バトルフォーミュラ

【ばとるふぉーみゅら】

ジャンル カーチェイス+シューティング
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 サンソフト(サン電子)
発売日 1991年9月27日
価格 6,200円(税抜)
配信 プロジェクトEGG:2013年4月9日/500円(税別)
判定 良作
ポイント カーチェイス弾幕シューティング


概要

  • スーパーファミコンが登場した一年後にサンソフトが発売した、ファミリーコンピュータ用のソフト。
    • 昔ながらの『ロードファイター』や『ジッピーレース』などのカーチェイス要素と、『究極タイガー』や『雷電』などのシューティングの要素をミックスしたような、奇抜な内容である。

ストーリー

俺の名はジーン。天下無敵の運び屋だ!
今回の俺の仕事は、近ごろ世間をさわがせている大テロリスト団の開発した、謎の新兵器「バトルフォーミュラ」を奪い出すコトだ。
まあ、そいつのコクピットに潜り込むまでは首尾よくいったんだが・・・スターターを回したとたん警報がうなった!!
仕方がない、このマシンがどれほどのものか、命賭けの試乗会を始めるか!!

システム

  • 自機はバトルフォーミュラという車で、高速道路をひたすら走りながら敵を撃って倒す内容。全6面。
    • 操作方法は、十字ボタンで移動、Bでショットを撃ち続け、Aボタンで砲台を上下に動かしたりアイテムを使用したりするという比較的オーソドックスなもの。ステージによっては自機がボートや戦闘機に変形したりもするが、操作方法は変わらない。
  • また要所に登場するトレーラーを破壊すれば、「砲台が自動で相手を向く」「ライフ全回復+ライフ上限UP」などといった有利なアイテムを手に入れてゲームを進めることが可能。

評価点

本作は91年とファミコン後期に出たためか、同社が4ヶ月後に発売したかの『ギミック!』と同様に到底ファミコンとは思えない仕上がりとなっている

  • カーチェイスとシューティングという2つのシステムをうまく融合させたことにより、他のゲームでは見られない特有のゲーム性が生まれた。
    • たとえば「ザコ敵の車は当たっただけでは死なないが、それらに押し出されて橋から落ちると死ぬ」「雨が降って路面がぬれて、動くのをやめても慣性でつるつる滑る」「走っている最中にジャンプ台にのって次の足場へ飛ぶ」などの要素は、現実の車のようなリアリティがあり目を見張るものがある。
  • 技術的にも秀でた処理が目につく。
    • 自機のスピードが遅い状態で十字ボタンを左右に押すと、それに応じて自機も現実の車同様に少しだけ回転して斜め前を向いたり、ボスがべらぼうに巨大で弾幕やとてつもなく長いレーザーを放ってきたりと、グラフィックはスーパーファミコン黎明期と比べても遜色のないものとなっている。
      • また、ファミコンであるにもかかわらず大量のザコ敵の車やヘリコプターが前後から押し寄せたり、高速道路が弧を描いてカーブしたり、道路が分かれて行った先によって展開が変わったりと、手に汗握る展開も単調さがなく素晴らしい。
  • BGMは同社の『raf WORLD』同様に拡張音源をいっさい使用していない*1にもかかわらず、ハイファイで疾走感のあるステージ1、おどろおどろしさと緊迫感あふれるステージ2など、良い意味でファミコンらしくないバリエーションあふれる名曲たちである。
    • また効果音も、ザコ敵のヘリコプターを撃墜した際の「バーン!」やボス制覇の「ズドンズドンズドン…」、相手に当たった際の「ガポッガポッ」なども聞いていて爽快である。

問題点

  • 各ステージにおけるボスの動きやザコ敵の出現タイミングなどがいやらしく、プレイヤーの心理を読んでいるようで難易度が凄まじく高い
    • ステージ1のボスからいきなり3段階変形+ザコのお供アリという、鬼畜仕様。
  • アイテムのひとつ「C」が必須でありながら蛇足。
    • というのも、これは取ると「砲台が自動で相手を向く」という効果があり、取らないと話にならない程の難易度なのだが、その効果がある状態でもう一度取る度にAボタンで照準を調整し直さなければならない。
      • 当然ゲーム自体も高難易度故に、砲台に気を使っていられるはずもなく、これは一度取ったら二度と取るべきではない。
  • ステージをクリアしてもライフは一切回復しないため、せっかく苦労して強いボスを倒しても次のステージに入った途端にやられる、なんて理不尽な目にも遭う。
    • ライフ上限は1機やられると初期の4メモリに戻ってしまうのも厳しい。
  • 裏技で、クリアすると残機が20に増えるミニゲームがあるのだが、そのミニゲーム自体が難しい。しかも、失敗すると0機でスタートになる。失敗すると0というのは、死ねと言われているも同然の鬼畜。

総評

カーチェイスとシューティング、ありそうでなかった組み合わせに挑んだ意欲作。
現在はWindowsの『プロジェクトEGG』やPSの『メモリアル☆シリーズ SUNSOFT Vol.6』などで移植されているので、遊ぶ機会に比較的恵まれていると思われる。

余談

海外NES版のタイトルは『Super Spy Hunter』。ミッドウェイゲームズのアーケードカーアクションゲーム『Spy Hunter』の続編として発売された。サンソフトは『Spy Hunter』の海外NES移植版の開発・販売も担当している。

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最終更新:2024年01月31日 22:08

*1 ベースの音はDPCMで鳴らしている。これも「raf WORLD」と同じ。