BOXER'S ROAD2 ザ・リアル

【ぼくさーずろーどつー ざ りある】

ジャンル ドラマ&スポーツ
対応機種 プレイステーションポータブル
発売・開発元 アーテイン
発売日 2006年9月28日
定価 5,800円(税別)
廉価版 アーテインベスト
2007年8月9日/2,800円(税別)
判定 なし
ポイント 慣れれば楽しいが、慣れるまでが大変
BOXER'S ROADシリーズ
BOXER'S ROAD / BOXER'S ROAD2


概要

1995年に発売された『BOXER'S ROAD』の続編。あるいは、2004年発売のPS2『はじめの一歩2 VICTORIOUS ROAD』のボクサーズロードモードの続編ともいえる。 メインのボクサーズロードモードでは一人のボクサーとなりプロテストから引退までを楽しむ事ができる。 前2作に引き続き、リングに上がるまでの練習・体調管理、試合での操作や多彩な技など、非常に高い再現度を誇り、更にジム経営の要素が追加されている。 アーケードモードではチャンピオンクラスの22名と闘うことができる。 エキシビションモードでは、アーケードで戦ったことがあるキャラクターと、ボクサーズロードモードで育成したボクサーの中から、自由に選んで対戦することができる。

特徴・評価点

ボクサーズロードモード

プロボクサーとしての人生を楽しむモード。プロテストから始まり、世界チャンピオンを目指して戦い続ける。ジムの資金が貯まれば海外進出も可能。
とにかく細かく作りこまれており、初めはまず全ての要素を把握するだけでも大変。

  • 開始時のキャラメイクでは、顔や名前だけでなく体格も設定することができる。身長・体重・リーチのほか、首の長さ、肩幅、足の長さなど、あらゆる要素を細かく調整できるため、自分の思い通りのキャラを作る事が可能。
    • 更にこれらの要素は能力値にも影響する。身長や体重はもちろんだが、「首を短くすると打たれ強くなる」「腕を長くするとリーチやパンチ力が伸びるがスタミナやスピードが落ちる」などかなり細かく影響する。何かの能力が上がるとその分他の能力が下がるため、どういう体格がベストかはプレイスタイルに応じて試行錯誤を繰り返して模索する事になる。
  • ステータスの項目が多く、大まかには「スタミナ」「スピード」「パワー」「筋肉量」「スポーツメディカル」だが、例えばスピード一つとっても「パンチのスピード」「スウェイ(回避)のスピード」「フットワーク」「ダッシュスピード」と細かく分かれている。
    筋肉量も9種類の筋肉についてそれぞれ数値で分かるようになっており、これらのステータスと密接に関係する。
  • 試合やスパーリングは3Dの格闘ゲームといったところ。左右のストレート、フック、アッパーといった基本的なパンチに加え、必殺技ともいえる「スペシャルムーブ」を使用して闘う。
    • ルールは現実のボクシングに準ずる。ただしリング上に審判はおらず(プレイの邪魔にならない配慮と思われる)、スタンディングダウンやドクターストップといったものはない。棄権は任意のタイミングで出来るが、怪我をしても無理やり続行する事も可能。
    • 最終ラウンドでも決着がつかない場合は判定となる。単にパンチを当てた数やダウン数だけでなく、「逃げ腰でなく前に出てパンチを当てた」「奇麗なカウンターを取った」など細かく評価されるようである。
    • 操作性は概ね良好で、上下を打ち分ける・適切な間合いを取る・相手の動きを見極めてカウンターを決めるなど様々な戦い方が可能。
      ファイトスタイルも複数あり、ファイタースタイルで攻め続けてダウンを狙うもヒットマン(デトロイト)スタイルで相手を寄せ付けず判定勝ちを狙うも自由。
    • HPと言える物は2種類あり、0になると立ち上がれずノックアウトとなる「生命力」と0になるとダウンしてしまう「打たれ強さ」(10カウント以内に立ち上がれるかは残りのスタミナと生命力次第)に分かれている。攻撃力の方も、生命力にダメージを与える「重さ」と打たれ強さにダメージを与える「キレ」の二つに分かれている。
    • スペシャルムーブは強力だがスタミナ消費が大きい。隙が大きい技が多くカウンターのリスクも高い。
      • 習得には自分の能力値が関係する。単純に能力が高ければ良い訳ではなく、「あるステータスが一定以下」という条件の技もある。一度習得した技はキャラ毎ではなくシステムデータに保存される。つまり能力が変化しても忘れる事はないし、新しくキャラを作った場合は初めからその技を習得している。
    • 計量に失敗した場合、タイトルマッチでは不戦敗、それ以外では違約金を払った上で通常より重くクッションの多いグローブを使用しての試合となる。これを繰り返したり、大幅なウェイトオーバーをやらかすとジムをやめさせられゲームオーバーとなる。また、選手生命にかかわる大ケガをしてしまいそのまま引退となる事もある。
    • 一度闘った相手は自分の戦績からステータスを確認でき、反省点や目標の研究がしやすい。
  • リングに上がるまでは、ウェイトを調整しつつ練習やスパーリングを重ねて能力値を高める事になる。休日やスパーリングの日程は自分で設定し、更に一日の食事や練習は15分単位で設定できる。面倒な場合は大まかな傾向だけを決めて自動で設定したり、トレーナーやドクターに決めて貰うことも可能。
    • 練習内容は20種類。オーバーワークで疲労がたまると効率が落ち、更に試合でも力を発揮できなくなってしまう。
      練習以外にスパーリングで能力を高めることができ、有料で雇えるスパーリングパートナーは特定の能力値を一定値上げてくれる。
    • 食事も非常に作りこまれており、様々な栄養をバランスよくとる必要がある。
      メニューも豊富で、国によって違い日本なら100種類以上のメニューがある。各メニューにはリアルな画像付きで、食事を考えるだけでも楽しい。
      • 練習毎に必要な栄養素も違い、概ねスタミナを付ける練習は糖質(炭水化物)が、筋肉を付ける練習はアミノ酸(タンパク質)が多く必要となる。栄養が足りないと練習効率が下がる上に疲労が溜まりやすくなり、特に糖質と水分が足りないと物凄い勢いで疲労が溜まる。また、ビタミンやミネラルが不足すると「不健康度」が上昇して試合に影響し、カルシウムが不足すると骨折しやすくなるなど、リアルで細かい栄養管理が求められる。
      • 塩やしょうゆなどの調味料もメニューとして存在する。フライドポテトなどは塩分0で、別に塩をメニューに入れる前提となっているようだ。とはいえ塩気がなくてもプレイヤーは問題なく食べるが。
      • 食事には値段も設定されていて、贅沢な食生活を続けていればチャンピオンにでもならない限りすぐに資金がなくなる。マイナスになれば自動的にジムからお金を借りる事になる。利息や返済期限はないが、借金でジムの資金を食いつぶすとゲームオーバー。
    • トレーナー・ドクター・カットマンを雇う事もできる。雇用料はプレイヤーではなくジムの資金から支払うことになる。

問題点

試合中の問題点

  • ケガをしても試合には影響しない。
    ケガで動きが遅くなったり、ケガをした所を殴られるとダメージが大きくなったりはせず、ドクターストップもタオル投入も(プレイヤーが棄権しない限り)ない。アゴの骨を砕かれても平気で闘い続ける様はまるでゾンビ。
    • もちろん、試合後は治療に専念する必要があるし、無理をしすぎると前述の通り選手生命に関わる事になるが……
  • 試合中、自分の体力や残り時間などを表示するインターフェースがない。
    • もちろん現実では体力が数値化などされず時間を正確に把握している余裕もないので、臨場感を出しているともいえる。しかし自分のダメージやスタミナくらいは把握できても良いのではないだろうか?もらったパンチが効いたかどうかすら自分で分からない。
    • ステージ上の時計にはしっかり時間が表示されていると妙にリアル。また、自分か相手のダメージが大きくなってくるとBGMが変わる。
  • スウェイとガードを同時に使用できず、設定でどちらか一つをボタンに当てはめる事になる。スペシャルムーブに「テクニック切り替え」をセットする事で試合中にボタン設定を切り替える事も出来るが、それでも「ガードしつつダッキングして懐に潜り込む」など同時に使用する事は出来ない。

育成面の問題点

  • 練習と食事のメニューが毎日固定で、曜日毎にメニューを変えたりはできない。
    • このため、バランスよく能力を上げたい場合は頻繁にメニューを組み替える必要がある。練習に合わせて食事も調整しなければいけないため一苦労。
    • 試合の日も通常と同じように練習するし、休日でも練習日と同じ食事をとる。前者は疲労を溜めたまま試合に臨むことになるし、後者はとったカロリーが全て脂肪になってしまう。食事時間に気を付けないと、計量直前に食事をしてウェイトオーバー……なんてこともある。
  • 練習の説明が不十分で、効果が分かりづらい。
    • 例えば、パンチングボールシングルは「ハンドスピードなどに効果がある」といかにもハンドスピードに特化していそうだが、実際にはシャドウボクシングなどの方がハンドスピードはよく伸びる。
      また、水泳は「持久力が伸び、瞬発力が落ちる」とあるが、実際にスピードが落ちるような事はない。全身に筋肉が付くため結果的にスピードが落ちてしまう事もあるが、それはヘビー級の中でも限界近くまで筋肉が付いたときの話である。
  • 筋肉が偏りやすく、特に下半身の筋肉が多くなりやすい。
    • 逆に腕の筋肉を付けるのは至難であり、腕の筋肉を付けようとすると同時に背筋など他の筋肉も付いてしまうため、バランスの良い体にするのは難しい。
    • 水泳は全ての筋肉が均等に成長するため、「水泳と筋肉のつかない練習のみを繰り返し、他の能力値はスパーリングで上げる」という育成方法も存在する。
    • バランスよく筋肉を付ける事が必ずしも強さに繋がるというわけではないが、理想の肉体を求めるのが非常に困難なのである。
  • 食事メニューが、作りこみの細かさゆえに調整不足な点がある。
    • 値段設定が高い。自炊する気はないようで、ごはん150円、トースト300円など外食並みの値段となっている。水や塩ですら50円。
      • アルバイトなどは出来ず、プレイヤーの収入源はファイトマネーとトーナメントの賞金しかないため、ランカーになってファイトマネーが増えるまではかなり質素な生活でも借金生活をすることになる。
    • 栄養がおかしなメニューがいくつかある。ほとんど糖質を含んでいない冷麺、非常に豊富なアミノ酸を含むブロッコリーなど。
      • ブロッコリーは野菜の中ではタンパク質豊富な方ではあるが、それにしても焼肉や牛丼以上に含むのは異常。
    • 値段と効果が釣り合っていない。もちろん現実では栄養と値段は比例なんてしていないのだが、ゲーム内で高価な美味しい物を食べてメリットがあるかは不明。

総評

『BOXER'S ROAD』から、正当な進化で遊びやすくなっている。
しかし、全ての要素を把握するだけでも大変で複雑な面もある。慣れれば非常に楽しい、人を選ぶゲームである。