正義の味方
【せいぎのみかた】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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PlayStation 2
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メディア
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CD-ROM
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発売・開発元
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ソニー・コンピュータエンタテインメント
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発売日
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2001年11月15日
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定価
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6,090円(税5%込)
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判定
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なし
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ポイント
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特撮あるある・メタフィクション
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概要
「アドリブで特撮ヒーロー番組を撮影している」という無謀な設定のアドベンチャーゲーム。
ゲーム内容
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「30分番組」という設定通りにリアルタイムで時間が経過して行くなか、プレイヤーは主役の俳優を操って撮影地である町内を走りまわってストーリーを成立させなければならない。
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町内の住民たちと会話したり、所定の時間に特定の場所に行くことでフラグが成立するとストーリーが進行していく。
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敵との戦闘シーンではコマンドを入力することでヒーローの攻撃パターンを決め、逆に敵からの攻撃時は敵の攻撃パターンに対応したコマンドを素早く入力して防御する。戦闘の結果も視聴率やストーリー展開に影響する。
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フラグの立てかたや主役の行動で展開が分岐するポイントもある。
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放送回ごとの評価は「視聴率」としてスコアにされ、視聴率が目標より高いと次の回へ、目標を下回ると即番組打ち切り(ゲームオーバー)となる。
評価点
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徹底した「特撮あるある」
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「特撮ヒーローでありがちな展開」「ありがちな敵怪人」「ありがちな必殺技」「ありがちな新武器」などかなり意図的に「ベタな特撮ヒーロー」を意識した内容になっており、ニヤリとさせられる点が多い。
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いかにも合成っぽい必殺技のエフェクトなどはやはり意図的に作ったと制作スタッフもインタビューで語っていた。
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オープニングやCMまで再現されている、説明書が番組の企画書風など、「あくまで番組である」という点を徹底している。
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主役が変身するヒーローの名前とコスチュームのデザインを自分でデザインできる。
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コスチュームは基本8種類あり、パーツごとに他のデザインと組み替えできる。
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ヒーローの名前につく枕詞(たとえばゴレンジャーの「秘密戦隊」のような部分)は選択肢の中から二単語をつなげるシステム。
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ここで設定したヒーローの名前とコスチュームに対応して、番組途中から登場するヒロインの名前とコスチュームも自動的に決定される。
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主題歌のクオリティが高い。
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番組オープニングはかなり気合の入った作りで、主題歌は実在の番組で流れそうなもの。
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ストーリーはしっかりしている。
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ヒーローものの「ベタな展開」を踏まえつつオリジナリティも混ぜて手堅くまとめており、終盤は敵キャラクターの少し切ない過去が示唆されるなどアツい展開を見ることができる。
問題点
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ゲームが単調になりやすい。
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主にやることは「住民に聞き込みをして次の展開のフラグを探る」ことであり、地味。
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舞台がひとつの町内であり、何度も同じ場所に行くことが多いため見覚えのある光景になりやすい。
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特定の時間になると立つフラグが多く、次のフラグがわかったが時間が余っている場合は暇になってしまう。
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無駄な時間を過ごしていると視聴率が低下していく。住民に話しかけることで発生するミニゲーム等で間をつなぐことを想定しているようだが「ただ顔を動かしているだけで視聴率低下を防げる」という不具合(?)がある。
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そうでなくてもミニゲームがさほどやりごたえのある内容ではない。
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特定の時刻に特定の場所へ行くと怪人に遭遇するイベントが発生する場面で、早めに到着すると敵怪人がスタンバイして律儀に時間まで待っていることがある。シュールな光景だが、ある意味本作らしくもある。
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フラグがわかりにくい部分がある。
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毎回住民から情報を聞き出してストーリーを成立させなければならないのだが、複数のルートに分岐する部分がある。
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初見では気づかずに本筋ではない方のルートのフラグを立ててしまうことがある。しかし分岐した際のストーリーの整合性が今一つなところもあり、その場合はなんとなく話が本筋から脱線したまま先に進んでしまう。
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フラグを立てる機会を逃した場合はかなり無駄な時間を過ごすことになってしまう。
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ストーリーが全9話しかない。
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30分の特撮ヒーロー番組で全9話は短い。上記の通り単調なゲームなので50話近く(1年分)あっても飽きられるだけだが、せめて12,3話(1クール。1年の1/4)ぐらいは欲しかったところ。
総評
特撮番組の撮影をしているというメタフィクションな設定故にバカゲー的な一面も持つ。
しかしプレイヤーが自由自在に番組の内容を変えられるというわけでもなく、「次に何をしたら次の展開に進むのかを探る」というフラグ立ての作業がメインで、ゲーム性は地味。
プレイヤーに能動的にゲーム進行に関われるような仕組みがあればもっと面白いゲームになっていただろう。
着眼点や題材、ストーリーもよいだけに、惜しいところである。
最終更新:2017年10月21日 09:04