ワンダーボーイIII モンスター・レアー

【わんだーぼーいすりー もんすたーれあー】

ジャンル アクションシューティング+シューティング

対応機種 アーケード
発売元 セガ・エンタープライゼス
開発元 ウエストン
稼動開始日 1988年
プレイ人数 1~2人(同時プレイ)
判定 なし
ポイント シリーズ異色作にてアーケード最終作
立ち止まれない故の死にやすさ
ワンダーボーイ/モンスターワールドシリーズリンク


概要

1986年度制作の『ワンダーボーイ』、1987年の『ワンダーボーイ モンスターランド』に次ぐシリーズ三作目。
アーケードにおけるワンダーボーイは本作が最後となった。

初代ワンダーボーイの雰囲気やライフゲージを継続しつつ、シューティング色が強くなり、二人同時プレイが可能になるなど、シリーズの中でもかなりの異色作として見られている。

1~2人同時プレイ可能、全14ステージ構成、各ステージは2つのパートに分けられる。


特徴

  • このゲームはステージ毎に2つのパートがあり、パートによって操作性やシステムに相違がある。以下その詳細。
    + 詳細
  • 前半パートは強制スクロール型のアクションシューティング。操作方はレバーにて主人公の左右移動、二つあるボタンはショットとジャンプに使用する。なお、しゃがみ行動は一切できない。
    • 画面前方まで進むと、スクロールスピードが少し早くなる。また、高い壁がぎりぎりジャンプで届かない場面に遭遇した時は、ジャンプボタン連打をするとそれによじ登れる。
    • 画面上部にライフが表示され、これがなくなるとミスとなる。ライフは時間経過で自然に減少していく他に、敵の丸い弾に触れたり、段差につまずく事でも消費してしまう。
    • ライフを回復するには、所々に点在するフルーツアイテムを取る必要がある。フルーツによってはショットで撃ち込むと分裂するものがあり、単体で取得するよりもライフを多く回復しやすい。また、ミスすると復活時にライフが全回復している。
    • 「主人公が敵そのものに触れる」「ミサイルなどの強力な敵弾に触れる」「落とし穴に落ちる」「壁とスクロールに挟まれる」のいずれかにてライフ残量に関係なく即ミスしてしまう。
    • ときおりシャボン玉に封印されている妖精がおり、それに触れる(助ける)とライフ全回復や一定時間無敵化の効果が得られる。
  • 後半パートは純粋なる強制スクロール型シューティング。レバーにて主人公の八方向移動、ショットボタンでショットを放つ。前半パートでいうところのジャンプボタンは使用しない。
    • このパートではフルーツアイテムや妖精は出現せず、時間経過によるライフ減少もない。出現するアイテムは特殊ショット関連のみである。
    • ミス条件は敵弾を食らいすぎてライフがなくなるか、敵や強力な敵弾に触れるかのいずれかである。
    • このパートの各ステージ後方にはボスが存在し、それを倒すとステージクリアとなる。
  • 一部敵を倒すと落とす攻撃アイテムを取得すると、6種類ある専用の特殊ショットが時間限定で撃てるようになる。
    1つのアイテムを取る事に10秒の有効時間が増え、所持ショットと同じアイテムを連続で取るとその上から10秒が加算される。
    + 各ショットの詳細
    • (初期ショット)…アイテムを取らない状態のメインショット。前方に直進型のショットを放つ。
    • 「スパイラル」…射程は短いが、攻撃判定、攻撃力共に最高ランクを誇る。
    • 「ワイドリング」…前方五方向に広範囲のショットを放つ。
    • 「ビーム」…ショットボタン押しっぱなしで長く発射でき、連続ヒットしやすいビームを放つ。
    • 「ミサイル」…一度ショットボタンを押すとミサイルを発射し、その最中にもう一度ボタンを押すとミサイルが破裂する。
    • 「ファイヤーボール」…主人公の前後一方向ずつにショットを放つ。
    • 「ビックファイヤー」…主人公中心にてらせん状に発射される攻撃を放つ。すべての敵や壁を貫通し、ほぼ画面全体を攻撃できる高性能ショットだが、あまり登場しない。
  • 残機+ライフ制でミス後は途中復活、全部なくなるとゲームオーバー。コンティニューはできるが、初代ワンダーボーイやモンスターランド同様最終面ではコンティニューできない仕様。
  • あまり気づかれない要素だがジャンプ中にレバーの上下で滞空時間を若干調節できる。

評価点

  • グラフィックやBGM周りのクオリティは、当時の基準としてはそこそこの高さ。
  • ステージは全14ステージと非常に長いが、ボスのデザイン・攻撃バリエーション共に豊富で一切使いまわしがない。また、中盤以降はトリッキーな配置も見受けられるため、ゲームとしては中々やり応えのある難易度になっている。

賛否両論点

本作のゲーム性

  • ゲーム自体の完成度は悪くなく、本作から触れるプレイヤーにとってはあまり問題ではないが、前々作や前作をプレイした人間にとっては問題点に成り得る可能性がある。
    • 前々作は任意スクロール型アクション、前作はRPG要素の強いアクションだったが、本作は概念の項でも述べた通りシューティング色が非常に強いゲーム性と化しており、前二作プレイヤーからは異端の目で見られやすい。人によっては「これはワンダーボーイではない」と断言される程の変わり様であった。

問題点

  • 二つあるパートは共に強制スクロールであり、自分のペースにあった行動ができる余裕はほぼ無いに等しい。
    • よって、あらかじめ行動パターンを把握しないと強制的にミスとなる場面が多く、パターン覚えゲーとしての要素が強いのは前二作と同様である。
    • ステージが進むにつれ激戦となり、かなりの割合で即死の罠に遭遇する機会が増えるので、アドリブで攻略するのはまず不可能といっていいだろう。

総評

決してゲーム自体の完成度が低い訳ではなく、遊ぶ分には特に大きな問題はないが、ジャンルが異質すぎたのか過去シリーズ程のヒットには恵まれなかった不遇の一作。


家庭用移植

  • PCエンジン CD-ROM2版(1989年8月31日発売、ハドソン)
    • 移植担当はアルファ・システム。ゲーム内容は基本的にAC版を忠実に再現しているが、ラストステージの敵配置が変更されたりボス戦での特殊武器の制限時間が撤廃されていたりと、AC版と比べて低難易度寄りに調整されている。
    • また、BGMもCD-ROM2お得意のアレンジ楽曲に変更されている。アレンジ担当はハドソン作品に関わりの深いアラブ音楽奏者である竹間ジュン。
    • 2008年4月15日からPCE版がWiiのバーチャルコンソールにて配信されている(海外版の配信)、要800Wiiポイント。
  • メガドライブ版(1990年12月22日発売、セガ・エンタープライゼス)
    • ゲームタイトルが『ワンダーボーイIII モンスターレア』と微小に変更がされている(原作タイトルは『モンスター・レアー』)。
    • 二人同時プレイは原作同様可能。全9ステージに縮小され、グラフィックもやや簡素化されているが、BGMに関してはPCE版と比べてアーケード寄りに近い移植となっている。
    • 2009年1月6日からMD版もWiiのバーチャルコンソールにて配信されている、要600Wiiポイント。
    • また、かつてはMD版がセガゲーム本舗にて配信されていた時期もあった(現在は終了)。
      • 現在はSteamで公式エミュレーターを使用した海外版が配信中。要298円。
  • オムニバスソフト
    • 2007年3月8日に発売されたプレイステーション2ソフト『セガエイジス2500シリーズ Vol.29 モンスターワールド コンプリートコレクション』にて、本作のAC版とMD版が収録されている。
      • なお、本作はモンスターワールドシリーズではないが、関連作として特別収録となった。

余談

  • 本作の1P側主人公のレオは、『モンスターワールドIII』の主人公シオンの先祖と言う設定。
    • また本作の2P側主人公のプラプリルは、後のモンスターワールドシリーズにおいて彼女の子孫がプラプリル王家という形で存続している。
  • 本作の他に『チェルノブ』や『ホラーストーリー』などの強制スクロール型横アクションシューティングがなぜか同時期に集中的にリリースされていた。
    • また、本作と同年に旧セガからリリースされた『獣王記』も強制スクロール型の横アクションだった。

+ タグ編集
  • タグ:
  • アクションシューティング
  • AC
  • ワンダーボーイ/モンスターワールド
  • セガ・エンタープライゼス
  • ウエストン
  • 1988年

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最終更新:2023年08月05日 23:24