ダブルウイングス
【だぶるういんぐす】
ジャンル
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縦スクロールシューティング
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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ミッチェル
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稼働開始年
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1993年
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判定
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なし
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ポイント
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『雷電』のリスペクト作品 ゲームバランスはそこそこ良好 やや癖のある演出と出回りの悪さが足を引っ張ったか
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概要
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『キャノンダンサー』や『チャタンヤラクーシャンク』等、一風変わった作品で知られるミッチェル開発の縦画面シューティングゲーム。タイトル画面にデカデカと「雙翼」と書いてあり、その下に書いてあるアルファベットの綴りで「ダブルウイングス」と読む。
システム
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8方向レバーで自機の操作。ボタン1でショット。ボタン2でボンバー。
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アイテム。アイテムはアイテムキャリアーを破壊するか特定の地上物を壊すと出現する。
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バルカン銃…赤のカラーポッド。パワーアップする毎に攻撃範囲が扇状に広がる。
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レーザー…青のカラーポッド。自機の正面にレーザーを発射。パワーアップする毎に威力が増す。
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ブレイクバルカン銃…黄のカラーポッド。一定距離を進んで爆発する炸裂弾を発射。パワーアップする毎に扇状に広がっていき、最終的には自機を中心に90度をカバー出来る。
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パワーボム…ボンバーを1発補充。
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ホーミング…敵を自動追尾するミサイルを発射。
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ミサイル…前方に直進するミサイルを発射。
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ボーナス(コイン)…500点加算。更にステージ内の全コインを取るとステージクリア時にボーナスがある。
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ボーナス(宝箱)…5000点加算。
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1UP…自機を1機増やす。
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セーラー少女人形(仮)…インストやキャラ選択画面に登場する海兵隊の軍服(つまりセーラー服)を着た少女。
特定の場所を攻撃し続ける事で出現し、取得するとミス時にアイテムを幾つかばら撒いてくれる。『雷電』でいうフェアリーと同じ存在である。
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カラス人形(仮)…効果は先述のセーラー少女人形と同じだが、こちらはアイテムとして登場せず、コンティニュー時のリスタートの際に登場してアイテムをばら撒く。いうなれば救済処置である。
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ショットは最高7段階(例外あり)、サブウェポン(ホーミング、ミサイル)は4段階までパワーアップ出来る。
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プレイヤーはゲーム開始時に機体(キャラクター)を選択する。
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選択したキャラクターにはそれぞれ得意武器が設定されており、ゲーム開始時及びミス時の復帰には得意武器に換装される。また得意武器は更にもう1段階パワーアップ出来る。
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2人同時プレイ時、互いの機体を近づけた状態でショットを撃ち続けると両プレイヤーとも特殊ショットが一定時間使用可能。
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選択した機体によって1面の内容が変化する。またソフィーを選択した場合のみ2面と3面の順序が逆になる。
評価点
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難易度は「死んで覚えるタイプ」で試行錯誤を繰り返す内に突破できる絶妙なバランス。極端に難しすぎる・易しすぎる地点は極めて少ない。
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ミス時の復活バランスも良好。しっかりとボムを撃つタイミングを決めたり安全地帯を利用する事で初心者でも安心して突破出来る。
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流石に2周目や最終ボスの復活は一筋縄ではいかないが。
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2周目は1~3ステージの前半部分に別内容のハーフステージが追加される。
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ぶっちゃけ言えば、1周目は本来のステージの長さを半分程に省略していたのを2周目では完全なサイズで開始するといった感じである。いかにも「1周目とは違う」という事をアピールさせられているようである。
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また2周目開始時にはフルパワーUP&ボンバーストックMAXの状態で始まるというちょっとしたサービスも。
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ボンバーの扱いやすさ。
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『雷電』同様投下式であるが、押した瞬間に判定が広がるまで自機が無敵になる為緊急回避に向いている。
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ただし、ボンバー投下後に若干の隙が出来る為、油断は禁物。
賛否両論点
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本作のマスコットキャラクター的存在のカラスのようなキャラクターの挙動について。
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(1人用プレイ時の)ミス時に画面が暗転する際、このキャラクターが満面の笑みを浮かべながら画面中央に現れるのだが、人によっては神経を逆撫でして不快感に思える演出と捉えられる。
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もっとも、このカラスは先述の通りアイテムをばら撒く隠しキャラでもあり、コンティニュー時にはプレイヤーに継続を懇願する演出もしているので、敵キャラという訳ではない事を付け加えておく。そもそもミス時の演出もゲーム性には何の影響も与えておらず。表示も長いわけではないので、テンポも悪くはなっておらず、大半のプレイヤーにとっては気にならないかも知れない。
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余談だが、このカラスは後にミッチェルがリリースした『チャーリー忍者』(国内未発売)でもマスコットキャラとして登場している。
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ご多分に漏れず、本作にもランクシステムがありパワーアップ状態でランクが上昇する。概ねメインショットのパワーをレベル4で止めるとランク上昇は抑えられる模様。
問題点
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グラフィックが原色ベタ塗りが多めで少々野暮ったい。
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加えて効果音、BGMもあまりパッとしないものが多く演出面はいまひとつ。
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遊びやすい内容とはいえ、やはり初心者に辛い部分も多い。
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特に気になるのはソフィー(B.C.H2号機)でスタートした際の1面のボスと3面(本来の2面)の飛行船ステージだろう。
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ソフィーでスタートした際の1面のボスは大型の軍用機の上に中型の戦闘機を乗せたいわば「親子型」のタイプで、大型機の方も1面とは到底思えない程の弾のばら撒き具合な上に、更に問題なのはその中型機の方で、画面上を回転しながら弾をばら撒き、当時のSTGのセオリーを無視した「画面下部の自機に接近した際にも問答無用で攻撃」を公然と行ってくる。これが1面である。
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更に飛行船ステージは他のキャラでスタートした際は2面として登場するが、只でさえ攻撃がきつい道中がソフィーでプレイした際では3面にとして登場している為、余計難易度が上がってしまい、いわばソフィー機プレイヤーとしての難関となっている。
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メインショットの1つ「ブレイクバルカン銃」が使いづらい。
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真横に攻撃出来るのが強みだが、射程距離が限られてる上に火力もそれほど高くないので地雷武器と化している。
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よって、初期武装がコレであるエラン機は他の2人に比べてやや不利。
総評
タイトル画面の見た目が少々胡散臭い等の若干敬遠されやすい要素はあるが、数ある『雷電』インスパイア作品群の中では比較的遊びやすいタイトルと言えるだろう。
惜しむらくは基板の出回りが悪く知名度が低すぎる事か。
最終更新:2021年05月19日 22:10