電車でGO!!

【でんしゃでごー】

ジャンル 電車運転士体験ゲーム
対応機種 アーケード(Taito Type X4基板)
発売元 タイトー
開発元 タイトー
スクウェア・エニックス
稼動開始日 2017年11月7日
プレー料金 100円~400円
判定 賛否両論
ゲームバランスが不安定
スルメゲー
ポイント シリーズ20周年記念作品
ビジュアル面の大幅強化
列車の操作性も更に進化
本当に運転台を模した巨大な筐体
非常に高額なプレー料金
運転士ばりの動作の強要=賛否両論・不安定
時空間が歪んだランダムミッション
まだまだ残るシリーズ共通の課題点
これらを纏めて極めれば良作=スルメゲー
電車でGO!シリーズ


概要

シリーズ20周年記念作品且つ『電車でGO! FINAL』でシリーズ休止を表明してから13年ぶりにリリースされたシリーズ本編最新作。
ACに限れば2000年10月に稼働した『がんばれ運転士!』以来17年ぶりである。

2016年8月に発表され、ファンからは復活を祝う声、新規ユーザーからは圧巻のビジュアル面からの期待の声も全国で見受けられた。
そして10年単位の時と複数回に渡るロケーションテストを経て復活した新作に期待する声もかなり多かった。
結果的にビジュアル面は従来よりも遥かに高く評価されたが、ゲーム面においてはまだまだ問題が残る出来栄えになってしまった。

因みにややこしいが『電車でGO !! 』が正式タイトルである。
従来の『電車でGO!』より感嘆符が1つ多くなっている点に要注意。

※後述の賛否両論・問題点の通り、このゲームをプレーする際にある程度の鉄道に関する知識を知っていれば解決する箇所も含まれています。
その為鉄道資料系統のサイトを参照する事を推奨します。とりあえずオススメはこのサイトです。


筐体の説明

このゲームの最大の魅力と言えば、他に類を見ない電車の運転台を模した半密閉式の筐体と言っても過言ではない。
筐体サイズも巨大で、一般的な1人用筐体を3つ繋げたと言わんばかりな大きさである。
ドアを模したカバーはどちらも取り外しが可能な構造である。

操作系統

  • 基本的にE231系を再現した操作デバイスであり、基本的であるワンハンドルマスコンと警笛ペダルに加え、今作で初めて採用されたタッチパネルが搭載されている。更に右手には飾りの取っ手が設けられている。
    その為、従来物理的に設けられていた速度計や戸閉灯等の計器類は全てタッチパネルに表示されるようになっており、度々問題視されていた速度計の故障等のトラブルをこれで解消した。
  • ワンハンドルマスコンは、ブレーキも兼ねており、手前に引けば加速、奥に倒せばブレーキが掛かって減速するようになっている。
    更に実車再現なのかマスコンにはチャイルドロックの役目であるメッキのボタンが設けられており、それを押しながら引かないとマスコンが入らないようになっている点に注意
  • 今ではそう珍しくは無くなったものの、手元中央のNESiCAカードリーダーの手前にイヤホンジャックと音量調整ノブが設けられているゲームでもある。

モニタ・内部基板

  • モニタが3つ設けられており、それぞれ中央に42型、左右に37型モニタが採用されている。
    基板系統はWindowsPCベースの基板の「Taito Type X4」。GPUが当時の一般向けの最高性能な「NVIDIA GeForce GTX1080」にカスタマイズされており、後述の評価点で述べる高密度グラフィックの出力を可能にした。
    • 余談だが、この影響で「お前自慢のハイスペPCは電車未満」と言うある意味今作にとってとばっちりとしか言えない指標的な蔑称も生まれてしまっている模様。

ゲームの説明

プレー料金について

このゲームの1プレーに必要なクレジット数が独特で「プレーする区間ごとに比例して必要クレジット数が増える」と言った料金体系をとっている
もちろん1クレジットは100円計算である。

  • 1クレでプレー可能なモードはチュートリアル‘‘だけ‘‘。
  • それ以外は2クレを基準に、プレーする区間が1つ増える度に更に1クレずつ追加される
    例:2018年2月7日時点で1プレー最大で出来る区間は3区間なので、その区間を走行する場合は必ず4クレジット必要である。
    ただしどんなにミスをしても、必ず指定された区間を走破する事は出来る為、所謂「100円返せ」と言う事態にならないようになっている。

ゲームの進行順

  • 1.タッチパネルにタッチするか、NESiCAをかざす。
  • 2.NESiCAをかざさなかった場合は、NESiCAをかざすかゲームをそのまま始めるかを選択する。
  • 3.メニュー画面を操作してプレーしたい路線を選択する。ここで各種ゲーム内UIの設定を変更したり、ポイントを課金する事が出来る。
  • 4.運転を開始する前に難易度を選択し、規定のクレジットを投入してから「乗務開始」を押してゲームスタート。
    クレジットが消費されるタイミングはここであるのでその点は注意する事。
    最初は初級しか選べないが、現在プレー出来る最高難易度をクリアする度に選べなかった直上の難易度が選べるようになる。
  • 5.規定の区間をプレーする。停車した度に区間ごとのリザルトが表示され、全区間走破すると、最終的な結果が表示される。
    難易度毎に指定されたクリア基準であるスコア(=ランク)を上回ればクリアで、上位の難易度が選べるようになる。
    • 湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE』のように遅延プレー対策の為、到着時刻とは別にゲーム自体の制限時間もあり、普通にプレーしていればまず時間切れにならない程の時間が設定されている。
  • 6.コンティニューするかゲームを終了するかを選択。ここでコンティニューしてもメニュー画面に移行するだけで、クレジットは消費されない。

ゲームモード

  • チュートリアル
    • このゲームを初めてやる人向けのモードである。
      ゲーム自体の仕様が今までと大幅に変わっている部分があり、経験者でも初めはこれを選んだ方が良いだろう。
  • デイリーミッション
    • モード名の通り、毎日プレー出来るミッションが変わるモードである。
      ただし曜日ごとに出る順番は固定であり、1週間後には再び同じミッションに挑戦出来る機会が与えられる。
  • 乗務(要NESiCA)
    • NESiCAを使わないと選択出来ないこのゲームにおける最も基本的なモードである。
      各ダイヤに設定されたミッションをこなしていくのが基本的なゲーム進行。
      このモード限定の解禁要素として上級をクリアしたダイヤのみリアルモードのON/OFF機能が開放される。
      リアルモードの内訳は「タッチパネル以外の運転情報が全て表示されなくなり、スコアも最終リザルトまでわからなくなる」ようになった状態で運転するモードである。
  • オプション
    • 運転手、アナウンスのボイスのON/OFFの変更が出来る。
  • 電GO!!ポイント購入
    • 課金に必要な「電GO!!ポイント」をクレジットを通して購入する。因みに1クレジット=100ポイントである。
      ポイントは筐体では無く後述するWebサイト上のマイページで使う物であり、更に有効期限もある(購入してから30日)。
      今の所課金に必要なアイテムは、900ポイント分の「リアルモード解放&購入特典のタッチパネル(リアル)」のみである。

難易度で変わる要素

最初は初級しか選ぶ事が出来ないが、選べないダイヤの直下の難易度をクリアする度に、クリアした難易度の一つ上の難易度が選択出来るようになる。
因みにクリア目標はゲーム上ではスコアでしか表示されないが、合計スコアから算出されるランクごとのボーダーで機械的に設定されている。

+ 詳細
難易度 説明 クリアライン
初級 ATCの上限速度が低く設定されており、オーバーランに対して考慮されている。クリア目標も低めなので、ここでどんなゲームであるかを把握しよう。
この難易度のみ申し訳程度に駅に接近した時のブレーキの促しや、駅構内でのブレーキタイミングが表示される。
Cランク以上
中級 サービス警笛が幾らか追加されている。クリア目標がそれなりに上がり、基本操作が重要になる。 Bランク以上
上級 ややATCの上限速度が高くなっており、それに合わせて残り時間も少なくなっている。
その為、もたもたしたブレーキングでは無く、高速域からの突っ込み重視の度胸試しのようなブレーキングが重要視される。
更に警笛を鳴らさないといけない対象に「ホーム上の乗客」が追加され、スコアを稼ぐ際の明確な初見殺しもこの難易度から登場。
クリア目標がかなり高くなっている為、指差喚呼はしっかりと怠らないようにする事。
このゲームに熟練した人程、平均速度がやや低めでブレーキングタイミングがややこしくなる分「GO級」より難しく感じるかも…。
Aランク以上
GO 従来作においての「特級」に該当。
警笛を鳴らさないといけない対象の量が更に増えた事に加え、到着時間までの残り時間も非常に短く設定されている。
更に定速ポイントの指定速度が非常に高く設定されている故に駅進入速度も必然的に高くなる為、より高度なブレーキ調整技術が求められる。
クリア目標がSランクのボーダーと全く同じ狭き門であり、一瞬の大きなミスが命取りになる…と言っても過言ではない。
当然スコアが最も稼げるのもこの難易度なので、ハイスコアラーなら挑むしかない。無いったら無いのだ。
Sランク

マイページ

今作ではWebサービスが用意されている。
ここでは登録したNESiCAに記録されているデータの閲覧をする事が出来る。
筐体で購入したポイントはここで課金アイテム類を購入する時に使用する。

  • 運転士情報
    • プレーヤー名、タッチパネルのデザイン、所持ポイント&履歴、現在のステータス、称号付替えが出来る。
      種類はランクが低い順に「 」「 」「 」「 」「 」の5種類がある。
      また、称号にはステータスに応じて変化する「ステータス称号」と、ランキングで好成績を残したり、ロケテストでプレーした時の記念等で貰える「イベント称号」が存在している。
  • ミッション進行度
    • 現在プレー出来るミッションの進行度を閲覧する事が出来る。Sランクのみ黄色で表記される。ハイスコアは筐体と違い、全難易度から最も高いスコアのみ表示される。
  • ランキング
    • メニューから、最終プレー店舗内で1ヶ月の内に走った走行距離を競う「月間店舗内走行距離ランキング」と、全国規模で獲得したスコアの合計を競う「全国週間累計スコアランキング」がリンクから直接飛ぶ事が出来る。
      それ以外のランキングはランキングで詳細検索する必要がある。
  • リアルモード解放
    • リアルモードを解放する為の権利をここで購入する。要900電GO!!ポイント。
      あくまで「リアルモード」を無条件で選択出来る様にするだけであり、「ミッション」「上位難易度」と言ったその他の制限が掛かっている要素を解放する事が出来ない点に要注意。

ゲームのルール

基本的な動作

  • マスコンはP5まであり、ブレーキは常用最大のB8と、原則使用しない非常ブレーキ(EB)がある。
  • Gセンサの概念が『FINAL』から仕様がやや変更された上で続投。ブレーキが強過ぎるとGセンサが赤く光り、減点されてしまう。
    • 大まかに乗車率が少なく、晴れている時の場合、B8が50km付近、B7が40km/h付近、B6が20km/h付近で振り切ってしまう。B5以下だとGセンサを振り切らない。
      ブレーキを下げるタイミングは、この速度から5km/h程高い速度から落とすと安全である。
      ブレーキが効き難くなるせいか、雨・乗車率が高い時・下り坂の場合はこれよりもやや許容される傾向である。
  • 停止位置までの残り距離は、m(メートル)単位で表示されており、残り5mに差し掛かったらオーバーランするまでcm(と小数点以下でのmm)単位に変わる。

スコア

今作ではゲームをクリアする事に直結する非常に重要なポイントである為、ここに詳細を記載することにした。
それぞれの成果に応じて☆3までランクが付けられており、更にそこから微妙なスコア差が出る項目もある。当然☆が多い程スコアも多くなる。

+ 詳細
項目 やり方 最大加点数
基本的なスコア変動要素
停止位置 ±5m(=±500.0cm)以内に停車する。停止位置が0.0cmに近ければ近い程高得点。 可変
到着時刻 ±10秒以内に時刻を合わせる。到着時刻0秒だと専用のボイスが流れる。早着の方が減点幅が少なめ。 可変
Eco運転ボーナス マスコン・ブレーキを入れていない、所謂ニュートラル状態を維持していれば加点。 可変
スコアが上がる要素
戸閉灯指差喚呼 戸じめ明が点灯した後に戸閉灯をタッチする。 400
戸閉め後加速 戸閉灯が点灯した後にマスコンを入れる。 400
速度計指差喚呼 制限速度・定速ポイント予告が表示されている間に、スライド操作→速度計をタッチする。片方のみだとその分加点数が減る。 400
制限速度遵守 次に制限速度が変わる地点までに制限速度を守ってた時に加点。 800
定速ポイント速度遵守 9km/h以内の誤差で通過すると速度差に応じてスコア(と二葉のボイス)が変動する。誤差0km/hで最高得点。 800
定速帯速度遵守 定速帯でなるべく指定された速度に合わせて走行する。これのみ無視しても加点されないだけで減点されない。判定間隔はそれぞれの帯で異なっている。 800
すれ違い車両に減光 すれ違った対向車両に近付いてライトを減光する。ギリギリだとその分加点数が減る。 300
保線作業員に警笛 保線員に近付いたら警笛を鳴らす。出現位置に2種類程のランダム要素がある。余裕をもって保線員が旗をしっかり上げるまで鳴らし続けると最高得点 600
鉄橋に警笛 鉄橋に警笛を鳴らす。ある程度離れた所から鳴らすと確実である。 600
サービス警笛 跨線橋上の鉄道マニアに警笛を鳴らす。手を振った所から警笛の判定が発生する 300
ホーム乗客に警笛 ホーム上の「黄色い線からはみ出た所に立っている」「ホームドアにもたれ掛かっている」乗客に警笛を鳴らす。どんなタイプの乗客が出るかは固定だが出現位置がランダムである。 600
駅構内未加速 駅構内で再加速を一度もしていない且つオーバーランしなかった場合、停止位置に停車した時に加点。 400
ブレーキ込め直しなし 駅構内で込め直しを一度もしていなかった場合、停止位置に停車した時に加点。 400
Gセンサ遵守 その運転内でGセンサを振り切らなかった場合、停止位置に停車した時に加点。 800
スコアが下がる要素
警笛過多 必要の無い時に警笛を長く鳴らし過ぎる・短い間隔で多く鳴らし過ぎると減点。 -100
減光時間過多 減光する必要性の無い時に10秒以上続けると減点。そこから更に継続していると5秒ごとに減点。
減光回数過多 減光切り替えを短い間隔で繰り返し操作すると減点。焦って切り替え操作をしないように。
制限速度無視 制限速度を超えてしまうと減点。
定速ポイント無視 ±10km/h以上の速度差がある状態で定速ポイントに差し掛かると減点。
非常ブレーキ作動 21km/h以上で非常ブレーキ(EB)を作動させた瞬間に減点。猶予時間が無いのでうっかり入れ間違えないように。
Gセンサ超過 Gセンサを振り切って赤く光らせると減点。そこから更に振り切ったままだと更に5秒ごとに減点。

評価点

秀逸なビジュアル面

  • スクエニのヴィジュアルワークス部による高品質なグラフィックは歴代の中でも最高峰レベルに美麗。 シリーズのみならず、業界全体で見てもハイクオリティ
    レールのテカりが強い、妙に綺麗なグラフィックの造形、テクスチャ丸出しな汚れ描写…等、実写に見えるかと言えば疑問符が付く所だが、言い換えれば実写とまた違った、映画的で美しい世界を提供出来ているとも言える。
    • グラフィックの大幅強化で、時間帯によって変わる太陽の日差し、雨と言った悪天候の表現等が、従来よりもはっきりと映し出されており、臨場感を生み出す事に成功。
      • ミドルウェアにゲームエンジン「Unreal Engine 4」を採用しており、リアルなゲーム内環境構築を実現している。
  • サウンド面も比べ物にならない程に大きく進化。シリーズファンからすればここが最も進化した事を実感し易いだろうか。
    従来のサウンド面は『FINAL』を除いて全体的に現実と乖離したような音が多く、その『FINAL』でもジョイント音を中心に批判の声が強かったが、今作では非常ブレーキ音を除いて緻密に再現されており、臨場感を持たせている。
    • 尤も非常ブレーキを作動した時の音は「作動している事を強調させる為の音である」事を考慮すれば、あながち間違ってはいないかもしれない。設定でオフに出来るようにすれば良いだけとも言うが。
      因みにこの時の効果音は『3』のブレーキ音の使い回しである。

とても美人なイメージキャラクター「二葉」

  • 従来の「鉄ちゃん」から完全にイメージが変わってしまった所で当然大きな賛否も分かれているが、全体的に見ればハイクオリティな出来栄えである。
    • 何と言ってもとても美人で且つ可愛い。細かい動作もバッチリで、クオリティも秀逸の一言に尽きる。乳首の動きもしっかり再現している等、やはりそちらの面も。
      所謂アニメ調・絵画的な物では無く、高精細な3DCGで構築されたガチのリアル調デザインではあるのだが、それでもこれでもかと言う程可愛く魅せる事が出来ている辺り、スクエニのグラフィック技術の高さを窺い知る事が出来る。
    • しかもボイスも付いており、此方もプレーヤーのアクションで喋ってくれる所も評価点。
      何度も聞いて図々しいと思った人の為に、ボイスをオフにする事も可能。

従来よりも更に本物に近くなった挙動

  • 従来ではどこかしらでゲームっぽい挙動が見られ、特にブレーキ性能が中々再現出来てない事が非常に多かった。
    しかし今作では同じと言っても差し支えの無い…と言う程では無いにせよ、かなり劇的に改善されており、列車を運転する楽しさを更に高いレベルで提供する事を可能にした。

アーケードに合わせたシステム面の見直し

  • 従来の持ち時間制を廃止し「ミッションごとに決められた区間を走行し、その中で稼いだ最終スコアがクリア基準」に変更。
    これにより運転が下手な人であっても、少なくとも従来ありがちだった「最後まで運転出来ずに挫折」「100円返せ」と言った点を解消する事に成功。
    • ただし安定してクリア出来る上級者にとってはプレー料金的な意味で問題が浮上している。詳しくは問題点で後述。

拘りを感じる筐体デザイン

  • 何と言ってもゲームよりも最初に印象に残るであろうE231系を模した実寸の運転台を再現したような筐体のデザインはあまり例が無い。
    所々の意匠がそれこそ本物の車内を彷彿とするステッカー等で構成されており、雰囲気の上昇に一役買っている。
    他ジャンルにおけるデラックス筐体はおろか、3画面筐体よりも更にハイスケールな仕上がりと言っても過言ではない。
    • かなりコスト削減の為に簡素化しそうであろう座席に至っては、この手のゲームにしては珍しい実際に列車でも使用されている素材と同じ物を使用しており、雰囲気の上昇に一役買っている。

賛否両論点

収録路線の是非

  • 秀逸な再現度は前述の通りだが、2018年2月7日現在では「山手線」のみ、それも「内回りの原宿→目黒→品川」と一部区間しか収録されていない点で半ば不評を買った。
    しかも収録された路線である「山手線」は過去作において外伝を含めて相当な頻度で収録された経験のある路線である
    新規層やライトユーザーはともかく、シリーズファンの場合だと話は別。「いい加減他の路線を収録して欲しい」と言った形で食傷になるプレーヤーが続出した。
    • 更に並行している山手貨物線・京浜東北線・東海道本線・横須賀線に関しても走行している列車ごと律儀に再現されているのに何故か運転出来ない。
      品川駅近辺を走行している後者3つの路線はまだしも、山手貨物線に関しては(ホームが設置されていない原宿を除外して)渋谷-大崎間だけでもプレイアブル化して欲しいものである。
      • グラフィックの制作に手間取った事は、上記の秀逸なグラフィックからも容易に想像が付くだろう。それならば最初に収録する路線をもう少し考えるべきだったのではないだろうか…。
        折角記念作品として出すのならば、どうしても山手線を収録したい前提でも、開業して間もない「上野東京ライン」を並走している区間(東京-上野)と、鉄道の日繋がりで新橋-東京を収録すると言う選択肢もあった筈。
        現行同様に、丁度新橋-神田-上野と3区間ずつで分離出来るのだから。
    • また、関東の人気路線且つJR東日本管轄路線に限っても他に「中央線快速」「埼京線」「東海道本線」のように快速列車による通過運転もあり、且つ特急列車も経由する路線はもっとあるのだが…。
      今までシリーズ収録経験の無い路線に絞っても「総武線快速」「京葉線」等、やはりいくらでも上記の条件に合致した路線は山ほど点在している。

Eco運転ボーナスが与える影響が非常に大きい

  • マスコン・ブレーキ操作を一切していない、所謂ニュートラル操作をしている間は「消費電力を抑えた走り」としてEco運転ボーナスが付くようになったが、これがスコアに与える影響力が計り知れない。
    ただし実際の在来線の運転においても、ここまで重要視されているかは別ではあるものの、このような惰性走行をする行為は往々にして見受けられる光景である。
    • 従来通りの操作感覚でやっていると頑張っても1000点台、良くても2000点台で頭打ちである。しかしこの操作感覚に慣れてしまえば3500~4000点程稼ぐ事も容易いだろう。
      これだけでも目に見える程スコアにかなりの差が出てしまうので、ハイスコアのみならず「GO級」クリアを本気で狙うのならば必須のテクニックである。
      「込め直しをしてしまって得点を獲得し損ねた」「Gセンサに当たってミスをした」等と言った分を、Eco運転ボーナスである程度取り返せる点も無視出来ないメリットである。
    • 結果的に定速帯で速度を維持する為に一定のマスコンを保ったり、速度合わせの為にマスコン操作に頼り切る、等の行為がスコアの面において非常に不利になってしまった。
      一方で、車両の抵抗や勾配を利用して加減速をする…と言った新しいテクニックも生み出された。つまり「どれだけ操作せずに速度を調整するか」と言った所が新たな競争要素になったのだ。
      極めればEco運転ボーナスだけで1万点以上稼ぐ事も不可能では無いだろう。基本的にここまで極めると確実にダイヤに遅れが生じる為、ただのネタプレーの域を出ないが。
      • 尤もこれは「Eco運転ボーナスを最大限に獲得しつつ、他のスコアも万遍なく稼ぎたい」のならば、制限速度や定速ポイントの位置を暗記しないといけないので、結局覚えゲー要素も入ってしまうとも言えるが。

作業量の大幅増加

  • 全体的に従来より要求される作業が遥かに多くなっている。しかもその全てがスコア上昇に直結しており、クリアするのに欠かせない動作である
    更に全ての難易度で加減点される項目・すべき動作は共通 。その為本気でハイスコアを稼ぐなら、例え「初級」であっても「GO級」並の技術と知識を要すると言っても過言では無く、そのままでも難しい難易度を更に上げてしまっている。
    • 端的に言えば「速度調整と時刻と停止位置合わせ以外に多数の動作をこなさなければならない」「注意力とマルチタスクは必須」である。
      特にこの手の作業が不得手な人間だと、ハイスコアを狙うどころか「初級」をギリギリクリアする事‘‘だけ‘‘で精一杯に感じても不思議ではない。
      • 唯一ワイパー操作のみは任意で切替えても問題無いが、ONにしないと視界が悪くなり、ただでさえ雨天時には見落とし易い保線作業員等を更に見落とす危険性が跳ね上がる為、雨天時のワイパーOFFは事実上縛りプレーの域である。
    • 今作でタッチパネルの指差確認操作が追加されたが「実際の運転士が行う指差確認の重要性を認識出来て楽しい」「タッチパネル操作を強要するな」と賛否両論。
      当然これをしないと「熟練技能」でスコアを稼ぐ事が出来ず、特にSランクを獲得するのが絶望的になる。
    • また「減光」にしている時間が長いと減点されてしまう為、カーブに差し掛かった対向車に対しての対策が、それこそ出現位置の暗記しか無い為、たたでさえ激しい覚えゲー・パターンゲー化に拍車を掛けてしまっている。
    • 従来では警笛を鳴らさないといけないタイミングが「警笛鳴らせ」の標識に差し掛かった時のみだったが…今作ではその対象が大幅に増え、FINALでは隠し警笛だった「保線作業員」に加え「鉄橋」「鉄道ファン」「ホーム上の人」が追加された。
      因みに見逃した場合は、対象物が赤く光るようになっており、逆に成功した場合は対象物が緑に光るようになる。
      • だが、この警笛対象の選定にはやや疑問が残ってしまう所が鼻につく。
        「保線作業員」は、現実の電車運転でも「安全確認の為にも鳴らさないといけない」対象であるし、「ホーム上の人」は黄色い線からはみ出している人orホームドアに寄り掛かっている人なのだから、常識的に考えても「警告を促す」という観点でも鳴らして当然である。
        しかし「鉄橋」はかなり不自然である。何故ならば、現実の電車運転では「警笛鳴らせ」の標識が無い所なら、例え目の前に橋があろうとも鳴らさないからだ。
        「サービス警笛」の対象である高架橋の上に居る鉄道ファンは「鉄道ファンの撮影スポットとして有名である場所で張っている鉄道ファン」を再現した物と見られる。
        車掌の中には「それでも鉄道ファンに対してのサービスとして鳴らす」方も確かにおり、心情的に見ればわからないでもないのだが、ファンサービスをするか否かは自らの意思で決める物であり、第三者が押し付ける物ではない筈
    • 今作での定速ポイントが「大きく速度がズレた状態で通過すると減点する」仕様となっており、従来よりも必要性が大幅に増えた。その為定速ポイント系統の要素に対して否定的なユーザーから顰蹙を買った。
  • …と、ここまで見る限り、一見問題点でしかないように見えるが、これら一連の動作は実際に運転士がやる指差喚呼を再現した物である為、知識もあり且つマスター出来た人からの評価は一転して非常に高い
    そう言う意味では「電車運転士体験ゲーム」と言うジャンルに忠実で偽り無し…と言える。
    つまり…「新要素が大問題」と言う類では無く「新要素の使用を強要している」と言った部分で評価を落としている類と言うべきか。
    • もしこれが『リアリティと簡略化のバランスを設定出来る』『従来通りの操作だけでも問題なくプレー出来るモードを用意する』ならば、また違った評価になっただけに非常に勿体無い。
  • リアリティの追求そのものは、シミュレーターとしては寧ろ歓迎するべき部分である。しかしプレイヤー全てがプロの運転士を目指すとは限らないし、鉄道の知識を万遍無く知っている訳がないのは言うまでもない。
    それどころか何も事情を知らない人の方が大多数な「ゲームセンターの客」に対して、プロの運転士がする動作を最初から知っていると見なしている・強要するのは非常に軽率で傲慢である。
    • 「ゲームとして快適に遊ぶためにどの部分を取捨選択をする」と言う簡略化、及びマニア向けな要素を取り入れるにしても「ちゃんと収録された要素をゲーム内で説明をする」と言う事が行われていないのは、プレーする為のハードルを更に高くさせる事にも繋がり、結果的に興味本位でプレーした一般層が離れてしまっては本末転倒もいいところである。

本当に文字通りのランダムミッション

  • 2018年1月25日に追加されたランダムミッションの内容が、想像の斜め上を行く程とんでもない代物である事で話題になった。
    • 肝心の内容はと言えば、何と「既存ミッションから1区間毎にランダムに選出される」と言う物である。当然獲得出来るスコアも変わってしまう為、モード選択においてのクリア目標は「?????」で秘匿されている。
      ただし、クリア目標自体は開始してからすぐに判明してしまい、そこからある程度予測出来てしまう為、秘匿としては機能していない。
    • これがどう言う事かと言えば、あろう事か「1区間目は夕方の晴れなのに次の2区間目では昼の雨天になる…と言った」具合である。一度選出されたミッションは次の区間からは選出されない為、ダブる事は無い。
      僅か2分位の運転をした後に、いきなり「単位」で時間が変わり、場合によって天気も大幅に変わる様は、まさしく不自然を通り越して時空間が歪みきってしまっている…と言っても過言ではない。
      乗車率と天候に関しては、何かしらの大規模な催し物・通り雨等が来たと言う事にしておけば、納得出来る点がある。しかし時間帯や対向車が急に変化し過ぎる様は、物理的にも不自然極まり無く、流石にこの部分は調整不足であり、問題でしかない。
    • もちろん評価点もある。「唐突に変化する状況に対応する為のシミュレーター」として見れば、寧ろ歓迎するべき内容であるからだ。
      単純に1プレーごとにシチュエーションがランダムになるだけ…と言うあからさまな水増しよりは余程マシな追加ミッションと言えるか。
      しかし唐突に時間帯や天候が完全に変わってしまう以上、不自然極まりない事に変わりは無い為、やはり賛否が激しい。せめて時間帯は固定すべきであったと言える。

問題点

筐体事情を考慮しても高過ぎるプレー料金

  • 前述したように、今作のプレー料金はアーケードゲームとしては他に類を見ない程の高額ぶりである。
    加えて筐体の巨大さと言う圧倒的存在感と、後述する実際の体感難易度を前に敬遠した人も少なくないだろうと考えられるだけに、ゲーム外の要因とは言えど、ある意味で最大のマイナスポイントである。
    プレー料金の価格設定自体は「1プレー3分」を元に設定されたと推測出来る。しかし音楽ゲーム等1クレで10分遊べる事が普通な機種も当たり前のように存在しており、前述の例もひっくるめて金額設定の面におけるリサーチが足りなかったとも言わざるを得ない。
    • 「プレー料金を変更するように頼めば良いだけ」と言いたい所だが、オペレーター側が一般向けに開示した回答によれば「料金体系が複雑で、値下げは難しい。プレー料金による利益は新規路線の開発費にまわる」と言うコメントがある。
      その為、現状『GuitarFreaksXG & DrumManiaXG』のように、クレジット設定を変更するとNESYS経由で即時タイトーに伝わり厳重注意を受けるか、そもそも変更不可と見れるだろう。
    • ただ…プレー料金の高さの面に関してはズバリ、筐体の巨大さと内部基板の高性能故の筐体価格である事を考慮すれば、頷ける所があるかもしれない。
      プロの飛行士の訓練にも使われるレベルの本格的な航空シミュレータ施設の利用料金(600円~800円前後が相場)などと比べれば安価なのは言うまでもないとして、初代「電車でGO!」が、当時プレイ時間に無頓着だったと言われるタイトーらしく、1区間でゲームオーバーになっても数分間…熟練すれば標準料金(200円)で30分程度遊べてしまうのは当時としても問題となっている事実があるからだ。
      シミュレータである以上はゲームスピードを上げる事が出来ないし、かと言って「殺意を上げて早くゲームオーバーになってもらう」システムにすれば、当時と違って非難は免れない。
      そのような時代背景故に「プレイするステージ数(区間)を金で買う」システムになるのは致し方ない部分ではある。
      • しかしそうなる事が予想出来るのならば、一般・狭小店舗向けの小型筐体をリリースして現行の筐体をデラックス筐体的な位置付けで展開したり、もう少しプレー料金に見合ったゲームモードの統合と言った合理化をすれば良かったのではないだろうか。
      • 実際本作よろしく、当時としてはハイレベルなグラフィック等でゲーム自体は評価出来る部分がある『レーシングジャム』が筐体価格故のプレー料金の高さでゲーム内容とは無関係な部分で不評を買った前例があったのだが、残念ながらその教訓は活かされなかったのが非常に惜しいと言わざるを得ない。
      • 有名どころに限っても『beatmania IIDXシリーズ』も初代は1プレー300円だったが、プレー料金の高さに加えて当時としてはハードルの高いゲーム性であったが故に良い評価を得られなかった前例もある。
    • この事から「区間ごとに決められた追加料金が必要だが区間数ごとの保障などの初心者救済措置が設けられる」「1クレジットだけで最大走行可能区間分プレーが出来る代わりに区間ごとの評価で一定スコアを下回ればゲームオーバー」のように、プレースタイルで課金をするか否かを選択出来る料金体系ならば、ここまでプレー料金で問題が発生しなかったのかもしれない。
      • ただ、その方式を取るとどうしても従来のアーケードゲーム同様に「プレイヤーを全力で殺しに来る」調整で、あの手この手でプレイヤーにミスをさせようという悪意のこもったゲームになってしまうのは避けられない。
        「勝ち続けるor死なない限り~」というルール自体現在のアーケードゲームでは受け入れられにくくなっているのを考慮すれば仕方のない面も無い訳ではない。
      • シミュレーターに「余裕時分が全く無い上、更に遅延があり定時到着には速度超過必須な回復運転で事故を起こすと即ゲームオーバー」みたいなゲーム性を求める人は殆ど居ないだろう。
  • そもそも回転率やインカム等と言った、オペレーター側の事を考慮すれば、このようなゲームを無理にアーケードで出す事自体が問題と言う声も半ば見られる。
    確かに費用面のみならず、住宅事情等でも日本でこのような環境を整えるのは中々上手くいかない結果、このような大型筐体ゲームの需要も計り知れないのとなっている為、ゲームメーカーの「このようなゲームを出したい」と言う心理それ自体は十分に把握可能である。
    しかし結果的に回転率が悪くなるのならばオペレーター側にとってもインカム面や設置スペース面において、死活問題に直結する大問題になるのは火を見るより明らか。こうなってしまっては最早別問題と評さざるを得まい。

環境面で釣り合わないゲームシステム

  • プレー料金の高額ぶりは前述の通りだが、その割にはゲームシステムが上手く調整出来ていない。
    原則「特定のダイヤをプレーしたいのならば対応したダイヤの初級をクリア」「上位譜面がしたいのならば初級から順番にクリア」しないといけないのが基本的なゲームの流れとなっている。
    特にアーケードゲームでこのような仕様ではテンポの阻害にしかならず「ゲームの基礎的な部分に何も工夫せずにボリュームを水増ししているだけ」と解釈されても文句は言えない。
    • 実際に、クオリティを優先した結果ボリュームには非常に乏しい現状もこういう批判を集めやすくしている。
  • 説明で先述しているが、上記の「リアルモード解放権」を購入しても、難易度・ダイヤ選択制限を解放させる事が出来ない為、益々不便を強いる仕様となってしまっている。
    • ダイヤごとの選択制限や上位難易度をプレーするのに下位難易度のクリアを強要するシステムにする位なら、テンポ面においても最初から全選択出来るようにしつつ、設定でゲーム難易度を変更出来るようにするべきと言わざるを得ない。
      更に時間帯・天候・乗車率のシチュエーションもミッションごとで固定なので、自由度的にも問題である。従来作ならばある程度自由に変更出来る作品もあったのだが。

まだまだ残る悪い意味でリアルを逸脱した要素

  • 以前よりは現実と乖離しないように心掛けられている点が見受けられるが、やはり改善されていない点、寧ろ悪化した点が目立ってしまっている。
    • 先述の賛否両論点の通り、警笛を鳴らさないといけないタイミングに「橋の手前で鳴らす」が追加されている事。現実では「警笛鳴らせ」の標識に合わせて鳴らす事が原則で、無い所においては例えそれが橋に対しても鳴らさない。リアルな鉄道運転という観点からすれば、余りにも不自然で滑稽である。
      • 元々電車でGo!シリーズでは「鉄橋突入時に警笛を鳴らすとボーナスが入る」という隠し警笛ポイントが多かったので、ここだけは旧シリーズファンへのサービスと捉えるべきか。
    • 昼間でも何故か減光している時間が長いと「減光時間過多」と言う減点項目に引っ掛かる為、ハイビームの使用を強制されている。
      本来なら列車に限らず陸上を走る乗り物ならば、目眩しを防ぐ為にも尚更夜間の時だけハイビームを使用するべきである。
      ゲームと言えばそれまでかもしれないが、上記の減点項目の通り、不可解で無駄に余計な動作をしないといけないと言う意味ではマイナスポイントである。
    • Gセンサの掛かり方がやや大雑把で、一定速度で一定以上のブレーキが暫く掛かっていると、Gセンサを振り切ってしまう仕様がある。逆に言えばB5以下の状態なら、どんなに長時間掛けてもGセンサを振り切らない為、システム面での詰めの甘さが見受けられる。

結局解決しなかった初心者にはかなり厳しい運転

  • シリーズ最初期の頃から散々指摘されていた根本的な難しさは相変わらず改善されていない。
    どの路線・車両でも「初級」が選べるようになったのは確かに評価すべき点ではあるが…
    • そもそもの「運転」と言う基本的な部分からして、ただでさえ難しいゲームなのだから、これでは改善とは到底言えたものでは無い。
      それこそ同社の過去作・他作を見習ってズバリ…「難易度に応じてダイヤが易しくなる、要求操作・減点箇所が減少、操作アシストが働く」と言った形で採用するべきではないだろうか?
      • 因みに初級のみ申し訳程度に速度を落とすタイミングが表示されるが、これに従ったら確実にダイヤに遅れが生じる為、結果的に対策として体を成していない罠要素と化してしまっている。
    • 先程の解説の通り、難易度で変わるのは「停止位置と時間で獲得出来るポイント・性能が若干変化する・平均速度が上昇する為実質時間制限が厳しくなる・警笛を鳴らす対象が増える・クリアに必要なスコア(=ランク)が上昇する」程度である。
      対向車は現実に忠実でそのまま・鉄橋前で鳴らさない…等は相変わらずと、根本的に難しい事に変わりなく、ルールのせいで最終的な難易度は同じである。
    • 獲得スコアの総数が少ないせいか、寧ろ停止位置や時間の減点幅は初級の方が大きく、かなりシビアな運転が求められる。
      「GO級」だと大した事の無い誤差でも、目に見える程ランクに影響してしまう為。
    • 結局従来作同様「初心者には苦労を強いらせ、上級者は只のパターンゲー感覚でプレー」と言ったゲーム性が改善出来ていない。
      ただ超上級者の場合は前述の通り、細かい停止位置による獲得スコアの増減、Eco運転ボーナスで技術に差を付ける要素があるだけでもまだ幸いか。
    • 「電車の運転士」と言う職業を題材にしているゲームである為「競争」と言う行為自体をしている訳ではないのにも関わらず、このような仕様では飽きを早めてしまいかねない。
      それなら「設定で各操作の難易度を変更出来るようにする」仕様の方がどのような層にも受け入れられるのではないだろうか?
  • 再びナビゲーションシステムが廃止されてしまった。一応制限速度の予告自体は「残り距離も併記される」で、制限速度や定速ポイントの判定は「対応した色で光っている線」と、過去作よりはわかりやすくはなっている。
    しかし「対象地点から残り200mに差し掛かって表示される」為、かなりギリギリでの予告表示となってしまっている。これに関しては定速ポイント系も同様。
    『FINAL』では難易度1では500m、難易度2~4でも400m、更に最高難易度5ですら300m先まで予告が表示されていたのだが…。
    • その為速い速度域においては初期作程では無いにせよ「いきなり制限速度や定速ポイントが表示されて速度調整が間に合わず減点される」と言う事態に巻き込まれがち。
      特にGO級においてはこれを狙ったかの如く「ギリギリのブレーキングで通過」「制限速度スレスレで走行」する事を前提とした初見殺し且つ嫌がらせ的な定速ポイントもやって来る。
      「どこまで加速しどこでブレーキを入れる」目印に活用出来なくもないが、これでは「無茶をさせるな」「プレースタイルの強要」と思われかねない。
    • 一部ミッションにおいて、操作性や時間のせいで事前知識が無いとクリア不能・ハイスコア獲得が更に難しくなっているダイヤも存在している。
      雨ダイヤの品川駅において、高速域からブレーキングしないと間に合わないし、かと言ってタイミングが遅れるとオーバーラン確実なダイヤや、ダイヤに余裕があるせいで、ブレーキタイミングが却って解り辛く、慣れない内は早着必至な五反田駅が今の所該当する。
      • また、カーブや対向車や並走している列車の陰から不意打ちなタイミングで対向車・保線員が登場し、スコアが獲得出来ない事故もしばしば起こりうる。

UIのデザインがわかりづらい

  • メニュー画面のスクロール操作が「方向マークを押した方向とは逆の方向にスクロール」でわかりづらい。
  • 全体的に表示される情報が均一の大きさで並べているようなデザインで、視覚的に複数の作業を同時にこなし難くなってしまっている。
    • その中でもわかり辛いのがGセンサである。何せこれが表示される位置が画面左端のレバーのレベルの左に細長く表示されており、そのままでもわかりにくい。大型モニタを使用しているゲームなのだから尚更である。
      更に位置が位置なだけあって「どれだけブレーキが強く掛かっているかを確認しつつ速度を見る」と言った動作が非常にやり辛いダブルパンチ。
      Gセンサを振り切った時に赤く光る演出でようやく明確に気付けるレベルと言った所か。

やはりいい加減なチュートリアル

  • 従来よりは改善されているものの…やはり本作でもチュートリアルが不親切気味で、発車→走行中の大まかな操作→大まかな停車と、本当に基本的な操作しか説明されず、込め直し無し停車のやり方はおろか、タッチパネル操作の説明は存在が示唆されるだけで詳しくは説明されない。
    その込め直し無し停車のやり方も、ローディング中のTIPSで「込め直し停車をしないだけでボーナスが得られます」と、さもプレーヤー全員がブレーキングのやり方を熟知している事前提で記載されているのみであり、解説として余りにもいい加減である。
    ブレーキングをどの位置でどの位の強さで掛けるのか、と言った解説も従来同様に無く、情報サイト等で事前に情報を収集していないとスコア獲得の面において詰みかねない。
    • 特に今作においては前述した通り、この動作がスコアに直結する非常に重要なポイントであるのだから尚更不親切さに拍車を掛けてしまっている。
      テンポを阻害しないようにする為に省略しているのかもしれないが、そのような大事な部分こそアシスト表示や別枠を設けてでも説明するべきである。
      • 実はアトラクト映像の中でタッチパネル操作をしている様子を映し出したシーンが存在するが、初見や慣れてない人は見落としがちだろう。
    • その割にはチュートリアル内の二葉による解説を、例えボイスをOFFにしても飛ばす事が出来ない。ただでさえ解説が遅いのに、そこから何度も同じ説明を繰り返されてもテンポが悪くなるだけである。

水増しなデイリーミッション

  • 毎日プレー出来るミッションが変わる為、ぱっと見てプレーする度に新鮮な気持ちでプレー出来るかと思ったら…
    実際は「短区間のミッションを、曜日ごとに決まったミッションしか選択出来ないようにしている」モードである。
    「クリア・スコア共々個別に記録される」や「1週間分でローテーションされる」と言う「毎日変わる」と正確に言い難い仕様もあり、水増しと思われてもぐうの音も出ないモードでしかなかった。
    • これならば『beatmaniaIIDXシリーズ』の「WEEKLY RANKING」よろしく、完全ランダムでその日or週に出されたミッションのスコアを競う仕様の方が、肩慣らしにもスコアアタックにも活用出来ただけにもったいない。

何故か解禁要素なリアルモード

  • それぞれのミッションの「上級」をクリアをするか「リアルモード解放権」を購入すると設定出来るようになるリアルモードなのだが…
    これが単純に「タッチパネル以外の運転情報が全て表示されなくなり、スコアもリザルトまでわからなくなる」だけであり、旧来の「プロフェッショナルモード」「鉄人モード」に近い仕様である。
    あちらは隠し要素でも無く、前者は「プレー中にスタートボタンを押して残り距離が非表示になるモード」であり、後者は「最初から出現しているゲームモード」だったのに、何故か今作では解禁要素である。
    • 無論、こちらのモードだけでリアルな操縦性に変化させるのは、一般層にとって不公平になる事が予想されるのだが…それならばわざわざ解禁要素且つ明確なモードにする必要は無い。
      強いて違いや特典を挙げるのならば、ランキングに「リアルモードで記録したスコア」である事を示すマークは付くが…それだけである。
      しかもチュートリアル・デイリーミッションでは選択出来ないので、尚更これらも設定で表示の有無を選択出来るようにすれば良いだけである。
      • 獲得スコアがやや上昇すると言う声もあるそうだが、真偽は不明である。

インターネットランキングのマラソン化

  • 一見したら現在の立ち位置が確認出来そうなスコアランキングだが…
    その実態は「集計期間中に獲得したスコアの合計」を競う「回数ランキング」と揶揄されても文句が言えない「累計獲得スコアランキング」だった。
    因みに「特定の動作をした回数」と言った多様なランキングがありながらも「全ミッション中のハイスコアの合計」を競うランキングは残念ながら存在しない。
    • 当然「累計獲得スコア」なので、相当数の実力が無ければランキング上位に上がれないのは言うまでもない。
      しかし所詮は累計。例え幾らランカーレベルの実力あってもプレー回数が少なければどうしようも無い、やったもん勝ちなランキングの為、結局超上級者同士による「札束で殴り合うランキング」と化してしまっている。
      これでは本当に実力で競い合っているランキングとは到底言えたものでは無い。せめて「集計期間中に獲得した最大ハイスコア」を競うのならばまだ評価は変わっていただろう。
      筐体で表示される全国ランキングは純粋に「ハイスコアランキング」なのだから尚更である。
      • 「月間店舗内走行距離ランキング」も累計を競うランキングだが、此方は店舗ごとの集計で比較的問題視されていない。

称号システム

  • 称号システムが実績システムも兼ねており、その点に関しては評価点だが、水増しや調整不足がやや鼻につく仕様となっている。
    しかもゲームプレー中は常に左モニタの右上にプレーヤー名と共に常に表示される。このせいもあって「気軽に気に入った物を付けられない」と言う声も。
    • 累計スコア称号ではいつの時期に達成したのかも記載される。月間店舗内走行距離ではこれに加えてどの店舗で達成したのかも強制的に表示される。
      そのような称号を付けなければ良い話ではあるものの、これではどこで日頃プレーしているかを知られたくないユーザーの活動・装着の抑止に繋がりかねない仕様である。せめて非表示に出来る機能も欲しかった所。
    • ステータス称号の変更タイミングは、最後に全パラメーター中の最高値になった分野に依存しており、自分の好きな称号に変更出来ない。
      「下位称号の方で気に入った物があった」「別のステータス称号が気に入った」等と言った需要に対応出来ない所も痛いだろうが、このような点もあるせいでステータス称号と言う概念自体不要と言う声も。
      • 因みにこのステータスの変動タイミングもどうやらやり込んだ回数にも影響される模様。当然高評価を叩き出さないといけないのは言うまでもないが、それだけでは中々上昇しないと言う意味でもある。
        結局パラメーターを上げるのには相当数やり込まなければいけないので実力指数として体を成しているかと言えばこれまた微妙である。
      • なお全パラメーターが最大値の5になった暁には「山手六区を極めし者」に変化するが、この名称に関しても「どことなくダサい」等を筆頭に不評寄り。

筐体の問題点

  • 筐体にも細かい粗が所々目立つ。座席や筐体造形のように拘りが見られる部分とそうでない部分の落差が激しい。
    • タッチパネル自体も滑り難く、スライド操作に関して言えば素手よりも手袋を使った方がやりやすい *1
      更に2本以上の指に反応しないタイプであり「足がペダルに届かないのでタッチパネルの警笛を使わざるを得ない」ユーザーに不便を強いらせている。
    • マスコンレバーもやや壊れ易いプラスチック製で、更にそれを考慮してないようなチャイルドロックもある為、仕様を理解しないで使うと誤って壊してしまう事も…。
      また、マスコンを入れる時の硬さがそう硬くない上、常用最大ブレーキ(B8)から非常ブレーキを入れるまでの「遊び」が他のノッチを入れる時の硬さと全く一緒。
      その為「ゆるめようと思ったら誤って強く掛けてしまった」「B8を入れようとして非常ブレーキを誤って掛けてしまう」事故を起こし易い。

その他の問題点

  • リアルさをウリにしている割に穴がいくつも見受けられる。当たり前だがリアルを求めるゲームにおいてこのようなミスが発生するのは致命的である。
    • 大崎駅付近のシーサスクロッシングが何故か保線車両用の乗り越し分岐になっている。
    • 京浜東北線E233系のラインカラーテクスチャがコピペされておりJRマークが全車に入っている。
    • 広告枠がすべてフィラーで埋められており都内では考えられない状況。
    • 信号機器類が不要な場所に設置されている。
  • アンチエイリアス処理が出来てない箇所があるせいか、グラフィックのジャギーがやや目立ってしまっている。
    • 特にメニュー画面時に表示される「二葉」に顕著に見られ、折角の秀逸で細かいグラフィックが台無しである。
  • 山手線は線路脇にある信号機に従うATS方式ではなく、速度計に表示される制限速度に従って運転を行うATCであり出発信号は存在しないが、出発進行 *2 と喚呼している。

総評

『電車でGO!シリーズ』の20周年記念すべき作品としてリリースされた今作は、グラフィックやサウンド面の大幅強化を筆頭に、非常に気合の入った演出面やリアルな挙動等、所謂一見さんでも直感的に良いと感じれる「表」の面を見れば現代相応どころか、業界内でもトップクラスと言っても過言では無い形で飛躍的に進化しており、この面においては素直に評価するべきである。
良い所は本当に優れた出来栄えであり、「難しい」「変わり果てた」等と言う部分を根拠に断じてクソゲーと決め付けるのは余りにも早計である。
アミューズメントジャーナル掲載の12月のインカムランキングで、並み居る大人気ゲームを一蹴して1位の座を手にした事実からも、本当に運転が上手・極めたい人からの満足度は非常に高い事が伺える。

しかし、やはりシリーズの課題である「難しい」「悪い意味でゲーム的」と言う部分が克服出来ていると言えば…前述の賛否両論点や問題点の記述通り、寧ろ悪い方向に加速している所も多い為、依然として改善すべき点はまだまだ残る出来であるとも言わざるを得ない。
更に本当に「列車の操作のやり方」自体を解っているかも不明なサラリーマンや鉄道ファン等のライト層を狙ったゆるそうな宣伝をしておきながら、いい加減なチュートリアルやアシスト機能の不備等、誰をターゲットにしているかがわからないと解釈出来てしまう、どっちつかずな仕様が多いのも問題である。
結果的に満遍なく楽しむのならば、それこそ「本物の電車の運転手」ばりのマルチタスク必須のゲームである事に変わり無い事実は覆せず、万人に勧められるゲームになれなかった点は非常に勿体無い部分である。

何よりプレー料金の高額ぶりがネックになってる点は、ゲーム内容以前に一息つきたい一見さんは勿論の事、本来のターゲットである鉄道ファン・何度も繰り返して理論値を研究するハイスコアラー・シリーズの存続を願う旧来からのファンにも好ましくない事なのは言うまでも無いだろう。
以上の事から「高いプレー料金でも気にせずプレー出来る財力や金の使い方が出来る人である事を前提として単に列車が好きな鉄道ファンには厳しいが、注意力や相応の技能を持っている人ならばどっぷりハマれる魅力を持った、スルメの極致に至ったゲーム」と言える。

幅広い層に対して考慮出来ているシステムがしっかりと構築出来ていれば、現行よりも遥かに大きな規模でブームを再び復活させる事が出来ただろうと、過去作品において散々指摘された難易度から容易に想像が付いただけに非常に惜しい事この上ない。


余談

  • 稼動当初、停止位置0.0cmを達成した回数が表示されないバグが、当時のトップランカーにより発見された。
    公式はすぐさまバグの存在を認めて謝罪した後に、2017年12月21日のアップデートで修正された。
    • 同時期には「今後のアップデートで登場する筈のミッション」が表示されるバグも発生しており、該当ミッションの選択こそできないものの盛大なネタバレをかましてしまった。
      これに関しては発覚した当日中には修正され、公式発表もなされた。
  • 稼動から暫く経った2018年2月8日に『電車でGO! PLUG & PLAY』が、amazonとエビテンの通販限定でリリースされた。
    稼動前の2017年7月10日から予約が既に始まっている上、久々の家庭用向けゲーム機の為か、筐体でも積極的に宣伝された。
    • タイトルの通り、PnP機である為当wikiの執筆ルールに基づき詳細な説明は差し控える
      基本的に『FINAL』からゲーム性に影響しない範囲で一部要素を差し替えた上でのベタ移植だが、興味があるなら各自検索されたし。

ロケーションテスト版での仕様

「原宿→渋谷→恵比寿」間を走行するダイヤで、製品版と基本的な部分は変わらないが、表現やUIの面において細かな違いがあり、更に筐体デザインも製品版とやや異なってる部分もあった。

  • 窓が大きめ、右側からのみ入れる、縁が黒い、を筆頭に筐体デザインの時点で細かい所に違いが見られるが、最大の違いは「NESiCA読み取り部」の位置である。
    製品版では手元中央であるが、ロケテでは外に付いていた。恐らく「jubeat terminal」のようにプレー予約が出来るシステムを当初は用意するつもりだったのかもしれない。
  • 難易度も「入門」「熟練」と2つのみだった。クリア目標もランクで記載されていた。
    • 「入門」は、従来の運転と大差の無い通常のミッションである。
    • 「熟練」は、雨天時や遅れからの回復運転等の特殊な状況に晒されている中で乗務を攻略するミッションである。
      • ちなみに、「熟練」相当の難易度は製品版では実装されていない。
  • 「Gセンサ」自体がそもそも実装されていなかった。当然それに関連する加減点要素も存在しなかった。
  • 製品版よりもダイヤ設定に余裕があり、入門編ではゆっくりブレーキを掛けても余裕があった。
  • 運転時の手元のタッチパネルのメーターが、製品版よりもかなり実車に忠実であり、開発段階ではかなり細かい動作を要求する事を想定していた事が伺える。
  • この時のイメージキャラクターが「開発中の文字が入った女性型シルエット」であり、ボイスも大人のお姉さんを彷彿とする高飛車な物だった。
    製品版における「二葉」は、どちらかと言えば「10代から20代辺りの少女」を彷彿とする…と言った所か。

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