アクション刑事
【あくしょんでか】
ジャンル
|
マルチ体感アクションゲーム
|
|
対応機種
|
アーケード
|
販売・開発元
|
コナミデジタルエンタテインメント
|
稼動開始日
|
2008年
|
プレイ人数
|
1~2人
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
爽快感と豊富な過去作ネタ・バカゲー要素が売り 技術的に10年は早すぎたゲーム ときどき反応が無いことがある 体力の無い人お断り
|
概要
今までにコナミが送り出した『ザ・警察官シリーズ』や『セイギノヒーロー』『モーキャプボクシング』『ウォートラントルーパーズ』といった体感アクションゲームの要素を多数取り入れたゲーム。
両手に構えて使う専用コントローラ(体感アクションコントローラ)を使用し、パンチを放ったり、ボタンを使用して銃などを撃つことができる。
物語は凶悪犯罪に立ち向う刑事二人組として事件を追っていくが、謎の洗脳技術「M.A.X.」によって強化人間となった犯罪者たちとの戦いを繰り広げるといった内容。
1P側のプレイヤーキャラ「ジェイク・テリー」が「ウォートラントルーパーズ」からの登場であったり、操作説明で出てくる男性が『サイレントヒルアーケード』の主人公「エリック・レイク」であったり、過去の作品で登場した「極道会」「ドラゴンヘッド」「NDF」などの組織が敵役として登場するなど、過去作ネタが豊富に用意されている。
タイトルが似ているが、セガの『ダイナマイト刑事』シリーズとはもちろん無関係。
システム
-
スタート時を除いて、全て左右の手に一つずつ持った体感アクションコントローラで操作する。銃等を使う場合は右手のコントローラを使用する。
-
パンチアクション
-
本作のメインアクション。コントローラーを握ってマーカーが表示された敵に向かってパンチを繰り出す。フックやアッパーといった動作にも対応している。顔の前にコントローラーを構えるとガードとなる。
-
攻撃が当たるのはマーカーが表示されている際のみで、それ以外の攻撃は漏れなく敵にガードされる(しばらくガードされる攻撃を繰り返していると警告メッセージが表示される)。
-
マーカーには攻撃をキャンセルするために必要な攻撃数が表示されており、指定回数パンチを出せれば攻撃を中断させ、大きな隙を作ることができる。そして気絶させれば「KO」と表示されたマーカーが表示され、そこにパンチをすることで敵を画面奥に吹っ飛ばして倒すことができる。
-
ガンアクション
-
マーカーが表示された敵に向かって、コントローラーのトリガーを引くと弾が発射される。画面外に向けると、盾を構え、弾の補充ができる。
-
スローアクション
-
手裏剣や皿を投げて敵に応戦する。コントローラーを横向きに振る。ガンアクションと似たような構成だが、パンチアクションのようにコントローラーを顔の前に構えなければ防御姿勢を取らないため、敵の攻撃を喰らってしまう。
-
ドライブアクション
-
車やバイクを運転する。両手でコントローラーを車のハンドルのように構えて操作する。障害物や敵の攻撃を避けていきながら進む、もしくは操縦しながら攻撃する。
-
ライフ+残機制となっており、ライフの減少量は受ける攻撃によって異なるが、システム上一発あたりの被ダメージはかなり大きめ。
-
各パートでは制限時間も設定されており、時間切れになると残りライフに関わらず即死してしまう。
おバカな点
-
主人公ジェイクが「漢なら学び直してまたかかって来い」「こいつは漢だな」など、何かにつけ「
漢
」に関するセリフを連発する。
-
基本的に敵は数で攻めてくるのだが、攻撃するのは一番前にいる一人か二人だけ。時代劇か。
-
敵が大量に出た場合はまるで有名店の行列のように敵が並ぶシュールな光景が見られる。
-
ステージ1のガンシーン後、「こいつはもう必要ない」と銃を捨てて先に進む。
-
このステージのボスはどう見てもビリーズブートキャンプの隊長。BGMまでエクササイズ風。さらに手下を人間魚雷のように投げつけてくる。
-
ちなみに名前は「ビーフィー」だがロケテスト版では名前が「ビリー」だった。
-
ステージ2ではヤクザの屋敷に攻め込むのだがなぜか忍者が出てくる。そのまま手裏剣を使ったシューティングを行うことに。
-
手裏剣パートが終わって次に向かう際に、ジェイクの後頭部に手裏剣が刺さっている。しかし次のシーンでは何事もなく消えている。
-
ステージ3のガンシーンは同社のガンシューティング『ウォートラントルーパーズ』の1面そのまんま。
-
因みに1P側のジェイク・テリーはそもそもにして『ウォートラントルーパーズ』の教官だったので、その繋がりなのかもしれない。
さすがにボスとして人型戦車兵器までは出てこないが。
-
ステージ5ではなぜか交差点のど真ん中でとんでもない量のヤクザと戦う。警察仕事しろ。
-
その後のボス戦がなぜか音ゲー。太鼓を使って戦うため太鼓の達人のパクリと言われることが多いがゲーム的には2ボタンのポップンのようなもの。高速交互連打のラス殺しもあり、反応の鈍さもあって地味に難しい。
-
ステージ6は操作性の悪いバイクから始まるのだが、トラックがリップルレーザーのような光線を発射する。
-
そして店に突入すると銃撃戦になるのだが皿を投げて応戦するシューティングに。
-
ボス戦はイーアルカンフーのBGMをバックにバトル。後ろの文字(ドット)もイーアルカンフー繋がり。
-
なお、技のいくつかはイーアルカンフーのものを再現しており、ボスはワイヤーで吊られている。さらにHPが減ると火炎放射まで行う。
評価点
-
今までにない操作系統を採用した事自体は評価の余地がある。
-
メインとなるパンチアクションでは気絶した相手にラッシュを叩き込み、群がる敵の大群をアッパーカットの一撃で派手に吹っ飛ばすことができ、爽快感抜群。上手く巻き込めれば一撃で敵を殲滅することも可能。敵も敵で明らかにオーバーリアクションな吹き飛び方をするので見た目もインパクトが強い。
-
ガンアクションや投擲アクションでは、この手のゲームではよくある民間人や同僚といった「撃ってはいけない的」が一切出現しないため、ガンガン攻撃できる。
-
BGMのクオリティは高い。上記のおバカ要素もありバラエティ豊かな楽曲が揃っている。
問題点
-
右利き向けのゲームとなっており、左利き用に操作形態を変更する機能もないため、左利きの人には若干きつい。
-
1ミスしたときの制限時間回復がない。そのため、やられるタイミングが悪いと復活直後に時間切れになり、2回死ぬことになる。
-
ただ、このゲームのガードは刀、銃撃、火炎放射、ミサイルでも防げる超性能なので、時間がやばくなったらガードし続けて残機を1つ犠牲にして進む手もある。
-
ゲーム開始時にコントローラーの補正調整を強制される。
-
途中で変更ができないので、調整を間違えるととんでもなくプレイしづらくなる。
-
車またはバイクを運転するシーンがあるのだが、反応しにくいゲームで2つあるコントローラーを持ってハンドル操作というのは無理がある。
-
というか、入力遅延で操作が無理。テストプレイしていれば分かるレベルである。
-
バイクを運転するステージ6では運転しつつ射撃まで行うはめになる。
-
どの動作もかなり大きくやれば確実に反応するが、見た目がカッコ悪い。まあ、こんなゲームやってる時点でカッコ悪いのかもしれないが。
-
2人同時プレイの場合お互いに接触判定があるので、押し合い圧し合いになって障害物に衝突する事態が往々にして起こる。実質友情崩壊ゲーである。
-
そもそもプレイヤーの体力がもたない。
-
前述の通り体感アクションゲームで全7ステージの長丁場をプレイするのでクリアするだけでも一苦労。ワンコインクリアできる人なんて余程のファンかそれこそ現役のアスリート位だろう。
-
もしかしたら「漢ならこれくらい乗り越えてみせろ」と言う開発からのメッセージなのかもしれない…
総評
一言で言えばテストプレイ不足。
遊べないことはないものの、操作性が非常に悪い事が足を引っ張ってしまっている。
全体的に漂うバカゲーなノリやゲーム自体の出来・アイデアはいいだけに、上記の問題さえなければ遊びやすかったと悔やまれる作品である。
余談
-
家庭用移植は行われていないため、今から遊ぶのは困難。
-
サウンド担当は小野秀幸、スペシャルサンクスとして佐藤直之(猫又Master)、大井藍子、中村康三が関わっている。
-
ラストはいかにも
ここまでの流れから、どう見てもバレバレな黒幕が現れて続編がありそうな結末で終わるが、当然と言うべきか続編は出ていない。
最終更新:2024年03月04日 21:05