Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼

【えう゛ぁーおあしす せいれいとたねびとのみらーじゅ】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 任天堂
開発元 グレッゾ
発売日 2017年7月13日
定価 4,980円(税別)(パッケージ版/ダウンロード版)
プレイ人数 1人
セーブデータ 2個
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 良くも悪くも王道RPG
かわいい仲間たちを集めて冒険
難易度はやや低め


概要

スクウェアからの独立組であるグレッゾが開発した完全新作。
砂漠で覆われた世界を舞台に、オアシスに仲間を集めて発展させていくアクションRPGである。


ストーリー

舞台は砂漠に覆われた世界「ヴィストラーダ」
この世界には砂漠に潤いをもたらす種族"タネビト"が暮らしていました。
主人公はその"タネビト"の中でも、オアシスを作ることができる「大樹の子」。
ある日、水の精霊"イスナ"と出会うことで、小さなオアシスの長となります。
(公式サイト Introductionより)


特徴

  • 登場人物はハナミセ(お店)を開け作物を育てることのできるタネビト、ハナミセを開けない代わりに戦闘・採集に特化しているケモビトという種族に分かれている。
    • このうちケモビトは、おしゃれが好きで槍で戦闘するウア族、食べるのが好きでハンマーで戦うセルケ族、雑貨が好きで双剣を使うリコス族の三種が存在する。
    • これに加えオアシスにやってくる一般の買い物客としてペンクロウという生き物がいる。
  • 主人公はタネビトで「大樹の子」と呼ばれており、砂漠化した世界にオアシスを産み出し風魔法を操れる特別な力を持っている。
    • 容姿・性別・名前はゲーム開始時のみ自由にキャラメイクが可能。
    • この手のRPGとしては珍しく服と帽子に能力値の補正や特殊能力の付加がない。このため作中で入手する服は完全にオシャレ用となっているので好きな見た目でストーリーを進められる。
    • 主人公のみ使える風魔法はYボタンを押すと発動できる。これを使える場面は多岐に渡り、戦闘・収集の両面で活用することになる。
  • オアシス
    • 物語の拠点となる場所。メインストーリーの進行やサブクエストの受注、装備・PTメンバーの変更、ハナミセの配置と納入、作物の栽培、武器の合成……等々と作中の大半はここで過ごすことになる。
    • 最初は主人公とイスナしかいないが、メインストーリーとサブクエストの進行に伴いだんだんとタネビトとケモビトの旅人がやってくるようになる。
      • オアシスにやってきた旅人は何かを欲しがっていたり、問題を抱えていたりする。各々のお願いを解決するとオアシスを気に入り定住してくれる。
    • 定住者が増えるとオアシスのレベルが上昇し、オアシスが拡大され新区画が開拓されたり、プレイヤーのやれることが増えていくことになる。
      • 作中ではオアシスの状態が良くなるほど虹の加護の力が強まるとされる。ゲーム的にはプレイヤーのHP最大値がアップし、全滅時に(回数が限られるが)即復活できるようになったりする。
  • ハナミセ
    • タネビトが開ける商店。仲間になるタネビトは全員別々の店を開くことが出来る。
    • タネビトたちは主人公がダンジョンや栽培園で入手した素材を元にしてお店を営業しており、商品が売れたら随時ハナミセに納入しなくてはならない。
      • 最初は一店一店主人公が自分で持っていく必要があるが、ある程度話が進むと複数の店舗にまとめて納入できるようになる。
    • オアシスレベルが上がると商業地が広くなり設置できるハナミセの数が増える。
      • この他、色々なメリット効果を持つ「デコ草」と「アソビバナ」も設置できる。
    • ハナミセは一度建てるのにアクアジェム(通貨)を消費する必要があるが、一度建ててしまえばその後は撤去しても再建するのに費用はかからない。
      • アクアジェムは商品が売れたハナミセに風魔法をぶつけると回収できる。「ジェム草の苗」というデコ草があればそのエリアのハナミセの総売り上げをまとめて回収できる。
    • ハナミセにちゃんと納入し続けある程度売り上げが溜まるといると店主から特別なお願いがなされる。
      • これを解決するとお店のランクがアップし取扱商品が増え、店主が新たな特技を習得する。
    • ハナミセの売り上げが一定値になった状態で「フェスカード」を持っていると店主にハンコを押してもらえ、ハンコを10個押して貰った状態でイスナに話しかけるとフェスを開くことができる。
      • フェスを開くと大勢の客が訪れ一気にアクアジェムが稼げる代わりに、翌日の日中は一切行動できず夕方6時まで飛ばされる。
  • フィールド・ダンジョン
    • 最序盤のみ主人公一人で進行するが、途中から三人PTで冒険することになる。
      • 十字ボタン(New3DSの場合ZRでも可)を押すと操作キャラを仲間に変更することができる。
    • ダンジョンでは3Dゼルダのような謎解き要素があり、各キャラの持つ武器・特技を使って仕掛けを解いていくことになる。
    • フィールド・ダンジョンからはアクアゲートという主人公の特殊能力を使うことで任意のタイミングでオアシスに帰還できる。
      • アクアゲートはオアシスから最後に使用したマップへ戻ることも可能。使うたびに帰還地点は上書きされる。
  • 武器
    • タネビトが装備できる剣、ボーラ*1、杖、ボウガンとケモビトが装備している槍、ハンマー、双剣の7種が存在する。
      • 主人公は4種の武器から好きなものを選んで装備できるが、タネビトは初期装備と同じタイプの武器しか装備できない。
    • ケモビトの装備は変更できないが、レベルアップに伴い自動で強い武器/防具に変更されていく。
      • タネビトの武器よりもダメージや攻撃範囲で優れている分、不利属性が存在し不利な敵へのダメージは低下する。
    • 本作では一般的なRPGのような武器・防具屋が存在しないため、基本的には後述の合成で武器を揃えることになる。
  • 合成
    • 主人公の家の二階には「合成の木」が植わっており、特定の素材を合成すると武器・防具・回復役・服等を作ることができる。
    • 武器屋こそ無いが、オアシスに訪れる行商人は初期段階の武器を取り扱っており、これを購入してどんどん強い武器へと合成していくことができる。このほか一部のダンジョンではある程度強化された武器がそのまま宝箱に入っている。
      • 合成レシピは当初はごく一部のみだが、ストーリーの進行・オアシスのレベルアップ・特定の住民のおねがいクリアで徐々に増えていく。
  • 戦闘
    • いわゆるシームレスエンカウント式となっており、フィールド・ダンジョンで敵に近づくとそのまま戦闘になる。
    • 戦闘はLボタンでロックオン、Aボタンで弱攻撃、Xで強攻撃、Bで緊急回避、下画面をタッチすると回復アイテムが使える。
      • AとXの組み合わせでコンボ技が発動し、キャラのレベルが一定値まで上がると新たなコンボを習得する。
    • 一部のキャラはRを押すとSP技という特技が使え、敵を確定で状態異常にさせたり味方へのバフ効果の付与や回復等が行える。
    • 敵を倒して得た経験値はオアシスに帰った時にまとめて清算される。
  • 特技
    • 各タネビト・ケモビトが持つ特殊能力。上述の任意発動できるSP技の他に常時発動するタイプの物、特定の仕掛けを起動させるために使う物、鉱石の採掘や穴掘り等々キャラによって所持している特技は異なる。
    • 各キャラは最大3つまで特技を習得可能。タネビトは前述の通りハナミセのレベルアップ時、ケモビトは経験値が溜まると自動で解禁されていく。
  • 迷宮
    • ストーリー後半から挑戦できるやり込み用ダンジョン。世界中に3つ存在する。
    • 挑戦するためには入り口に各地に点在している石板を3枚はめ込む必要があり、はめ込んだ石板の色と模様に応じて敵と宝物が変化する。
    • 迷宮内からアクアゲートで脱出することはできない。迷宮内に脱出ポイントはあるが、ここから脱出した場合経験値は入るもののクリア扱いにはならない。
  • やり込み要素として称号があり、特定の称号を1~3個集めるとオアシスに飾れるやりこみオブジェが入手できる。

評価点

  • かわいいキャラクターたち
    • キャラデザインは『艦隊これくしょん』で一躍名を上げたイラストレーターのしずまよしのり氏が担当しており、同氏の特徴である柔らかい絵柄は世界観にマッチしていて好評。
      • 特にパートナーである水の精霊イスナは昨今では珍しい位の正統派ヒロインであり、プレーヤーからの人気は高い。
    • タネビトは極一部パーツの使いまわしが見られるキャラもいるが、ハナミセとサブクエスト、特殊能力や雑談などで一人一人キャラを立てており、単なるサブキャラではなく作中世界に生きている人物として愛着が持てる。
      • 各々がハナミセ発展の途中で出すクエストはハッピーエンドからちょっと切ない話だったりとバラエティに富んでおり、生き生きとしたキャラクター描写に彩りを加えている
    • ケモビトもウア族は優美、セルケ族は豪胆、リコス族は明朗とおおまかなキャラ付けはされているが、これに反する性格のキャラもいる。デザインもタネビトとは大きく異なるがなかなか愛くるしい見た目をしている。
      • とりわけウア族は爬虫類を思わす女性的な造形となっており、いわゆるケモノキャラが好きな人は特に気に入ると思われる。
    • タネビト・ケモビト双方ともレベルアップやお願いクリア、宝箱を覗き込むシーンなどで見れるモーションはぴょこぴょこ動くものでとってもかわいい。
    • 双方合わせて最終的に60人ほど仲間になるが全員が何かしらメリットを持ち、完全上位互換が存在せず全員が相互互換関係となっており死にキャラがいないところも評価できる。
  • こだわりのあるビジュアル面
    • 全てが砂漠の世界というとどこも似たような見た目になりそうだが、工夫してエリアごとにかつて海だった地域や砂が吹き上がりできた森等特徴をつけており、飽きのこないまま冒険を楽しむことができる。
    • タネビトたちのハナミセは全部で30以上あるが、どれも一つとして同じデザインは存在せず商品ごとの特色を凝らしたデザインとなっており、レベルアップするたびに豪華になっていく。キャラクターのみならずこちらのデザインへの評価も高い。
      • 商品も主人公は買えないものの事細かにどのような品物か一個一個デザインしてあり、よりキャラクターの営みを身近に感じることができる。
      • オアシスそのものも成長するたびに寂しげな砂漠から植物が咲き誇るオアシスへと徐々に変遷していき、特にレベルアップ時の一気に緑が広がっていくムービーの爽快感はなかなか。
    • 全体的な難易度については開発者が誰でもクリアできるようにしたとコメントしており、大人・コアゲーマー層にはやや簡単なきらいがあるが、世界観にしっかりと力を入れているため大人でも肩の力を抜いて雰囲気を楽しめる癒しゲーとも言えるであろう。
      • 敵キャラもグロい敵・猟奇的な描写は無く、小さな子供にも安心して遊ばせられるために万人向けの仕上がりとなっている。
  • プレイヤーのことを考えた親切な仕様
    • 各地のワープポイントが回復・セーブポイントを兼ねているために、ダンジョン内で解放するたびにそのまま続行するか、いったん帰ってメンバーを変更するか、セーブしてその日のプレイは終わりにするか、等が気軽に選択できるようになっている。
    • オアシス内であちこち行き来することが多いからか、オアシスにいる際には右下をタッチすると各ブロックへワープできるようになっている。
      • 例えばちょっと合成しに家に帰りたい時等もワンタッチですぐ合成の木の前まで移動して合成し、すぐに広場に戻りワープポイントから冒険再開…といったことも手軽に行える。オアシス内ワープ画面ではゲストが現在どこにいるかも表示されるので、クエストクリア後一々あっちこっちを探し回らずに済む。
    • ハナミセへの素材集めは主人公が全部やる必要があるため一見大変そうだが、ある程度ゲームが進むとタネビト・ケモビトによるおまかせ栽培・探検が解禁される。
      • この解禁タイミングがほどよく、プレーヤーがやることが増えてくるとちょうどいいタイミングで解禁される。逆に最初から全解禁されてるとやれることが多く戸惑いかねないので、最初は自分で何度もやって覚え、後は他人に任せるという構造がうまくできている。
    • 虹の加護によるHP上昇により、育成していなかった控えの低Lvキャラもいつでも連れ出し戦えるようになっているため、長らくハナミセを任していた低レベルキャラも延々とレベル上げをしなくてもすぐに実戦投入できる。
    • 主人公が作った武器は仲間にそのまま貸し出すことが可能で、PTから外した時も自動で回収されるのでRPGにありがちな装備品の付け外しの面倒さは皆無である。
      • ハナミセの最終段階のサブクエストでは特定キャラクターをPTに入れたままレベルカンストに近い敵を倒すというものもあるため、当該キャラを全く育ててなくともこれらの仕様のおかげで足手まといになりにくい。
  • 戦闘面においても親切で細かいアイデアが光る部分がある。
    • 敵の攻撃力はやや高めで、虹の加護によるHP上昇・戦闘不能時の復帰を前提にバランスが組まれている。
      • このためちゃんとオアシスを発展させていけば問題はないが、住民を無視したまま進めると大幅に難しくなるため、うまくオアシスの発展をバトルシステムを関連付けることに成功している。
    • 味方キャラにはラグや暗転が一切なく瞬時に切り替えられるために、自分が囮になってる隙に味方を背後にいかせてここぞという時で入れ替えという戦法もとれる。
      • 味方AIも穴はあるものの、こちらから邪魔しない限りは敵の攻撃はだいたい避けてくれるためかなり優秀である。
    • どちらかと言えば戦闘の難易度も低めだが、回復アイテムを使うと必ず足が止まりモーションが終わるまでに攻撃を食らうとキャンセルされる、特定の方向から攻撃しないとダメージが通らない敵がいる、といった要素もあるため単調すぎず一定の難易度はちゃんとある。
    • 種族や武器ごとに特攻があり、敵に合わせて仲間を編成するだけで難易度が段違いに変化する。
      • 同じ武器種の住人であってもスキルは別々なので、どの住人を編成するかの自由度も高い。(特定のアイテムの入手数が増えるだけ、と言ったようなあまり役に立たないスキルもあるが)

賛否両論点

  • システム・スタッフが共通している為『聖剣伝説シリーズ』(以下、聖剣シリーズ)で見られた賛否両論点がいくつかこちらでも見られる。
    • 「一部の敵の攻撃が避けやすすぎ/避けにくすぎ」「連続で相手をノックバックさせればほぼ無抵抗のまま倒せる」「防御コマンドがないため戦闘での択が狭い」等。
  • 本作は完全新作と言う位置付けだが、タイトルこそ異なるものの『聖剣シリーズ』を踏襲した改善版と言える様な内容であり、主人公とヒロインのイスナの設定も『大樹の巫女であるヒロインに主従する主人公』と言う悪く言えば二番煎感が否めない。
    • ただし森と緑を舞台にした『聖剣シリーズ』と対照的に本作は砂漠を舞台にしたエジプシャンファンタジーある為、一応の差別化は計られている。
  • 各キャラの造形か愛着を持てるだけに、救いが無い訳ではないがラストの展開はかなり物悲しさを感じるものとなっている。
    • 評価する人もいなくはないが、優しい世界観を気に入って購入した人が多いのでやはり好みが分かれると思われる。
    • 後述の通り本作はやり込み要素に欠ける部分があるため、マルチエンドにしてやり込んだ報酬としてハッピーエンドを迎えられる、という形にして欲しかったとの意見もある。
  • 話はざっくりまとめると「悪い魔法を使う敵を選ばれし者である主人公がパートナーの精霊と力を合わせて倒す」という良く言えば王道モノだが、上述の通り既視感も否めない。
    • 敵組織の幹部の登場が遅く、特筆するほどのキャラとしての特徴・魅力が無い。
      • 一名だけ仲間キャラと因縁がある人物がいるのだが、その人物の存在自体は序盤に示唆されるうえ、他に敵組織に属してそうな人物がいないために意外性に欠ける展開になっている。
  • 最序盤は無計画にオアシスを広げたり適当に店を設置していくと金欠になる場合がありアクアジェムに関するバランスがとれているのだが、少し話が進むとだだ余りしだし、一部のクエストで一気に数千ジェム貰えるので特に制約になっていない。
    • 細かに懐事情を考えずさくさくプレイできるため、一概に問題点とは言えないが。
    • 本筋と関わらないおしゃれアイテムやハウジング要素など、おまけ要素としてお金の使いどころがあるとよかったかもしれない。
  • ゲームの大部分が「おつかいゲー」で広く見た場合の自由度が低いのも賛否が分かれる。
    • 攻略順はほぼ一本道となっており、要所要所でオアシスのレベルが一定値まで到達していないと先に進めないので速攻クリアは出来ないようになっている。
    • ただし虹の加護の存在を前提としたゲームバランスとなっているので、仮にオアシスを放置したまま先に進むと難易度は相当高くなってしまうが。
  • 住人ひとりひとりに様々なスキルが割り振られているが、ダンジョン攻略に必要なスキルですらバラバラに割り振られている。
    • 序盤から中盤にかけては、スキルのチュートリアルのように順番に必要なスキルを持った住人が登場してくるので問題ないが、後半になると様々な仕掛けが一つのダンジョンで登場してくるので、特定の仕掛けを解けるスキルを持った仲間がいない場合はアクアゲートで一旦戻って編成を変えなければならない。
    • 仲間と一緒にダンジョンを攻略している雰囲気は楽しめるので、一概に問題とも言い切れない。
    • 採掘・穴掘りというアイテムを取得できるスキルですら別々の住人に割り振られている。
      • これくらいはスキル不要か、主人公なら無条件で採掘・穴掘りできても良かったのでは。

問題点

  • 特別なお願いはまとめて受注できず、再度受注・解決するためには一件一件店主に話しかけなおす必要がある。
    • 特定の位置まで行くお願いは何故か全てアクアゲートの行き先が消えてしまうため、効率的にクリアしていくことが困難である。
      • 未開の地からアクアゲートで帰ってきて、そのままうっかりサブクエストを受注してしまうと再度1から冒険する羽目になる。上記の通りプレイヤーにとって有利な部分が多いだけに、技術的な問題なのかもしれないがこの仕様は不便に感じる。
    • 仲間として同行するクエストが存在するためこの仕様になったのかもしれないが、クエストリストからも消えてしまうのはやり過ぎである。
  • 旧3DSでプレイする場合フィールド・ダンジョンでカメラが自由に操作できない。
    • New3DSならばCスティックでカメラの操作ができるのだが、拠点であるオアシスではカメラが固定となっているためこれが原因で本作はカメラが操作できないと誤解したままプレイしたプレイヤーが少なからずいる。
      • 擁護しておくと細かくカメラを動かさないと見つけにくい仕掛けなどはほぼ無い。
    • 戦闘中も敵を真正面に捉えないので視認性が悪くなる場合がある。グレッゾは64ゼルダのリメイクも担当しているので素直にあちらと似たような仕様にした方がよかったと思われる。
  • キャラクターのレベルを上げるには戦闘を行った後、オアシスに帰らないといけない。(オアシスに帰るとそれまで得た経験値がまとめて取得される仕組み)。これが原因で問題となる点がある。
    • 作中では何度か旅先で出会ったキャラを一時的にPTに加える事になるのだが、その場合PTが満員だと誰か一人外さなくてはいけなくなる。外したキャラは自動的にオアシスに帰るのだがこの場合、戦闘を行っていたならその経験値は取得されない、つまり無駄になるのである。
    • 対処法としては誰かを一時的にPTを加える選択肢が出てもいったん断り、一度オアシスに帰って経験値を取得する事。そして元居た場所に戻るまで戦闘を行わない事。少々手間だがアクアゲートを使えばそう難しくないのが幸いである。
  • やり込み要素として用意されているヒエログリフの迷宮だが、はっきり言って不備がある。
    • 迷宮でしか入手できない素材や戦えない敵(特定のレア敵と裏ボス撃破必須の称号がある)があるのだが、ランダム性が強くお目当ての物・敵に出会えない事が多い。
    • 迷宮はローグライクのような完全な自動生成ダンジョンではなく、前の部屋で押したボタンに対応して次の部屋のオブジェクトや敵だけが異なるという仕様なので、新鮮味・アドリブ性に欠け飽きが来やすい。
    • 道中の宝箱からしか入手できないアイテムが存在するのだが、この宝箱の仕様がひどい。
      • 宝箱にはハズレが必ず一つあり、ハズレを引くと敵が現れた上、その他の宝箱が全て消失してしまう。
      • 3つの迷宮のうち、最初の迷宮にいたっては短すぎて宝箱が一つも出ないことすらある。
    • 住人のおねがいで迷宮限定モンスターの討伐や素材を要求されることもあるため、それほどやり込むつもりがなくても行く必要が出てくる。
    • 迷宮ボスの最大レベルが30止まりである。ちなみにストーリーボスはLv24くらい。
      • 一応Lvが隠されているようなレアモンスターもいるが、特段強いわけではない。
    • 発売前はクリア後もやり込めると宣伝されていたが、やり込める要素がここ(もしくは称号を埋めるために仲間たちのレベルやランクをひたすらMAXにする作業)ぐらいしかないのに対しこれと言った報酬や新たなストーリーもないため、モチベーションを維持しにくい。
      • 迷宮そのもの仕様を大幅に変えるか、迷宮以外のやり込み施設を用意する、もしくは特定の仲間の組み合わせで挑むと特殊シナリオが発生する、等々もう少しクリア後も楽しめるような工夫があれば本作の評価はもっと良くなったかもしれない。

総評

欠点含めてSFC時代のようなRPG。
ファンタジックな世界観とキャラクターデザインについては文句なしの出来で、システムもプレーヤーへの気配りが効いて快適に遊べる部分は評価できるが、
やや物足りない部分もあり、あともう少しシナリオか戦闘システムを練るか、やり込み要素を増やしていれば良作と言いきれるだけにちょっと惜しい作品。
作品としての魅力自体はあるので、購入する際にはゲームというよりは豪華な絵本を買うという認識で臨めば損はしないだろう。

最大の問題点は発売時期で、前後に他の3DSソフトや据え置き機の大作に挟まれてしまい隠れてしまったことか。
PVやイメージイラスト、体験版等を見て気に入ったという人は好きになれると思うのでプレイしてみて欲しいところ。


余談

  • タイトルのわりに実は作中で蜃気楼ネタは一切出てこない。
    • 任天堂公式サイトに掲載されている「開発者が語る『Ever Oasis』の世界」ではこの由来が語られているほか、開発の経緯や諸設定について述べられているので購入を考えている人やクリア済みのプレイヤーは見てみるといいだろう。
  • 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にスピリットとして本作の主人公とヒロインのイスナが登場する。
    • また、本作のBGMも若干収録されており特定のステージで流すことが出来る。なお、本作はサントラが発売されていないために『スマブラ』にて初めて曲名が明らかになった。

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最終更新:2023年03月22日 18:34

*1 本来は錘付きの投擲武器だが、本作ではブーメランのような物になっている