Bionic Commando: Elite Forces

【ばいおにっくこまんどー・えりーとふぉーす】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイカラー
発売元 Nintendo of America
開発元 Nintendo Software Technology
発売日 2000年1月26日
判定 良作
バイオニックコマンドーシリーズ


概要

海外で独自に開発された「バイオニックコマンドー」シリーズ作品。NES(ファミコン)版GB版をリスペクトしている。

平和なKariniaに忍び寄るArturus達の魔手「Albatross計画」。本作ではCmdr.Joeを救い出して、この計画を止める事が目的となる。
基本的にはGB版の内容を踏襲しているが、主人公の選択、SAVE方式の採用、狙撃モード、中立エリアの廃止など本作独自の要素も数多くみられる。


特徴

主人公

  • ゲーム開始時に男女いずれかの性別を選択可能。名前も自由に付けられる。
    • 選択制ではあるが、実は何気にシリーズ初の女性主人公を操作できる作品だったりする。
    • 性別で装備品、能力に違いは無い。プレイヤーのお好みでどうぞ。

SAVEの仕様

  • 本作にはバッテリーが搭載されており、従来のパスワードに比べて便利になっている。
  • セーブはステージクリア直後、そして通信室内部でも行える。ただしクリアするまで戻って来る事はできない。

communication room(通信室)

  • ステージ道中に設置されており入り口の上部にアイコンが設置されており分かり易い。
  • ここでは味方と交信が行える、ステージの進行に応じて、操作の詳細、攻略の方針などを教えてもらえる。また、敵の通信を傍受する事も可能。
    • ちなみにセーブの仕様上、最終ステージには通信室がない。

狙撃

  • 本作独自の要素。特定の地点では狙撃モードに移行。制限時間内に敵を狙撃してノルマを達成するとアイテムが投下される。
  • 狙撃モード中の画面では全体像と拡大図が同時に表示されており、雰囲気とユーザビリティを両立している。

評価点

ゲーム仕様

  • 高すぎず低すぎず、丁度良い按配の難易度。
    • GB版をクリアしたプレイヤーは勿論、いるかどうかは分からないが完全新規のプレイヤーでも楽しめるだろう。本作の入手難易度は高いが…
  • 多彩なボス、勝利条件
    • 基本的には従来同様に各ステージの最後の設備を破壊するのがメインだが、他にも「部品を全て破壊」「地点到達」「燃え盛る炎からの生還」など色々用意されている。
  • 隠しエリア
    • 各地には秘密のエリアがあり、完走に応じてキャラクターの外見が変化するというオマケ要素も。

精緻なグラフィックの作りこみ

  • 3Dレンダリングされた画像を多用しており、グラフィックは中々に見ごたえアリ。
    • GB版をモノクロアニメとするならば、本作はフルカラー紙芝居。この点については多少好みが分かれるものの、概ね好評。
    • 口パクはしないが、流石にこれは高望みしすぎというものか*1
  • 世界観はどれも非常に個性的。
    • 広大な森と遺跡、山岳地帯に洞窟、市街地、エジプト。4種類に大別された世界はそれぞれに応じたギミックも多彩で飽きさせない。BGMもそれぞれ違うものが用意されている。
    • 市街地の落書き、エジプトのスフィンクスなど細かい部分もリアルに描かれている。
  • キャラクター達の動作
    • パッケージ裏には1,500フレームを超える枚数と表記されており、実際動作は非常に滑らか。

音声

  • なんと一部ではあるが音声データが使われており、更なる臨場感向上に一役買っている。
    • ステージ開始前に選択したアイテムを読み上げてくれるという要素もあったりする。

賛否両論点

  • Flame Thrower
    • 終盤あたりで手に入る火炎放射器。エリアの設備も数発当てるだけで壊せるなど高火力の武器となっており、バランスブレイカー気味。
    • これこれ等でポンコツのイメージを植え付けられている方も多いだろうが、騙されたと思って一度は使ってみて欲しい。その後高火力でヒャッハーするか、それとも自重し封印するかについては各自の判断に委ねる。
  • 狙撃
    • 手に入るアイテムは必須レベルのものではなく無視しても実害はない。面倒ならばスルー可能というメリットになっているが、お蔭でモードそのものの存在感が空気に…。
    • BGMがフィールドエンカウントの使いまわし。
    • 向こうからの反撃の類は一切なく、こちらから一方的に撃つのみである。
    • これまでのバイオニックコマンドーシリーズには狙撃というものはなく、浮いている印象がある。
      • 以前、ヘリのコックピットに打ち込む場面もあったが、近距離かつ失敗すると即死というもので狙撃と言うよりは撃ち合いに近い。

問題点

  • ボスバトル
    • 耐久力が相当高い。エリア2の設備破壊からして数十発打ち込んでようやく倒せる程。正直かなり面倒。残りHPも一切表示されないので余計に難儀である。
    • ひたすら逃げ回りつつ、相手の動きが止まった隙に攻撃するのが確実とされている。耐久の高さもあって、戦闘の緊張感というよりも作業感の方が強い。
  • エリア13のギミック
    • 隠し扉が非常に厄介
      • 通信室の先の入り口はダミーとなっており、通信室よりも更に遡った箇所に戻されてしまう。敵にとっても重要な拠点であるだけに本物の入り口は隠し扉となっているのだが、このために本物の入り口を見つけられず何度も戻されながら長時間を棒に振るプレイヤーもいた。
+ ネタバレ注意
  • 実は棺の中に隠されている。画面右にあるダミー入り口のすぐ間近にある棺こそが正解の入り口。他の棺と比較して僅かに色が違う為区別可能であるのが救い。
  • このギミックを乗り越えた後も耐久の高いボス戦が待ち構えており、非常に厳しい内容となっている。
    • …が、その分(事前情報無しで)クリア後のイベントを見た際の達成感もひとしお。

総評

GBCの性能をグラフィック、サウンド等の面で最大限に引き出しており、全体的に高いレベルで仕上がった非常に価値のある一品。
海外専売の為入手機会には恵まれているとは言えないものの、もし入手する事ができたら本腰を入れて遊んでみて欲しい。


余談

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  • タグ:
  • ACT
  • バイオニックコマンドー
  • 日本未発売

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最終更新:2021年01月30日 13:05

*1 FC版とGB版は瞬きと口パクを実装しており、本作ではあえて実装しなかったのだと思われる