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SDガンダム GGENERATION GENESIS

【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん じぇねしす】

ジャンル ガンダムシミュレーション


対応機種 プレイステーション4
プレイステーション・ヴィータ
Nintendo Switch
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
開発元 トムクリエイト
発売日 【PS4/PSV】2016年11月22日
【Switch】2018年4月26日
定価 【PS4】8,200円
【PSV】7,600円
【Switch】6,800円(各税別)
廉価版 【PS4】Welcome Price!!
2019年2月28日/3,800円(税別)
判定 良作
ポイント 宇宙世紀100年まで徹底的にフィーチャー
ゲームとしても順当進化
全作品が網羅されていれば…
内容の分、容量もすごいことに
SDガンダム Gジェネレーションシリーズ



その魂は受け継がれ、新たな原点となる───



概要

お馴染みとなったトムクリエイト製作の、『SPIRITS』以来9年ぶりとなる原作追体験型Gジェネ。
据え置き機での発売も『WORLD』(Wii版)以来5年ぶりで、シリーズ初のHD化作品となる。

2018年4月26日にはSwitchへの移植版が発売された。
早期購入特典として『スーパーガチャポンワールド SDガンダムX』のSwitch移植版がダウンロード可能。


特徴

  • これまでとは異なる時代区分
    • 「宇宙世紀(U.C.)」「アナザーガンダム(平成以降の非UC作品)」という区分ではなく、『機動戦士ガンダムUC』の展開に合わせて「U.C.0100以前」の作品のみを収録している。
    • 後年の『F91』『V』などは登場しないが、『グリーンダイバーズ』など知名度の低いタイトルからもユニットが登場しているため、作品のボリューム感に遜色はない。
    • これまでエイガーとマドロックしか登場してこなかった『ジオニックフロント』は本作でようやく主人公側の闇夜のフェンリル隊が登場し、シナリオが実装された。他にも『CROSS DIMENSION』『PS3版ガンダム戦記』など、宇宙世紀のみに絞ったことで念願のシナリオ再現が実現した作品が存在する。
  • 完全HD化したグラフィック
    • シリーズ初となる完全HD化により、モデリングの頭身が上がったほか、モーションも当然全面刷新されている。例えばガンダムが「ビーム・サーベル」を使用した場合、原作1話を彷彿とさせる派手な演出が入るなど、ファンならずとも興奮するような演出になっている。
    • 本シリーズやスパロボシリーズなどの敵ユニットの戦闘演出はデータ容量削減のため、一部を除いて自軍ユニットをただ単純に左右反転させたものであるのが通例である。そのため元々左右対称でもない限り、敵ユニットのほぼ全てが左手に主兵装・右手にシールドといった不可解な状態であり、機体に描かれたマーキングなども反転されていた(「08」が「80」になってしまうなど)。
      本作でもそれ自体は変わっていないが、マーキングの問題についてはある程度改善され、戦闘演出での違和感軽減に役立った。特に08小隊機の面々やブルーディスティニー系列など、マーキングが特徴的な機体群はその恩恵を大きく受けた。
    • が、これが後述する問題点に繋がってしまうことに…。
  • DLC
    • Gジェネシリーズとしては初めてDLCが導入されたが、予約特典のプロダクトコードで有料DLCが全て無料で入手できるという、なかなか懐に優しい仕様となっていた。
      • もちろん今から購入した場合は有料だが、これとは別に無料配信の物もかなりある。
    • DLCではU.C.0100以降の『閃光のハサウェイ』がシナリオありで追加される他、近年の映像作品である『THE ORIGIN』『サンダーボルト』などからもいくつかの機体が登場する。
      • 『ジョニー・ライデンの帰還』もDLCによる機体のみの登場だが、ライデンの新録セリフに『帰還』を意識したものがあったり、『クライマックスU.C.』初出のものを彷彿とさせる専用BGMが用意されているなどDLC外でもちゃんと作品人気に応えている。
  • 主題歌
    • オープニング曲は『和楽器バンド』のボーカル、鈴華ゆう子氏が唄う「永世のクレイドル」。彼女は『鉄血のオルフェンズ』の挿入歌の歌唱を担当した事もある。
      • そして彼女がモデルのオリジナルキャラであるユーコ・オルテンシアも無料DLCで登場した。声も鈴華氏が担当している。

評価点

  • 原点回帰し、「宇宙世紀ガンダムファンなら誰もが楽しめる」Gジェネへの新生
    • GジェネSEED』以来となる、各ステージの難易度選択システムが復活。
      • 一部初見殺しな配置のステージもあるが、初期難易度の「ノーマル」であればどのシナリオから始めても問題のない作り。
    • 攻略難度は「ノーマル」ならそう高くもなく、やり込みのために難易度を上げれば強力な機体をガンガン使うことになる適度なバランス。また機体の性能も各作品毎にこれまで以上にしっかり設定されており、ステータスによって威力が伸びない固定ダメージ武装が撤廃されたこともあって、どんな機体も愛着を持って使い続けられる。一方で高難易度にすると、機体のレベルがよほど高くなければまともに戦えないほど。
      • ゲスト軍だけで敵全滅できるなら、逆に高難易度のほうが楽だが*1
      • 最強機体として挙げられることの多いネオ・ジオングも「一体あれば即ヌルゲー」などということにはならない。射撃武装を封じ込められるユニットスキルは確かに強力だが、高難易度では敵が回避しまくるため張り付かれて格闘武装で削られ続けるケースもあり得る。
      • また初期配備のGジェネオリジナルユニットたちは、開発を続ければかなり早い段階で強力な機体に出来るため詰みにくいという特徴もある。
    • 各ステージのゲスト機体には「GETゲージ」が設定され、ゲスト機体で敵を撃破することで貯まり、100%になるとその機体を生産リストに登録できる。
      • PS時代の「ACE登録」が形を変えて復活。これにより、原作を再現しながら攻略したいプレイヤーと効率的に自部隊強化をしたいプレイヤーの棲み分けに成功している。
  • 多様なユニットの収録
    • このシリーズではよく比較対象に上がる『GジェネF』には及ばないものの、単純な数だけでも650を超える。さすがに全機体収録とはいかないが、マニアックなものも多く、『MSV-R』等近年の企画で追加された機体も収録しており大方のファンが納得できるラインナップとなっている。
    • さらに『PORTABLE』以来となるドダイYSなどのサブフライトシステム(SFS)も自軍で運用できるようになった。『PORTABLE』と異なり、戦艦からそれぞれ出した後にユニットをSFSに乗せるという作業が必要で、戦闘アニメーションにも反映されないが、地形適性を改善できることで、戦略の幅は大きく増している。
  • 進化した連携演出
    • 以前のシリーズから存在した固有の連携演出も、それぞれ専用のモーションやカメラアングルなどを取り入れて一新されておりいっそう迫力が増した。
      • これまでの連携は掛け合いの後にそれぞれの通常攻撃に移行するものが大半だったが、本作では飛び交う弾幕の中で愚痴をこぼす掛け合いがあったり、一斉に突撃をかけたりするなど、チームやキャラクターの個性を活かした演出を見せてくれる。
  • 一般兵のボイス復活
    • WARS』以来となる一般兵のボイスが新録された。『SPIRITS』同様、『IGLOO』に登場した連邦兵のチンピラっぽいセリフもちゃんと再現されている。

賛否両論点

  • キャラクターカットインの仕様変更
    • 戦闘時にパイロットグラフィックがカットイン表示される演出は本作も健在。『WORLD』~『OVER WORLD』と異なり、武装でキャラクターカットインが表示されるものから、攻撃前にコクピットの内装も同時に映るという『SPIRITS』に近い仕様に戻った。内装のグラフィックは非常に再現性が高く、特にユニコーンガンダムやネオ・ジオングのコクピット描写の細かさは必見。
    • しかし、新たな問題が浮上。原作通りのコクピット内装を再現した結果、カットインが発生するシチュエーションも非常に限定されてしまった。
      • 例えばガンダムの戦闘演出の場合、アムロ・レイ(U.C.0079)を搭乗させ、かつ「ビーム・サーベル」を選択した時のみカットイン演出が入るようになる(グループ攻撃に参加した場合を除く)。「ハイパー・バズーカ」や「ハイパー・ハンマー」を選択した際はカットインは発生せず、攻撃ボイスが再生されるだけ。アムロ(0079)以外をガンダムに乗せた場合や、逆にアムロ(0079)をG-3ガンダムに乗せた場合でも同様。
      • 『SPIRITS』ではコクピットの形状でカットインの発生条件が決められていたのだが*2、今作では特定の機体に乗せることが条件となったため、余計に限定されることになってしまった。
    • 発動する組み合わせも作品の主人公格・ライバルといったメインキャラクターに限られてしまい、カイ・シデンやランバ・ラル*3など、戦闘カットイン自体が存在しないキャラクターが大半を占める。
      • オリジナルキャラクターもカットイン持ちは極僅かしかおらず(34名中パイロット3名、艦長2名)、新規オリキャラにいまいち愛着が湧きづらい一因となってしまっている。なおオリキャラのカットインでは背景が黒一色で内装が表示されないため、こちらまでカットイン発生条件を限定したことに疑問が残る。
    • 注意しておくが、カットインの一つ一つの演出自体が好評であることに変わりはない。問題なのはあくまでその発生頻度とバリエーションの少なさである。
      • 補足すると、初代『Gジェネ』はこのような特定の武装の組み合わせでカットインが入っていた。それと比べれば「全武装にボイスが出るだけ進歩」とも言えるが、それでもPS2時代や『OVER WORLD』までと比較すると仕様上劣化していると見られても仕方ない。
  • 一部のキャラクターの声優変更
    • ハヤト・コバヤシは『SPIRITS』同様、『1st』の鈴木清信氏と『劇場版Ζ』の檜山修之氏で声が分けられているのにもかかわらず、ブライト・ノアのボイスは『OVER WORLD』と同じく『1st』から成田剣氏が演じており、オリジナルキャストである故・鈴置洋孝氏のものは一切収録されていない。
      • 『UC』でブライト役を引き継いだ成田氏の演技は高い支持を受けており、近年では『UC』以前のブライトを演じる機会も増えているなど、決して演技に不満を述べられているわけではない。一方で、せっかく鈴置氏のライブラリ音声があるのにもかかわらず「完全に変わってしまうのは寂しい」という声もあり、「ハヤトが分けられているならブライトも…」という声もある。
      • 後任が未だに定まっていないせいもあるが、最後の収録が『NEO』のものになる井上瑤氏演じるセイラ・マスも過去シリーズからライブラリ音声を流用し、戦闘ボイスでもほぼ違和感なく溶け込ませているだけに「もはやライブラリでしか耳にすることしかできない鈴置版のブライトも聞きたい」というプレイヤーには少々残念な采配である。
      • 一方で、『SPIRITS』では鈴置氏の逝去が理由で『閃光のハサウェイ』のブライトにはボイスがなかったが、本作では成田氏の新録によりシリーズで初めてボイスがついたという面もあるので、もちろん一概に悪いとは言えない。
    • エルピー・プルとプルツーのボイスは、原作で演じていた故・本多知恵子氏のライブラリ音声がこれまでは使用されていたが、本作では(プルクローンも含めて)本多陽子氏の新録ボイスに変更された。
      • こちらにも「仕方ない」という意見と「ライブラリ音声を使ってほしかった」との意見もあるが、不可解なことに一部本多知恵子氏のライブラリ音声も混在している。引退したり鬼籍に入ったりなどして他の声優が演じたキャラクターはライブラリ音声か代役で統一されているだけに、何故プル・プルツーだけこのような形になっているかは不明。
    • 一年戦争外伝系の作品は一部キャスティングが『サイドストーリーズ』準拠となっており、原作と異なる配役がなされているキャラクターもいる。
  • まだ残る奇妙なユニットセレクト
    • ジム・コマンドは(これまで通り)宇宙仕様のみ登場だが地上適性もあるという形。
      • つまり地上仕様が別機体として収録されていない。両仕様は明らかに色が違い、地上仕様は『ポケットの中の戦争』や『PS3戦記』のアバンタイトルなど、収録作品内でも登場シーンはそれなりにあるのに、一緒にされてきた状態が改善されないのは残念。
    • ザクIIは、『SPIRITS』ではF型(汎用)とJ型(地上専用)に分かれていたが、『WARS』以降は一緒くたにされており、本作もその状態のまま。「闇夜のフェンリル隊仕様」や「マルコシアス隊仕様」などの豊富なバリエーションも再現されていない(専用機や局地戦用といった別仕様という形でなら登場する)。
      面倒が省けた・ファーストガンダム劇中描写に準拠したという意見もあるが、本作を購入するようなプレイヤーならその面倒も楽しめるはずではないだろうか。
    • 一方で、多くのジオン系MSには『UC』に登場した「袖付き仕様」「ジオン残党軍仕様」が存在する。「細かく分けられていて嬉しい」というプレイヤーも多いが、ユニット数の水増し感も否めない。
      • 色違い・装備違いで機体を増やすのは、そもそも原作のアニメ・プラモでよくあることなので、本作よりもガンダムシリーズというコンテンツに常に付きまとう賛否両論点とも言えるが。
    • この他、重装フルアーマーガンダム7号機やハミング・バードのように本作が初登場となった機体がいる一方、ストライカー・カスタムやガンダム試作4号機のように『OVER WORLD』から削られた機体も若干だが存在する。
    • 武装面でも、ガンダム試作2号機やドラッツェといったごく一部を除いたほとんどの機体からバルカン砲が削除されている。使用ENが少ないことに加え、敵を削って他のユニットに経験値を食わせたい時に役立っていた武装だけに残念がったプレイヤーも多かった。
  • 新規オリキャラの追加
    • 特定のバックボーンを持たないオリジナルキャラクターが『NEO』以来久々に追加されたが、そのキャラデザがいまいち垢抜けなく、既存のオリキャラとの乖離感が強いものになっている。
      • 最初の編成画面でそれまでのオリキャラとは別の新規オリキャラが初期配備にいて、面食らったプレイヤーも多いのではないだろうか。
    • オリキャラの数が増えたのは歓迎すべきことだろうが、過去作からのファンからは「どうせなら以前のシリーズ作品にいたオリキャラを復活させてほしかった」という声が挙がることも。
  • クエスト
    • 今作から一定の条件を満たしてステージクリアすると特定のキャラクターやオプションパーツが獲得できる「クエスト」も登場した。
      1回のプレイだけでは全て達成できないためやり込み要素が増え、周回プレイやゲスト軍を操作する動機づけにも繋がっているが、『OVER WORLD』では(キャピタルさえ支払えば)ほとんどのキャラクターを序盤からスカウトできたため、最初から自分好みの部隊を編成したいプレイヤーからは面倒な工程を踏まされることに不満の声が挙がった。
  • PSV版ではやたらと厳しいデータ容量
    • PSVのパッケージ版はカード2枚組(2枚目は追加コンテンツのインストールデータ)で、公式サイトでも「3,500MB以上の空き容量が必要となります」と明記されている。DL版は言わずもがなの大容量。
      • インストールしなければ起動することが不可能なため、容量を確保したメモリーカードは必須である。更に発売後しばらくは毎月アップデートも行われており、その度にデータのやりくりを強いられるプレイヤーも続出してしまった。
    • ただし、これらの大容量はゲーム内容の密度にも貢献しているため、一概に悪い点とは言えない。「ゲームの大容量化の結果、据え置き機と携帯機とのマルチという仕様に無理が生じてきた」と解釈すべきかも知れない。
      • また、削られた作品や機体のファンとしては「携帯機とのマルチでなく、最初から据え置きだけに限定しておけば、全作品網羅して『F』以上の大ボリュームに出来たのでは?」という声もある。実際に可能かはどうかはさておき、携帯機の「外出時でも持ち運べる利便性」と秤にかけるとなんとも言えない部分である。
  • CGムービーの出来
    • 本作ではCGムービーの総数が大きく増加し、大半のシナリオに用意されているなど、量に関しては大きく改善している。
    • 一方でムービー自体の尺が短いものが多く、『SPIRITS』同様「MSが現れる」「MSが武器を構える」「戦艦や大型兵器が主砲を撃つ」だけのわずか数秒で終わるものが多数存在するなど、質に関しては進歩したと言いがたい面もある。
      • 一応、『UC』などのいくつかのムービーは従来通りきちんと作り込まれており、見応えがあるものも存在する。
  • 大胆にアレンジされた原作BGMと、シリーズのオリジナルBGM
    • これまでのシリーズのBGMの雰囲気から大きく変わるほどの刷新が行われた。
    • 原作BGMについては原作で高評価だったBGMを多く取り入れ、アレンジも原曲の雰囲気を壊さない程度に留めているものがほとんど。ただし一部BGMの新規アレンジについては、初代『Gジェネ』や『スーパーヒーロージェネレーション』のように、雰囲気以前に曲調が大きく変わっているものもいくつか含まれており、それらについては賛否が分かれている*4
      • 『OVER WORLD』に比べてBGMの総数が大幅に増えたことから、「JASRACへ支払う使用料を抑えるためにわざと似ていない曲にしたのでは?」という推測が一部では見られる。
      • 『OVER WORLD』にあったカスタムサウンド機能があれば違和感がいくらか軽減されたかもしれないが、残念ながら本作では実装されていない。
    • 『CROSS DIMENSION』のBGMはSFCで発売された原作のものを基にしているのではなく、『サイドストーリーズ』準拠である点について不満の声が挙がることも。
    • 『UC』の「FULL-FRONTAL」については、『OVER WORLD』から流用されている原曲に近いものと『ヒロジェネ』から流用されている曲調が違うものの両方がなぜか収録されている。ちなみに前者はイベントシーンで流れる曲で、袖付きなどのジオン勢の戦闘BGMに使われているのは後者。聞く頻度を考えると逆のほうが良かったのではないだろうか。
    • Gジェネシリーズのオリジナルキャラ達の戦闘BGMも『WORLD』~『OVER WORLD』のものと異なり、本作では大きく手が加えられている。出撃前の編成画面のBGMなど、『OVER WORLD』までのマイナーチェンジに留めてあるものも存在する。聴き比べてみると面白いかもしれない。

問題点

  • 戦闘アニメーション関係
    • ユニットモデルの新規作成に相当の労力を費やしてしまったのか、攻撃・被弾などのモーションのパターンはユニット総数に比べるとそれほど多くない(量産機は特に顕著)。特に攻撃回避時のモーションは不評で、棒立ちのままで相手の攻撃が外れていくように見え、横に移動する動きがあった初代『Gジェネ』よりも(動きの面では)劣って見えてしまう。
    • 攻撃モーションも特に射撃武装は構えて撃つだけのが多くて代り映えしない。格闘兵装もごく一部の必殺技が華麗な演舞を見せるが、剣かざし・切り抜き2コマのものがほとんど。
    • せっかくグラフィックを一新したのに、空中適性のない機体でも大気圏内で浮いているように見えたり、牽制射撃を意図したのか複数発発射した射撃武装が最後の一発だけ当たる描写など、『SPIRITS』以降の過去シリーズからのモーションを引きずってしまっている。
    • DLCで追加されたユニットはかなり凝った動きをしているので、ハード関連や納期の問題が大きかったのかもしれない。
  • ボイス・スカウト関係
    • 『WORLD』以降と同様、フラウ・ボゥやミライ・ヤシマなどボイス新録のない一部のキャラクターはパイロットにすると無言になってしまうことも。
      • 原作でブルッジクルーを務めたキャラはモビルスーツに乗せた場合、ボイスが出ないことが多い。その場合、戦艦に乗せればそちらではちゃんと喋る。
      • 過去作ではブリッジクルーをモビルスーツに乗せたり、その逆を行っても字幕台詞やボイスがあり、それが魅力の一つとなっていた*5
    • 『SPIRITS』のものを多く流用したことで、多くのキャラクターがボイスつきで復活したが、『OVER WORLD』で収録されたデギンやミコットのボイスがなぜか削られているという例があったりする。マイキャラクターのボイスにミコット役の戸松遥氏のものが『OVER WORLD』から流用されているだけに余計に不可解である。
      • これの副産物なのか、ノイエン・ビッターやカクリコン・カクーラーなど、これまでのシリーズではNPCだったキャラの一部がスカウト可能になっていたりする。
      • 逆に、バスク・オムらは相変わらずスカウトできなかったり、レビル将軍など『SPIRITS』からスカウト不可になってしまったキャラもおり、選定の基準には疑問が残る。
    • 『SPIRITS』では戦艦が攻撃する際、艦長と通信士・操舵士とのちゃんとした掛け合いセリフがあったが、本作では過去シリーズのパイロットボイスを流用したキャラが多いため、艦長以外はブリッジクルーに配置したキャラ達が思い思いに放言する形となっており、掛け合いの体を成していない。
    • 宇宙世紀に絞ったことである種の「リアル」にこだわったせいか、原作パイロット以外のファンネル使用時の特殊ボイスが削られている。その手の制約を受けないはずのオリキャラやマイキャラにもファンネル系のセリフが収録されておらず(『OVER WORLD』にあったボイスも削除)、オリキャラの特殊ボイスがあるのはフェニックスガンダム(能力解放)の「バーニング・ファイア」のみ*6
  • 疑問のある収録内容・キャッチコピーなど
    • 時系列上の収録作が『UC』までとなっている上、「登場作品は多いのにボリューム不足感」がある。
    • 特に『サイドストーリーズ』登場作品のシナリオが多く追加されたせいか、一年戦争にシナリオが集中しているため、作品順にプレイしているとその一年(実質数ヶ月)が異常に長く感じる。
      • 具体的にはステージの約6割が一年戦争。もともと宇宙世紀のガンダム作品は一年戦争を題材としたものが多く、『SPIRITS』でも4割近くはあったが、全ステージの半分以上が一年戦争というバランスの悪さは、シリーズの中でも群を抜いている。
      • そのため、時代順に進めていても自軍の開発・設計が進みすぎて一年戦争中なのにグリプス戦役(Z)以降の機体が揃ってしまうなんてことも。
    • 本作のCMでは「全てのガンダムファンよ、全ての宇宙世紀ファンよ」という、シリーズ・宇宙世紀全体を意識したようなキャッチコピーが使われている。
    • 『F91』『V』の2作品を中途半端に出さないくらいなら「『宇宙世紀100年』にこだわる必要があったのか?」という声もある。
      • 発売当時は『UC RE:0096』のTV放送など、『UC』関連の展開が活発だったこともあり、本作の収録内容にもその影響はあると思われる。
      • しかし、「2作品」というのは「アニメ」に限った話。これらが収録されれば『フォーミュラー戦記』や『クロスボーン』といった関連作品も!という流れになってしまうのは『Gジェネ』という作品の性質を鑑みれば必然であっただろう。
      • とはいえ、『SPIRITS』『クライマックスU.C.』といった過去作品では収録されていたこともあるだけに、残念がるファンも多い。
    • Gジェネシリーズが原作再現を期待されていると共に、多数の作品が集まるお祭りゲーであることも加味すると、やはり盛り上がりに欠けると言える。
      • ただし、これらの作品が出ないことは事前に明らかになっていた。特に本作は初のHD環境ということもあり、過去作からの流用が効かない都合上、作業労力の限界も感じられる。
  • シナリオ内容
    • 原作追体験型の宿命といえばそれまでだが、本作のシナリオはそれ以上に既視感が強い。
      • それもそのはず、新規作品以外は『SPIRITS』のものとほぼ同じだからである。悪く言えば使い回し*7。『08小隊』が特に不評なのも変わらず。
      • 「増援の構成まで同じ」という露骨に使い回されたステージも多数存在する。システム関連の刷新にリソースを回しすぎてシナリオが疎かになってしまったのか、それとも…。
      • こういったシナリオ構成が『SPIRITS』の頃と何も変わっていないのが問題。もっとも、変わったら変わったでデータ容量がさらに膨れ上がったかもしれないが。
    • この結果、『PS2戦記』は評判の悪い漫画版準拠のままである。『1st』でも『SPIRITS』と違って黒い三連星やマ・クベがキャラクターとして存在しているが、故・永井一郎氏のナレーションを『SPIRITS』から流用しているせいで彼らの出番はシナリオ中にない。
    • 新規シナリオにおいても、『サイドストーリーズ』準拠になったことで救いのない結末となった『CROSS DIMENSION』*8や、一年戦争の部分で打ち切り同然に終了する『ミッシングリンク』*9などに批判の声が挙がっている。
    • 会話イベント・マップイベントの演出はいいとは言えず、一回クリアする前はスキップもできず、戦場にのみ集中したいプレイヤーにとってストレスフルなシナリオ体験となっている。
  • お金に加えてパーツにも困るようになった報酬
    • ステージクリアで得られるキャピタル(ゲーム内通貨)は難易度ごとに差があるため、序盤のうちは相変わらず金策に困ることになる。さらに、本作ではオプションパーツが3ランクに分けられた上、ランクごとに獲得順序が「完全ランダム」となったため、欲しいOPがなかなか出ないこともざら。
      • 欲しいOPを狙って出すにはセーブとロードを繰り返すしかなく、必要なOPを手に入れるために面倒な作業を要求される。
      • これにより、特に自軍の戦艦をOPで強化して使い続けにくくなり、新たな戦艦を購入する必要性によりさらに金欠が悪化することもある。本作では戦艦にレベルが設定されて強化できるようになった反面、解体してキャピタルに変えることはできなくなったため、一長一短と言える。
      • 後にキャピタル稼ぎに適したステージが無料DLCで配信されたため、一応の救済措置は取られている。
  • システム関連の劣化他
    • 従来のシリーズであれば、プロフィールではボイスの再生や戦闘BGMが試聴でき、担当声優の表記などもあったが、本作ではそういった仕様がオミットされており、簡単な解説が読めるのみとなっている。
      • 加えて、ステージ攻略中はユニットおよびキャラクターのプロフィール解説を見ることができなくなった。
    • 一部の戦闘BGMは「マイキャラクター作成」から試聴でき、担当声優はゲームクリア後のクレジットで確認できるが、ボイス再生が可能なのは「マイキャラクター作成」時のみで、原作キャラクター・オリジナルキャラクターのものについては再生できない。
      • マイキャラクターで使用可能なBGMは全体の収録曲数に対してかなり限られており、NPC専用BGMやイベントシーン等で流れるBGMは使用も試聴も不可能。『ポケ戦』や『PS2戦記』『PS3戦記』などで特に顕著*10
    • 戦闘アニメを見た後に、簡易戦闘を選んだ場合と同じくマップ上のダメージエフェクトが発生する仕様になっており、テンポの悪化に繋がっている。
    • 支援攻撃を行った時、支援ユニットのアイコンが表示されるのみでキャラクターの顔グラフィックは表示されず、カットイン発生条件の限定やセリフ字幕が表示されないのも相まって誰が攻撃しているのかがわかりにくくなっている。戦闘ボイスのないキャラが支援しているとなおさら。
    • 他にも、(ネタ的な意味などで)定評があり、シリーズの魅力の一つだった戦闘デモが実装されていないなどの部分がある。
    • いずれにせよ、過去作に存在した要素が失われているのは劣化と言える。

総評

「宇宙世紀100年」に絞って新世代機による高画質表現のGジェネ。

しかし納期ゆえか戦闘・シナリオの出来がもどかしく、PSVに合わせる故のボリューム不足を感じさせている。

容量面は、据え置き版であればよほど容量がカツカツでもない限り、そこまで困ることもないはずなので、快適に遊べるだろう。
ただこの手のシミュレーションが携帯機向けになりつつある現代では、携帯機勢の需要は見逃すことが出来ず、容量確保に苦慮することになるのは残念なところ。


余談

  • 本作の発売に合わせ、YouTubeのPlayStation®公式チャンネルにて、プロモーションWEB動画第1弾「はたらくモビルスーツ」篇と第2弾「はたらくマニアックなモビルスーツ」篇が公開されていた(現在は公開終了)。
    • その内容は、フジテレビの番組『ひらけ!ポンキッキ』にて大人気ソングとなった「はたらくくるま」を、本作の戦闘アニメと登場機体に合わせた替え歌として歌い上げるというもの。
    • なお、歌っているのは原曲の歌手であるのこいのこ氏。第2弾ではガンダム大好き芸人として知られる若井おさむ氏も参加し、のこいのこ氏とのデュエットを展開していた。正に公式が病気である
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最終更新:2021年12月11日 21:40

*1 ENが伸びるほか、グループエリア・リーダーエリアがパイロット能力上昇に伴って拡大し、支援行動がしやすくなるため。

*2 これはこれで、ミスや納得できない事例が多数発生しており問題があった。詳しくは『SPIRITS』の記事を参照。

*3 両者とも、『SPIRITS』にはカットインが存在した。

*4 主に挙げられているのは『IGLOO』の「機動戦」や、「シャングリラの少年」や「始動!ダブル・ゼータ」などの『ΖΖ』の数曲。原曲を知っている人が一度聞いてみると「あの曲っぽいけど何か違う」という違和感を覚えるレベルであり、イベントや戦闘で流れる頻度もかなり高めなため、違和感がどうも拭えないという意見も見られる。

*5 戦艦のオペレーターを務めるアムロ・レイとかはGジェネシリーズでしか見られなかった。今作のボイスがないスカウト可能キャラでも撃破された時の字幕台詞などは全員分用意されている。

*6 コード・フェニックス搭乗時のマスターフェニックスの「バーニング・ソード」の特殊ボイスも削除されてしまっている。

*7 フルボイスではなくなった分劣化しているとも言える。

*8 原作はマルチエンディング方式であり、希望の残るEDも存在していた。

*9 このため、原作では重要キャラであるクロエ・クローチェはラストでわずかなセリフと共に素顔を見せないノーマルスーツ姿が出るだけ。ゲーム内ではスカウトできずプロフィールにも登録されない。

*10 例を挙げると『ポケ戦』カテゴリで使用可能なBGMはインスト版の「いつか空に届いて」のみ。「架空の空」など劇中由来のBGMはいずれもNPCや原作キャラクター専用