金色のガッシュベル!! うなれ!友情の電撃

【こんじきのがっしゅべる うなれゆうじょうのざける】

ジャンル 対戦アクション
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 バンプレスト
開発元 パオン
発売日 2003年12月12日
定価 4,800円(税別)
プレイ人数 1~2人
周辺機器 通信ケーブル対応
レーティング CERO:全年齢対象
判定 なし
金色のガッシュベル!!シリーズリンク


概要

週刊少年サンデーで連載されていた漫画『金色のガッシュ!!』。本作はそのアニメ版を題材にした対戦ゲームである。

システム

  • 本作は魔物とそのパートナーを同時に操作する2on2バトルで、相手のパートナーの体力をゼロにすることが勝利条件となる。そのため相手の魔物への攻撃は基本的に意味はない。
  • Aボタンでジャンプを行う。全員が同じ性能の二段ジャンプ可能。Bボタンで物理攻撃を行い、長押しで心の力を溜められる。Bボタンは十字ボタンとの組み合わせで様々な物理攻撃を使い分けられる。
  • 心の力を貯めた状態でRボタンを入力すると魔物の術を発動できる*1。こちらも十字ボタンとの組み合わせで呪文の種類が変わり、種類によって消費する心の力のコスト(1~4まで使える)も変化する。
  • 心の力を貯めた状態でLボタンを入力すると、魔物がパートナーから離れて自動で相手に攻撃を始める。パートナーと別々に行動ができるが発動中には心の力を著しく消耗し、尚且つ心の力を貯めることができないので長時間の維持はできない。しかし上記の通り魔物はダメージを受けないシステムのため非常に強力な攻撃手段となる。
  • その他ミニゲームやコレクション要素もある。

評価点

  • 単純な操作方法と幅広い戦術
    • 基本コマンドのBボタンやRボタンに十字ボタンの同時入力により様々な技を繰り出せる。物理攻撃は基本的に魔物が行うが、パートナーが使える特殊コマンドが存在するので上達すれば2on2バトルを活かした複雑な戦術も取れるようになる。
      • 一部の呪文はRボタンを長押しすることで威力や攻撃範囲、攻撃速度を上げることができる。これを応用し術発動のタイミングをずらしたりできる。
  • 原作を再現したグラフィック
    • ガッシュのダッシュアタック時の変顔やフォルゴレのブリッジ等戦闘中にも原作を意識した攻撃が随所に散りばめられている
      • その他にも「ゼオ・ザケルガ(ゼオン)」*2などのようなオリジナル呪文や、原作では使われなかったレイコムの「ラギコル・ファング」などが追加されているが、イメージを崩さないようマッチしている
  • コレクション集めの容易さ
    • 本作では『ガッシュコレクション』と呼ばれるコレクション要素があり、収集具合が画面上に表示されており100%に達するとカットインが貰える。
      • このコレクションのうち、『ブリ』や『光る赤い魔本』など、実際のバトルにも大きく関わるようなものがあるので決して無視できる要素ではなくなっている。
      • しかしながら低年齢向けのゲームであるため多少ゲームをやりこめば収集自体は簡単。1日あればコンプリートもできる。
  • 主題歌が流れる
    • タイトル画面とモード選択画面のBGMにアニメ版主題歌『カサブタ』のアレンジ版を採用しており、アニメ版のファンには嬉しいところ。

問題点

  • タイトルコール以外のCVが無い
    • その為、盛り上がりどころに乏しい。キャラゲーとしてはある程度のボイスが欲しかったところである。GBAのソフトでなら容量的に術の発動時のボイスくらいは搭載できる筈だが。
  • コンパチキャラが多い
    • 計13名(パートナー含めると26人)が登場するが、バルトロ&ステングのみストーリーCPU専用。ラウザルクガッシュや暴走シェリーなど、通常版の技の威力やリーチだけ上げたような水増し感がある。
      • 暴走シェリーに至っては空中キックが追加されただけでほぼ変化がない。枠一つ潰してまで入れる必要があるのかは疑問符がつく
      • ラウザルクガッシュは呪文が使えなくなった代わりに通常攻撃の威力が大幅に上がっている。そもそも本作はコンビネーション攻撃が強いので呪文が無くてもまるで問題ない
  • 死に呪文が多い
    • 防御呪文が軒並み弱い
      • 本作品において敵の呪文は最大呪文を除き全てガード可能なので、わざわざ心の力を消費してまで防御呪文を唱える意味がない。
      • 更に言うとガードができないジャンプ中や着地中の硬直時には防御呪文も唱えることができないためいざという時にも使えない。
      • ガード不能の最大呪文に対して使用しても、ティオの「マ・セシルド」以外の防御呪文ではこれを防ぐのはまず不可能。さらに原作のように防ぎきれなくともダメージを軽減しようとしても何故か軽減されないので、心の力の無駄になる。
      • どちらかというと盾そのものの攻撃判定を利用し敵に当てて吹っ飛ばすのが有用な使い方と言える。セウシルを画面箸で連発するティオの勇姿は必見。攻撃術である「サイス」を使うよりもダメージが与えられる。
  • 『ジケルド』の存在意義が無い
    • ガッシュのコスト3の術、「ジケルド」は敵に当たるとわずかにダメージを与えた後に拘束する効果を持つが、非常に性能が悪い。
    • ジケルドは弾速が遅く、拘束時間も短い。射程も非常に短く、与えるダメージがほぼ無い。呪文強化可能ではあるが、あろうことか強化前と性能がほぼ変わらない。更にはガード可能でおまけにラシルドで反射も可能と、地獄絵図の凄い性能。
    • 性能の割にやたら高コストのため次の大技につなげることもできない。せいぜい物理攻撃を行うかザケル一発当てるのが限度のため、当てた後の対応にも困る。同じコストでほぼ必中の「ザケルガ」を使用した方が良い。
    • そもそもこの術は原作ではそのような効果ではない。*3とはいえ、周囲の環境に依存するこの術の効果を原作どおり再現するのは難しいものがあると思われるのでこういった効果に落ち着いたのだろう。もう少し実用性が欲しかったところだが。
  • 『バオウ・ザケルガ』が当たらない
    • ガッシュの最大呪文「バオウ・ザケルガ」は一度上空へ放った後、敵に向けて落下してくる凝った演出が入る。
    • しかし発動からカットイン→上空へ放つ→敵に攻撃と4秒ほどタイムラグがあり対処が容易で、CPU戦では比較的当てやすいが、後方へジャンプすればよけられるため対人戦ではまず当たらない。
    • 何より発動してから数秒無防備になるという恐るべきデメリットがある。一応この時に攻撃されてもちゃんと術は生きている。
    • 次回作では当たる直前まで敵も硬直するようになり、ほぼ確実に当てられるようになった。また無防備時間も実質なくなっている。
  • 『ザケルガ』が異常に強い
    • ガッシュとゼオンの使用する呪文「ザケルガ」は本作ではインチキなほど高性能な技となっている。
      • まず発動した瞬間には画面端まで電撃が届いているので『見てから対処』が基本的にできない。発動と同時にガードすれば間に合うが、発動時に画面が暗転する時間も非常に短いため何の呪文を使ったか確認する暇もないので難しい。
      • 空中ガードが一部しか使えない本作では相手がジャンプした時にザケルガを放つとほぼ必中となる。
      • オマケに異常なまでの攻撃判定を持ち、最大呪文以外にはほぼ打ち勝てる。
      • ブラゴの「ギガノ・レイス」は勿論、ガッシュの呪文コスト4使った「ザケル」すら打ち破りパートナーに直撃させられる。ゼオンは兎も角、少なくともこのゲームが発売当時のガッシュのザケルガにギガノ級の術を破る威力は無かった筈だが。*4
      • 事実上最大呪文とマ・セシルド以外には打ち勝てるので、後出しされると呪文発動中の硬直時間に確実に当てられる。
      • コスト3の呪文ではあるが、コスト4の最大呪文とほぼ同等のダメージを与えられる、ほぼあらゆる方面でブッ壊れた術と化している。
      • こちらも次回作で調整が入り、ガッシュのザケルガは相対的に性能が落とされ「そこそこ汎用性がある」程度の術となっている。ゼオンのザケルガは射程以外はほぼ据え置きだが。
  • 一部の性能格差が大きい
    • キャラゲーの宿命とも言うべきかやはりキャラにより強さがハッキリ分かれる。コルル、ゼオン、ラウザルクガッシュが特に挙げられる。
    • コルルは初級呪文が非常に強力で、物理攻撃と組み合わせれば簡単に相手を気絶に追い込める上、なぜか頭の上まで攻撃が届き、ティオのキガ・ラ・セウシルを何故か無傷で回避。
    • ゼオンは特殊アクションの突進がとんでもなく素早く、そこから更に通常コンボに移行できる。遠距離からザケルガで対応できるなど至れりつくせり。デュフォーの心の力の自然回復スピードも非常に速く隙がない。
    • ラウザルクガッシュは呪文を唱えられないが物理攻撃力が全キャラ中トップクラス。その攻撃力たるやその気になれば十数秒で敵を倒せるほど。呪文を唱える必要が無く、たまった心の力はそのままLボタンを押して特攻させるという戦法に還元できる。

総評

随所に原作の要素が散りばめられておりキャラゲーとしては光る部分もあるが、やはりアニメ版を意識している人が多い中キャラボイスが全く無いところや、コンパチキャラが多いなど細部には粗が目立つ。
対戦ゲームとして見ても、いわゆるハメ技の状態に持っていける呪文があったり極端なキャラ格差があるため、クオリティは低めと言わざるを得ない。
一応、コルルやレイコムといった続編でリストラされた初期のキャラが操作できるメリットはあるので、続編をプレイした作品ファンであればそれなりに楽しめるゲームである。

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最終更新:2022年07月11日 21:46

*1 例外としてコルルやラウザルクガッシュは戦闘開始時から呪文を唱えた状態になっている。

*2 主にゲーム版でのゼオンの最大術。原作ではまだ彼の最大術が披露されていなかった為オリジナルのものとなっている。原作での最大術は「ジガディラス・ウル・ザケルガ」である

*3 当てた相手に磁力を纏わせ、周囲の金属に吸い寄せたりぶつけたりして動きを止める

*4 原作及びアニメでのガッシュのザケルガは、ある終盤の出来事以前では「ザグルゼム」の強化無しではギガノ級の術に打ち負けている