HASHIRIYA 狼たちの伝説

【はしりや おおかみたちのでんせつ】

ジャンル レースゲーム
対応機種 プレイステーション
発売元 日本物産*1
発売日 1997年4月18日
定価 6,800円(税別)
配信 ゲームアーカイブス:2010年4月14日/600円
判定 クソゲー
ポイント 壊滅的な3Dグラフィック
不出来極まりない挙動
ストーリー等は一見の価値アリ


概要

『頭文字D』のブームで生み出されたと思われる、ニチブツこと日本物産から登場したレースゲーム第2弾。
今作はキャラクターも登場しており、魅力ある作品に仕上がるかと思われた。
しかし出来上がったものは…。


問題点

  • オープニングが余りにも意味不明。グラフィックもショボく、ゲームの内容とまるで噛み合っていない。
    • どんなオープニングかと言えば、まず最初に「HASHIRIYA」という明朝体の文字の後にテスタロッサと思わしき車のエンジンが映し出され、その後ヘッドライトが点く演出が入る。
    • その後謎のテクノチックなスペック紹介らしきシーンが映し出され、相手の黄色の車とのバトルがスタート。パッケージに描かれている車同士のバトルでは無い
    • レース中のシーンもかなり取って付け感が非常に強く、最後は路肩へドリフト駐車し、停車。最早ただのカッコ付けでこのようなオープニングにしたようにしか思えない。
  • メニュー画面の手作り感が悪い意味で感じ取り易い。
    • メニューアイコンは何故か実写。それも取って付け感満載。カーソルを合わせると僅かにアニメーションする。技術をアピールしているのだろうか?
    • モードはストーリーモード、フリーラン、タイムアタック、プラクティスしか無い。設定すら無い。
      • 設定自体はレース開始前のメニューでキーコンフィグのみ設定可能。
  • 壊滅的なまでにボロボロな3Dグラフィック。同時期の『峠MAX』は勿論、3年前に発売された『リッジレーサー (PS)』よりも酷い。
    • テクスチャがモザイクか何かにしか見えない部分も結構あり、超絶ローポリも相まって辛うじて形として見えるレベル。
  • 異常なまでに操作し辛い挙動。下手にドリフトするよりもグリップで走った方が良い。
    • ドリフトすると三人称視点だと車が横に向いて前が見えなくなってしまう。かと言って一人称視点でプレイすると、かなり見辛く運転し辛い事になってしまう。
    • ブレーキを暫く踏んでコーナーリングするとドリフトしてしまうのでグリップで走行するのが非常に難しい。
    • レッドゾーン付近を吹かしてスタートすればロケットスタートが出来、逆に失敗すると大袈裟に空転する所やドリフトしている間にアクセルを踏んでいるとコントロールが効かなくなるという無駄に凝った所も。
      • 特に「ドリフトしている間にアクセルを踏んでいるとコントロールが効かなくなる」は余計な仕様と言って良い。
  • 不安定寸前気味なストーリーモードのゲームバランス。序盤はまだしも、中盤からは上記の挙動も相まってかなり苦戦しかねない状況が多発。CPUは物凄い勢いで走行し、綺麗にドリフトする為、コーナーで追い付かれ、抜かれてしまう事は日常茶飯事。
    • 特に早見りょう編の最後のバトルは余りに難しく、ここで挫折したユーザーは数知れず。
    • 一方でフリーレースや複数台でバトルの最下位は相当遅い。
  • コースの造形がかなり簡易的。
    • 低速ヘアピンカーブがかなり丸っこく鋭利とは言えない物だったり、一本道コースもかなり単調で中途半端に難しい形状等、技術不足も甚だしい造形。
  • 実は説明書に隠しキャラを含めた全ての登場人物の名前が紹介されており、軽くネタバレしている。流石にキャラの詳細は最初から選べるキャラ限定ではあるが。

評価点

  • ストーリーモードの出来は中々。理解し難い部分も無い訳では無いが全体的に見れば水準以上。下手したら秀逸かもしれない。
  • キャラクターデザインは古臭さが見えながらも普通に水準値。
    • フリーレース後、搭乗車種次第で対応したキャラクターからの激励or励ましの言葉が聞ける。
      • 但しゲーム内2Dで表示されるキャラデザは画像取り込みでも無ければSFCレベル。『里見の謎』みたいに崩壊している訳では無い分それよりはマシではあるが。
  • キーコンフィグ自体は自由にボタンの割振りが出来る仕様。当時これが出来るゲームは珍しい方であった。
  • 前作ではスカスカだったBGMは、音源のチープさがまだ目立つもののちゃんと聴けるレベルにまで改善されている。
  • 収録車種は架空ではあるものの、フェラーリやマクラーレンを模した車種が登場している所はニヤリとさせる所。
    • 妙にスペックが細かく記載されてもいる。
  • コースの造形は汚いながらも特色を持たせようとしている姿勢が見える。設定も妙に細かい所が見られる。

総評

『頭文字D』らしさを表現しようとしたが、開発者の3Dの不慣れもあってかゲームとしては余りに壊滅的な出来になってしまった。
「レースゲームは素人が作るのには難しいジャンルである」とプログラムを経験した人は語るが、それを見事に体現してしまった良い例である。
しかしストーリーやキャラ等の魅力は流石脱衣麻雀を作るニチブツならではの出来であり、評価出来る点もあるだけに勿体無いと言える所もあるのもまた事実である。
この魅力に嵌ったユーザー達によってカルト的人気を得る事となった。