電撃学園RPG CROSS of VENUS

【でんげきがくえんあーるぴーじー くろすおぶびーなす】

ジャンル 学園アクションRPG

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 アスキー・メディアワークス
開発元 ペガサスジャパン
発売日 2009年3月19日
定価 通常版:5,670円
プレミアムパック:10,290円
判定 なし
ポイント 電撃オールスターゲームの元祖
戦闘向き・不向きのキャラを上手く活用
作品チョイスはバランス重視
キャラ崩壊が目立つ
電撃文庫シリーズリンク


概要

  • ライトノベルレーベル・電撃文庫のキャラクターによるクロスオーバー作品。
  • 電撃学園に通う主人公はある夜、購買部で出会ったシャナと共に電撃文庫の世界を改変しようとする「絶夢」との戦いに身を投じていく事になる。その過程で電撃文庫の人気作品のヒロイン達も仲間に加わる事となる。

キャラクター

戦闘に参加するキャラのみ紹介。

  • 主人公(CV:竹本英史) 属性:闘
    • オリジナルキャラ。デフォルト名はなし。キャラクターデザインは『キノの旅』の黒星紅白が担当。
    • 私立電撃学園に通うごく普通の男子高校生。のはずだが、原作では2人がかりでも持ち上げるのがやっとの大剣「吸血鬼(ブルートザオガー)」をいきなり振り回せたり、各作品の男主人公の技をコピーして繰り出せたりツッコミどころはかなり多い*1
      • 単発の威力とリーチには優れるが、連続ヒット系の技が少ない重戦士型。前述の通り「幻想殺し(イマジンブレイカー)」や「三白眼」も使える。また彼のみレベルアップ時に自由にパラメーターを割り振って育てることができる。
  • シャナ(CV:釘宮理恵) 属性:闘
    • 『灼眼のシャナ』より。偶然出会った主人公と共に世界の謎を解き明かす冒険に出ることになる。探索では概ね陣頭指揮をとることになり、異世界に関する知識も豊富。
      • 体力とリーチにはやや不安があるが攻撃力と移動速度に長けている。必殺技は中~長距離対応の物もあるので汎用性は高い。
  • キノ(CV:前田愛) 属性:知
    • 『キノの旅』より。様々な世界を巡る旅人。それだけに異世界にあっても冷静で自分のペースをあまり崩さない。なお、諸事情あったとはいえ本作では原作の「3日間ルール」を破ることになる*2
      • 原作通り多彩なパースエイダ―(銃器)を使っての距離を空けた戦いが得意。隙が全体に大きいので距離を詰められないように戦うのがポイント。また原作では使用していないショットガン型のパースエイダーを使った技もある。
      • なお、今回はとある条件を満たすことで『学園キノ』仕様にも変身できる。グラフィック以外は一部パラメーターと属性(知→恋)が変わるだけだが。
      • 余談だが、前田愛氏がキノを演じたのは本作が最後となっている。
  • 伊里野 加奈(CV:野中藍) 属性:知
    • 『イリヤの空、UFOの夏』より。原作の世界観が世界観なので他のヒロインと比べてもやや悲観的な傾向がある。
      • 遠近両対応の万能キャラ。ただし、全体的なパラメーターは低め。必殺技は強力なものが揃っているが燃費は悪いので使い所が肝心。
  • 逢坂 大河(CV:釘宮理恵) 属性:恋
    • 『とらドラ!』より。非常に気性が荒い通称「手乗りタイガー」。片思いの祐作が他の人物と絡んでいると途端に不機嫌になる。
    • なお、主人公を除くと直接戦闘キャラの中では唯一実戦経験も特殊能力もない一般人。にもかかわらず木刀一本で紅世の王ともガチでやりあえる手乗りタイガーとは何者だろうか。
      • 同声優のシャナに近い性能だが、飛び道具がなく全て接近戦用の必殺技で構成されている点が異なる。全体的に燃費の割に威力が高い。
  • 三塚井 ドクロ(CV:千葉紗子) 属性:恋
    • 『撲殺天使ドクロちゃん』より。ほぼ原作そのままの性格でやたら暴走しまくる。その結果物語が進行したりもするので世の中わからない。
      • 非常に癖の強いキャラクター性能。破壊力はトップクラスだが、リーチの短さ、隙の大きさ共に他キャラの比ではない。

以下のキャラは「電撃カード」を使用するサポートキャラ。実際の戦闘には参加しない。

  • 乃木坂 春香 (CV:能登麻美子) 属性:恋
    • 『乃木坂春香の秘密』より。隠れアキバ系お嬢様。原作よりややキツイ性格に見える(大抵主人公の言動が原因だが)。インデックスの教えを受けて魔術に挑戦する場面も。
      • 主に回復系の電撃カードを得意とする。
  • インデックス(CV:井口裕香) 属性:闘
    • 『とある魔術の禁書目録』より。『とある~』のメインヒロイン(笑)。原作ではいろいろ事情もあって事件の中心に関われず、ファンから「インなんとかさん」という不名誉な名前で呼ばれることもあるが、今回は10万3千冊の魔法書の知識を活かし自ら異世界の謎を解くために奔走する。インデックスファンは必見だ。
      • 攻撃系の電撃カードを得意とする。…インデックスは魔法を使えないはずだって?魔法じゃなくて電撃カードだからセーフなのだろう。たぶん。
  • 水無神 操緒 (CV:戸松遥) 属性:知
    • 『アスラクライン』より。幽霊少女…ではなく「副葬処女(ベリアルドール)」というもの。それってなに?と聞かれると説明はすごく大変なので割愛。詳しくは原作を読んでください。ゲーム中でも軽く解説されている。
      • 召喚系の電撃カードを得意とする。属性は知だが、原作でもゲーム中でもかなりはっきりした性格であまり知的な描写は見受けらない。インデックスと属性が逆なんじゃないだろうか。

他隠しキャラも存在するが、ここでは扱わない。

特徴

  • システム自体はオーソドックスなARPG。一部のボスが強すぎる感はあるが、途中での難易度変更も可能。
    • 各キャラクターには3つの属性が設定されており、ジャンケンのような三すくみを構成している。闘→知→恋→闘…という順番である。
    • またサポートキャラ(インデックス、春香、操緒)が「電撃カード」と呼ばれるカードを使い戦いをサポート可能。
  • 「電撃カード」はいわゆるRPGにおける魔法のようなもので、攻撃・サポート・回復やそれまでに倒したボス敵の召喚、また永続的に効果を発揮する装備カードなど、種類は豊富。
    またそのカードの出典元は、メインヒロイン達の出典元である8作品はもちろんのこと、その他30作品以上にも及ぶ多様な作品群から採用されている。
    • 一例を挙げると、
      「マクスウェル」氷の槍で敵を攻撃(出典:「ウィザーズ・ブレイン」)
      「V-Sw」巨大な光の刃で攻撃(出典:「終わりのクロニクル」)
      「まーちゃんの包丁」敵味方ランダムに即死攻撃(出典:「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」)
      「あしたは昨日」時を戻しEPを使用前に回復させる(出典:「タイム・リープ」)
      「アリスのクラッキング」敵の残りHPと属性がわかる(出典:「神様のメモ帳」)
      他多数。
      • ただし、当然出典元というだけで、実際にそれらの作品のキャラクターが登場する、というわけではない。ただカードの説明文にはキャラクター名が書かれており、ファンはにやりとさせられること請け合い。
      • カードは合成して全く別のカードを生み出すことができる。組み合わせは様々で、中には意外な結果を生むものも。

評価点

  • 原作での重要な場面を巡っていくというシナリオになっており、原作未見者の購買意欲を湧かせるような作りになっている。
  • 終盤以降はメタ展開が中心となるが、違和感を覚えさせずに燃え展開へと持っていく。
    • 「イリヤの空、UFOの夏」「いぬかみっ!」「バッカーノ」はDS電撃文庫版を買って読むのも悪くない。
  • クロスオーバー自体はやや少なめだが、大河とシャナの絡みや陸を『臓物丸』と呼ぶドクロちゃん等、小ネタは多い。
  • おまけ要素として、電撃文庫の各作品(ゲームに登場していない作品も含む)の表紙と簡単なあらすじを見る事が出来る。
    • 一巻のみの打ち切り作品もしっかり読めたりするが、その割には有名作品が無かったりもする。
  • 『DS』でありながらほぼフルボイス。

問題点

  • 「一部のキャラが原作と全く似ていない」と言う、キャラゲーとしては致命的な欠点がある。
    • シャナやドクロちゃんはまだいいが、禁書目録・キノの旅・バッカーノのキャラは最早別人なレベル。
      • 一応一部のキャラは「敵が作った偽物」という設定がある。だが偽物とはいえ「バギーでひき逃げするシズ(キノの旅)」や「戦闘力を上げすぎて完全バーサーカー状態の黒崎朱里(アスラクライン)」なんて誰が見たいと思うだろうか。
      • しかし「超ご機嫌にマシンガンを乱射する師匠(キノの旅)」はむしろ原作より生き生きしているかも。
  • 戦闘時に道具使用や逃げる事(こちらは電撃カードで出来るが)が出来ない。
  • 戦闘時のアクションの入力はボタンなのに、「電撃カード」使用のみはなぜかタッチペンという謎仕様。
    • そのために喰らわなくていいダメージを喰らうことも多い。
    • というよりぶっちゃけ、咄嗟にカードを使う場合はタッチペンを使うより指で画面を押した方が早い。
  • また親切すぎるほどに回復ポイントが多数配置されているため、回復アイテムの意味が殆ど無い。
    • 回復アイテムは戦闘中に使えない上、回復ポイントが多いため使うほどのピンチに陥ることが少ない。
  • そして改竄された世界での謎解きもヒントが判りにくいものもしばしば。
    • 例えば第12章の刺客を罠にはめるための場所とか、第15章のボスに至る魔法陣を通る順番とか。

総評

様々な点で粗さは目立つものの、キャラゲーとしては及第点の作りをしている。
電撃文庫のファンで、メインを張っている作品のうち半分でも知っているのであればプレイして損のない出来であるといえる。
逆にファンでない者が積極的にプレイするゲームかといえば…。

その後の展開

  • 2011年2月10日に、『電撃学園RPG CROSS of VENUS SPECIAL』が発売された。
    • マップが斜め視点になったり、「電撃文庫目録」が2010年度までの刊行物対応になっていたり*3、さらなる高難易度の「電撃」モードが追加されている。また一部の「電撃カード」も、当時の主軸作品に合わせて変更されている*4