カードキャプターさくら ~いつもさくらちゃんといっしょ~

【かーどきゃぷたーさくら いつもさくらちゃんといっしょ】

ジャンル ADV
対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通)
発売元 エム・ティー・オー
開発元 ランドワーフ
発売日 1999年5月15日
定価 4,380円(税別)
判定 なし
ポイント 現実の曜日・時刻と連動したゲームシステム
立ち絵の服装が豊富
カードキャプターさくらシリーズ


概要

  • アニメ『カードキャプターさくら』のゲーム化作品で、第1シリーズ「クロウカード編」の前半を題材にしている。

特徴

  • ケロちゃん(封印の獣ケルベロス)を操作して、本編主人公のさくら(木之本桜)との会話を通して情報を集め、クロウカードを捕まえるアドベンチャーゲーム。ソフトに時計が内蔵されており、現実の時間経過と連動して時刻が変化し、時間帯によってイベントが発生する。
  • 画面上部にゲームスタートから数えた日数、曜日、時刻が表示され、画面下部にはケロちゃんの顔、話す・見る・考える・移動・寝るのコマンドアイコン、画面中部に背景またはさくらの家の見取図が表示される。
    • 話すコマンドを選ぶと、その場所にいる人物との会話ができる。
    • 見るコマンドを選ぶかBボタンを押すと、虫眼鏡のカーソルが表示されてその場所にある物を調べる事ができる。見取図が表示されている時には、調べた場所へ移動する。
      • 調べられる位置ではカーソルが点滅する。
    • 考えるコマンドを選ぶと、ケロちゃんがゲームのヒントまたはその場所についての解説を言う。このコマンドを選ぶ事でストーリーが進行する事もある。見取図画面では使えない。
    • 移動コマンドを選ぶと、見取図画面に切り替わる。見取図画面にいる時には1階と2階の切り替え。さくらの家の外にいる時には使えない。
    • 寝るコマンドを選ぶと、セーブするかの選択肢が出て、その後ゲームを終了するかの選択肢が出る。家の外にいる時にはセーブ不可能な旨のメッセージとともにゲームを終了するかの選択肢が出る。
  • セレクトボタンを押すとクロウカード図鑑が表示される。未入手のカードは色が薄く表示され、画面右部にそのカードに関するイベントが発生する時間帯のヒントを示すアイコンが表示される。
    • 通常時は最初から持っている『ウィンディ』のカードが最初に表示されるが、クロウカード出現中(サブタイトル表示後)は出現中のカードが最初に表示される。
      • ただし小狼に取られてしまう『タイム』のカードは図鑑に表示されない。
    • 第25話をクリアするとエンディング。
  • タイトル画面から「おまけ」を選ぶと「ミニゲーム」「占い」「プリント遊び」の3種類のおまけをプレイできる。
    • ミニゲームは、「はさんでクルッ」「ならべてポン」「ホットケーキほっと」の3種。それぞれに専用BGMがある。
      • 「はさんでクルッ」は、8×8の盤上にネズミを置いてウサギを挟み、ネズミに変えていく。いわゆるリバーシ(オセロ)の亜種。
      • 「ならべてポン」は、落ちてくるリンゴの塊を横一列に並べて消していく、いわゆるテトリスの亜種。リンゴの塊のブロックは本家テトリスのような4個セットの他に1~3個の物も落ちてくる。時々落下が急激に加速することがある。
      • 「ホットケーキほっと」は、切り分けられたホットケーキの4辺が1辺ずつ光っていき、その順番を憶えて同じ順番で十字キーを押していく。間違えるか制限時間内に答えきれないとゲームオーバー。いわゆるサイモンの亜種。
    • 占いは、生年月日を入力して、その日の運勢を占う。「愛情」「お金」「健康」の3つのパラメータがあり、それぞれ5段階評価になっている。
    • プリント遊びは、ゲームボーイ周辺機器のポケットプリンタを接続して文字(ひらがな、カタカナ、キゴウの3種。計12文字)、キャラクターの立ち絵、レリーフをプリントできる。

評価点

  • BGMは種類は少ないものの、良質な物が揃っている。
  • 時刻に連動してタイトル画面の画像、通常BGM、再開時のケロちゃんのセリフが変化する。また、土曜日・日曜日には時刻に関係なくタイトル画像と通常BGMが専用の物になる。
  • 登場人物の立ち絵の服装が豊富。
    • 制服、体育着、私服などの差分があり、メインキャラであるさくら、知世、小狼、苺鈴は制服の帽子の有無の差分もあり、私服も種類がある。また、表情も変化する。
    • 特にさくらは私服の種類が豊富で、日によって私服が変化する。それにバトルコスチュームも加えれば服装の総数はかなりの数にのぼる。
    • 画面下部のケロちゃんの顔アイコンも、会話や「調べる」「考える」コマンドによる独り言の内容によって表情が変化する。
      • 第3話の尾行イベントではしっかりサングラスをかけている。

賛否両論点

  • 現実時刻と連動したシステム
    • 前述のようにゲーム内の時刻は現実と連動している。夕方以降か土日だとさくらが自宅にいて、日常会話を楽しむ事ができるなど、さくらたちと一緒に生活している気分になれるが、一部のイベントは月~金の昼間にしか発生しないため、同年代の小学生にしても大きいお友達にしても、真面目にプレイしていると祝日か長期休暇期間にしかストーリーを進められなくなる事がある。
    • 一応、説明書とは別に同梱されている別紙に書かれた技*1でゲーム内の時刻を変えられるという救済措置はある。日数表示が1日目に戻ってしまうが、セーブデータは消えない。
    • また、時刻連動ものにはつきものだがバックアップ用内蔵電池の電力が2年と持たない難点もある。

問題点

  • 立ち絵の一部分がちらつく事がある。
    • 立ち絵の種類の豊富さは評価点なので、その表示にバグがあるのは残念。
  • 発生イベントの問題点
    • 月~金にしか発生しないイベントはあるが、土日にしか発生しないイベントは存在しない。そのため休日の話でも平日にストーリーが進み、不自然に感じられるかもしれない。
    • 前述の通り月~金にしか発生しないイベントがあるにもかかわらず、第8話など平日の話でも土日に発生してしまうことがある。
    • 逆に夏休み中の話で曜日は無関係のはずの第17話が月~金にしか発生しない。
    • 第10話など、朝の導入部分は土日でも発生するのに、同日昼のイベントが月~金にしか発生しない事もある。
    • クロウカード図鑑で見られるヒントアイコンでイベントが発生する時間帯はおおよそ見当をつけることはできるが、イベントの多いエピソードだと次のイベントがどの時間帯なのかわかりにくい。
    • 『ジャンプ』のカードは封印後も翌日の昼にイベントがあり、それを済ませないと次のエピソードに進めないのだが、封印した時点で『ウィンディ』のカードが最初に表示されるようになり、『ジャンプ』のカードの色も濃くなりヒントアイコンも全て消えるため気がつきにくい。一応説明書とは別に同梱されている別紙には翌日にもイベントがある旨が書かれているが…。
    • 前述の『タイム』のカードが出現する第12話と新手のクロウカードが出現しない第16話ではノーヒントになる。
      • 説明書とは別に同梱されている別紙に攻略法が書かれているし、アニメ版のストーリーに添って行動することでストーリーを進める事もできるが、別紙を紛失してアニメ版のストーリーも憶えていないと総当りしかなくなる。
    • また、カードによっては封印前にアイコンが全て消えてしまうこともある。
    • 一部のイベントは、前のイベントが発生した後、日数経過しないと発生しない。
      • これ自体はアニメ版のストーリーをリアルタイムでなぞるというコンセプト上自然ではあるのだが、この事はゲーム中にも説明書にも別紙にも明示されていない。前述の救済措置を使って一気に話を進めようとしていると詰まってしまうのである。また、前述の月~金にしか発生しないイベントが存在する件もやはり明示されていない。たとえこれらを知っていても、救済措置を使う場合は日付も変えなくてはならず少し面倒。
      • 第16話に至っては、クリアしても開始日の翌々日になるまで次のエピソードが始まらなくなる。しかも別荘にいる間は時刻に関係なくイベントが進み、就寝イベントの後間髪入れずに翌朝のイベントが始まり、その日のうちに終了できてしまう。前述の通りノーヒントなので多少は助かるが、旅行気分はぶち壊しになるし、救済措置を使わず真面目にプレイしようとすると翌々日まで暇をもてあます。
    • イベントにおいて、一部状況説明が不足している部分がある。
      • 第12話で封印した『タイム』のカードが小狼のもとへ飛んでいくシーンや、第13話で小狼が『タイム』のカードを使った後『パワー』の精霊の手を綱から離させるシーンは、セリフだけでは何が起こったのかよくわからない。
  • 戦闘が単純すぎる。
    • 手持ちのクロウカードを選択して、有効なカードを使えばそれで勝利となる。間違ったカードを使っても、撃破演出(カードのグラフィックがかき消えていく)に時間をとられるぐらいで、ペナルティらしいペナルティは何も無い。
    • どのカードを使っても勝てる戦闘も多い。
    • 効果音も一切鳴らない。他のイベント中には多彩な効果音が用意されているというのに…。
    • 第6話と第12話には必敗戦闘があるのだが、手持ちのカードを全て使用しないと先に進めない。特に第12話が出る頃にはかなりの数のカードを持っているはずなので、カードの枚数分だけ冗長な撃破演出を見るはめになる。

総評

 アニメのストーリーをリアルタイムでなぞるというコンセプトはハマる人にはハマるものであり、夕方や土日にはさくらと日常会話が楽しめたり、日によって服装が変わっていたりと、評価できる点はあるものの、時刻変更を行わずに本当にリアルタイムでプレイしようとすると、長期休暇中でないと困難であるという難点もある。また、ミニゲームが完全に本筋と無関係なただのおまけであるのも残念。クロウカードとの戦いにミニゲームを絡ませられなかったのだろうか。

余談

  • エンディングの最後に「パート1 おわり」と表示されるのだが、パート2は現在に至るまで発売されていない。
    • ゲームボーイ系列のハードから出た『カードキャプターさくら』のゲーム化作品は、本作以外ではアニメのストーリーに関らないお祭りゲーの『友枝小学校大運動会』(GBC専用)と、さくらカード編を題材にしたGBAのソフト2作が出ているが、クロウカード編後半のストーリーをなぞった作品は出ていない。
      • ゲームボーイ系列以外であればワンダースワンの『さくらとふしぎなクロウカード』がクロウカード編終了までのストーリーをなぞっているが。
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最終更新:2022年05月23日 23:14

*1 タイトル画面で「はじめから」を選び、日付時刻を変更してリセット。