F/A
【えふえー】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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アーケード(NA-1)
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発売・開発元
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ナムコ
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稼働開始日
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1992年
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判定
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なし
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ポイント
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豊富な自機数 ナムコハードコアテクノBGMの走り 音ゲー収録が多いBGM ひたすらストイックなゲーム展開
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概要
F/A-18等、実在の戦闘機を自機にしたミリタリー系縦スクロールシューティング。
F/Aとは、現実の戦闘機(参考:F/A-18)と同じくそれぞれFighter、Attackerの頭文字であり、日本国外版のタイトルはこれに準じて『Fighter&Attacker』(ファイター アンド アタッカー)となっている。
ゲームシステム
1レバーと2ボタン。『ゼビウス』や『ドラゴンスピリット』に準ずる対空・対地ショットを打ち分けるシステムとなっている。
地上の敵や一部空中の敵を破壊すると捕虜が登場し、救助するとステージ終了時にスコアが入る。
全8面の1周エンド。
評価点
実在の戦闘機、そして自機の多さ
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6種類の対空ショット、3種類の対地ショット、3段階の移動速度からなる機体バリエーションはなんと16種類。アーケードのシューティングゲームでここまで選べるシューティングゲームは類を見ないだろう。当時はもちろん現在の視点で見ても破格の機体数である。
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いずれも実在の戦闘機。当時の米国、欧州の著名な機体は試作機を含めて大方網羅しており、ミリタリーファンなら楽しめるであろう。
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この路線は、後に『エースコンバットシリーズ』に引き継がれる。
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ゲームバランスは、ほぼパターンゲームと言って良く、やればやるほど少しずつ確実に上達できる。16機全てでクリアを目指すならば充分すぎるほどのやり込み甲斐がある。
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対空ショットはワイド系は単発、一点集中型はセミオートまたはフルオートと言った感じで差別化されている。
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対地ショットは射程は長いがロックオンに時間がかかるミサイル、威力は強力だが射程が短い爆弾、射程範囲内に継続ダメージを与えられるガトリング、となっている。
BGM
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細江慎治と相原隆行が作曲した、レイブやハードコアテクノ調の激しいBGMが特徴。
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基板のサウンドテストには多数の未使用曲(それらも良曲ぞろい)が入っていて、サントラCD「ナムコ・ゲームサウンド・エクスプレス Vol.7」にも多数の未使用曲が収録された。
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「ゲームミュージックにテクノミュージックを取り入れる」といった試みは、後のナムコ作品において『リッジレーサー』や『ニューマンアスレチックス』などにも取り入れられている。
問題点
BGMと裏腹に地味で単調なゲーム性
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パワーアップ、チャージショット(溜め撃ち)、ボンバーといった強力で派手な攻撃は無い。敵を倒して出現するオブジェクトも前述の「捕虜」が数種類いるだけ。
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尚且つ、グラフィックはそれなりに綺麗だが全体的に華がなく地味。特殊攻撃も無いため単調な展開が続く。
難易度も高い
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当たり判定が自機グラフィックとほぼ同一な上に、弾数も多い。
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その上自機性能もお世辞にもいいとは言えず、「避けながら敵を狙う」という行動が既に厳しい。
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また、選べる機種は多いが、機体性能のバランスが取れているとは言い難い。
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完全に上位・下位互換だったり、機体サイズ=当たり判定と移動速度・対空ショットの範囲やダメージ効率が嚙み合っていない機体があったりする。
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更にライフ回復がスコアによる2回のみであるにもかかわらず、被ダメージ時の無敵時間が短いので注意しないと貴重なライフを一気に失いかねない。
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上にも書いた通り強力な攻撃手段も無いため、パターンを敷き詰めたようなプレイを強いられてしまう。
総評
実在の戦闘機モチーフや、派手なBGM等見所はあるものの、シューティングゲームとしては「良く言えば硬派、悪く言えば地味で古臭い」の一言。しかし、ゼビウスの系譜を受け継ぐ天地撃ち分け縦シューティングのド基本な内容と、漫画的な超兵器や超展開が一切無しの奇をてらわないリアル路線は「そうだよ、こういうのでいいんだ」と、本作を高く評価するシューティングファンは少なくない。
その後の展開
ゲームそのものの移植は一度もないものの、BGMはやはり一定の評価を受けているためか、マイナータイトルであるものの一部ピックアップを受けている。特にハードコアテクノ調ということもあり音ゲー収録も地味に多い。
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『太鼓の達人14』に1面BGM「DESERT STORM」が収録。
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『テクニクティクス』にも同じく「DESERT STORM」のアレンジバーションが収録。アレンジは佐宗綾子氏。
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『GROOVE COASTER 3EX DREAM PARTY』のイベント「超シューティング祭其の弐」のポイント報酬にて3面BGM「RAVE WAR」が先行解禁。グルコス特有の背景演出による原作再現もバッチリ。
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細江慎治氏が代表取締役を務めているスーパースィープ社からは、今作のリマスター版サントラ・セルフリミックスサントラも発売。
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『アイドルマスターシリーズ』のコンピCD「ファミソン8BIT」シリーズにも今作をモチーフにした楽曲が収録。アレンジはUraken氏。
また、『リッジレーサー』に今作のタイトルロゴや曲名をあしらった「F/A Racing」というマシンがピットインしている。
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ちなみに、同『V』に登場するマシンの一つ「FIARO」のネーミングは上記の「F/A Racing」をもじったものである。
余談
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前述のサントラについてだが、最初に出たビクター盤は基板からではなく、データを落とし込む前の開発機材から収録しているため、スーパースィープから出たリマスター盤と比較して曲のBPMが少々速くなっている。
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本作の基板は故障や動作不安定になることが多く、リマスター盤の収録も基板からの収録ということで作曲者の意図しないBPMで鳴ってしまっている部分があった模様。
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本作に先駆けて稼働した『SONIC WINGS』とは共通のプレイアブル機体が多く、且つ双方「サーブ37ビゲン」が最強クラスの機体という共通点がある。
最終更新:2024年03月13日 19:53