決戦!ドカポン王国IV ~伝説の勇者たち~

【けっせんどかぽんらんどふぉー でんせつのゆうしゃたち】

ジャンル ウラギりRPG風ボードゲーム
対応機種 スーパーファミコン
発売元 アスミック
開発元 ビィトップ (BETOP)
サウンド: オーパス
発売日 1993年12月10日
定価 8,900円(税別)
プレイ人数 1~4人
周辺機器 マルチタップ(マルチプレイヤー5規格)対応
セーブデータ プレイデータ2個
書換 ニンテンドウパワー
1997年12月1日/1,000円/F×2・B×4
判定 なし
ポイント ボードゲームの新境地
最強にして最凶のボードゲーム「ドカポン」の原点
後作に比べるとマイルドなゲーム設定
ドカポンシリーズリンク


概要

1993年にアスミック(現:アスミック・エース)より発売された、「RPG型ボードゲーム」。
これまでも『桃太郎電鉄』等に代表される、いわゆるボードゲームは多数販売されてきたが、本作ではRPGとボードゲームをリンクさせるという画期的な試みがなされた。
期間内でどれだけ多くの資産を集めるかというルールは既存のボードゲームと類似しているが、相違点は相手プレイヤーへの「邪魔」が、他のボードゲームとは次元が違うレベルでできてしまうという点。
これにより、リアルファイトに繋がる程熱中するプレイヤーが続出した。
1作目なのに「IV」と銘打たれているのは、本作の醍醐味と言える「4人プレイ」を意味しての事である。


ゲーム内容紹介

ゲーム概要

指定した週数の中で、最も資産(所持金、所持村価値の合計)を集めた者の勝利。 週数は1~99週の間で選ぶことができ、ゲーム中でも変更することが可能。

職業紹介

ファイター、メイジ、バード、ナイトの4種から選択可能。 ただし本作においては職業による性能差は一切なく、コンピューター操作時の難易度が変化するのみである(難易度の変更は後から自由に可能なので、コンピューター操作時であってもあくまで初期設定の強さとなる)。

フィールド上のシステム

1ターンを1日とし、参加している全プレイヤーがターン終了することで1日が経過する。
基本的なシステムはボードゲームになるため、ルーレットを回して出た目の数だけ移動する形となる。
ターン中に移動、アイテム、フィールド魔法のいずれかの行動をとるとターンが終了する。
アイテムは最大8個、フィールド魔法は魔力のパラメータに応じて所持可能数が増え、こちらも最大8個まで所持可能となる。

マスについて

+ 主なマス
  1. 何も無いマス
    • 基本的にはこのマスとなり、大抵の場合は王国にいるモンスターとの戦闘に突入する。
      • 時折、戦闘ではなくイベントが発生することもある。
    • 既に他のプレイヤーが居た場合はモンスターではなく、そのプレイヤーとの対戦になる。
    • フィールドマップ上に点在しており、初期状態ではモンスターに支配されている。
      村のモンスターは基本的に次の地域以降のモンスターなので、現在の地域に出現する通常モンスターと比べると準備をしっかりする必要がある。
      稀に一部の村では、現在の地域より大幅に強いモンスターが支配していたり、逆に現在の地域と同格のモンスターがいる例外的ケースもある。
      なおその中でも親玉にあたる「ビッグモンスター」は、勇者であるプレイヤー全員の平均レベルに応じたモンスターが出てくる。
      • 村を支配しているモンスターを倒すことで、自分の統治とすることができる。以降は止まるごとに村の稼ぎを貰えるようになり、更にHPを完全回復できる。
    • また、村には価値が設定されており、統治した村の価値の分だけ、自身の資産に加算される。
      • 村の価値は冒険のスタート地点となるドカポン城から遠い村ほど高くなり、合わせて1日あたりの稼ぎも高くなる傾向がある。
    • 自分の村に止まった際に、寄付をすることで村のレベルが上がり、稼ぎが増える。
      村のレベルは1~6まであり、最大の6まで上げると村の価値も倍になる。資金さえあれば1ターンで最大まで上げることも可能。
      • 他のプレイヤーの統治する村に止まった場合は、その村の1日あたりの稼ぎと同額を支払ってHPを完全回復できるだけでなく、襲撃をかけることもできる。
        襲撃に成功すれば村の稼ぎを強奪できるが、失敗するとお尋ね者*1としてその首に賞金がかけられてしまう
  2. 教会
    • 1地域に1つずつ要所要所に設置されており、止まるとステータス異常を回復でき、HPが0になって力尽きた時の復活地点とすることが可能。
      • 最初の地域には教会が無いが、ドカポン城が教会の機能を有しており、更にHPも完全回復できる。
        その他にも、プレイヤーの攻撃力とビッグモンスターの耐久力を計算してアドバイスをくれる。
        力不足であればその具合に応じて「倒すことができない」「倒す事ができるかもしれない」、一撃の攻撃で倒せるなら「確実に倒すことができる」と助言をくれる。
    • とあるダンジョンでは決まったお金を支払うことで任意の教会にワープできる仕掛けがある。
  3. お店(共通事項)
    • 商品を購入したり、所持品を売却できる。
      • 装備品は入手した時点で装備する形になるため、お店で購入する場合は既に装備しているものを下取りに出して新しく買ったものをそのまま装備することになる。
        ただし、既に装備している攻撃魔法を買い増す場合は例外となる。
    1. アイテム屋
      • フィールド上で使えるアイテムを購入できる。
    2. 魔法屋
      • フィールド魔法と戦闘中に使える攻撃魔法・防御魔法を扱っている。
      • 攻撃魔法には使用回数があり、お店で売っている攻撃魔法は全て10回分をセットにして販売、最大で99回分まで購入できる。
    3. 武器屋
      • 武器・盾・鎧を扱っている。武器と攻撃魔法、盾と防御魔法は連動しており、武器を買い替えると攻撃魔法が、盾を買い替えると防御魔法が消滅する。
      • 武器を持っていないと攻撃魔法を覚えられず、盾を持っていないと防御魔法を覚えられない。
  4. 各種宝箱
    1. 青宝箱、黄宝箱
      • 青はアイテム、黄色はフィールド魔法をそれぞれ1つ入手できる。リスクは無い反面、貴重品が入手できる確率も低い。
    2. 赤宝箱
      • アイテム・フィールド魔法に加え、装備品・現金を含めたうちのいずれかが手に入る。非売品や貴重品が入手しやすい反面、罠を引き当てると何も手に入らないうえ、ダメージを受けたりアイテムを失ったりするペナルティを受ける、ハイリスクハイリターンな宝箱。
    3. 宝箱(群青色)
      • 上記がフィールドの宝箱であるのに対し、こちらはダンジョンの宝箱。「まほうのカギ」が無ければ開けられない。中身はほとんどが希少価値の高いアイテムとなっているが、場所によって中身は完全に決まっている。また、一度開けると全員がそのダンジョンから一度立ち去らない限り、宝箱が開いたままになり再入手がお預けになる。また、再入手時も同様にカギが必要。
  • フィールドの宝箱は、止まるとルーレット画面に移行し、ルーレットで決定したものを入手できる。
  1. ダンジョン入口/出口
    • このマスに止まることで、ダンジョンの中に入ったり出たりできる。
      • ダンジョン内での階層移動(階段など)もこのタイプに属する。

ほかにも種類はあるが、主だったものを挙げている。
なお、戦闘は何も無いマスと村マス以外では基本的に起こらない。

戦闘に関するシステム

戦闘が始まるとまずはカードで先攻/後攻を決める。

+ 行動
  • 攻撃側
    • Aボタン:攻撃
      • 装備している武器を使った通常攻撃を行う。
      • 確実に攻撃が行えるが、相手の素早さが自分より高い場合は攻撃を外すこともある
    • Yボタン:必殺
      • 持っている武器を使った強力な攻撃を行う。
      • 当たれば攻撃よりも大きなダメージを与えられるが、相手がカウンターを選んでいた場合はダメージが与えられないどころか、強力な返し技を受けてしまうため逆に大ダメージを受けてしまう
      • なお、相手がカウンターを選んでいなくても素早さが自分より高い場合は攻撃を外すこともある。
    • Xボタン:攻撃魔法
      • 装備している攻撃魔法の使用回数を1消費して、魔法攻撃を繰り出す。
      • 発動すれば、防御魔法で防がれることはあっても確実に命中させることができる。
      • なお、今作や次作『ドカポン3・2・1』では、モンスターの特技は攻撃魔法として扱われる
    • Bボタン:力ため
      • 攻撃する代わりに、攻撃力を2倍にする。
      • なお、後作ではこのボタンにキャラ・職業・モンスター固有の「特技」が割り当てられていることが多い。
  • 防御側
    • Aボタン:防御
      • 守りを固め、相手の攻撃によるダメージを軽減させるが、必殺や攻撃魔法に対しては無力
    • Yボタン:カウンター
      • 相手の必殺にのみ対応できる強力な返し技の体勢を取るが、攻撃には対応できず、ダメージが増加してしまう。
      • また、今作ではカウンターに成功しても、相手の素早さが自分より高い場合は返し技を外してしまうことがある
    • Xボタン:防御魔法
      • 装備している防御魔法を用い、相手の攻撃魔法に対してのバリアを張るが、物理攻撃に対しては全くの無力で、受けるダメージが増加する
      • 攻撃魔法の効果を、ダメージ・特殊効果とも確実に防げる。この効果を基本とし、さらに防御魔法の種類に応じて、「自分のHPを回復」などの補助効果や、「相手の攻撃魔法を封じる」などの反撃効果が発動する。
      • 当然ながら、持っていない場合は選択不能となる。
    • Bボタン:降参
      • 相手に勝てないと思えば大人しくこれ。何かしらのアイテムやフィールド魔法、お金を失ってしまうが死ぬよりは被害も少なく済む。
      • 降参するとペナルティとして持ち物やお金を奪われるうえ、1ターン休みになるが、死亡するよりはペナルティを抑えることができる。
      • 本作では絶対に失敗しない

Bボタン以外は同じボタンを攻撃側と防御側が押すと防御側への効果が軽減される、あるいは逆転するようになっており、それぞれがじゃんけんの三竦みのような関係にあるため駆け引きが熱い。

パラメータに関して

戦闘中およびフィールド魔法の成功率、回避率などに影響を及ぼす5つのパラメータに関して下表にまとめる。

項目 内容
攻撃 高いほど相手に攻撃・必殺で与えるダメージが増える。
防御 高いほど相手からの攻撃・必殺で受けるダメージが減少する。
魔力 高いほど攻撃魔法で高いダメージを与えられ、同時に相手の攻撃魔法で受けるダメージが減る。
同様にフィールド魔法によるダメージにも影響を及ぼす。
素早さ 高いほど相手に攻撃が当たりやすくなり、同時に回避しやすくなる。
同様にフィールド魔法の命中率や回避率にも影響を及ぼす。
体力 体力1ポイントにつき、HPの最大値が10アップする。

戦闘の継続

  • 戦闘は1ターン中にそれぞれが1回ずつ攻撃と防御を行うことができる。
    従って、そこで決着が付かなければ、決着が付くまでターンが来る度に戦闘継続となる。
    • プレイヤー同士の戦いの場合は、対象のプレイヤーのターンごとにそれぞれ攻撃と防御を1回ずつ、決着が付くまで繰り返すことになる。

戦利品と敗北時のペナルティ

  • 勝利時
    • 相手がモンスター
      • 倒した場合は経験値とお金、時折モンスターが持っていたものを入手できる。
    • 相手がプレイヤー
      • 倒した場合は相手の所持品、所持金、統治している村、装備品のいずれかを奪える。
      • 降参した場合は相手の所持品か所持金を奪える。
  • 敗北時
    • 降参した場合は所持品か所持金を失い、更に次のターンでは戦う勇気を無くしてしまい、一回休みとなる。
    • 倒された場合は所持品か所持金、統治している村、装備品のいずれかを失う。
      更にその後、順位に応じたターン数が経過するまで最後に止まった教会かドカポン城に安置され、お休みとなる。

デビルで一発逆転!

最下位のキャラクターが一定の条件を満たした上でマップ上の特定地点に到達し、かつ全ての財産を差し出すことで、強力な闇の力を持つ「デビル」になることができる。
デビルになると全ての能力が5倍になる上、強力な装備品を纏うことができるだけでなく、モンスターが統治していない村に止まることで、その村にモンスターを召喚できたりするなど、圧倒的な力を持つ。
更に移動は常にルーレット3個を一度に回せる「3バイン」を使っているような状態となるため、圧倒的な機動力で他のプレイヤーを追い詰めることができる。
また、デビルとなったキャラクターとの戦いは、たとえお尋ね者でなくても「降参」を双方が選択できないため、デビルに襲いかかられた時点で原則的に死が確定してしまう。


評価点

  • RPGとボードゲームの融合
    • 今までになかった新ジャンルとして、RPGの冒険・育成要素、ボードゲームの対戦要素いずれも損なうことなく、かつ相乗させる形でゲームに昇華させた功績は非常に大きい。
    • ゲームの目的と世界がよくマッチしており、RPGのように「モンスターと戦って経験値やお金を稼ぐ」当時のRPGらしさをそのままにボードゲームとなったシステムはそのままプレイの没入感に繋がり、非常に遊びやすい。
      • 根本が対戦ゲームでありながら、場合によっては協力プレイで遊ぶ楽しみ方もできる。このタイプのボードゲームはライバルを蹴落とす方法が数多く用意されているが、それゆえに通常のプレイではあまりお目にかかれない終盤のダンジョンやそこに出没するモンスターを見る目的でのプレイも可能。
    • モンスターの強さも絶妙で、漫然と進めているだけではすぐに行き詰まる。武器防具を揃えれば大半は楽勝になるが、今度は盾魔法を常備しておかないと痛い目に遭う等、戦略や工夫が必要になってくる。
  • マップ全体はなかなか広く、かつ地続きでも高難易度の地域には特殊なダンジョンや難関を介さなければ到達しにくいため、探検は勿論攻略しがいもある。マップの一部には隠し要素も存在する。
  • 「禁断の友人関係破壊ゲーム」
    • まさにこの言葉通りであり、処女作としてはキャッチフレーズに恥じない邪魔や乱闘が可能。
  • 高い自由度
    • これだけ多彩な妨害手段が用意されているにもかかわらず、行うも行わないもすべてプレイヤーの自由である点、これもドカポンシリーズの特徴の一つ。上記にある通り、妨害するもよし、その気になれば協力することさえよし。シリーズ全般においてCMなどで上記のキャッチコピーのようなアピールは多いが、友情破壊しなければならないゲームではない。プレイヤー同士の動き方しだいで無数の展開が生まれる。
    • マップのつくりにも自由度は現れており、移動手段の許す限りどこへ行くもプレイヤーの自由。セオリーどおりに稼いでもいいし、大きく常識を外れたプレイをすることもできる。地道にコツコツと強くなることもできるし、適正レベルを大きく外れた場所にボスを召喚して全員をパニックに陥れることもできる。
  • その他
    • コマ数は少ないが各々のモンスターもそれぞれに攻撃時のアニメーションがあったり、先進的な面も数多く見られる。
    • BGMに関しても特殊なダンジョン毎に用意されており、戦闘曲も通常戦闘BGMに加え村を支配する中ボス的モンスターとビッグモンスターに個別にBGMが用意されており、それぞれ雰囲気もよくできており盛り上がりに寄与している。

賛否両論点

  • アイテムや魔法の仕様
    • 本作の仕様として、アイテムやフィールド魔法を使ってしまうと、それだけでターンが終了してしまう。
    • とはいえ、『3・2・1』がマジシャンゲーと言われたり、フィールド魔法と他アクションが同ターンでできるようになった『怒りの鉄剣』以降の作品では魔法関連のステータス極振りなどの現象が頻発した。
      そのため、それらに比べれば、ゲームバランスが取れているのかもしれない。
  • ドカポンらしさとも言える「一触即発」感が少ない
    • 「シリーズ内」での比較になるが、妨害手段の大半は「勝っているプレイヤー」が有効に活用できるケースが多く、以降の作品に比べると逆転の目が少なくマイルドになっている。
    • 最大の切り札であるデビルで行う妨害は「プレイヤーを殺害する」「村をモンスターに支配させる」が主で、逆転どころか一時的な嫌がらせにしかならない。
      • デビル状態でプレイヤーを殺害しても、ペナルティが軽いのがその要因。特にプレイヤーにとって最も重いペナルティである「装備品の剥奪」を意図的に行えない*2ため、殺害できてもせいぜい数ターンのお休みのみ。村を再びモンスターに支配させる場合も含め、トッププレイヤーを蹴落とすには有用だが、デビルになったプレイヤーに逆転の目が現れるわけではない。
      • また、通常マス・村マス以外ではバトルに持ち込む事ができないため、宝箱や店の集中するエリアに篭られると満足に妨害すらできなくなる。デビル状態ではフィールド魔法を使用できない(そもそも所持する事ができない)ので、こうなると手も足も出ない。
      • もっとも、仮に魔法が使えたとしても強制戦闘回避できる「キエるんです」が序盤の店で売っている等、デビル対策の手段は一つや二つではない。慣れたプレイヤー相手には本当にただの嫌がらせで終わってしまう。
      • また、デビル最大の弱点はシリーズを通して「自力で財産を稼げないこと」であり、したがって上位の蹴落としに満足次第、元の姿に戻って村の開放などにいそしみ、財産を稼ぎなおす必要があるのだが、本作では自発的に元に戻れる手段が無いため、長い週数経過後にデビルへ変身すると、元に戻れず資産を稼ぐチャンスを失ってしまう。

問題点

  • ゲームモードが単一
    • フリーモードしかなく、後作のようなストーリーモードやバトルロイヤル等が無いため、一度遊び尽くすと若干ボリュームに欠ける感がある。
  • ゲームバランス
    • ステータスの基本パラメータの重要性が「すばやさ」「魔力」に偏重している。
      • すばやさは敵攻撃の回避*3のみならず、フィールド魔法の回避力までも上がる為に非常に強力で、すばやさ特化のキャラクターに対しては主要な妨害方法の一部が実質的に封じられてしまう。また、すばやさの高いモンスターを武器魔法やカウンターなしで確実に捉えるメリットは武具購入時にも有利に働く。
      • 魔力は戦闘やフィールドの魔法の威力に直結する他、フィールド魔法の所持数や射程*4にも影響する。問題はダメージ魔法は相手の魔力との差で決定されるという点で、強力な魔法になるとほんの10~20程度の魔力差があるだけで致命傷となるダメージを叩き出す。
      • これらの点から「すばやさ」「魔力」の片方は高めておかないとライバルにまず勝てない。距離が近いとフィールド魔法が高確率で命中する為、適当な魔法でも簡単に即死する。
    • 一度差を付けられると逆転が難しい。
      • 特に序盤~中盤はビッグモンスターを倒すと高い賞金が得られる上にレベルも上がり、一気に差が開いてそのままズルズル進む展開になりがち。担当モンスターも全プレイヤーの平均から選定されるため、差が広がると低順位のプレイヤーはビッグモンスターに有効打を与えにくくなり、逆に高順位のプレイヤーが狩り続けてしまうケースも少なくない。
      • 逆転の方法はなくはないが、資産(村の所有権)を奪う方法に乏しい本作では資産の差を覆す手段も少なく、そのまま勝敗が決まってしまいがち。
  • 組み合わせによるバランスブレイカーの存在
    • 自身が瀕死になる代わりに敵を確実に葬る武器魔法「ゴウトゥヘル」の存在により、アイテムや教会ワープを使用して高レベルのモンスターが出没する地域に突撃するだけで序盤から簡単に猛烈なレベルアップができてしまう。
    • フィールド魔法「コチコッチン」「パペット」も凶悪で、前者はコロシアムイベントなどで一同が集会した後に使用する事でライバル全員を確殺できるため順番上1Pが有利過ぎる、後者は他プレイヤーを操り全装備売却などを駆使して再起不能に陥れる等。
    • 「おたずねもの」の賞金が「襲撃失敗時に村に溜まっていた金額」から算出されるため、収入の多い村のレベルをMAXにして交代で襲撃と討伐を繰り返す事で所持金の荒稼ぎができてしまう。協力プレイなら裏技で済むが、対戦時に一部のプレイヤーが結託した場合はゲームバランスが崩壊する。
  • イベント関連
    • ターン冒頭にビッグモンスターが時折ランダムでイベントを発生させるが、プレイヤー全員に不利益を与えるために逆転の要素になりにくく、順位の低いプレイヤーが相対的に大きな打撃を受ける事が多い。
    • 中でも「ふしぎなじゅもん」による複数ターンに跨った全土の暗闇は多くのプレイヤーに忌み嫌われる。
      • 暗闇が発生しているターンはアイテム・フィールド魔法使用不可かつ視界が制限され周囲の状況がほとんど分からなくなる*5。特にアイテム使用不能状態の影響が大きく、何より全プレイヤーが影響を受けるという点によりゲームの進行が一時的に停滞するだけのイベントでしかない。おまけに持続ターン数が無駄に長いのでプレイがだれる原因になってしまっている。
      • デビルは影響を受けずに通常の視界で行動できるので一応は妨害しやすくなる…程度。
      • 中間順位のプレイヤーまで総じてつまらないターンが長く続くので、イベント時の「ふしきなじゅもん」の表示終了前にリセットが定番。

総評

評価点の項にも書いたが、今までにないジャンル同士の融合を成しえた上で、対戦ゲームとして成立させた点は見事という他ない。
ただ、後作に比べれば幾分妨害要素の不足感は否めないが、本作をドカポンの導入編として捉えれば問題ない。

+ タグ編集
  • タグ:
  • 1993年
  • SFC
  • TBL
  • RPG
  • アスミック
  • ドカポン

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年11月27日 17:20

*1 お尋ね者になると全ての施設・自分が所持していない開放された村に止まれなくなる上、プレイヤー同士の対戦時に「降参」が選べなくなる。

*2 村や所持品があればそちらの遺失が優先される。

*3 敵が先手の場合のみ

*4 距離が離れるほど命中が下がるが、魔力が高ければ低下量を抑制できる。

*5 キャラクターの魔力によって視界は広がるが、逆に言えば大抵レベルに劣る低順位のプレイヤーほど視界制限が重く圧し掛かる。熟練したプレイヤーならマップを把握しているので対処は可能だが、そうではない場合は苦行に等しい。