。
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探索パートの問題
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探索パートでPCが移動中に自動でカメラが切り替わるため、特にダッシュ中などの方向キーを入れっぱなしの状態だとカメラ位置が切り替わる境界を何回も行ったり来たりしてしまいがちとなる。
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探索パートでは謎解きと言えるような仕掛けがあまりなく、その割には空母の中という設定なのに妙に余裕のあるレイアウトで無駄に広い範囲が探索可能となっている。もっと何かを仕掛ける事が出来たのではないだろうか。
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一応、どうでもいいところを調べるとどうでもいい情報が得られる箇所はそれなりにある。しかも同一Phase中に変化する場合もある。それでも、やはりどうでもいい情報に変わりないが。
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システムの"KEYWORD"にて情報取得率が表示されるため、100%を目指してみる事もできる。
レネイ・ハーン大尉が手にとって「今どき2Dのデータか」とつぶやいた写真はKEYWORD欄で「ニコラ・ミショー大尉とジュード・サトクリフ中尉のツーショット写真」だと説明されるやや重要なアイテムだが、その時点ではレネイ・ハーン大尉はジュード・サトクリフ中尉を知らないので薄い反応となっている。ジュード・サトクリフ中尉本人が見つければ良かったのに。
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ストーリーにやや雑な部分がある
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パラドックスなんて何も起きない。タイトル詐欺である。
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ジュード・サトクリフ中尉は兵士なのに武器の残弾数に注意を払っていない。しかも3度やらかす。
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各エリア間の通信が途絶えたはずなのに、CICからレネイ・ハーン大尉へ出頭命令の通信が入る。
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なお、この後レネイ・ハーン大尉がどうやってCICへたどり着いたのかは本作中では詳しくは描写されない。
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「3回、2回、3回ノックしたらドアを開けてくれ」と約束しながら、戻ってきたら無線で「開けてくれ」と連絡して開けてもらう。この場面で「3回、2回、3回」のノックが必要と覚えていたら肩透かしを喰らう。
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回収されない謎が残る
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ジュード・サトクリフ中尉が乗っていたトランスポーターはなぜ暴走したのか。
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アイラ・ホイブローデンが乗っていた輸送ポッドはなぜ再起動したのか(ご都合主義?)。
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最終章をジュード・サトクリフ中尉でクリアした時の、ニコラ・ミショー大尉からのメッセージの意味。
総評
探索パートはあるものの謎解き要素はなく、ADVとしてはゲーム性が薄く、ほぼイベントの連続で、もはやインタラクティブムービーの一歩手前である。
演出や設定は凝っており、ヒットしなかったスター俳優不在のハリウッド映画を見ているような感覚の作品である。
ストーリーはほぼ一本道にもかかわらず、再プレイ時にしか起きないイベントがあり、それを示唆するものが無いのが不親切である。
1周のプレイ時間は5時間程度で、長いとは言えない。2周目以降しか起きないイベントのために周回するとプレイ時間は伸びることとはなるが、そういう引き伸ばし方はいかがなものか。
最終更新:2021年07月21日 12:05