ゆきこいめると

【ゆきこいめると】

ジャンル 冬が大大大~好きになる甘々ADV
対応機種 Windows Vista~8.1
発売・開発元 FrontWing
発売日 2015年3月27日
定価 8,800円(税別)
レーティング アダルトゲーム
配信 DMM:2015年10月30日/6,995円
判定 なし
ポイント 冬モチーフのイチャラブゲー
癖は少なく取っ付き易い
シナリオは薄味
FrontWing作品リンク


概要

18禁ゲームメーカー「FrontWing」のななかまい氏デザインゲームでは3作目。しかし以前の○○ガールからは独立させた(現時点では)単発作。
今回は直近の二作とはコンセプトを大きく変え、シナリオ担当も一新している。
全体的に、というかこれまでの作品に比べれば非常にアクの少ないものになっていて、とにかく「純愛」と「イチャラブ」に特化した、ある意味ストロングスタイルなゲームである。


シナリオ

「だから、ふゆ部って何をするんですか?」
「冬を大いに楽しみ、愛でる部だよ」

学園一番の奇人、伊奈波うさぎから、
謎の部活―“ふゆ部”へと誘われた陸崎瞠
彼はまだこの雪深い街へ引っ越してきて3ヶ月の転入である。

新たな土地で迎える、初めての冬。
今までの常識が通用しない、雪国の冬。

寒がりで冬が大ッ嫌いな瞠は、
冬眠する熊のように、おとなしく春を待つ気だった。

なのに、学園一番の変人に目をつけられてしまったのが運の尽き。
うさぎを筆頭に、奇妙奇天烈なふゆ部の面々に囲まれ、
ふゆ部への入部を迫られる。

実は冬が苦手なクラスメイトの、姫巡たるひ
学園の烈風ハリケーンと称される破天荒なトラブルメーカー、烈風寺嘩音
汗っかきでみんなのお姉さん 兼 カイロ役の、宇奈月雫里
冬の申し子と自他共に認める大の冬月、白雪姫

そんな面子が住む、元旅館のふゆ部専用寮『冬源郷』へと誘われる瞠。
入部を断りつづけるも、いっこうに止まない勧誘に瞠は言う。

「どうして、そんなに入部させたがるんですか」
「キミがいると、もっと楽しそうだから」

はたして瞠は、経験したことのない冬を越え、
無事、春を迎えることはできるのだろうか?

-公式サイトより引用-


登場キャラクター

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  • 陸崎瞠(おかざきみはる)
    • 主人公。冬が嫌いなのに何故か雪国に転入してきた学生。口は悪いが性根は結構お人好し。
      従来の主人公と同様、ツッコミが鋭く的確で、ノリも結構いい。
      マフラーをかなり集めているようで、うさぎとはその部分だけ共感し合える仲。
  • 姫巡たるひ(ひめぐり-)
    • いつも余裕がなさそうで、見ていて不安になってくる少女。みんなの玩具と化している弄られキャラで、嗜虐心を駆り立てるものを持っている。
      何故かナチュラルに狐耳と尻尾を生やしているが、気にするとGAME OVERになる(本当)。シナリオで意味はない。
      瞠同様にうさぎに巻き込まれた側で、ふゆ部のエースと崇められるも、本人は極度の寒がりで冬が苦手。
      人間臭い部分が目立っており、良く言えば現実的で共感できるが、悪く言えば扱いが面倒くさい。
      意外にも個別ルートでは瞠を唯一呼び捨て*1で呼ぶ。途中でそれっぽい呼称に変えるが。
      一回り体格が良い雫里(60cm)よりもウエストが太い(62cm)、というか全キャラで一番太い。弛肥?
  • 烈風寺嘩音(れっぷうじかのん)
    • 一年生の後輩組。烈風ハリケーンと呼ばれる学園の名物女子。スノボーに文字通り命をかけている。
      諺やセリフ回しをズレた感じで言う癖があり、瞠に度々突っ込まれている。ハリケーンの異名は、
      某世紀末覇王っぽい祖父による影響が強いとのこと。常にテンションが高いため、ふゆ部以外の人はついていけない。
      これでも炊事は優秀で、世界各国の調味料をコレクションするほど。
  • 白雪姫(つくもゆき)
    • 一年生の後輩組。自他共に認める「冬の申し子」。しかしながら生まれは6月なので本人はそれを嫌悪している。
      チビっ子キャラだが、胸は全ヒロインの中で二番目の大きさを誇る。尊大な物言いが特徴。声色もどこかそれっぽくしている。
      「○○的なアレ」という言い回しを好んでよく使う。単に回りくどくなってるだけだが…。
      料理はできないが、鍋奉行としては非常に優秀。本人曰く、鍋の日は雪姫がぶぎょる(奉行をするの意)のが当たり前らしい。
      今回の原画担当の性癖キャラ(後述)。湯花と容姿が似てるが血縁関係はない。
  • 宇奈月雫里(うなづきしずり)
    • 三年生の先輩組。女神のような慈母のような存在。天然っぽい性格でいつも笑顔を振りまいてるが、実際は結構むっつり。
      冬であろうとも凄まじい汗っかきで、本人にとっては非常にコンプレックス。うさぎとは幼馴染で、うさぎの古女房のような存在。
      作中で最大の胸の大きさ(通称うなパイ)を持つ。その大きさたるや、彼女の「ぎゅ~」(寒い時に部員に振る舞うハグ)は自然に胸の谷間に身体の部位を挟んでしまうほど。
      部の炊事当番。エプロン姿が様になっている。個別ルートは変態な人向け。

下記サブキャラ

  • 伊奈波うさぎ(いなば-)
    • ふゆ部の部長で三年生。うさぎモチーフなせいか「兎角」(何にせよ、と同義)という言葉をよく使う。
      珍妙なマフラーと普段の奇行から『マフラーの奇婦人』と称されている、名物女子。
      老成しているように見えて、色恋沙汰には結構ウブなところがある。
  • 美澄湯花(みすみゆか)
    • 三十路目前の売れ残り教師。イチャラブの気配を感じると吐き気を催す傍迷惑な特異体質を持つ。
      嫌なことがあればすぐに酒に逃げつつ現実に不満をぶつける典型的なダメな大人。
      公式サイトでは雫里に 吐かせてあげなきゃ とまで言われているほどの飲兵衛。
  • 三橋さん(みつはし-)
    • 瞠とたるひのクラスメイト。下の名前は不明。基本的にこの二人以外とはあまり絡まないサブキャラ。
      攻略はできるが、シナリオは量的な意味であってないようなくらい。オマケとして割り切ろう。
      下ネタ大好きな耳年増なキャラ。イラストは目の部分がピンクの悪魔のように縦線だけで表現されている。
  • ゆだまる
    • 一般公募で誕生したご当地ゆるキャラ。デザインはたるひ。たるひにとっては落書きだったらしいが、妹が勝手に募集してしまった。
      きぐるみで街中に現れ、ふゆ部のメンバーが時折中の人を担当している。

評価点

  • ひたすら甘いシナリオ
    • 度を越したレベルのラブラブっぷりは突き抜けるくらいはっちゃけており、徹底している。
      これまでは純愛とはほど遠い癖の強いシナリオ主体だったが、今作は全キャラが純愛ストーリーとなっているため、安心してとことんヒロインとの激甘でラブラブなシナリオが楽しめる。
  • 冬要素
    • 冬の定番は大体揃ってるといってもいいくらい取り入れている。ふゆ部のモットーが「冬を楽しむ」部活なので、
      ふゆ部が絡むイベントは寒さを忘れてしまうくらい愉快痛快で楽しい。
      上記のイチャラブも加われば、寒い冬に打ってつけの温もりを感じられるだろう。
  • 安定して面白い(共通)シナリオ
    • 共通ルートは冬要素を取り入れつつも、魅力溢れるヒロインの可愛らしさを平等に感じ取ることができて、これまでの作品同様非常に面白い。
      イチャラブゲーではある程度暗黙の了解となっている『個別ルートにおける他キャラの介入のなさ』という問題は鳴りを潜めていて、他キャラとの絡みもしっかり表現されている。
  • 癖が少なめで楽しみやすい
    • シナリオが薄い(下記参照)以外はこれといった癖が少ないため、(イチャラブが嫌いでなければ)基本的に誰でも楽しめるので、とっつきやすいゲームなのは間違いない。
  • 不具合が少ない
    • 前作からわずか1年1ヶ月(ピュア→イノは1年5ヶ月)で発売されたにもかかわらず、テキストの不備やシステムの不具合はほとんど見受けられない。
      システム部分は流用なので当然と思われるが、キャラテキストのブレも(一部の主人公の立ち回りを除いて)ほぼないため、この辺は安心。
  • 改良されたシステム
    • 回想シーンではADVパートも兼ねた「Longバージョン」もしくはシーンのみを抜粋した「Shortバージョン」が選択可能。
      シーン前の雰囲気を思い出したい場合は前者、とりあえず使いたい場合は後者、と選択の余地が出た。

賛否両論点

  • 全体的に薄いシナリオ
    • 共通ルート経過後にヒロインを選べばすぐにルート確定なのはこれまで通り。
      ……なのだがヒロインと 結ばれる過程をすっ飛ばしており、気づいたら両想いになり付き合っていた というレベルで描写が不足している。主人公も所謂ヤるだけの存在。
    • 特定ルートでは恋に悩むキャラの葛藤と過程が多く描かれるものの、好きになった理由が ほとんど明らかになっておらず、逆に過程が蛇足 となってしまっている。共通ルート終了時点で、全ヒロインと既に両想いになっていた、と考えれば多少は補完できるが…。
    • 選択肢がほとんどない従来の設計にしても、『純愛』シナリオ*2ならば、その描写を丁寧に展開して欲しかったところではある。
      なお、ヒロインと心も身体も結ばれたら後はひたすらラブラブと冬を過ごすだけ。山らしい山も逆もほとんどない。言ってしまえば 『恋愛要素』が弱くシナリオが薄い
      同じ時期に発売された似たようなコンセプトを持ち、かつシナリオが薄いと評された別のゲーム よりも更に薄い *3、と書けば多少はご理解いただけるだろうか。
      とはいえ、イチャラブするのに難しいことを考えず、兎角『 可愛い彼女とひたすら甘く熱い冬を過ごせればいい 』という層も確かに存在するため、この辺りは割り切ったほうが楽しめるのかもしれない。
  • 話の舞台が狭い。舞台は学園、寮、街、と存在するが、メインパートはほとんど寮で、それ以外はほぼオマケ程度の存在。
    • 別にスケールが大きくあるべきジャンルではないが、田舎という特徴もあまりシナリオに活かされておらず、せせこましい印象が強まってしまっている。
  • テキストのネタ不足
    • これまでは『○○ガール』というシリーズで展開され、(グリザイア含)シリーズならではのお約束的存在もありファンの好評を得た。
      しかし、タイトルをシリーズから独立させたせいか、シリーズファンとしてニヤリとできる要素、また二次や時事ネタもほとんどなく、完全新作ゲームとして楽しむにはネタが弱い。
      ただし、登場人物はこれまでのシリーズのキャラにどこか似ている部分があり、前シリーズに通ずる単語が少しだけ出てくるため、全くファンサービスがないわけではない。
  • 特定ルートでの主人公について
    • 上記項目にも記載した特定ルートでは、他のルートと違ってちゃんとキャラ立ちしており、恋に悩む葛藤を出してくれるが、
      いざ結ばれたと思ったら ヒロインのことを大事に想いすぎて逆にヒロインに呆れられるヘタレさ を見せつけてイライラすることも。
      そもそも結ばれるまでの過程がヘタレさも相まって(ヒロインもそんな傾向なので仕方ないことではあるが)やたら長く、かといってその描写に読み応えがあるかと言うとそうでもないクオリティなので、引き伸ばし感が否めずにダレることも。
      結ばれてからは箍が外れたのか、かなり強引でオラつくようになり(途中だけだが分岐もある)、ヒロイン弄りも激しくなる。
      この点は抜きゲーとしての需要では問題ない部分だが、キャラのブレ幅が顕著になるのでそれはそれで気になる。

問題点

  • 自主規制音の使い方が変。
    • いわゆる性器をそのまま音声として再生するのはソフ倫理規定では自主規制が暗黙の了解(義務ではない)となっているので、ピー音で一部消すのが一般的である。
    • 本作では性器の単語は 特定部分 の音を消すようになっている。例えば『おだんご』という文字を規制する際は『おだ ピー ご』となる。
      それ自体は規定に則っているので問題ないのだが、台詞の中には『おだん…』と恥ずかしがって途中で単語を見切っているパターンがよくある。
      そうしたパターンですら同様に規制してしまっているせいで、ゲーム上では『おだ ピー …』となってしまい、 自主規制音を鳴らす意味がない
      だがルートによっては鳴らさないこともあるなど基準がいまいち不明。
  • システムボイスの減少
    • シークレットでダウンロードできるヒロインのシステムボイスが『攻略ヒロインのみ』となり、『サブキャラ』のシステムボイスはダウンロードできなくなってしまった。
+ ネタバレ注意
  • ハーレムシーンがない
    • ヒロイン攻略後に解禁される、攻略ヒロイン全員といいことをするおまけシナリオが存在しない。
      シナリオや設定重視で性的シーンをウリにしてるわけでないならなくても問題ないだろうが、本作は『萌えゲー』かつ『抜きゲー』の色が濃く、シナリオは二の次なゲームなので、ないのは物足りない。
      ハーレムシーンは本編で日の目を見ないキャラにも性的シーンがある、所謂サブキャラの見せ場(かつ救済)シーンとしても使われる。
      湯花といううってつけの人材(三十路なのに処女で、瞠とヤることも吝かではない描写がある)がいるのに非常に勿体無い。
      特にうさぎはキャラ紹介で触れた通り変なキャラではあるものの、良き先輩キャラとして人気が高いため攻略できないのを残念がるプレイヤーは多い。
    • 前の2作にはしっかり存在することから、何故本作で未実装としたのかは謎。

総評

非常に取っ付き易く、後腐れも癖も少ないかなり一般層向けのゲーム。ただし、シナリオが薄くテキストの読み応えは途中で失速してしまうので、それを期待するプレイヤーには退屈なゲームになる可能性はある。
ひたすら可愛いヒロインとイチャイチャしたい、そんな癒やしを求めるプレイヤーにとっては十分なクオリティが約束されるだろう。
このゲームに何を期待するか、それが本作の評価に直結する作品といっても過言ではない。


余談

  • 本作は紛れも無い「冬ゲー」*4なのだが、3月末発売と微妙に季節外れとなってしまった。
    プレイする時期をずらせばいいので、あくまで気分の問題ではあるが。
  • 定番となった原画担当が好んでいるシチュ(過激なので割愛するが)はやっぱり安泰。今回はなんとちゃんとした(?)Hシーンの一枚CGでそれをやってのけた*5
  • 2016年7月29日にDVD-PG版が発売された。2019年4月26日にはDVD-PG版の廉価版も発売された。
  • DMMのソーシャルゲーム『ヒロインメモリーズ』に本作のキャラクターが登場する。