暗黒神話 ヤマトタケル伝説

【あんこくしんわ やまとたけるでんせつ】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 MSX2
ファミリーコンピュータ
発売元 東京書籍
開発元 【MSX】ザップ
【FC】ザップ、アナザー
発売日 【MSX】1988年10月25日
【FC】1989年3月24日
定価 【MSX】6,800円
【FC】5,900円
判定 なし
少年ジャンプシリーズリンク


概要

諸星大二郎が週刊少年ジャンプで短期連載した伝奇漫画『暗黒神話』を原作としたアクションアドベンチャー。
原作は日本神話にヒンドゥー教などの要素を盛り込み、1600年に渡るヤマトタケルとクマソ一族との戦いを描くホラー要素の強い作品である。
ビジュアルシーンで進行するADVパートの最後にアクションゲームでボスと戦うバトルシーンが用意されているのが特徴。


特徴

  • 全8章仕立てで、ADVパートをメインとして進める。
    • ADVパートでは「動かす」「取る」「使う」「見る」「移動」「聞く」の6つのコマンドを使い、情報収集したりアイテムを使ってフラグを立てながら進めていく、よくあるADVとなっている。
    • 様々な情報を集めると「知識ポイント」と呼ばれるポイントが溜まっていき、開いた本の形で表示される。
      • このポイントは所謂経験値に相当し、ポイントを多く溜めるほどバトルシーンが有利になる。
  • 章の最後には必ずボスと戦うバトルシーンが用意されている。
    • ジャンプで敵の攻撃を避けながら剣から発射する弾で攻撃するアクションSTG的な内容になっている。
  • 章をクリアするごとにMSX2版はオートセーブ、FC版はパスワードが表示され、各章の最初から再開出来る。

評価点

  • ストーリー
    • 原作付きという事もあり、不気味な雰囲気漂う物語は本作最大の売りとなっている。
      • 特に第7章のとある場面はトラウマ物として語り草。
    • 父の死、暗黒神、アートマン…など様々な謎を解き明かすため、日本各地の遺跡を巡り、隠された謎を解き明かしていく。原作から改変されている所も多いが、基本的にはよくまとまっている。
      • 日本神話にちなんだ展開も多く、それらの知識がなくとも作中で簡潔に教えて貰えるので世界観に入り込みやすい。
  • グラフィックやBGMはそれなりに頑張っている方
    • 特にボスキャラはかなりの巨体でデザインや描きこみも良く、非常に不気味で印象に残りやすい。FC版でもそのままの迫力で描かれている。

賛否両論点

  • テキスト
    • 前述の通り、シリアスで不気味な雰囲気が持ち味の本作であるが、肝心のテキストには妙にメタやギャグが多く盛り込まれている。
      • このせいで雰囲気ぶち壊しという意見もある。一応、終盤になるとギャグはなくなるが。
    • 基本的に関係のない、もしくは選んでも意味のないコマンドを選択した際にシステム側からツッコミを入れられる形が殆どなので、それらのコマンドを選ばなければ問題はない。
      • 例えば、岩壁になっている方へ進もうとして「おいわさんです」と言われたり、誰も居ないのに会話しようとして「そんなに人恋しいんですか?」などと言われたり。

問題点

  • ゲームバランスは大味
    • 知識ポイントによる振り幅が極端で、最短手順で知識ポイントを殆ど獲得せずに進むとボスが非常に硬くなって苦戦するが、逆に総当たりで知識ポイントを取りまくってから挑むとあっさり勝ててしまい、歯ごたえがなくなってしまう。
    • ボスの攻撃パターンも単純で、延々と同じ事の繰り返しになるため、あえて知識ポイントを取らずに進めても単調で面白くはない。2章以降はこちらのショットも真っすぐ飛び、さらにWAY弾化するので適当に攻撃しながら避けているだけで勝てるようになってさらに単調化する。
    • ADVパートも即ゲームオーバーになるのは一部の章だけで、総当たりが通用するため難易度は非常に低い。
    • ボスの強さと出番があっておらず、あろうことにラスボスは安全地帯から一方的に攻撃を食らわせることが出きる。
  • ボリュームは少なめ
    • 原作が元々全1巻と短い作品である以上、仕方のない点だが各章の展開が早く、話も短めのため首尾よくいけば1時間ちょっとでクリア出来てしまう低ボリューム。
    • ストーリーが一本道で、行き止まりの部屋の扉を開いて進む展開ばかりなのも短さに拍車をかける要因となっている。
  • 仕方のない事だが、FC版は劣化が多い
    • 特にボスを倒した際に爆発する演出がなくなっているなど、演出面での劣化が多い。

総評

日本神話を元にしたホラー感満載のストーリーが今でも語り草となっている佳作ADV。
それだけにバトルシーンの作りこみや内容の短さが惜しく、良作には一歩及ばぬ作品と言える。
ただ、短い時間で遊べるのでサクッとプレイして、興味を持ったら原作にも手を出してみるのもいいだろう。


余談

  • 原作はOVA化もされている。
  • 2018年7月7日に発売された『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン』の収録タイトルの1つに選ばれた。
    • 同商品を購入した人は試しに遊んでみるといいだろう。