信長の野望・創造 戦国立志伝

【のぶながのやぼう・そうぞうせんごくりっしでん】

ジャンル 歴史シミュレーションゲーム



対応機種 プレイステーション3
プレイステーション4
プレイステーション・ヴィータ
Windows Vista/7/8.1/10
発売・開発元 コーエーテクモゲームス
発売日 2016年3月24日
定価 パッケージ / ダウンロード / TREASURE BOX
【PS3/PS4】8,800円 / 7,619円 / 12,800円
【PSV】7,800円 / 6,762円 / 11,800円
【Win】9,800円 / 8,477円 / 13,800円(各税別)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 『創造』がベースの作品
大河ドラマと同時期に発売された
バグ多し後に大修正
幸村の戦国伝が登場
信長の野望シリーズ


概要

本作は『信長の野望 創造』をベースに、2016年大河ドラマ「真田丸」に合わせて発売された作品。
「武将プレイ」「箱庭内政」やシナリオ「大阪の陣」といった要素が追加されている。

本項は『創造』と被るものもあるがそれも記述している。

特徴

  • シナリオ数は全部で21。
  • 登場武将の数はパワーアップキットから更に200名以上追加、シリーズ最多の総勢2000名以上である。
    • 『創造』のエディットデータを引き継ぐことは残念ながらできない。
  • 大名及び武将でプレイする事が可能となった。大名以外の身分でプレイする事は『蒼天録PK』でも城主プレイとして可能だったが、本作はさらに下の身分である一家臣の立場でプレイする事が出来る。
    • そのため、プレイヤーが他勢力に寝返ったり、主家を見捨てて新たな大名家として独立したりといった、シリーズ他作品にはない奔放なプレイが可能。
    • 残念ながら浪人の身分ではプレイできない。
    • プレイ開始時にはプレイする武将(いわば主人公)を選択する。
    • プレイヤー武将が死亡するとひとまずエンディングが流れるが、一門の中から後継者を選んで続行可能。
      • 所属大名家が滅亡しても、滅亡させられた大名家に登用されて家臣として続行可能。
    • プレイヤーの所属大名家が天下統一を果たせばクリアとなる。
      • 全ての大名家を滅ぼす必要はなく、最大勢力になる・30以上の国を支配する・京都(二条城)を支配するという3つの条件を満たせば「惣無事令」を発してゲームクリアできる。実際この条件を満たすまででも十分なボリュームがある。
      • クリア時の所属大名家の主義(保守・中道・創造)によってエンディングが変化する。

システム

  • 箱庭内政
    • 水源や街道の有無といったさまざまな特徴のある領地を、多彩な施設を組み合わせ、発展させ箱庭感覚で自由に開発できる。
    • 領地を豊かにするためには、地の利を生かした開発が重要となる。川沿いなど水がある場所で「水田」を耕したり、人の往来がある街道沿いに「商人町」を建設したり、地形に合わせて効果的な建設をすることで、ゲームを上手く進めていく事ができる。
    • 建設できる施設には、「生産施設」「特化施設」「軍事施設」の3系統があり、巧みに使い分けながら開発を進める。
      • また、「南蛮渡来」や「茶の湯」といった特殊な施設を建てると、新たな施設が建設可能になることもある。
    • 土地そのものの開拓もでき「灌漑」を行うことで、近くの川から“水が乏しい土地”に水路を引くことができる。灌漑をすると、川から離れた土地でも「水田」が耕せるようになる。
    • 開発できる場所が無くなると、「進出」をすることで、開発できるような土地が手に入る。新たな資源を発見することもあるが、「山賊屋敷」などが見つかることもある。
    • また、最初は「灌漑」等の一部のコマンドや、一部の施設を建設する事が出来ず、物資を使って「奨励」を行い、「利水」等の概念を住民に教え込む事によってはじめて実行が可能になる。
  • 家臣プレイ
    • 家臣の立場では城下町の一角が「知行(領地)」として与えられ、全国マップとは切り離された何もない土地に一から町を作っていくことになる。
    • 領地を発展させながら、主君から一度に大量の「任務」を言い渡されるのでこれらの達成を目指す。「任務」には兵糧調達や兵数確保、または敵兵の撃破など様々な任務がある。活躍すると勲功が高まり、出世への道が開かれていく。ただし同僚にあたる他の武将たちも「任務」を横取りする形で遂行するため、彼らとの競争になっている。
    • 自領で暮らす民や他の武将から依頼(御役目)を受けることがあり、この「御役目」を解決することで、民忠を高めたり、武将との友好関係を築いたりすることができる。
    • 内政によって発展した領地からは物資の収入や兵力が得られるため、城主や軍団長などに出世した後でもかなりの助けになる。
    • 勲功がある程度高まると、大名から「城代」「城主」への就任を打診される。もちろん断ることも可能。
    • 一方で他家に寝返ることも可能。ある程度活躍すると評判を聞きつけた他家から勧誘が来ることも。
  • 城代プレイ
    • 城代になると所属城の内政に携わることができる。
    • 城主よりは身分が下なので、あくまで内政の一部を担当するのみであり、一部のコマンドは実行する権限が無い。
    • 出陣を指示する権限も無い。
    • 家臣や城代では自由に出陣することはできないが、味方の合戦中に援軍として呼び出されることがある。
    • また「任務」リストを全て達成済(または中止)にして報告することで自軍が進軍するため、任務を効率的にこなすことが自勢力の拡大につながる。「〜を襲撃せよ」系の任務は諸勢力の出撃を妨害したり城の耐久を下げる効果もあるため、しっかり達成済にしておくことで進軍がスムーズになる。
  • 城主プレイ
    • 城主になると、自身の領地だけではなく、与えられた城の開発、改修や町づくりの自由度がさらに高まり、周辺勢力との競争や家臣団の編成も可能になる。
    • 城主でも大名から「主命」を課せられ、「任務」の達成を通じて勲功を高めるという基本的な流れは武将プレイと同じだが、領主時代よりも大きな権限が与えられるため行動の幅が広がる。
    • 城主になれば自由に出陣する権限もある。任務を達成せず攻略目標を落としに行ったり、主命を無視して別方向へ進軍することも可能。ただし主命と関係ない拠点を落とした場合自分の知行にならず主家に取り上げられる。
    • 自分の知行地の城が落とされた場合、家臣への格下げもある。
    • 豊かな土地への進出、周辺の国人衆との争いや懐柔、他家への調略、周辺の城からの民の流入など、対外勢力に対しての働きかけが重要となる。
    • 城主以上の身分になり、自分の配下武将が増えていくと「家臣団」を編成することができ配下武将に「家宰」や「母衣衆」などの様々な効果を持った役職を与えることができ、お気に入り武将で「家臣団」を編成して楽しむことができる。
    • 自身や配下武将の槍働きなどで勲功が高まると、自家内での「発言力」も高まり大名に対して「提案」できるようになる。自分が表にたたず影から操る黒幕プレイも可能。
    • 人材を要求した場合は大名の居城にいる武将や大名直属の城代が治める城の武将を傘下に加えることができる。他の城主やその城に所属する武将は、発言力をもってしても自分の傘下に加えることはできない。
    • 城や人材を主家に返上することで発言力に還元することも可能。城の人口や武将の能力によって交換される発言力が変わる。人材の入れ替えや転封を有効活用すれば攻略がよりスムーズになる。
    • 発言力を高めて主家から拠点や物資をたっぷり貰っておいて謀反を起こすといったプレイも可能。
  • 軍団長プレイ
    • 自勢力が大きくなりプレイヤーが城主の場合、軍団長を任されることがある。
    • 基本的にやれることは城主と同じだが、自分の知行以外でも軍団に割り当てられた城には出陣を指示できる。
    • 城主時に主命として指示される攻略目標は城単位だが、軍団長では大名家単位での攻略目標も指示される。細かな任務もなく、進軍ペースはプレイヤーの判断に任される。
  • 大名プレイ
    • 大名は自らの領地の運営だけでなく、城主たちの統御や、外交、軍団編成とより大局的なプレイになる。
    • 大名は自身の直轄領の運営以外にも、家臣たちに城を分け与えたり、時には改易をしながら、領内の支配体制を築き上げる。城主たちを巧みに統御しながら、軍団を編成し領土拡大を行う。
    • また、家臣たちは勲功を日々高めているため、それに見合う知行を与えないと彼らの忠誠心が弱まり、出奔や謀叛を起こしてしまうので要注意。
  • 合戦
    • プレイヤーが指揮を執る大規模な戦。『創造』と『創造PK』では「会戦」と呼ばれていた。
    • 大名の命令を受けて出陣する「家臣」や、配下の武将たちを率いて全軍を指揮する「大名」など、合戦においてもプレイする武将の身分の違いが反映されている。
    • また合戦の舞台は「野戦」だけでなく「攻城戦(籠城戦)」と「海戦」にも拡大。
    • 戦場において各部隊は、指揮官である武将を守る「本陣」と、その本陣の周囲を固める複数の「備」により構成されている。備は、槍・騎馬・弓・鉄砲などの兵種に分けられ、自身の好みに合わせて編成できる。
  • 合戦スタイル
  • 「家臣の合戦」
    • 家臣は自領の統治や内政に励む一方で、時折、主君である大名から戦への出陣の命令が来る。合戦では、多くの勲功を得るチャンス。
    • ただし、時には軍備や兵糧が万全ではないタイミングで出陣を迫られる場面もあり、過酷な状況下で戦いを強いられることもある。
  • 「城主の合戦」
    • 城主になれば、自身の支配拠点から自由に出陣することができるようになる。
    • しかし、所有する拠点や軍事力のみでは敵拠点を落とすことが難しい場合もあり、単独での攻略ではなく他の城主との連携も求められる。
    • また、より勲功を稼ぎ、さらなる出世を重ね、支配する拠点が増えれば、攻撃や防衛の要所を考慮した城の強化や配下武将の適切な配置など、戦略性も変化していく。
  • 「大名の合戦」
    • 大名は、配下の武将を操り、多面作戦や集中攻撃など、自身が思い描く軍略をより広い視点で繰り広げることができる。
    • また自由かつ細部にわたって指揮ができる一方、有能な配下武将を軍団長に任命し、多方面にわたる攻略指示を行うことで、効率的な統治を行う事も可能である。

評価点

  • 「大坂冬の陣」「大坂夏の陣」のシナリオが遊べる
    • 「信長の野望」という事で、今までシリーズでは主人公である信長が死亡する「本能寺の変」よくて「関ヶ原の戦い」までしかシナリオをプレイ出来なかったが、今作では1615年の豊臣家滅亡まで行える。
      • 大坂の陣のシナリオは一年にわたって様ざまな歴史イベントが発生、ムービーやイベント会戦が多数盛り込まれており、歴史イベントとしてはシリーズ最大の規模である。
      • また大坂の陣においてもシリーズ伝統のIFシナリオ、IFルートも用意されている。展開次第で戦死する武将を生き延びさせる事が出来たり、徳川家康を夏の陣で討ち取ってしまう事も可能。
    • その結果真田信繁、後藤又兵衛など有力な戦国後期の武将を使えるようになり、また真田信繁以外に、木村重成や毛利勝永等もムービーやイベントでエピソードが大いに掘り下げられている。
      • 徳川方も水野勝成や宮本武蔵、本多忠朝等の武将にスポットが当てられており、大坂方に劣らず掘り下げられている。
    • 大坂の陣のシナリオ追加に伴い、既存武将の顔CGが一部追加、変更された。
      • 真田信繁、伊達政宗、立花宗茂、藤堂高虎の壮年期等、今までのシリーズで描かれた事がない顔CGが追加されている。
      • 大坂牢人衆の将も新規に描き直されたり、壮年期の顔CGが追加されている。明石全登や毛利勝永等の適当な顔をあてられていた武将もしっかりとした顔CGが用意されている。
      • また敵方の家康も晩年のCGが新たに追加されたために顔CGが5枚と全武将中最多であり、「家康の野望」と言えるぐらいグラに恵まれている。
  • 過去最大級のボリューム
    • もともとシリーズ最大の武将数だった「創造PK」から更に増加しており、武将数が不足しがちだった江戸時代初期の武将も大量に追加されたために、後半のシナリオでも武将不足で困りにくくなった。
      • 「大坂の陣」シナリオでは保科正之や徳川光圀(水戸黄門)が軍を率いて戦うなどカオスな状況に。
    • 加えて、創造PKまでの追加シナリオ及びDLCシナリオもすべて収録されているため、20を超えるという圧倒的なボリュームである。信長の誕生から戦国時代の終焉までを様々な年代で楽しむ事が出来る。
    • また、PSVita版などで追加された「織田信忠」「井伊直虎」等の新規顔CGもすべて対応している。
  • 発言力システム
    • 城主や軍団長のときに発言力というポイントを消費して自勢力内の武将や城を傘下に加えることができ、無能君主をこちらでコントロールする事が可能である。
    • 君主のもとに有能武将がたくさんいて、前線の自分の城には役立たずしか寄越さないという不満を解消できる。
  • 歴史イベント作成
    • 2016.7.6に歴史イベント作成を追加された。シリーズとしては蒼天録PK以来の採用である。
    • また作成した歴史イベントを他のプレイヤーと共有することも可能。
    • これにより少ないと言われるイベントを増やせる事になった。
  • ショートプレイに適している
    • 操作武将が死亡した時点でゲームをやめる事が可能となり、その際もゲームオーバーではなく、エンディングのように今までの軌跡を振り返る演出が行われるため、特定の武将が死ぬまでの限定プレイといった遊び方が出来るようになった。
  • それまでのシリーズでは見られないリアリティが出た
    • 大名家の下に複数の武家が存在し、武家の内情に関しては大名と言えどおいそれと介入する事は出来ず、武家の要求にこたえるといった新たな一面が描かれるようになった。
    • これによって切り取った領地をお気に入りの家臣に知行として与える楽しみが出来るようになった。また、母衣衆などの家臣団の要素が採用されたのもシリーズ初である。
    • 武将が知行を貰って、そこから物資や兵力を捻出するといった点は嵐世記でもわずかに見られたが、本作の場合は実際に自分で領地を発展させ、兵力を捻出する部分をシミュレートする事が出来る。
  • ユニークでオチもしっかりしているチュートリアル
    • 秀吉と武将になりたいと夢を語る少女が本作をチュートリアルしてくれる。秀吉と少女の夫婦漫才のようなやり取りや平手政秀や信長とのやり取りなどショートエピソードとしても良くまとまっている。そして、少女の正体もきちんとオチとして用意されている。*1

賛否両論点

  • 武将プレイ
    • 武将目線で戦国時代を生きることができる「武将プレイ」は、信長の野望では初のシステム。
    • 武将目線ならではの不自由さや他の武将との出世争いなど今までの大名プレイのみには無いゲーム性が味わえる。
    • だが一方で出世が早く戦場で手柄を立てるとすぐに出世し、2~3年も戦場で手柄を立てれば浪人から一気に老中まで上り詰めることもでき、リアリティが無い。
    • 別シリーズの『太閤立志伝』や『三國志VII』等と比べると自由度も低く別物、と言うより劣化版と言ってしまう他無い。
  • 「軍団長」
    • 武将プレイの軍団長は同盟も組まず、停戦もせず全方位に対して敵対するなど頭の悪いCPU大名の下で桁違いの戦力と対峙しろと命じられるなどブラック企業さながらの依頼を出してくる事も。
    • しかも同じ勢力圏内で援軍が頼めず、こちらがピンチでも助けてくれない。
    • こちらは拒否ができず批判の声が大きかった。
    • ただし、アップデートにより軍団長昇格の可否が可能になり、更に狂気のCPU大名へ「同盟」「同盟破棄」「知行返却・加増・転封」「人材返還・人材要求」「攻略目標の変更」などが進言出来るようになり、無謀な攻略戦を強いられるリスクが幾分減った。
    • また、味方はこちらの方針を無視してガンガン攻略していく場合があるので後期織田家や北条家など強大な勢力の場合全く功績も発言力も上げられず家臣や土地が足り無くなる。その場合、渋滞(とそれの原因である国人衆)を眺め、味方部隊が撤退するのを祈るしかない。
  • 変更された顔CG
    • 創造PK発売後の人気投票にて上位に入った武将の顔CGが新たに描き直されたのだが、羽柴秀吉や明智光秀など、妙に癖の強い顔になっている武将も多い。
  • 内政
    • 施設の種類は40以上もあり、内政の奥が深くなった反面、複雑化されている。徴兵もすぐできる訳でなく、兵舎を作り人口や民忠を上げなければ兵数を伸ばすことができない、という一手間かかる仕様になっている。
    • これを面倒と捉えるか、ゲーム性が高いと捉えるか、賛否が分かれる。
    • 建物コマンドが多く、あまり役にたたない建物も多い。
    • 「保守-革新」等の「主義」に影響を与える訳でない施設建設・方策をとっていても、「主義」が移ろってしまう。
    • 領地の開発エリア・上限がすぐにいっぱいになってしまい、せっかくの箱庭内政が余りできない。
    • また箱庭内政の範囲が狭く、すぐに全ての土地が埋まってしまう上に、城代以上になると箱庭内政の価値が低くなる。
  • 後期シナリオに登場する武将の能力値
    • 本作に限らないが、関ヶ原の戦い(1600年)以降に生まれた武将の殆どは史実では合戦に一度も参加していないのにもかかわらず、一部の武将の武勇能力値が戦国~安土桃山期のそこらの凡将よりも高くなっているのは不自然である。
    • 平和な時代なので才があっても活躍のしようもなく、逆に馬脚も表しにくく、どの程度の人物であったのかは分からないケースが大多数。つまり制作チームのさじ加減一つであり、能力値に文句を付けたくなるユーザーはいつでもいる。
    • ゲームバランスが取れていればいいとも言うが、それすらも主観であるのでこう言った文句は後を絶たない。

問題点

  • 武将との交流の薄さ
    • 他家の武将と交流を深める機会が乏しく、領地や城に湧く吹き出しの人としか交流しづらい。
      • 「訪問」というコマンドで好きな武将と交流できるのだが、建設などと同じ命令扱いなので1か月に1人しか訪問できず、訪問を選んだ月のプレイヤー武将は他の行動ができない。
    • 会話はワンパターンが多く、友好度も上げても娘を嫁に貰える程度のため薄味という意見がある。
    • 因みに子供は勝手に名前をつけられてしまう。
  • 自勢力AI大名が無能
    • 自分の城が攻められたとき、なぜか大名は自勢力を守ろうとせず、プレイヤーの兵力だけで乗り切らなくてはならない。
      • 大名の持つ大量の兵力は温存されているままで不自然さを感じる。
    • 大名の外交方針がおかしい
      • 大名は長期的な視点を持った外交をせず、むしろ周辺の勢力に対して無差別に攻撃を始める。そのため、気づいたら周りは敵だらけでフルボッコにされる。
      • これに関しては“発言力”という数値を使うことでプレイヤーが同盟相手を指定できるため、ある程度コントロールできる。
      • しかしながら、同盟の自動更新ができないため、プレイヤーは常に大名の同盟状況を把握せざるを得ない。
  • 城主たちも無能
    • 自分が大名の時も、「全く争う必要の無い巨大勢力の城を攻めたい」など無茶苦茶な提案をしてくる。
    • 内政もあまり上手くない。「奨励」を優先的に行うため資源を浪費しやすく、資源が足りないと労力の上限まで「投資」を行うので「進出」「建設」がなかなか進まない。
      • 「建設」もデタラメで、特化施設を重複して建てるなど非効率的な配置の城下町を作っていることも多い。
  • 大坂の陣の後
    • 大坂の陣の後、全国の大名間で不戦同盟が結ばれるが、エンディングにはならないため、期間を超えるとたちまち戦国時代に逆戻りする。尾張徳川家と徳川家が骨肉の争いをするなど、大団円を迎えた後とは思えないほど悲惨な展開になる。
  • 会戦
    • 会戦がワンパターンすぎる
    • 会戦の基本は、複数の味方兵力で敵兵力を取り囲んで攻撃する。これだけ。会戦の背景には、平地、山、川などいろいろな地形があるが、これらの地形効果は一切なし。
    • そのため「川を背に布陣すると不利」「山頂から敵を攻撃すれば有利」などはない。川を背に布陣しようが、平地と同様に行動できてしまい、作り込みの甘さを感じる。
    • また城代未満のときは全戦闘が強制会戦になる。
    • 今回の会戦自体すぐ飽きるという意見がある。
  • 会話の不備
    • 親や子、兄弟など親族同士の会話が全て家臣と同じであるため不自然さを感じやすい。*2
  • バグ
    • 大河ドラマの放送期間に合わせるためか、明らかな調整不足が目立つ。開発側も「三回はアップデートを行う」との発言もあるためやはり調整はしてなかったのでは…?と考えるユーザーが多かった。
    • フリーズやエラーも多い。以下報告された不具合
      • 合戦モードにおいて、武将視点でプレイすると高確率でアプリケーションエラーが発生する。
      • 城代未満の身分で騒乱が起こるとアプリケーションエラーが発生する。
      • 城代未満で攻城戦に参集し、自軍のみ残った状態で城を落としても勝利扱いにならない。
      • 遠方の国人衆が取り込める。例えば越後でプレイしている状態で、九州・中国地方の国人衆を取り込めることがあった。
      • 部隊を次の攻略目的である目の前の城に移動させようとした際、『目的地が遠すぎます』となり、進軍できない。
      • 『創造』からの仕様で、軍議コマンドから攻撃目標周辺の城から一斉に出陣させる事が可能であるが、自家の他軍団の城が選ばれた場合、出陣した軍が即帰城してしまい、全く役に立たなかった。
    • また、アップデートしてさらに悪くなるといった不具合も報告された。例えば、謀反や寝返りを起こすと、その後一切のイベントが発生しなくなる。
  • 2017年2月現在、上記のバグについては概ね解決された。
  • 2022年10月現在、有志の検証により新たなバグが発見され、以下のバグが修正されずにいる。
  • マップ戦
    • 《特性》
    • 独眼竜は戦闘開始時に発動するものの攻撃力がアップしないので機能していない。
    • 槍衾・鉄壁・神算の「能力差に応じて守備力が上昇」が正しく機能していない。能力が勝っているのにもかかわらず、差があればあるほど敵部隊のダメージが減少してしまう。
    • 捕縛は一人につき捕縛率が10%低下してしまう。
    • 遠路踏破と兵站上手が機能していない。
    • 短気が機能していない。
    • 下剋上が正しく機能していない。
    • 逃げ弾正、捨て奸、退き佐久間が正しく機能していない。退却時に能力が上昇してから戦闘をするとバフが消えてしまう。
    • 海上にいる自部隊が城下で待ち受けている敵部隊を攻撃するケースで、場所によっては海戦名人が発動しない。例:館山城
    • 封殺、傾城、謀神、慧眼、忍は自軍が道の上で戦うときに後続の部隊が発動すると、これらの特性は表示されるものの実際は効果が出ていない。
    • 傾城は重複すると効果が±0となって効果がなくなってしまう。厳密に言うと、偶数分重複すると効果なし。奇数分重複すると効果ありという風になっている。
    • 特性は一部を除き基本的に重複するが、封殺や傾城といった敵部隊に負の効果を与える特性は重複しない。
  • 《役職》
  • 征夷大将軍、管領、関東管領は自軍が道の上で戦うときに後続の部隊が発動すると、これらの特性は表示されるものの実際は効果が出ていない。
  • 管領、関東管領は発動すると不具合により敵部隊の知略が下がる効果になっている。
  • 守護、御供衆、外様衆、国持衆、御相伴衆、探題、評定衆、引付頭人、問注所執事、政所執事、侍所所司、関東管領、管領は攻城戦時に発動しない不具合がある。
  • 《国人衆》
  • 自部隊に国人衆が加勢している状態で敵部隊を撃破すると経験値が入らない。また、敵武将を捕縛したり討ち取ることもできない。
  • 服属する「鉄砲」の国人衆の数に応じて敵武将を捕縛する確率が上昇するという効果が機能していない可能性が高い。
  • 服属する「軍馬」の国人衆の数に応じて味方武将が捕縛される確率が減少するという効果が機能していない可能性が高い。
  • 《練度》
  • 練度が高いと見かけ上はステータス画面の知略に上向き矢印が表示されるが、実際は不具合により包囲力は上昇していない。
  • 《改修》
  • 城門、砲台、鉄砲蔵が正しく機能していない。攻め手がこれらを改修した上で強攻すると、不具合により攻め手が受けるダメージが減少する。
  • 外交
    • 特定の条件下で、「贈物」「役職」「推挙」のコマンドを実行して他勢力の外交姿勢を信頼にしようとすると、不具合により断絶になる。
    • 真田家の戦国伝「第一次上田合戦」が発生すると上杉家の外交姿勢が関心になるが、上杉と交戦しても断絶にならない。また、戦国伝達成後に上杉と交戦しても断絶にならない。
  • 人事
    • 軍団長に任命しても「+4 軍団長の役目を果たしたい」の忠誠補正が反映されない不具合がある。
    • 城代に任命しても不具合により「+1 城代として期待に応えたい」の忠誠補正が反映されないことがある。
  • 渋滞
    • 例えば一小隊1000の10個の大軍を送るなどのする時に渋滞になる。中には全く進まなくなるときもしばしば。
    • 街道の整備段階によって移動速度の上昇だけでなく、展開できる部隊数の上限が増える仕様のため。
      • 兵数が何人だろうと一部隊は一部隊。1000人の部隊が5部隊よりも10000人の部隊のほうがスムーズに進む。現実的に考えるとやや不自然。
  • 大会戦は手動
    • 敵味方互いに大軍を送り込むと、先頭の部隊同士が戦うことになり、まるで「負け抜け戦」のようなことになり、かなり不自然。
    • 先の「渋滞」と同じく、街道の整備段階の仕様のせい。多くの部隊を合流させて戦わせようとしても、先頭の数部隊しか戦わない。部隊数が多い場合は一列に並ばせるよりも一部を迂回させて別方向から挟撃させると効率的。
      • 複数の方向から挟んで攻撃すると攻撃力が上がるので、部隊を迂回させることを推奨するような仕様になっている。
    • 自動で会戦する機能があれば良いのだが……。
  • 操作性
    • 武将視点の合戦が動かしづらい。
    • 創造PKの時は自軍部隊で敵部隊の攻撃指定ができない。
    • 攻城の時に部隊の渋滞が発生し、選択する地点にちゃんと進んでくれない。
  • 部隊の入城による兵士の輸送ができない。
    • PKと同じで本作の兵士は各城に紐付いた存在となっているため、出陣中の部隊を出陣元以外の城に入城させた場合、武将は入城した城の所属となるが、率いていた兵士は出陣元に帰るという仕様になっている。
    • 場合によっては北の兵が南の国に瞬時に瞬間移動するなど違和感を生じる。
    • 複数の地域で戦闘すると、A地域で戦闘を見守っていても、B地域に一瞬で飛ぶことがある。
  • テンポの悪さ
    • 委任にしていても飛ばせない部分が多い。特に病気や元服など報告は鬱陶しい。
  • 知行の仕様
    • 最初から「城代」以上の身分の武将では「知行」が貰えない。そのため、最初の箱庭内政で収入を増やせず、任務達成に必要な物資を捻出出来ずに苦労する事になる
      • 凡将で城代一人だけというようなプレイの場合はかなり厳しい物となる。
  • 内政の委任が無能
    • 委任を建築や進出で行うと、土地があるにもかかわらず、武将が働かない。いちいち手動で指示するのは非常に手間。
  • 登用にリアリティが無い
    • まだ大名が滅びていない内は敵将を捕虜にしても登用できないことも多いが、滅びるとあっさりと寝返る。というか大名家の最後の城を落として滅ぼすと所属武将を問答無用で一括登用できる。
    • 大名すら一時的に使用不能になるものの時間が経つとあっさり家臣になる。元大名の場合は家臣になったあとしばらく能力値にデバフがかかることもあるが、それだけである。意地や誇りを感じにくい。
      • 「忠義で有名な武将は登用できない」「滅ぼした大名は配下にできず、斬るしか無い」というルールであったら、それはそれで非難は出るだろうし……。
  • 創造PKから退化した部分
    • 軍団制が退化してしまい、攻略目標しか指定できなくなった。援護や内政の細かい指示まで出せて使い勝手が良かったために非常に残念な点でもある。
    • ギャラリーから歴史イベントを見る事が出来なくなった。
    • 一部の歴史イベントが簡素化、あるいはカットされている。
    • ゲーム中に流れるBGMを過去作のBGMに変更できる機能が削除された。
    • 隠居コマンドや仕官年補正(忠誠補正)が削除された。
    • 城代(PKで言うところの城主)に任命したときの忠誠の上昇値が低くなってしまった。これによりPKと比較すると引き抜かれることが多く、武将の管理が難しくなった。
    • 資源がある区画に施設を建設することができなくなった。
    • 強攻時に有利な工房、包囲時に有利な八幡宮といった攻城戦で効果を発揮する施設が無くなり、戦略の幅が狭まった。
    • PKでは内政を委任すると内政値を最大限まで上げてくれるが、本作は投資レベル5という中途半端なところで打ち切ってしまう。(上限は投資レベル6)
    • 商人から軍馬と鉄砲を購入するPKとは異なり、立志伝は馬術と砲術を奨励すれば永久に軍馬と鉄砲を配備できるというリアルとは言えない仕様になってしまった。
    • AIの思考ルーチンのせいでCOMがまともに内政をしないので、PKと比較すると難易度がぬるくなってしまった。(バランスが悪くなったともいえる)
  • 発売当初の惨状
    • 発売当初はさらに調整不足という面が見られ、Steamなどで低評価を受け、クソゲーの烙印を押されていた。下記の症状は現在では発生しないものの、大きく評価を落としてしまった。
    • 武将プレイで戦国伝が発生しなかった。
      • 羽柴秀吉で桶狭間の戦いのシナリオをプレイして織田家を支えようとしても戦国伝が発生しないために、そのまま織田家が今川家に捻り潰されてしまい以後は今川家臣プレイにならざるを得なかった。
    • すべてが受け身
      • 任意のタイミングで謀反する事が出来ず、他家の大名が引き抜きに誘って来るのを待つしかない(それも誘ってくる大名はランダム)
      • 軍団長になると、一年に一度の割合でモブ家臣が「謀反しませんか?」とけしかけてくる。断ったとしても年に一度は必ず謀反をそそのかしに来るので非常にうっとうしい。
      • また、好きな武将と交流する事が出来ない。領地内に偶然やってくるのを待つしかない。
    • 大名の暴走を止められない
      • 先述の通り、大名のAIは非常に悪く、発言力で外交を進言する事が出来なかった。外交要素が重要であるにもかかわらず、悪手ばかりを打つので非常にストレスが溜まる仕様だった。
    • 異次元領地
      • 最初にもらった「知行」は例え転封されようが、主家が滅ぼされようが一切変化がなく、明らかに不自然だった。アップデートにより、転封時にリセットするかを選べるようになり、違和感を解消する事が出来るようになった。
    • 武将編集の仕様
      • 発売直後に真田丸とのコラボということで「真田丸の甲冑を着た真田信繫」のCGが配信されたが、これを使用するには「武将編集」機能で真田信繁の顔CGを変更する必要がある。
        しかし、顔CGを変えただけなのに「武将編集」を使用したという事でプレイ記録の達成が不可能になるという嫌がらせのような仕様が存在していた。
  • 能力値の成長が早い
    • 創造では成長限界が各能力値+20だったが、今作はそれ以上に成長する。そこに能力値の成長が早すぎることも相まって、後半になると高能力の武将だらけのインフレ状態となり、武将の個性がなくなり、有能武将の有難みも薄れてしまう。
      • その辺の凡将でも数十年生き延びていれば能力値がオール100を超える事もしばしば、そのため、長寿であるだけでも凄まじい武器になる。

総評

『信長の野望』初の武将プレイ&大坂の陣シナリオということでユーザーから期待を寄せられたが、残念ながら開発を急いだためか、非常にバグの多いゲームとなってしまった。
さらには期待された武将プレイは自由度が低く、それらを求めるのならば『太閤立志伝V』を遊んだ方がよほど楽しめるだろう*3
しかし幾度のアップデートによって概ねバグは修正され*4、やや粗は目立つもののシリーズ最大級のボリューム等、本来の長所が目立って来て、 創造PKPK *5としてみると十分楽しめるゲームとなっている。


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最終更新:2023年04月19日 06:58

*1 少女と秀吉の年齢差を考えれば……?歴史に少し詳しければ気が付く人も多い

*2 例えば家康が秀忠に敬語を使うなど

*3 余談となるが、本作が発表された際、全武将プレイである事と、戦国「立志伝」という副題からスピンオフ作品の『太閤立志伝』のような作品を期待したユーザーが多く、発売後に毛色の違いに戸惑う声が聞かれた。

*4 2022年10月現在、新たに多数のバグが発見されるが、修正されず放置されている。

*5 創造PKPKと言えば聞こえはいいが、大名プレイに関しては創造PK本編から劣化している部分が多々あるので、あくまでも本作は創造PKのスピンオフ作品として捉えるのがよいだろう。